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＊＊＊ うそばっかりのうささぎのはなし ＊＊＊
(第7話）
さて、さて、クロクロのお姉さん（クロクロの飼い主）のところへクロクロ家出
の報告にやって来た、うささぎとくまった。
うささぎ「というわけで、クロクロは『家には帰らない』って言ってるけど。」
お姉さん「もうクロクロったら、しょうがないんだから。」
うささぎ「うささぎが連れ戻して来ましょうか？」
お姉さん「えっ？ どうやって？」
うささぎ「武力解決策をとり、クロクロ奪回作戦を決行します。
骨のある『ぬいぐるみ』を５、６匹集め、武装してマリエちゃんの
家へ強行突入、クロクロを奪回します。」
お姉さん「ぬいぐるみに骨なんてあるの？」
うささぎ「もののたとえです。
くまったはどう思う？」
くまった「クロクロ奪回作戦かあ。なんかすごそうだね。人質を助けるアメリカ
の映画みたいだ。ワクワク、ドキドキするね。」
うささぎ「うん。
もちろん、くまったも作戦実行部隊の一員として参加してくれる
よね。」
くまった「えっ？ 危なくない？」
うささぎ「武装して突入するんだから、多少の危険はつきものさ。」
くまった「くまったは、その、、、、あの、、、、
ねえ、うささぎ。考えたんだけど、無理矢理クロクロを連れ戻しても
駄目だよ。クロクロ自身が納得しないと、連れ戻しても、また
マリエちゃんの家へまい戻っちゃうかもしれないよ。」
うささぎ「言えてるね。奪回作戦はやめよう。」
くまった「それがいいよ！」
お姉さん「そうそう。ぬいぐるみが武装したとしても全然強くなさそうだし。」
うささぎ「そうだけど、そう言われると何かガッカリだなあ。」
お姉さん「まあまあ、気にしないで。
やっぱり、あたしが直接行って連れ戻してこないとダメか。」
うささぎ「お姉さんは行かない方がいいって、ミミズク博士が言っていたよ。」
お姉さん「なぜ？」
うささぎ「お姉さんが連れ戻しに行ったときに、クロクロが意地張って
『帰らない』って言っちゃうと、今度クロクロが家に帰りたいな、と
思ったとき、意地張った手前帰れなくなっちゃうって言うんだ。」
お姉さん「それはあるかも。」
うささぎ「まあ、そんなわけで、ここはうささぎ達におまかせください。
クロクロを連れ戻して来ますよ。」
お姉さん「うーん、うささぎ達に任せるより他に手はないか。」
うささぎ「はいはい」
＜次の日になって＞
マリエちゃんの家に居るクロクロの所へ説得に向かう、うささぎとくまった。
クロクロに帰るよう言いに行くんだ。
くまった「どうやってクロクロを説得するんだい？」
うささぎ「いま『帰ってこいよ』って言っても駄目だろうから、とりあえず
『お姉さんのところに顔出せよ』って言ってみるつもりさ。
お姉さんに会えば、また気持ちも変わるかもよ。」
くまった「ふーん。でも素直に言う事聞くかな？」
うささぎ「クロクロをおだてて、お姉さんの所へ行ってみようという気にさせれ
ばいいのさ。クロクロは誉め言葉に弱いんだ。
マリエちゃんにチヤホヤされて、なびいちゃったってことは、
うささぎたちがチヤホヤしたら、こちらになびくことも有り得るって
事さ。」
くまった「『クロクロ敗れたり』ってとこだね。」
うささぎ「うん。」
くまった「あとは逆にうささぎがお金で買収されないよう気をつけるばかり
だね。」
うささぎ「そうだね。」
つづく
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