陰陽五行説





古代中国において、もともとは別々に成立していた、陰陽説と五行説とが漢の時代に合体したものをいいます。

        ●陰陽説とは
        万物を作り出す相反する二つの気を「陰陽」といいます。
        陰は「月」「女」「夜」「秋」「冬」などのように消極的な性質をもっています。
        陽は「日」「男」「昼」「春」「夏」ばどのように積極的な性質をもっています。
        この陰と陽がお互いに作用しあって万物造り出されたと考えられていました。
        さらにこの陰陽の二元として、さらに四象という四元に展開し、この四元から森羅万象を構成する
   8つの気の状態「八卦」(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)へと展開する易の思想へと進みました。

        このような説を陰陽説と言います。

        占いで「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ということわざの八卦はこの陰と陽とを示す三個の算木を組み合わせて
        出来る八種の形をいいます。
        街角で「易」と書かれた易占いをみかけますが、この易占いは『易経』の原理に基づき、筮竹(ぜいちく)と算木
        (さんぎ)とで吉凶を判断します。

        陰陽道も『易経』が根本理論ですが陰陽五行説に基づき天文・暦数・ト筮・相地・方位などにより判断されます。

        ●五行説とは
        万物・万象を「木火土金水」という五つの気(精霊)の動き(五行)に還元し、五行の木火は陽、金水は陰、土は
        その中間に存在するとし、これらの関係から全ての現象を把握・説明しようとする思想です。

        ●五行思想における時間の概念
        木=春・朝(草木が芽生える)
        火=夏・昼(燃えさかる炎のように暑い)
        金=秋・夕方(金属には輝きがある)
        水=冬・夜(冷たい冬の訪れ)
        土はどの季節にもまんべんなく訪れる。「土用」と呼ばれている。

        五行の思想に基づいて時間が流れ、四季が生まれた。

        ●五行思想における空間の概念
        木=東
        火=南
        金=西
        水=北
        中央が土

        陰陽で分けると
        陽=木・火
        陰=金・水
        陰陽半々=土

        五行の「五」とは、五つの惑星「歳星(木星)」「螢星(火星)」「鎮星(土星)」「太白星(金星)」「辰星
        (水星)」から来ているとされている。

        また「五行相生相克」という考えもある。
        前漢時代の儒家・董仲舒(紀元前二世紀)による相生説とは木から火は生じ、火から土が生じ、土から金が生じ、
        金から水が生じ、水から木が生じるというお互いに対立せずに流れるという考えです

        戦国時代の思想家、鄒衍による相克説とは木は土に克ち、土は水に克ち、水は火に克ち、火は金に克ち、金は木に
        克つというお互いに対立するという考えかたです。
        つまりこれらの循環説をもとに吉凶を占うようになりました。

        ●万物は五行が基本

        『五色』相撲でいう「東の青房」「西の白房」「南の赤房」「北の黒房」中央は土=土俵の色

        『五龍(五神)』は「東の蒼龍(木気・東に対する)」「西の白虎(金気・西)」「南の朱雀(火気・南)」
        「北 の黒龍(玄武とも言う)(水気・北)」「中央の黄龍(土気・中央)」五龍祭は陰陽道の雨乞いの儀式
           
        『五腑』は「胆・小腸・胃・大腸・膀胱」

        『五臓』は「肝臓・心臓・肺・腎臓・脾臓」

        『五常(五徳)』は「仁・礼・信・義・智」(聖徳太子の冠位十二階の徳目)

 
 五行 
 <木> 
 <火> 
 <土> 
 <金> 
 <水> 
黄色
季節
土用
方位
中央
西
天体
歳星
螢惑
鎮星
太白
辰星
蒼龍
朱雀
黄龍
白虎
玄武
 


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