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97/02/08 21:55 04950 カーフ その本は????

04948へのレス
 Risyoさんへ。  カーフです。  「私はですね、WHキャラ全員の水着写真が載っている本を持っているんですよ」  え!その本は????  い、一体・・・探してみます。  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/08 21:55 04951 カーフ RE:RE^18:歓迎レス感謝です>カーフさん

04948へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「え、設定資料集なんてものがあるのですか」  いえ、そういう意味ではなく、「あったらいいな」です。申し訳ありません。  「そこがまたいいんですよ」  ま、萌えキャラは何をやっても萌えますからね(笑)  「そういえばまだあのイベント成功させた事がないんですよ」  頑張って成功させて下さいね。  「何よりこの私に会長という大役は出来ないです」  やっぱり、本当の会長に来てもらうしか・・・  それでは。    EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 02:28 04952 Risyo RE:その本は・・・

04950へのレス
 ども、カーフさん。Risyoです。   > 「私はですね、WHキャラ全員の水着写真が載っている本を持っているんですよ」 > え!その本は???? > い、一体・・・探してみます。  伏せ字なしで書きます。    タイトル「ゲーム美少女年鑑VGGF」(アクションバンド電波別冊)     発行所:(株)マガジンランド 編集:(有)トラップ     雑誌コード:01518-03 定価: 1,450円(税込)  ですが、問題は・・・     1996年 3月30日発行  なんですよ。  それに「第1刷」とかいう言葉も見当たらないので、たぶん雑誌扱いだろうし。  こういう性質の本ですから、今は店頭に置いてないと思います。  バックナンバーを本屋に注文するしかないですね。  キャラクターのプロフィールもかなり詳しく書いてますから、  取り寄せて損はないと思いますよ。 (ただし男性キャラ&セシルはなし。  マニュアルにも書いてない、出身世界の名称とか、3サイズとか・・・)  古本屋を探すという手もありますが・・・どうします?  ではでは。Risyoでした。               ソーニャ学研究学会 NO.19=劇場イベント管理人=  この本、なぜかミュリエルが眼鏡かけてない・・・。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:31 04953 Cona SS:紅の傀儡(前編)/転載

「ここはどこなのでしょう・・・」  頭にピンクのリボンをした和服姿の少女は、森の中を迷っていた。 「えーっと・・・ 屋敷はこちらの方向でしたわね」  と、当たりをつけた方向に歩いていく。  やがて、木々が途切れ、崖に穿たれた洞窟が現れた。 「まあ・・・ こんな所に洞窟が・・・」  しばらく、その場に立ち止まる少女。 「・・・?」  何か声が聞こえたような気がして、少女は辺りを見回した。 「この中に誰かいらっしゃるのでしょうか?」  こくん、と首を傾げて考え込む。 「そうですわ、その人に道をおたずねしましょう!」  そう言って、少女は洞窟の中に入っていった。 「だからだな、ここが、こーなって、こーなって、こう。・・・わかった か?」 「う、うーむ・・・」  蒼紫は、額に手をあて、やけに冷や汗をかきながら唸った。 「す、すまぬ、ルーファス殿。もっとゆっくり言ってくださらぬか」 「・・・・・・・・・・・・」  ふぅ、と息をつき、さっきよりもゆっくりと、図まで書いて説明した魔 法理論を一から蒼紫に説明しはじめるルーファス。 「あっれー? 蒼紫センパイ、まだそんなコトやってるのー?」 「う、メ、メリッサ殿・・・」 「メリッサ・・・ 邪魔はしないでくれよ」 「そんなコトしないわよーん。あっ、ねぇねぇマスター、前から思ってた んだケド、ここをこーしたらどうなっちゃうの?」  言いながら、図に何か書き込むメリッサ。 「ああ、その場合は、ここがこーゆーふうに作用して・・・」  と、蒼紫からすればまるで異国の言葉のように意味のわからない会話を 始める。 「・・・と、こーなる」 「へー、さっすがマスター!」 「・・・はっ! 今は蒼紫に教えてるんだった! すまん、蒼紫」 「い、いや、構いませぬよ」 「あ、マスター、メリッサわかんない所があるんだけど、ハディール導師 の三大原則って何だったっけ?」 「・・・をい」 「メリッサ殿・・・ ハディール導師の三大原則というのは、町中での@ 魔法による営業妨害の禁止、A魔法による破壊行為の禁止、B魔法による 殺傷の禁止、の3つですよ。  確か、全世界で適用される法律だったはずですが?」 「あれぇ? そーだったっけ?」 「・・・それだけのコトが言えて、なぜこんな簡単なコトができん?」 「え? それって、メリッサのコトじゃないよねー?」 「も、もしや私のコトですか?」 「二人ともだ、二人とも!」  ルーファスは、思わず力いっぱい叫んだ。 「はぁ・・・ 魔法とはかくも難しきものか」  蒼紫は、自室のベッドに身を預け、ゆううつそうに息を吐いた。  今まで、魔法という分野にはほとんど足を踏み入れたコトのない蒼紫に は、魔法というのは実に理解しがたいものだった。  気を取り直して、届いていた封筒を手に取る。  宛先は「S&W紅・蒼紫様」、差出人は「紅・菖蒲」となっていた。 「母上から・・・?」  なんとなくイヤな予感がしたが、封を切って手紙を取り出す。 「・・・な、なんと!?」  そこに書かれていたのは、ありきたりなほんの一言だったが、蒼紫を取 り乱させるのには十分すぎた。  すなわち、 ”父危篤、すぐ帰れ”  それから3日。 「あ、マックス!」 「お? 何だ、ルーファス?」  マックスは、アカデミールームに入ると同時に声をかけられ、ルーファ スの方を向いた。 「お前、2年だったよな? 蒼紫を見かけなかったか?」 「蒼紫? ここ3日ぐらい見てないなぁ・・・」 「よお、ルーファス」 「あ、チェスター! 蒼紫見なかったか?」 「・・・一年の俺が、ここ以外でどーやって2年の蒼紫を見かけろってい うんだよ」 「あ、いや、それならいいや」  不機嫌そうな顔になったのを見て、あわてて言うルーファス。 「どうしたんですか? ルーファスさん」 「システィナ、蒼紫を見かけなかったか?」 「はぁ・・・ わかりませんねぇ」 「・・・そ、そうか・・・」 「何? 蒼紫センパイいないの?」 「ああ・・・ 姿が見えないんだ」 「誰か、知っていそうなヤツとか、心当たりねーのか?」 「う」  チェスターに言われて、ルーファスは絶句した。 「・・・あるんなら、俺たちに聞かねーでそいつに聞けよ」 「いや・・・ それはそーなんだケド・・・」  なぜか言葉を詰まらせるルーファス。 「それが、俺の一番苦手でイヤなヤツなんだ」 「ほお。どのように嫌なヤツなのかね?」 「そりゃあもう、俺たちを目の敵にしてるんだよ! もう重箱のスミをつ つくがごとくあら捜ししてさ、廃部廃部ってうるさいのなんの!」 「ま、ますた〜、後ろ・・・」 「しかも、こいつがまた地味で・・・ あ? 後ろ?  ・・・げえぇっ!」  後ろを振り向き、凍り付くルーファス。 「地味で? それで、何かね? ルーファス・クローウン」 「まぁ、こんにちは、生徒会長さん」  アカデミールームの入り口で仁王立ちしていたのは、S&Wにその人あ りと歌われる(ほんとか?)生徒会長だった。 「あ、いや、その・・・ 地味で、清く正しくて、魅力的だな、と」 「そ、そうか」  ルーファスに言われて、くるりと後ろを向く生徒会長。  てっきり冷たい視線でも向けられると思っていたルーファスは、思わず あっけにとられた顔をしてしまった。 「あー・・・ 華の国だぞ」 「え?」 「紅・蒼紫のいる場所だ。彼は今、実家に帰っている」 「な、なんで生徒会長がそんなコトを?」 「紅・蒼紫とは、儀を重んじる男だ。私にだけは話を通していった。  父親が危篤だそうだ。本人に口止めされていたのだが・・・」 「な、なんだって!?」 「今回だけは・・・」 「俺達に黙ってるなんて・・・ みずくさいじゃないか!」 「メリッサたちも、蒼紫センパイのお父さんのお見舞いに行こうよ!」 「特別に・・・」 「お前は、華の国が見たいだけだろーが」 「華の国か・・・ 強いヤツいるかな?」 「教えて・・・」 「まあ、全身がかゆくなりそうですね」 「それは”蚊”だろ・・・」 「・・・人の話を・・・」 「ともかく、ありがとう。エリザ生徒会長!」 「えっ・・・」  生徒会長は、あっけに取られたような顔をした。 「よし、今すぐ蒼紫を追うぞ!」 「じゃ、1時間後に学内広場で待ち合わせしようぜ!」 「おっけー!」  そう言って、ルーファスたちは外に駆け出していった。 「ありがとう・・・ それに、私の名前を・・・」  呆然とつぶやく生徒会長。  この日、彼女はずっとこんな調子だったという・・・  場面ははるかな道のり越え、華の国。  のどかな日差しの照らし出す道を、買い物かごを持った、着物を着た和 風の美人が歩いていた。 「姉上ーっ! 楓姉上ーっ!」 「あら?」  彼女は、にこやかな笑みを崩さないまま辺りを見回す。  紅家の長女であり、茶道の達人でもある。 「あら、やっぱり蒼ちゃん」 「あ、姉上・・・ 蒼ちゃんはやめていただけませぬか・・・」 「2年ぶりねぇ。元気だった? あら? 確かS&Wは3年制だったハズ よね?  だめよぉ蒼ちゃん、中途半端は」 「そ、それよりも姉上、父上が危篤というのは・・・」 「あ、そうそう。この前お父様が倒れられてね・・・」 「な、なんと、やはり・・・」  それだけ聞いて、去っていく蒼紫。 「・・・それが、なんとぎっくり腰だったのよ。もう、お父様もお年なの に・・・  あら? どこに行ったの? 蒼ちゃんったら・・・」  首をかしげて、楓は再び歩き出した。 「母上ーっ!」  20歳半ばぐらいの女性が、道を掃く手を止めて顔を上げた。  紅 菖蒲。蒼紫の母親であり、これでも50近くである。 「おや、蒼紫。途中で挫折して逃げ帰ってきたワケですか?」  にこやかな顔を崩さず、あっさりそう言う菖蒲。  楓と似た顔立ちをしているが、性格は全然違う。 「ち、違いますよ、母上。ところで、父上は・・・」 「私がどうかしたか?」  家の中から、厳しそうな雰囲気の初老の男性が現れた。  紅 蒼柳、蒼紫の父親だ。 「ち、父上・・・ き、危篤なのでは・・・」 「私が危篤? 誰がそのような?」 「は、母上からの手紙で・・・」 「私は知りませんよ」 「それは書いたのは私よ」  家の中から、さらにもう一人現れる。  長い髪を後ろで無造作に縛ってまとめた、黒髪の女性だ。  紅 椿、茶道や華道よりも武道の道を選んだ、紅一族において2番目の 実力を誇る強者である。  無論、一番は蒼柳だ。 「つ、椿姉上・・・」 「椿・・・ どういうつもりだ?」 「奴らを倒すには、私たちの力では不可能なコトぐらい、わかっているで しょう?  だから、蒼紫を呼んだまでです」 「椿・・・!」  蒼柳が、怒りを含んだ視線で椿を見る。  しかし、椿はそれを全く動じずに受け止めた。 (奴ら・・・?)  蒼紫には、話の論点が見えていない。 「・・・やってしまったコトはしょうがない・・・  蒼紫、お前はすぐにS&Wに戻るのだ」 「し、しかし・・・」 「父上! 紅家の時期当主として、これは、蒼紫にも関係のあるコトでし ょう!?」 「そうですよ、時期当主としてふさわしいかどうか、蒼紫に与えられた試 練と思えばよいのではありませんか?」 「む、むぅ・・・」 「ただいま戻りました」  買い物かごを下げた楓が、いつの間にか蒼紫の背後に立っていた。 「あらあら蒼ちゃん、先に帰ってたのね。  今日は泊まっていきなさい、久しぶりに会ったんだし」 「・・・勝手にしろ」  あきらめたように言って、蒼柳は屋敷の中に入っていった。  その後を、楓と菖蒲がついていく。 「・・・蒼紫、桜たちの話は、しない方がいいわよ」 「え・・・? 姉上、それはどういう・・・」 「椿、蒼紫。早く家に入りなさい」 「はい、母上! ・・・蒼紫、それだけは覚えておきなさい」  それだけ言って、椿は長い髪を揺らしながら屋敷の中に戻っていった。  その晩、夕食の席に、桜、百合、若葉の姿はなかった。  それが気になった蒼紫だが、椿の言ったとおり、それを口には出さない でいた。  暗く重い空気が、その場を支配する・・・ 「ごちそうさまでした」  楓が、そう言って、食器を持って席を立つ。  薄暗いろうそくに照らされた中で、ひとつの存在がいなくなったことに より、闇がさらに濃さを増したような気がした。 「父上・・・」  たまりかねて、蒼紫が口を開く。  その蒼紫を、椿が目で制した。 「何だ?」 「・・・いえ、何でもありません」 「・・・桜や百合たちのコトが気になっているのだろう」  かちゃり・・・  菖蒲や椿の箸が止まった。 「父上・・・ それは・・・」  かすれた声で、椿がつぶやいた。 「きゃあああぁぁぁぁっ!」  話を中断するように、楓の悲鳴が響きわたる! 「そ、そんな!?」 「くっ、先に楓を・・・!」  蒼柳は飾ってあった刀を持ち、椿は素手のまま飛び出していった。  ただごとではない雰囲気を感じた蒼紫も、神姫艶と黒夜叉をつかんで二 人の後を追った。 「貴様ぁっ・・・!」  蒼紫が駆けつけたのは、ちょうど蒼柳が2本の刀を抜いた時だった。  竹林を背に、甲冑をつけ兜を目深にかぶった人物が、脇に気絶した楓を 抱えている。 「何者です!」  蒼紫も、神姫艶と黒夜叉を抜く。 「我が名は、鎧姫(がいき)」 「え・・・?」  ぽつりっ、とつぶやいたその声は、女性のものだった。  しかも、蒼紫にも聞き覚えのある・・・ 「そして、我が名は剣皇(けんのう)」  闇からにじみ出るように、長尺刀をかついだ軽装の女武者が現れた。  その顔を見て、蒼紫は思わず叫んだ。 「さ、桜姉上! ・・・それに、その声は百合姉上!  こ、これは一体・・・!?」  その問いには答えず、鎧姫・・・百合は、甲冑をまとっているとは思え ないほどの身軽さで竹林の中に消えていった。  そして、それと入れ替わりに剣皇・・・桜が高く跳ぶ!  その高さ、およそ5メートル! 「な、何っ!?」  ガキイィィィン!  無表情のまま、物凄いスピードで振り下ろされた長尺刀を、蒼紫はクロ スさせた刀でなんとか受け止めた。 「・・・死ね」  淡々とした、感情のこもっていない声に、蒼紫の背筋が寒くなる。 「くっ・・・!」  桜の人間離れした力に、蒼紫の足下の床が、めりっ、と音を立てた。  ぶしゅあっ!  それと同時に、桜の両腕から鮮血が吹き出す! 「さ、桜姉上!?」  しかし、桜はそれには反応せずに力をこめた。  新しく吹き出した鮮血が、蒼紫の顔を赤く染める。 「ぬおおぉぉぉっ!」  その桜の背後から、蒼柳が2本の刀を振り下ろした!  桜は、振り向きもせずに左腕を一閃させた。  ザシュウッ!! 「・・・・・・!」 「父上っ!!」  刀が折れ、まるで自分から裂けたかのように、蒼柳の胸から鮮血が吹き 出す! 「りゃあああぁぁぁっ!」  倒れた蒼柳の背後から、椿が桜に躍りかかった!  バキィッ!  すっ、と桜がそれをかわし、椿の拳が廊下の板を割る。 「今回の目的は果たした」  それだけつぶやくと、桜は、はじめて笑みを浮かべた。  そして、闇に溶け込むように、竹林の中に消えていった・・・ 「・・・父上の容態は・・・?」  蒼紫は、部屋から出てきた椿に声をかけた。 「重傷だが、命に別状はないそうだ・・・」 「そうですか・・・」  安心したように、ためいきをつく。 「・・・桜姉上や、百合姉上は、一体・・・?」 「・・・今から500年前、紅家の当主は、紅 黒冥という人形師だった 。  彼は5体の生きた人形を作り、この国全体を支配しようとした」 「・・・・・・・・・・・・」 「結局、弟の紅 黒曜に殺されたんだケド・・・  鎧姫や剣皇っていうのは、その人形たちの名前よ。  まず、いなくなったのは若葉だった。次に百合、そして桜・・・  次は、私だと思ってたんだけど・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「奴らの狙いが何かは知らないケド、次は絶対に私をねらってくるわ。  場合によっては、命が危ないかもね・・・」  そう言って、自分の部屋に戻っていく椿。  蒼紫は、何も言わずにそこに座っていた・・・ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:32 04954 Cona SS:紅の傀儡(前編)/後書き

 最初は、蒼紫の姉上を書きたくて、蒼紫が帰省して苦労してしまうとい う話を考えていたのですが、いつの間にかこーなっちゃいました(^^;;  タイトルも、最初は「苦労人・蒼紫が行く!」というヤツだったんです が・・・  どこでどー間違ったんでしょうねぇ?  しかも、予定よりもかなり長くなってしまいましたし・・・ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:37 04955 Cona SS:紅の傀儡(中編)/転載

「きゃあああああぁぁぁぁっ!」  椿の悲鳴が、屋敷の中に響きわたった。 「椿姉上!」  気絶した椿を鎧姫が抱え、蒼紫に向かって剣皇が長尺刀を構えている。  しかし、今回は、それに加えて、弓を持ったピンクのリボンの少女・・ ・ 若葉と、真っ白なきらびやかな着物をまとった楓がいた。 「お初にお目にかかる・・・ 我が名は聖武神(ひじりたけがみ)」 「我が名は弓殿(ゆみどの)」  楓と若葉が、蒼紫に向かって名乗りをあげる。 「くっ・・・!」  神姫艶と黒夜叉を構える蒼紫。 「ふ・・・ 弓殿、後は任せました」 「はっ」  そう言って、去ろうとする聖武神。 「ま、待たれよ!」  あわてて蒼紫は彼女を追いかけようとした。 「追わせぬ」  ヒュッ!  一本の矢が、すさまじいスピードで蒼紫の目の前を通過する!  その一瞬で、鎧姫たちは消えてしまっていた。 「血祭りにあげてしまいなさい」 「はっ」  弓殿の返事を聞いて、聖武神も竹林の中に消える。  廊下に残ったのは、蒼紫と弓殿だけになった。 「若葉・・・」  ぴくり、と弓殿の眉が動く。 「・・・死ね」  きりり、と弓が引かれた。  ヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ!  連続で放たれた矢が、蒼紫に向かって飛ぶ! 「紅流剣術、ささら崩し!」  キキキキキキィン!  無数の剣の閃きが網を作り、飛び来る矢をことごとくたたき落とす!  ザシュッ! 「くっ!」  一本の矢が、網目を抜けて蒼紫の足に突き刺さった。 「わ、若葉・・・!」  さっきよりも大きく、弓殿が反応する。 「若葉など・・・ 知らぬ」  ドスッ!  弓殿の放った矢返しのない矢が、蒼紫の腹を貫いた! 「うぐっ・・・!」  そのまま膝をつき、倒れる蒼紫。 「・・・死ね」  ゆっくりと、弓殿は弓をつがえた。  そして、倒れた蒼紫の頭に狙いをつける・・・ 「・・・待ちなさい」  すっ、となぎなたを構えた女性が、蒼紫の前に立ちはだかった。  菖蒲である。 「これ以上、私の子たちを傷つけさせません・・・」  菖蒲は、はっきりとそう言った。  ぞくっ・・・ 「!?」 「ん、どうしたんだ? ルーファス」  いきなり声にならない悲鳴をあげたルーファスに、布団の中からチェス ターが声をかける。 「い、いや、何か背筋に寒気が・・・」 「ああ、地面に背中をつけて寝てるからだろ。床の冷たさが伝わってきて るんじゃねーのか?」 「そうかぁ・・・? 俺は、ベッドよりもこっちの方が気持ちいいぞぉ・ ・・」  布団の中で丸まっているマックスが、眠たげな声で言った。 「そりゃ、お前がイ・・・」  犬といいかけて、チェスターは言葉を止めた。  一応宿屋なんだから、ここでマックスを暴れさせたら後々面倒なのであ る。  ルーファスたちは、すでに華の国に入っていた。 「・・・とにかく寝ろよ。明日も早いぜ」 「あ、ああ・・・」  嫌な予感を覚えながらも、ルーファスは布団に潜り込んだ。  次の日。 「ねぇ、ますた〜、メリッサ疲れたぁ〜、休憩にしようよ〜」  ルーファスは、途中で拾った木ぎれを杖代わりにしているメリッサを黙 殺した。 「ねぇ、ますたぁ〜・・・」 「るせぇ、ちび」 「あによっ、チェス太郎っ!」 「この程度でばてるなんて、日頃の訓練が足らないんだよ!」 「メリッサはか弱い乙女なのよ!」 「どぉくぉにぃ、か弱い乙女がいるんだ? ん〜?」  わざとらしく周囲を見回すチェスター。 「いるよ」 「へっ?」  ルーファスに言われて間抜けな顔をするチェスターとメリッサ。  ルーファスが指さした先は、額に汗を浮かべながらも文句ひとつ言わず に山道を歩いているシスティナがいた。 「・・・じゃ、ここらで休憩にしようか」 「ルーファスさん、私なら大丈夫です」 「いや、俺も疲れてきたしね」 「やったぁーっ!」  4人とも、思い思いの場所に座って休憩する。 「なんだなんだ、みんなだらしないなぁ。日頃の鍛え方が・・・ ん?」  一人だけ立っていたマックスは、森の中に何か動く物が見えたような気 がして、そっちを見た。  動物なら気にもしなかったのだが、それが人間に見えたのだ。 「何だ・・・?」  また、ひとつの人影が森の中に見えた。  間違いなく、人間である。 「おい、ルー・・・」  言いかけて、ルーファスが魔導書を読むのに熱中しているのを見て、た めいきをひとつついてその人影を追っていった。 「ここか・・・」  マックスは、樹に片手をあてて、そうつぶやいた。  森は崖の手前で途切れていて、崖にうがたれた洞窟の入り口は、ちょっ とした広場になっている。  マックスのたどってきた匂いは、その洞窟の中に消えていた。 「・・・誰か出てくる」  その気配を察知して、さっと樹の陰に隠れて気配を殺す。  そっと様子を見てみると、洞窟の中から出てきたのは甲冑を着た女性だ った。  当然、百合・・・ 鎧姫である。  彼女は、迷うことなくまっすぐにマックスの隠れている樹に目を向けた 。 「っ!」  あわてて、顔をひっこめるマックス。 「・・・いるのだろう。誰かは知らぬが」  淡々と、感情と抑揚のない声でしゃべる鎧姫。 「隠れても無駄だ」 「・・・・・・・・・・・・」  マックスは、すっ、と姿を表した。 「・・・犬か」  ぶち。 「命が惜しければ、早々にここから立ちさ・・・」 「俺は犬じゃねえええぇぇぇぇ!!」  通常時の全力疾走よりも速いスピードで、マックスは間を詰めた!  ドゴォッ!!  振り下ろされた重い手刀を、クロスした腕でガードする鎧姫。 「くっ・・・!」  感覚のないはずの腕が、じんっ、としびれたような気がした。 「おおぉぉぉぉ!」  ドガガガガガガガッ!  そのまま、鎧姫に無数の連打を浴びせる! 「・・・甘い」  すぱんっ!  すっ、としゃがみこんだ鎧姫は、実に見事にマックスの足を払った。  そのまま、バランスを崩し前のめりに倒れるマックス。 「紅流体術<双破転身>」  ドガァッ!  鎧姫の掌底が、マックスのあごを直撃した!  その衝撃で、今度はまったく逆方向にマックスの体が回転する。  が、マックスはそのまま地面に手を突いて、腕のバネだけで跳んで鎧姫 にドロップキックを放つ! 「紅流呪術<転送>」  そのマックスの体が、すぅっ、と透けて、鎧姫の体をすり抜けた・・・ 「・・・妖女(あやめ)様」  鎧姫が、洞窟の入り口に目を向けてつぶやく。  そこにいたのは、赤いケープのようなものをつけ、同じく真っ赤な装束 を来た椿だった。  ドガァッ!! バキバキバキバキッ・・・! 「な、何だ!?」  いきなり聞こえた樹の折れる音に、ルーファスはあわてて立ち上がった 。  ドゴオォォン・・・!!  倒れてきた樹の枝が、ルーファスの腕をかすっていった。 「・・・・・・・・・・・・」  思わず、全身から汗を吹き出すルーファス。 「うおおおぉぉぉぉぉ!!」 「マ、マックス!?」  マックスは、手近な樹を、力任せに殴りつけていた。 「やめろ、マックス!」  が、反応なし。 「お願いです、やめてくださいマックスさん!」  今度はシスティナが言う。  ぴたっ・・・ と音さえ立てて、マックスは動きを止めた。  ヒロインのお願いは、必ずかなえられるものなのである(おい)。 「はっ・・・ 俺は、一体・・・」  正気を取り戻したマックスの横をすりぬけて、樹に駆け寄るシスティナ 。 「ひどいです、樹だって一生懸命に生きているのに・・・」 「あ、いや、その・・・ うっ!」 「マックスさん!? どうしたんです!?」 「な、何かあごが痛い・・・」 「それに、手からも血が出てるぞ。樹を殴ってたからなぁ・・・」  システィナは、マックスに<ヒール>をかけた。 「・・・じゃあ、マックスの怪我が治ったら出発しよう」 「もう治りましたケド?」 「・・・は、早い・・・ じゃあ、いくぞ、みんな」 「ん・・・? もう休憩終わりか?」  樹の根本で眠っていたチェスターが、目をこすりながら起きる。 「むにゃむにゃ・・・ あと5分〜・・・」 「寝ぼけてんじゃねぇよ、ちび!」 「なぁんですって、チェス太郎っ!!」  がばぁっ、と行きおいよく起きあがるメリッサ。 「メリッサがちびなんじゃなくて、あんたがでっかいのよ!」 「るせぇ! ちびでグズなのは変わらねぇ事実だろ!  てめぇのせいで時間くったんだぞ!」 「あんたも熟睡してたじゃないのっ!」 「まあまあまあまあ!」  ルーファスは、あわてて二人の間に入った。 「遠い所を、ようこそおいでくださいました」  菖蒲は、玄関に並んだルーファスたちに向かって、一礼した。 「あ、いやいや、これはどうもごていねいに」  つられて頭を下げるルーファス。 「ところで、あなたは神を信じますか?」  玄関先に座って勧誘を始めるシスティナ。 「どうぞ、屋敷の中へ・・・」 「す、すごい、システィナの天然ボケをかわしたぞ!」 「うーん、見事だな・・・」 「あのおばさん、やるわね・・・」 「はい? ルーファスさん、私はボケてはいませんが?」 「どーでもいいから、早くあがろうぜ」  と、チェスターが屋敷内に一歩踏み入れようとしたその瞬間!  ヒュオゥッ! 「っ!」  物凄い風の音と共に、なぎなたがチェスターの喉元に突きつけられた!  硬直し、全身から汗を噴き出すチェスター。  菖蒲は、すっとなぎなたを引いた。 「そちらではどうか知りませんが、この国では家に入る時には靴を脱いで ください」 「は、はいっ」  あわてて、みんな靴を脱ぐ。 「それでは、どうぞこちらに」 「・・・やるな、あの人」 「ああ、凄いぜ」 「そーね、すごい綺麗な人ね」 「蒼紫さんのお姉さんでしょうか?」  凄いの意味がちょっと違う男性陣と女性陣だった。 「そ、そんな・・・」  ルーファスは、思わずその場に立ちつくした。 「どうした? ルー・・・」 「・・・・・・!」  後から続いてきたチェスターやメリッサも、言葉を詰まらせる。  そこに置いてあったのは、人一人が入れるぐらいの長方形の花が敷き詰 められた木箱だった。  細部が違っていてもわかる。  それは、明らかに棺桶だった・・・ 「蒼紫は、昨晩くせ者に襲われて・・・」  そう言って、うつむいて目を覆う菖蒲。 「蒼紫・・・ 安らかに眠ってくれ・・・」 「そんなぁ・・・ 蒼紫センパイが・・・」 「アウクトリシアル・・・ 神よ、蒼紫さんの魂をお救いください・・・ 」  神に祈りを捧げるシスティナ。  その目には、涙が浮かんでいた。 「システィナ殿・・・ これを」 「あ、ありがとうございます」  システィナは、差しのべられた手からハンカチを受け取った。 「・・・どうおわああぁぁぁぁっ!?」  ・・・最初に異変に気づいたのはルーファスだった。 「エ、<エクソシズム>、<エクソシズム>っ!!」 「えろいむえっさいむ、えろいむえっさいむ〜!!」 「やややややや、やっぱ、火葬だぜ火葬!!」 「死んでも生きてるなんて・・・ すごいですね」 「みなさん何を驚かれ・・・」  自分の置かれた立場をようやく理解して、ジト目で菖蒲を見る彼。 「・・・冗談が過ぎませぬか。母上」 「ほほほ、私はあなたが死んだなどとは一言も言っていませんよ」  棺桶から上半身を起こしたまま、蒼紫はためいきをついた。 「へぇー、菖蒲さんって蒼紫のお袋さんだったのか・・・」 「何歳なのよ・・・?」 「一応、46です」  ずずずっ、とお茶をすすりながら答える菖蒲。 「わ、若いな・・・」 「そうですか?」 「・・・ところで、蒼紫にこんな深手を負わせるなんて、どんなやつが相 手だったんだ?」 「・・・・・・・・・・・・」  目に見えて、その場の空気が重くなる。 「へっ・・・? お、オレ、何か悪いコト言ったか?」 「実は・・・」 「ふわーっはははは!! この私を置いていくとはいい度胸だな!」  ピシャーン!!  誰かが、思いっきり勢いよくふすまを開けて入ってきた。 「こ、この声は・・・」  おそるおそる、振り向くルーファス。 「デ、デイル先輩!」 「きゃーっ、デイル様!」  ルーファスとメリッサが、ほぼ同時に悲鳴をあげる。  ただし、片方は恐怖を含んでいなかったが。 「華の国に行ったと聞いてな、一晩かけて音速<フライ>で飛んできたの だ!  ふっふっふっふっふっふ・・・ さぁ、実験台になってもらうぞっ!」  じゃらっ、と死ぬほどまがまがしいデザインのネックレスを取り出すデ イル。 「な、なんですか、その邪教の印みたいなペンダントはっ!」 「失敬な、私のデザインだぞ!  これはだな、我が最大の発明品、その名も”魂封じくん189号”だっ !」 「ねぇねぇデイル様、その半端な数字は何?」 「なぁーに、ただ単に188回失敗しただけの話だよ。  やっと動物実験が成功したのでな・・・  これは、かけた相手の魂をこの中に封じるというシロモノだっ!」 「!」 「ひーふーみー・・・ あ、あれ? なんで6つもあるのー?」 「もっちろん、君たちにかけるつもりなのだよ。あ、メリッサ君も今回は 実験台になってもらう」 「ええーっ!?」 「そんな危なげで怪しげなもの、作らないでくださいっ!」 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:38 04956 Cona SS:紅の傀儡(中編)/あとがき

 実は、これを最初に書いた時、デイル・マースを出し忘れたの思い出し ました(おい)  WHといえば、この人ですね。デイルさえいれば、はっきり言って何が おこっても不思議ではないという(笑)  はっきり言って、最初はここまで長くなるとは思ってませんでした・・ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:43 04957 Cona SS:紅の傀儡(後編)/転載

「ほほぉ、勉強熱心だな、蒼紫くん。  その場合、表層に現れている魂のみが封印されるのだ」 「・・・デイル殿、お借りします!」  蒼紫は、そのペンダントを全部ひったくると、部屋の隅に置いてあった 水晶球と神姫艶・黒夜叉をひっつかんで、外に飛び出していった。 「あっ、待て、おい! ルーファス、追えーっ!」 「蒼紫!」  その蒼紫を追いかけていくルーファス。 「何をしとるんだ、お前らも追え!」 「えっ!?」 「早く行かんか!」  デイルに言われて、みんなもあわててルーファスの後を追う。  しかし、蒼紫の方が足が速いのを見て、デイルもその後から飛び出して いった。 「・・・後は頼みましたよ、みなさん」  ずずずっ・・・  ただ静かにお茶をすする菖蒲だった。 「待て、蒼紫!」  蒼紫は、ルーファスの声も聞こえていないのか、振り返りもせずに走り 続けた。  蒼紫の持つ水晶球には、ルーファスも見覚えがある。特殊な波動の魔力 を発する発信器の位置を探査するマジックアイテムだ。 「蒼紫っ!!」  ゴオォウッ!!   ルーファスの声は、突然の強烈な風にかき消された。  いや、突風ではなく、音速<フライ>を使ったデイルだ。 「待て、蒼紫」 「デイル殿・・・」  前に立ちはだかったデイルを見て、さすがに蒼紫は足を止めた。 「・・・何かワケがあるようだな」 「蒼紫・・・」  ちょうど、ルーファスが蒼紫に追いつく。 「ルーファス殿・・・」 「話してみろ。力になれるかもしれんぞ」 「ですが、これは私の・・・」 「蒼紫、先輩に逆らうと何されるかわからないぞ」  ぼそっ、と蒼紫に耳打ちするルーファス。  ついこの前、新作魔法の実験台にされたコトを思い出して、蒼紫は表情 をゆがめた。 「・・・・・・わかりました」  あきらめたように、ためいきと共に答える蒼紫。  ちょうど、チェスターたちもルーファスに追いついてきていた。 「なるほど・・・ そういうことか」 「椿姉上は、歯の奥にこの水晶球の発信器を仕込んで、奴らにとらわれた のです」 「つまり、その反応のある所に奴らがいるというワケだな」 「でもよ・・・ 大丈夫なのか?」 「何がです? チェスター殿」 「デイル先輩の発明品なんか使って、どーなってもしらねーぞ」 「む、それは・・・」 「おい貴様ら、なぜ言葉を濁す」  低い声で言うデイル。 「細かいコトは気にしないで行こうぜ。その、蒼紫の姉貴たちって強いん だろ? おおぉぉぉ、燃える!」  一人で盛り上がるマックス。 「お母さんでアレだもんね・・・ 他のお姉さんたちも見てみたいわね」 「・・・と、とにかく、蒼紫の姉貴たちにこのペンダントをかければいい んだろ」 「そうだな。蒼紫、それはお前が持ってろ」 「わかりました、デイル殿」 「おっし、じゃあ行こうぜ!」  やけに燃えているマックスが、ずかずかと歩いていく。 「・・・マックス殿、方向が逆です」  蒼紫が、実に冷静にツッコミを入れた。 「反応は、この先です」  蒼紫は、森を抜けた所にある洞窟の前で足を止めた。  ちょっとした格闘試合ができるほどの広さのスペースがあり、崖にはぽ っかりと洞窟が空いている。 「・・・ん? ここは・・・」 「マックス、どうした?」 「む、誰か出てくるぞ!?」  デイルが言うと、全員がすっと身構えた。 「・・・鎧姫!」 「また会ったな」  洞窟から現れた鎧姫が、マックスを指さす。 「蒼紫、ここはオレにやらせてくれ」  刀を抜きかけた蒼紫を、マックスが制した。 「しかし・・・」 「後で追いつくから、先に行っててくれ」 「蒼紫、ここはマックスに任せよう」 「・・・わかりました。では、これを・・・」  ペンダントを、ひとつだけマックスに渡す。 「おう、オレに任せろ!」 「頑張ってくださいね、マックスさん!」  ルーファスたちは、二人を置いて洞窟の中へ入って行った。 「・・・行かせてよかったのか?」 「奴らでは、聖武神様の姿すら見ることはできぬ」 「そうかな・・・ ルーファスたちはあれでも強いんだぜ」 「そんなコトはどうでもいい・・・ 私の名は、鎧姫」 「オレはマックスだ」 「・・・行くぞ、マックスっ!!」  両者は、同時に地を蹴った!  カツカツカツカツカツカツ・・・  洞窟の中に、ルーファスたちの足音が響く。 「むっ!? みなさん、伏せてください!」  先頭を走る蒼紫が、突然立ち止まった。 「紅流剣術<ささら崩し>!」  カキキキキキキキキキキィンッ!  無数の剣の閃きが、剣閃の網・・・いや、膜を作り上げる!  その光の膜が、闇の中から飛んできた無数の矢をすべてはじき返した。 「弓殿か・・・」  蒼紫のつぶやいた通り、闇の中から現れたのは弓殿だ。 「だが・・・ この距離ではっ!」  視認するのすら困難な早さで、弓殿が矢を弓につがえる! 「紅流剣・・・」  その瞬間、蒼紫の目前に矢が迫ってきていた。 「<プロテクト・ウォール>!」  キィンッ!  光の膜が、蒼紫の目前の矢をはじき返す! 「何っ!?」  すべての矢が、その光の膜にはじき返された。  呪文を唱えたのは、システィナだ。 「では、ここは私とシスティナくんが残ろう」 「デ、デイル先輩と二人っきりにさせるぐらいなら、俺が残りますっ!」 「はっはっはー、そうムキになるなルーファス」 「・・・何なら一人で残ってください」 「・・・お前がな」  にらみ合うルーファスとデイル。 「やめてください、お二人とも! ここは、私とデイルさんが残りますか ら、みなさんどうぞお先に・・・」 「というコトだ、じゃーなー、ルーファス」  と、蒼紫からペンダントをひとつ受け取る。 「<グレート・ストライク>!」 「うどああぁぁぁぁぁぁ〜・・・」  いきなり魔力の輝きに包まれたルーファスたちが、呆然としている弓殿 の脇をすっ飛んで洞窟の奥へと消えて行った・・・ 「今のは、目標を魔力で包み込み、ぶん投げる魔法だ。  本来ならば敵にぶつけるのだが・・・」 「ふ、ふざけた真似を!」  怒った弓殿が、矢を弓につがえる。  ヒュンッ! 「<ミラージュ>!」  攻撃を避けた瞬間、デイルの体がふたつになった。 「<プロテクト・ウォール>」  システィナに向かった矢は、光の壁に阻まれる。 「はっはっは、まあ楽しもうじゃないか」 「くっ・・・」  弓殿は、いきなり劣勢に回っていた。 「・・・ぁぁぁぁぁああああ〜!」  ずざざざざざざざ〜っ!! 「・・・・・・・・・・・・」  いきなり、その広間にすべり込んできたルーファスたちを見て、赤い衣 をまとった椿は、無言で後ずさった。  かなり驚いた表情をしている。 「はー・・・ 乱暴なコトするなぁ、デイル先輩も」 「今に始まったコトじゃねぇよ」 「メリッサ、いったぁ〜い!」 「むぅ・・・」  それぞれ、自分で<ヒール>をかける。 「・・・ん? つ、椿姉上!」 「わ、私は妖女だが・・・」  まだあっけに取られている妖女。 「お、お前ら、私の敵か?」 「一応・・・ そうなんじゃねぇか?」 「な、なら、倒す! 紅流呪術<業火>!」  ボォウッ!  妖女は、炎を生み出してルーファスたちに投げつけた! 「<エア・シールド>!」  ルーファスの作った風の盾に、炎が散らされる。 「ふふふふ、魔法と言えばメリッサよねっ! ここは、メリッサがかるー く倒してあげるわ、オバサン!」 「人の姉上をオバサン呼ばわりしないでいただきたい・・・」 「あっ、ごめーん、蒼紫センパイ」 「それに、倒すのが目的じゃねぇぞ」 「わかってるわよ、このチェス太郎っ!」 「・・・任せた、剣皇」  あきれたようにつぶやいて、妖女は呪文を唱えた。 「紅流呪術<転送>!」  すぅっ、と、ルーファスと蒼紫の姿が消える。 「あ、おい、ルーファス!?」 「・・・お前だけ消し損ねたか」 「マスターたちをどこにやったのよ!?」 「この先にいる剣皇の所に送った」 「じゃあ、てめぇを倒せば追いつけるんだな?」 「そういうことだ・・・」  そう言って、妖女は両手に魔力を集めた。 「・・・ここまで来るとはな」  いきなり変化した視界にとまどっていた二人だったが、その声を聞いた 途端、蒼紫の顔つきが変わった。 「剣皇・・・!」 「ここは、通さぬ」 「・・・蒼紫、ここは俺に任せてくれ」 「で、ですがルーファス殿・・・」 「親父さんのかたきを取りたいって気持ちはわかるケド、この先にいるの はこいつより強いんだろ? なら、蒼紫の方が適任だと思う」 「二人で倒せばよいのでは?」 「こいつは、そんな簡単に倒せる相手じゃないハズだ。こいつを倒したっ て、次を倒す体力は残ってないと思うぜ」 「しかし・・・」 「俺にも見せ場ってのをくれよ」 「・・・わかりました。頼みます、ルーファス殿」  ルーファスは、蒼紫からペンダントを受け取った。 「走れ、蒼紫!」  蒼紫が、回り込むようにダッシュをかける! 「<フレイム・アロー>!」 「くっ!」  フォウッ!  剣圧で、一振りで炎の矢を打ち消す剣皇! 「でもって、<ストーン・ブリッド>!」 「はあぁっ!」  右手を一閃させると、飛んできた石がすべて弾かれる。  しかし、そのスキに蒼紫は先に進んでいた。 「・・・ふ、まぁ良かろう」  少しだけ笑みを浮かべて、剣皇は長尺刀を構えなおした。 「おおりゃああぁぁぁ!」 「はああぁぁぁっ!」  ドガアァッ!  鎧姫とマックスの拳がぶつかりあい、鎧姫の手が裂けて血が飛び散った 。 「おおおぉぉっ!」  ドガガガガガッ!  そのまま、連続で拳を繰り出すマックス。 「学習せぬ奴だ」 「何っ!?」  すぱんっ 「うわっ!?」  全く同じに、マックスは足を払われた。 「紅流体術<双破転身>」  鎧姫の掌底がマックスのアゴを襲う!  パシィッ! 「何っ!?」  マックスは、その一撃を受け止めた!  その衝撃で体が逆方向に回転するのを利用して、体勢を元に戻すマック ス。 「でりゃあっ!」  ドゴォッ! 「ぐふぅっ・・・!」  鎧姫のみぞおちに、強烈な一撃をくらわせる!  ずざざざざっ、と地面をこすって、後ろに吹っ飛ぶ鎧姫。  そして、立ち上がろうとする。 「させるかっ!」  はっ、と顔をあげる鎧姫の目に、回し蹴りを放つマックスの姿が映った 。  ドガァッ!  こめかみに一撃をうけ、さらに吹っ飛ぶ鎧姫! 「くくぅっ・・・」  なんとか立ち上がるが、鎧姫の視界はぼやけ、足下もおぼつかない。 「いくらなんでも、脳震盪を起こしてちゃ動けないぜ」  マックスは、そう言って彼女に近づいた。  そして、その首にペンダントをかける。  ドサッ・・・  彼女は、前のめりに地面に倒れた。 「なかなか強かったが、まだまだ修行が足りないぜ!」  ヒュヒュンッ! 「<ミラージュ>!」 「<プロテクト・ウォール>!」  キィンッ!  もう何回それを繰り返したのかは知らないが、弓殿の矢はシスティナに はじかれ、デイルはまたまた二人に分身した。  もはや、通路には無数のデイルがあふれている。  ここにルーファスがいたら、卒倒していたかもしれない。 「「「「はははははは、芸がないな!!」」」」  デイルの大きな声が洞窟の壁に反響し、何十人ものデイルが実際にしゃ べっているかのように聞こえた。 「くっ・・・」 「「「「さぁーて、そろそろ終わらせるか!」」」」  弓殿は、矢筒に手をやった・・・  ・・・矢がない。  すでに、すべての矢を撃ち尽くしてしまっていたのだ。 「・・・これが狙いか!」 「「「「そのとぉうり!」」」」 「くっ・・・!」  低くうめいて、短剣を取り出す鎧姫。  そして、弓の弦を切る。 「「「「何のマネだ?」」」」 「はっ!」  それには応えず、弓殿は弦のなくなった弓をデイルに投げつけた!  虚像のデイルの体を突き抜けて、弓が暗闇に消える。 「「「「はっはっは、はずれ・・・」」」」  ・・・ひゅるるるるるっ!  ドガァッ! 「ぐわっ!?」  誰もいないはずの暗闇から飛んできた弓が、デイルの一人に直撃した! 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:43 04958 Cona SS:紅の傀儡(後編)/後書き

 夏休み中に書いた時に比べて、ギャグ4割り増しです。  いやぁ、前は死ぬほどシリアスでしたから・・・  はっきし言って、ここからすっぱり思い切っちゃいました。てなワケで 、完結編はほとんど戦闘シーンです(^^;;;  だもんで、かなり長くなってしまいました・・・ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:47 04959 Cona SS:紅の傀儡(未完結編)/転載

 その瞬間、一人を残してすべてのデイルが消え去る。 「死ね!」  弓殿は、デイルに向かって短剣を投げた!  その短剣は、不意をつかれたデイルの眉間に吸い込まれ・・・  ガキィンッ!  サングラスに当たった瞬間、その短剣は縦に真っ二つに裂けた。 「なっ・・・!?」  さすがにうろたえる弓殿。 「今だ、<エア・ブラスト>!」  ドゴォッ!  しかし、弓殿は両手をクロスして空気の塊を受け止める! 「ごめんなさい! <エア・ブラスト>!」  ドゴォッ! 「ぐわぁっ!?」  その言葉と共に、弓殿の背後から放たれたシスティナの<エア・ブラス ト>が弓殿の後頭部を直撃した!  その威力に、前のほう・・・ つまり、デイルの方によろける。 「おっと」  その彼女を受け止めながら、デイルはその首にペンダントをかけた。  そのまま、彼女は動かなくなる。 「ふぅ、実験は成功のようだな」 「無事ですか、デイルさん!」 「もちろんだよ。しかし、なかなか強かったな、こいつも」  言いながら、デイルはサングラスを上に押し上げた。 「今日のサングラスを特殊魔法物質製のものにしていなかったら、さすが の私も死んでいたぞ」 「それでは、ルーファスさんたちを追いましょう!」 「おっと、その前にシスティナくん、彼女を治療してやってくれ」 「あ、はい。それでは、ここに寝かせて・・・」  ゆっくりと、若葉を地面に寝かせる。  システィナは、若葉に駆け寄って<ヒール>を唱えた。 「さて、あいつら本当に大丈夫かな・・・」  洞窟の先に視線を向けるデイル。 「・・・どうだねシスティナくん?」 「はい、もうすぐ終わります」 「そりゃ良かった。次はこいつを頼むぜ」  反対側に視線を向けると、そこには百合を背負ったマックスがいた。 「お、決着はついたか」 「ああ・・・ でも、なんかこいつ死んでないか? ぜんっぜん動かない ぜ」  言いながら、百合を若葉の隣に寝かせる。 「はっはっは、大丈夫、魂が元に戻るのに時間がかかっているだけだ。ペ ンダントをはずして、しばらくすれば元に戻る・・・ 多分な」 「た、多分って何すか!? デイル先輩!」 「はっはっは、冗談だ・・・ 多分な」 「だから、多分って何ーっ!?」  とてつもなく不安になるマックスだった・・・  ずずずっ・・・ 「・・・来ましたね」  社の前に座ってお茶をすすっていた聖武神は、顔をあげて感情のない冷 たい目を蒼紫に向けた。  すっ、と無言で刀を抜く蒼紫。 「妖女の歯の奥にこんなものを仕掛けているコトは知っていました」  聖武神は小さな水晶の針・・・発信器を取り出して、細い指であっさり とそれを折る。 「邪魔な芽は早めにつぶしておくに限ります・・・  黒耀様のため、我らはまずこの国を手に入れる・・・」 「黒耀!? 紅・黒耀は500年も昔の人物・・・ もはや、この世にい るはずはない!」 「ふ・・・ 虚言を申すか!」  そう言って立ち上がり、蒼紫の方に跳ぶ!  すってーん! 「くっ、くううぅぅぅぅ・・・」  いきなり地面に手を突いてうなる聖武神。  策略かと思い、警戒する蒼紫。 「あ、足がしびれました・・・」  ずるっ! 「な、何時間正座していたのです・・・?」 「ろ、六時間ほど・・・ ちょっと待ってください・・・」  足に手をあてて、呪文を唱える聖武神。  どうやら、<ヒール>のようなものらしい。  こほん、とひとつ咳払いをして立ち上がり、2本の刀を抜く聖武神。 「・・・では、参ります!」 「う、ううん・・・」 「あっ、デイルさん、若葉さんが・・・」 「おっ、やっと起きたか」  若葉が目を覚ますと、目の前にはふたつの黒い丸があった。 「・・・きゃあああぁぁぁぁっ!?」 「うわわわわっ!? 何だ!?」  若葉とデイルは、思いっきり後ずさった。 「あ、あの、どちら様でしょうか・・・?」 「ああ、安心したまえ。我々は蒼紫の知り合いだ」 「兄の・・・? そういえば、ここは・・・」  きょろきょろと周りを見回す若葉。 「見覚えがあるんですけど・・・?」 「そういえば、最初にいなくなったのは君だと聞いたが・・・ 最近の記 憶はあるかね?」 「ええ。洞窟の中に人の声がしましたので、その中に入っていったんです 。  そうしたら、奥のやしろの中の人が”戸を開けてくれ”とおっしゃるの で、開けてあげたのですが、そのまま気を失ってしまいまして・・・」 「お前が封印解いたのか・・・」 「蒼紫の妹とは思えない間抜けさだぜ・・・」 「まあ、こんにちは、犬さん」  ぶちっ! 「俺は犬じゃねえええぇぇぇぇぇっ!!」 「きゃあっ!?」 「マ、マックスさん、落ち着いて!」 「うおぉぉぉっ!」  しかし、なおも暴れ回るマックス。 「仕方がない・・・ <スリープ>!」 「ぬぉ・・・ ぐがー」  マックスは、あっさりと眠り込んでしまった。  しかし、デイルたちも眠気に襲われる。 「し、しまった、催眠ガスがこっちに漂っ・・・て・・・・・・」  デイルたちは、そのまま眠り込んでしまった。 「紅流呪術<風刃>!」 「うぉっ!?」 「きゃあっ!」  妖女の放った風の刃を、悲鳴をあげながら避ける二人。 「もう、ちゃっちゃとやっつけるわよっ!」 「わかってるっ!」  交わす言葉も手短に、二人は呪文の詠唱に入った。 「灼熱の元より来たれ炎の聖霊!」 「烈風のはざまより来たれ風の魔竜!」  妖女を挟み込むように回り込みながら、呪文を唱える。 「黄泉の淵より来たれ邪霊よ・・・」  妖女も、少し長めの呪文を唱える。 「その力、我が手の内より解放せり!」 「荒れ狂いて我が敵を滅せり!」  一瞬だけ早く、二人の呪文が完成した! 「くらいやがれ! <ドラゴン・フレア>!」 「いっちゃえーっ! <ブロウィング・ドラゴン>!」  広げたチェスターの手のひらから強烈な炎が、メリッサの両手の間から 風の竜が作り出される!  炎と風の竜が、妖女に向かった! 「・・・紅流禁術<邪霊招来>!」  ドゴォッ・・・! 「な、何だとっ!?」  妖女の周囲の大地から、無数のゴーストが現れて、炎と風の竜を受け止 める! 「そんなぁ、今のがメリッサの最強魔法だったのにぃ〜!」 「行け」  短い命令に応えて、ゴーストたちが二人に襲いかかった! 「きゃー! <イクソシズム>ーっ!」 「くっ、<イクソシズム>!」  バシュウッ!  チェスターの消したゴーストの影に、炎の球が迫っている!  ドガァッ! 「ぐあっ!?」  吹っ飛ばされて、思いっきり岩壁にたたきつけられるチェスター! 「チェス太郎!?」  バジュアッ! 「きゃああっ!?」  嫌な音を立てて、ゴーストがメリッサの肩をえぐっていく! 「ちびっ・・・!」 「これで終わりだ。黄泉の淵より来たれ邪霊よ・・・」 「くっ!」  チェスターが、よろける足取りで倒れたメリッサに近づいた。 「おい、ちび! しっかりしろ! 傷は浅いぞ!」 「それって、死ぬ人に言うセリフじゃないの・・・」 「どうやら大丈夫みたいだな・・・ さっきの、もう一度できるか?」 「・・・<ブロウィング・ドラゴン>? なんとか・・・ できるかも」 「よし・・・ じゃあ、俺が奴の動きを止めるから、俺が合図したら撃て 」 「チェス太郎に命令されるのはしゃくだけど・・・ オッケー、メリッサ にどーんと任せて!」 「灼熱の元より来たれ炎の聖霊・・・」  返事を聞きながら、かなり早口で詠唱に入るチェスター。  そのすぐ後に、メリッサも呪文の詠唱を始める。 「その力我が手の内より解放せり! <ドラゴン・フレア>!」 「紅流禁術<邪霊招来>!」  一瞬だけ早く、チェスターの呪文が完成した!  炎の竜にまで昇華した炎の聖霊が、地面から吹き出したゴーストの大群 と激突する! 「うおおおぉぉぉぉっ!」 「はああぁぁぁぁぁっ!」  炎の竜が、唸りをあげながらゴーストを消して行く! 「今だ、メリッサぁーっ!」 「<ブロウィング・ドラゴン>!」 「何っ!?」  風の竜が、炎の竜を飲み込みながら妖女に向かう!  炎の竜が最後のゴーストを消すと同時に、風の竜が炎の竜を飲み尽くし た!  ドガアアァァァァッ!  風の竜が妖女を吹き飛ばし、岩壁にたたきつける! 「ぐはぁっ・・・!」  風の竜が消え、妖女は血の塊を吐いて地面に落ちた。  しかし、まだ胸は上下している。 「や、やった・・・」 「お、おい!」  倒れたメリッサを、チェスターが支える。 「・・・初めて、名前で・・・呼んでくれたわね・・・」  それだけ言って、メリッサは瞳を閉じて寝息を立て始めた。 「どわあぁぁぁぁっ!」  やっぱりと言うか何というか、ルーファスは防戦一方に回っていた。  しかし、今まで何度もデイルの鋭い一撃を受けてきたせいか、けっこう よくかわしている。 「ちょこまかと・・・」  ブォウッ!  凶悪な風音をたてて、長尺刀が耳元を通り過ぎた。  体勢を崩して地面に手をつきながらも、なんとか一撃をかわす。 「<ブラック・フェイド>!」  剣皇を暗闇が包み込み、その視界を閉ざした。 「くっ・・・」  一歩下がって、暗闇の領域から抜け出す剣皇。 「<エア・ブラスト>!」  ドゴォッ!  暗闇を突き抜けて、空気の塊が剣皇の腹を直撃した! 「ぐふぅっ・・・!」  ずざざざざざっ!  地面をこすって下がりながら、息を吐き出す剣皇。 「<ブースト・マジック>!」  ルーファスが呪文を唱えるが、何の反応もない。 「おぉぉっ!」  剣皇が、そのスキにルーファスに詰め寄る! 「<コール・ウィンド>っ!」  ヒュゴオッ! 「なっ!?」  ドガァッ!  ルーファスの呼び出した強烈な突風が、剣皇の軽い体を吹っ飛ばして岩 壁にたたきつけた!  立ち上がろうと地面に手をついて、地面に引かれた光の線に気づく剣皇 。  見ると、広間の隅の6カ所に小さな光が灯っていて、その光の位置を結 ぶようにその線は引かれていた。  その線によって、広間に魔法陣が描かれている。 「魔力を増幅する簡易結界だ。ただ逃げ回ってただけじゃないぞ!」 「くっ・・・」  剣皇は、長尺刀を投げ捨た。 「俺の勝ちだな。こっちに来るんだ」 「・・・・・・・・・・・・」  無言で、歩を進める剣皇。  そして、すっ、と右腕を縦一文字に振った。  ザシュウッ! 「うわっ!?」  いきなり、ルーファスの左肩から鮮血が飛び散る! 「な、何だ!?」 「死ね」  剣皇が右手を動かすと同時に、ほとんどカンで見えない攻撃をかわす。  ザシュッ!  しかし、その一撃で右足に深い傷がつけられた。  さらに、真横に腕をふる剣皇。 「<ホール>!」  ルーファスは、自分の足下に呪文を放った。  一瞬にして穴が開き、数メートルの深さを落下するルーファス。  髪が数条、逃げ遅れて宙に舞った。 「ふ・・・ 逆転、のようだな」 「くっ・・・」  確かに、ここでは逃げ道はもうない。  さらにホールを使って下降もできるが、ホールでは下にしか穴が掘れな いし、埋められたらそれでおしまいだ。  下手に<フライ>で上昇すれば、見えない刃に切り刻まれてやはりおし まいである。  となれば・・・ 「<サンダー・ブリッド>!」  剣皇が顔をのぞかせたのを見計らって、呪文を唱える。  増幅されたせいで、ひとかかえほどもある雷の球が出現した。  しかし、剣皇はあっさりとそれをかわす。 「ふ。無駄なあがき・・・?」  剣皇は、上を見上げて絶句した。  <サンダー・ブリッド>が、天井で待機しているのだ。 「いけぇっ!」  ルーファスの号令で、<サンダー・ブリッド>が剣皇を襲う!  ババババババッ! 「うおおぉぉっ!」  不意を突かれた剣皇は、どうやらそれをまともに受けたようだった。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:49 04960 Cona SS:紅の傀儡(未完結編)/あとがき

 「何コレ? 何か中途半端で終わってるじゃん」と思ったそこのあなた! 大正解です(笑)  実は、完結編はリメイク版のため、400行を越えてしまっているんです。  そのため、テキトーな所で切って、未完結編と完全完結編に分けたんです。  らいたーず・かぷりちおは300行/40文字が限度ですからね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Cona談  じつは、中編からこっち、ずっとずれ込んでいます。 中編が300行以上だったんですねぇこれが。(苦笑 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:51 04961 Cona SS:紅の傀儡(完全完結編)/転載

「ルーファスーっ!」  デイルたちが駆けつけた時は、二人とも地面に倒れていた。  ルーファスは、<フライ>で穴から出た後、力つきて倒れたのである。 「桜お姉さま!」 「ルーファスさん!」  システィナがルーファスに、若葉たちが桜に駆け寄る。  結界が残っていたおかげで、一瞬にして傷がふさがっていく。  桜には、若葉が回復の魔法をかけた。 「ふむ、魔力を増幅させてから戦ったのか。ルーファスにしてはやるな」 「げっ、こいつまだペンダントかけてない・・・」 「ったく、危ないではないか!」  言いながら、デイルはルーファスの懐を探ってペンダントを取り出し、 剣皇の首にかけに行った。 「む、これは・・・ 糸か?」  デイルが、剣皇の右手首から、細く光る糸がのびているのに気づく。 「鋼鉄の糸だな・・・ 蒼紫の親父さんを一撃で倒したとかいうのは、こ れか・・・」 「糸ぉ? そんなモンで人が殺せんのかよ」 「ただの糸ではない。ここまで細ければ十分刃物になる。下手な魔剣より も切れ味は鋭いぞ」 「げ・・・」 「にしても、ずいぶん人数が増えたなぁ・・・」 「・・・んじゃマックス、お前がみんなを家に送れ」 「ええ!? 何でオレが!?」  マックスは露骨に嫌そうな顔をした。 「なぁーに、後は一人なんだ、お前がいなくても大丈夫、大丈夫」 「いや、そーじゃなくて、帰っても強いヤツがいないじゃないっすかぁ! 」 「なんだ・・・ お前は強いヤツと戦いたいのか?」  意識を取り戻した椿が身を起こす。 「それなら私が相手をする。鎧姫たちほどとはいかなくとも、お前と互角 には戦える」 「ほ、本当か!?」 「ああ。・・・でも、ちょっと歩くのがツラい。肩を貸してくれない?」 「よっしゃあ!」  嬉々として椿に肩を貸すマックス。  椿が、デイルを振り返ってウィンクしてみせた。 「ねぇねぇデイル様、どーしてマックスセンパイを返すのー?」 「あいつなら、蒼紫と最後の一人との真剣勝負に割り込みかねん」 「・・・だな」  チェスターが、うんうんとうなずいた。 「あっ・・・」 「だ、大丈夫か? システィナ」  ルーファスは、よろめいたシスティナを抱きとめた。 「え、ええ・・・ あの、ルーファスさん、離してください・・・」 「えっ、あ、ゴメン・・・」  謝って、システィナから手を離すルーファス。 「ひゅーひゅー、お熱いじゃない、マスター!」 「メ、メリッサっ!」 「魔力の使いすぎだな・・・ 帰った方がいい」 「いえ、私は大丈夫です。早く行きましょう、デイルさん」 「・・・ま、本人がそう言うなら・・・ だが、ツラい時は素直に言えよ 」 「はい」 「・・・お、そろそろ最奥部みたいだぜ」 「紅流剣術<二刀一閃>!」 「紅流返し術<返し十字>!」  ガキイィィィンッ!  左の刀の上を滑りながらせまってきた聖武神の刀を、×の字にクロスさ せた神姫艶と黒夜叉が受け止めた! 「・・・なかなか良い刀だ」 「魔皇艶に、白夜叉・・・ 神姫艶、黒夜叉の裏打ちとして作られた刀、 つまりこれはもうひとつの神姫艶と黒夜叉!」 「何と!?」  キィン!  すっ、と右の刀・・・魔皇艶を抜いて、左の刀・・・白夜叉で蒼紫の刀 を払う。 「我らと共に封じられた、紅一族の影よ!」  すれ違いながら、耳元で言う聖武神。 「そのようなものがあったとは・・・」 「・・・いわば、お前と我らは紅一族の光と影・・・」 「しかし、楓姉上は返してもらいます! 紅流剣術<地擦り昇月>!」  ががががががっ!  地面に刀を突き立てて、聖武神に向かう蒼紫! 「紅流返し術<落陽剋月>!」  聖武神が、蒼紫の刀に向かって白夜叉をたたき込む!  ガキィン!  地に食い込んだまま、黒夜叉がその動きを止められた。  しかし、神姫艶は聖武神の頭上にある! 「っ!」  魔皇艶で払おうとするが、間に合わない・・・! 「蒼紫!」  その時、ルーファスの声に一瞬蒼紫の注意がそれた。  カキィンっ、と神姫艶をはね飛ばし、そのまま魔皇艶を手元に引く。 「紅流剣術!」 「し、しまっ・・・」 「秘技<阿修羅千剣>!」  2本の刀から繰り出される無数の突きが蒼紫を襲う! 「<ささら崩し>っ!」  カキキキキキィン!  何とか、蒼紫はその突きをしのいだ。 「はぁ、はぁ・・・ ぐっ!」  だが、その脇腹に紅い血がにじんでいる。 「蒼紫さん!」 「蒼紫センパイ!」 「待て、手出しは無用だ!」  駆け寄ろうとしたシスティナとメリッサを、デイルが制する。 「これは私の戦い・・・ 手出しはしないでもらいたい」 「ふ・・・ 一人で私に勝てると?」 「勝ってみせます」  そう言って、刀を構え直す蒼紫。  聖武神も、初めて表情らしきものを浮かべて、刀を構えなおした。 「二人とも、次で終わらせるつもりだ・・・」  そのデイルの言葉を最後に、しばらくその場は静寂に包まれた。  5分経過・・・ 「・・・は、は、はっくしょん!」 「お、おいっ!」  耐えきれなくなったメリッサのくしゃみを合図に、蒼紫と聖武神は同時 に間合いを詰めた! 「くしゃみがゴングの代わりとは、情けない・・・」 「あーん、だってメリッサ、我慢できなかったんだもん!」 「紅流剣術、秘奥義!」  蒼紫と聖武神の声が重なる! 「出るぞ、二人の最強の技が・・・!」 「<吼虎裂帛>!」 「<二刀鋼牙>!」  蒼紫が刀を逆手に持ち替えて跳び、聖武神が魔皇艶を水平にしてその柄 に白夜叉を当てて蒼紫を迎え撃つ!  ザシュウッ!  白夜叉の突きに押し出された魔皇艶が、蒼紫の腹に深々と突き刺さった ! 「ぐふぅっ・・・!」  血の塊を吐き出す蒼紫。 「蒼紫ーっ!」 「勝負、あったか・・・!」 「まだまだっ・・・ <吼虎裂帛>!」  蒼紫は、逆手に持った二本の刀の切っ先を、魔皇艶の刃の一点に突き刺 した!  バキィン!  派手な音を立てて、魔皇艶が真っ二つに折れる! 「なっ・・・!?」  キィン!  あっけに取られている聖武神の持つ白夜叉を、蒼紫の強烈な一撃がはね 飛ばす。  地面に突き刺さった白夜叉は、まるで自らの意志でそうしたかのように 、真っ二つに折れた。 「・・・・・・・・・・・・」 「うっ・・・」  無言で首筋に刃をあてて詰め寄る蒼紫に、聖武神は一歩後ずさった。  さらに一歩。また一歩・・・  やがて、どんっ、とその背が壁にぶつかる。  蒼紫は、硬直している聖武神の首にペンダントをかけた。  ・・・そのまま、二人はその場にくず折れた。 「そ、蒼紫!」  呪縛が解け、あわてて駆け寄るルーファスたち。 「ひどい・・・!」 「これは<ヒール>じゃ治りそうにねーぜ」 「ルーファスさん、ゆっくりと刃を抜いてください!」 「わ、わかった、システィナ」  ルーファスが刃を抜くと、システィナは蒼紫の腹の傷口に手を当てて呪 文を唱えた。  大量の血があふれ出し、システィナの手を血の色に染める。 「うぐっ・・・!」  大量の血に吐き気を覚えたのか、メリッサが口を押さえて顔を背けた。 「アウクトリシアル・・・ 神様、蒼紫さんをお救いください!」 「<マジック・ブースト>!」  デイルが、蒼紫とシスティナを囲むように配置した魔法陣を描いて、呪 文を唱えた。 「ありがとうございます、デイルさん」 「それより、治療に集中しろ。今は、お前だけが頼りなんだからな」 「は、はい・・・」 「あっ、出血が止まってきたぜ!」 「良かった・・・」  ほっ、と胸をなでおろすルーファス。  蒼紫の出血が完全に止まったのを見て、システィナはそのまま倒れ込ん だ。 「システィナ!?」 「ルーファスさん・・・ 私、疲れちゃいました・・・」  そう言って、システィナは目を閉じた・・・ 「みなさーん、スイカが切れましたよー」  楓が、お盆にスイカを乗せて、縁側に持って行った。 「わーい、おいしそー♪」 「黒いつぶがおいしそうですね」 「システィナ・・・ それはスイカの種だ・・・」 「おお、甘くてうまい〜」 「マックス、いきなり食うなっ!」 「え・・・ だめなのか?」  額に汗しつつつぶやくチェスター。  チェスターのスイカは、一口かじられていた。  今は、夏休みである。  今年の夏期合宿は、蒼紫の実家にお邪魔するコトにしたのだ。  もっとも、おかげで夏休みのほとんどが合宿と往復の時間に取られてし まったが、みんな別に気にしてはいない。 「そのせつは、どうもご迷惑をおかけいたしました」  若葉が、ルーファスに深々と頭を下げた。 「兄もいつもお世話になっているようで・・・」 「あ、いや、いつも世話になってるのはこっちの方で・・・」 「そうでもありませんよ。私は、いつもルーファス殿に助けてもらって感 謝しています」 「そ、そうか?」 「あらあら、駄目よ、蒼ちゃん。こういう人はほめると調子に乗るんだか ら」 「楓さん、何もそこまで・・・ って、蒼ちゃん!?」 「お前・・・ 蒼ちゃんって呼ばれてるのか?」 「蒼ちゃん? 何かかわいー、その呼び方」 「ふふふ・・・ これは使えるな・・・」 「あ゛あ゛あ゛あ゛、やっぱりここに来るのを反対するべきだった・・・ !」  にやりと笑うデイルを見て、思いっきり悔やむ蒼紫。 「・・・そ、それよりも若葉、お前はどうしてあんな所に?」 「はい。用事で近くの町に行く途中で・・・」 「町って・・・ あの洞窟は全然逆方向じゃないか・・・」 「それに、道はほとんど一本道のハズ・・・」 「はあ・・・ ですが、どこをどう行っても森に突き当たってしまうので 、仕方なく森に入りましたところ、あの洞窟を見つけて・・・」 「・・・すごいな」 「システィナ先輩を超えてるぜ・・・」 「まあ、お褒めいただきありがとうございます」 「ほめてない、ほめてない・・・」  思わず声をハモらせる一同だった・・・ (紅の傀儡、終わり) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:54 04962 Cona SS:紅の傀儡(完全完結編)/後書き

 注:この作品は、いわゆるパラレルワールドであり、全ての設定は、ア ークシステムワークス、シグナルライト、メディアワークスのいずれにも 、全く関係ありません。  いやぁ、コレを書いた後でエタメロの存在を知ったので、若葉ちゃんが 著作権法違反にならないかと冷や汗ものでした(^^;;;  書いててかなり登場人物が増えてしまったので、途中でマックスと蒼紫 の姉上たちにはご退場を願いました。  でないと、キャラがROMになってしまう可能性があったんで・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Cona談  ちうことで、転載作業です。 えー、感想はここにコメントしてください。 随時送っておきます。 ・・・ああああああ!しまった!この作者は 彼咲 傀儡 さんです。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:56 04963 Cona SS:真冬の怪談 〜 前編 〜/転載

「悪い、悪い。今そこで生徒会長に捕まっちゃってさ、再来週の魔導試験の件で釘ささ れ…?」  寒終のある日のことである。W・Aの部室のドアを開けながらそう言ったルーファス は、部屋の中から襲ってくる熱気と、部屋の中の異様な光景に思わず言葉が途切れた。  部屋の中では彼以外のアカデミーメンバーがコートにくるまった上に、部屋の中央の ストーブにかじりついていたのだ。 「何、やってるんだ?」  ルーファスが聞いてしまったのも無理はない。その日はまるで優暖のような暖かさで コートもいらないくらいだったのだから。  しかし、その彼も部室に入ったとたん、訳の分からない悪寒が走った。思わず手に持 っていただけのコートを着込んでストーブの周りに座り込む。 「訳、分かったやろ?」  訊ねるジョルジュに無言でうんうんと頷く。 「それにしても、何なんだ、この異様な寒さは?」  皆、一斉に首を横に振る。(何だか最近みんな似てきたよな)と、ルーファスは思っ た。 「見ろよ、これ」  と、ジャネットが指を指したのはストーブの温度調節装置である。その目盛りを見て ルーファスはぎょっとした。目盛りは最大値を指している。  実はこのストーブはいわゆる家庭用ではない。元は街の劇場で使っていたのを譲って もらったものなのだ。  先週、街の劇場での幽霊騒ぎを解決したとき、劇場のオーナーが何か御礼をしたい、 と言ってくれた。ちょうど老朽化した部室の修理がしたいと思っていたルーファスは、 大道具作成の残りでいいからいらない木材が欲しいと頼んでみた。するとオーナーは、 木材だけでなくストーブまでくれたのだ(劇場では今冬ストーブを新しいものに変えた そうだ。実は廃物処理に困っていたのでルーファスの申し出は「渡りに舟」だったのも 確かだ)。  このストーブ、業務用のものだけあってかなり強力なものなのだ(2台で劇場全体を カバーできる)。燃料は家庭用のものの半分で済み、温度調節は5段階。ちなみに普段 部室で使うには最低値で十分で、もらってきたその日にどこまで耐えれるか試してみた のだが、目盛り3で室温が40度を超えたためそれ以上は試せなかった、という代物で ある。  そのストーブの設定温度が今は最高にセットされている。なのに何故だか背中がぞく ぞくしている。 「アリシア、まさか、また…」 「冗談でしょ。こんな寒い日にあんなことする訳ないじゃない」  あんなこととは。それは炎天のある日のことである。あまりの暑さに辟易したアリシ アは自らの水の魔法力の高さを駆使して部室中に<アイシクル・ウォーター>をかけま くり、部室を丸ごと凍らせたのである。  その時は、部員にも、珍しく部員以外にも非常に好評で、W・Aの部室の周囲は涼み に来た人であふれかえった。だが、次の日の午前中に見事に溶けてしまい、デイル先輩 の卒業以来の大迷惑をかけてしまった。  見事に生徒会長の逆鱗に触れ即刻廃部となるところだったのだが、少し前に森のアン デッド退治をしたのと、雹の被害を受けたときの街の復興の手伝いで高い評価を受けて いたのが幸いし、首の皮一枚でなんとか助かったのだ。 「ルー君、私、帰らせてもらうわ。これじゃあ、外にいた方がマシだもの」  と、アリシアが立ち上がると、 「そうですね。先輩、僕もそうさせてもらいます」  セシルまで帰り支度を始める。ジャネットとジョルジュも立ち上がった。 「ま、待てよ」  引き留めるルーファスに一斉に向けられる冷たい目。 「わ、わかってる。俺もこの状態じゃ活動は無理だと思う。だから帰るのには反対しな い。しないけど…」 「あー、もう、いらいらする!! 早く結論を言えよ!!」 「反対はしないけど、せめてシスティナが来るまで待っていないと、可哀想だろ?」  皆をなだめるように言うルーファス。 「それもそうですね」  セシルが賛成の意を示すと、ジャネットも「仕方ないね」と座り直す。 「阿呆やなぁ。同じ待つならこんな寒いとこより、廊下の方がなんぼかマシか分からん で」  ジョルジュの言葉に納得した一同は、ストーブを消して廊下に出ようとドアに向かっ た。  ところが、先頭のセシルがノブを引くがドアが開かない。ジャネットの「『引いても ダメなら押してみな』とも言うぜ」という台詞に今度は押してみるのだが、やはりドア は開かない。 「なんや。かしてみぃ」  とジョルジュが代わってみたが、びくともしない。 「まさか、鍵がかかったまま、とかいうオチじゃないでしょうね」  アリシアが鍵を確認してみるのだが、鍵は外れている。 「まさか、あまりの寒さにドアが凍った、なんてこといくら何でもないですよね」  セシルの台詞に「あはは、まさかぁ」と応えつつ、ルーファスがドアを確認する。し かしドアには異常はなかった。 「だーもう、ぶちやぶったる。みんな、ちょっと下がっとき」  ジョルジュがしびれを切らして、皆を下がらせる。  すると、その時、ドアノブが独りでに廻った。  思わず後ずさる一同。全員がドアに注目する。  かちゃ。ドアが開いた。 「遅れて申し訳ありませんでした。あら、皆さん、どうしたんです?」  システィナが部室に入ってくるのと、他の全員がコケたのは同時だった。 「あらあら、みなさん、大丈夫ですか?」  システィナは部室に入ると後ろ手でドアを閉めようとする。 「あー、待て、閉めるなー」  とジャネットが叫んだが既に遅く、ドアはバタンと音を立てた。 「あちゃー」  思わずルーファスが溜息したときだった。  パシッ。  どこかで何か弾けるような音がした。 「今の…何の音や?」  ガタガタッ。  今度は窓が揺れる。 「風…かしらね」  ジジジ、バシッバシッ。  音がだんだん大きくなる。 「ちょ、ちょっと、変じゃないか?」  つぶやくようなジャネットの声にふるえが混ざっている。 「うわーっ」  ルーファスが悲鳴を上げる。 「マ、マスター?」  全員がルーファスに注目する。すると彼は青い顔をして「あうあう」と意味不明の言 葉をつぶやきながら部室の奥を指差している。一同、ルーファスの指の先に視線を移し …。 「ひっ」「うぎゃー」「きゃー」「あら、まあ」「いやー」  五種類の悲鳴がルーファスのそれに重なる。ちなみにこの声は学年順・年齢順に並ん でいる。  彼らが見たものは、部室の奥の本棚にあった魔導書がふよふよと浮いている光景であ った。 「ルー君、あなたマスターよね。お願いだから何とかして!!」 「そんなこと言われたってぇ。ジョルジュッ、任せた!!」 「何言うてんねん。俺の得意分野は、生きとるモンでも死んどるモンでも体のあるヤツ や。そや、ジャネット、お前、親父さんの幽霊でこういう現象には慣れとるやろ? よ ろしゅう頼むわ!!」 「じょ、冗談じゃない!! セシルー、こういう時こそ男の意地の見せ所。任せたから な」 「いやーっ、誰かー、助けてー、ここを開けてー」  既にセシルの耳にはジャネットの声は届いていない。ドアをどんどんと叩いている。 すっかり女の子に戻ってしまっているのだが、誰も気付いてはいなかった。  その間も窓はガタガタと揺れ、魔導書はぐるぐると宙を回っている。 「わかった!! これはきっと夢だ!! 夢に決まっている!!」  現実から逃避し始めるルーファス。しかし、その彼の頭に狙ったように魔導書が一冊 当たる。 「痛い…。夢じゃなーい」 「わ、わかった。デイル先輩や。デイル先輩のいつもの悪戯や!!」 「でも、デイル先輩は昨日『十日程、旅に出る』って出かけたところよ?」 「それが手口やねん。自分はここには居ない、って思わせといて、どっかーんとやるつ もりやったんやー!!」  ジョルジュが叫ぶと、魔導書がぴたっと停止した。 「ほれ見い。やっぱりや。ばれたんでやめよった」  ほっとしたようにつぶやく。  と、その時!! 「うっわー!! うわー、うわー」  ひときわ大きなルーファスの悲鳴。だがそれも無理はない。次に飛び始めたのは机や 椅子だったのだから。 「ちょっと、デイル先輩、これは危険すぎるぜ。わかった。あんたのすごさは十分わか ったからもう止めてくれー」  ジャネットが叫ぶ。その彼女めがけて椅子がぶんと音を立てて飛んでゆく。慌てて頭 を抱えて座り込むと椅子は彼女の手前でUターンして戻っていった。 「皆さん。これはちょっと危ないですから、そろそろやめません?」  ただ一人立っているシスティナがのんびりと言う。 「システィナ、これは俺達がやってるわけじゃないんだってば!!」  ルーファスの言葉に「分かってます」と笑顔で応じるシスティナ。 「ええ、だから、あちらにいる皆さんに、そう申し上げたのです」  システィナが示したのは、部室の奥、今は魔導書が浮いているだけの、誰もいない空 間だった。 「…おい、一体何を言ってるんだよ」  ジャネットが不安げに問いかける。彼女の言葉は全員の疑問でもあった。 「あら? 皆さんには見えていないんですか? 私、こんなにはっきりしてるものです からてっきり、<コール・スピリッツ>で呼び出したのだと…」 「ちょっと待てぃ。『見えてない』とか『<コール・スピリッツ>で呼び出した』とか って、もしかして…」 「はい。いわゆる幽霊さんです」  あっさり答えるシスティナ。セシルは一瞬気を失いそうになった。 「ねぇ、その『幽霊さん』って、何処にいるのかしら…」 「ええと、奥の本棚の辺りに集まってらっしゃいますけれど」 「『集まってる』だってぇ〜!?」 「はい。10人ちょっとくらいはいらっしゃるでしょうか…」 「…10人ちょっと…」  ルーファスも目の前が暗くなる。 「それで、そいつらは俺らに何の用やねん。俺は幽霊に祟られるようなことは何もしと らんで!!」 「さあ…? 何かおっしゃりたいような様子なんですが、言葉は聞こえないので…」  システィナの言葉に頷くように、浮いている魔導書の一冊が縦に2回揺れた。 「やっぱり、何か言いたいことがあるような…。そんな感じだな」  魔導書がもう一度、縦に揺れた。 「私達に恨みとか、持ってる訳じゃないのよね?」  今度は横に揺れる。 「縦に揺れるのが『YES』で、横に揺れたら『NO』ってこと…みたいですね」  ようやく立ち直ったらしいセシルが言う。 「…先週幽霊騒ぎを解決したところなのに、また幽霊かぁ…。はぁ」  ルーファスが溜息混じりにつぶやくと、一冊だけでなく残りの魔導書も、椅子も机も ブンブンと縦に揺れる。 「…何だか、先週の幽霊騒ぎに関係しているみたいよ。ルー君」  またもや縦にブン。 「だーっ、もう、鬱陶しいやっちゃな。はっきり言わんかい!!」  横にブンブン。 「ジョルジュ、気持ちは分かるが『YES』と『NO』しか表現できないんだから無理 だって」  縦にブン。 「システィナ先輩。何とか彼らの言っていることが分かりませんか? 読唇術とか…」 「さっきからそう思ってはいるんですけど…。ごめんなさい、私には無理みたいです」 「あっそうか!!」  ジャネットが急に大声を出す。 「見えないからダメなんじゃねえか。見えるようにすりゃあ、いいんだよ」 「あ、そうかぁ。<コール・スピリッツ>を使えばいいのか」 「でも、ルー君、10人以上いるのよ? 私達の力じゃ無理だわ」 「みんなで力を合わせれば大丈夫だよ、きっと。それに今回はもうここにいる人達を呼 び出すんだし、この人達も呼び出して欲しい人達なんだから、きっと協力してくれると 思う」  ルーファスが力を込めて言うと、また魔導書達(?)が縦に揺れた。 「じゃあ、みんな。とりあえず魔力を集中させて」  ルーファスが指揮を取る。 「俺の合図に合わせて、<コール・スピリッツ>を使ってくれ。いいな」  全員がこくんと頷いた。魔導書達も縦に揺れる。  10秒後、全員が魔力を集中させたのを確認したルーファスが、合図をする。 「行くぞ。せーの!!」 『<コール・スピリッツ>!!』 続く 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 09:58 04964 Cona SS:真冬の怪談 〜 後編 〜

「…壮観よねぇ」 「……15、16、17。17人の幽霊さんですか…。ボク、これだけの人数は初めて です」  人口が一気に4倍に増えた部室でアカデミーのメンバーは皆、呆然としていた。奥の 方では老若男女の幽霊達が魔導書や机を片づけている。 「17人かぁ。道理で部室ん中が冷えるわけや」 「ジョルジュ。それ、どういう意味だよ?」 「『霊気は冷気』ってな。夏に怪談とかやるのも集まってきた霊気で涼しゅうなるため やって、俺の爺ちゃんがゆうとった」 「なるほどなぁ。それでさっきはあんなに寒かったのかぁ」  ジョルジュがストーブを点火する。幽霊達が実体化したためか、部屋の中がほんの少 しではあるが暖まった。 「それにしても、システィナが霊視能力を持ってたなんて知らなかったな」 「いいえ。お父さんはかなり霊視能力があるんですけれで、私はなんとなく見えるかな って程度なんです」 「でも、今日ははっきり見えていたみたいだけど?」 「ええ、不思議なんですけど…。多分、幽霊さん達の『想い』が強かったためではない かと…」 「ルーファス、片づけ終わったぜ」  ジャネットがルーファスに声を掛ける。幽霊達には、何処に何があったのかがさっぱ り分からなくなってしまったため、彼女が幽霊達の片づけの手伝いをしていたのだ。 「ああ、ジャネット、ありがとう」  全員が集まったところで、ルーファスが幽霊達に向き直る。 「俺達に何か話があるんですよね?」  ルーファスが問うと、幽霊達の中から初老の男が前に出た。 「実は、君達に頼みがあるんだ」 「頼み?」 「ああ、わしらを成仏させて欲しいんじゃ」 「はあ? 成仏ですか? でも僕達はただの学生で…」 「分かっておる。しかし、君達は最近、脚本家とリーシャの霊を成仏させたと聞いたの でな」 「あれは、偶然ってヤツなんで、俺達にそんな力はないんですけど…」  ルーファスの後ろで全員が頷いている。劇場へ行ったら脚本家の霊が出てきて、脚本 家が「リーシャはどこだ?」と言うのでリーシャを呼び出して。気が付いたら事件が解 決していたというのが本当のところなのである。まさに『行き当たりばったり』という ものだったのだ。 「うむ、それも分かっておる」  きっぱりした男の言葉に、コケるルーファス。 「ここにいるわしらは全員、すでにこの世に未練を残してはおらんのじゃ。ただ、ちょ っと時期を誤ってしまってな。成仏できんくなってしまったんじゃよ」 「また、何で?」 「いやあ、普通は未練がなくなると自然と成仏するんじゃがな、その時に『もうちょっ とこの世におりたいな』などと思ったのが失敗じゃった。いわゆる『浮遊霊』というも んになってしまった」  男は照れたように頭を掻いた。男の後ろの幽霊達も同様らしく照れ笑いなど浮かべて いる。 「はぁ…。そんなものなんですか…」  ルーファスには言うべき言葉が思いつかなかった。 「この世に未練のある者なら、自分の力で実体化もできるんじゃが、わしらのような幽 霊はそれさえできんのでな。ちょっと強引かとも思ったんじゃがこちらへ寄らせてもら ったんじゃ」  と、初老の男。 「そや。やっぱり幽霊についてなら牧師さんに頼むのが一番なんやないか? 幸い、こ こにおるシスティナの親父さんは牧師さんやし」 「そうですね。お父さんに頼んでみます」 「ああ、それがいい。そうしましょう。いいですよね?」  明るくルーファスが確認するが、男の顔は暗くなった。 「そうしたいのは、やまやまなんじゃがな…。できんのじゃよ…」 「何故です?」 「お嬢さん」  男はシスティナの方を向いて言った。 「あんたのお父上のことは、よう知っとる。本当にいい方じゃ。命ある者はもちろん、 わしらのような幽霊にも大変親切にして下さる」 「まあ、どうもありがとうございます」  システィナが男に頭を下げた。 「それで、この世に未練のある幽霊達もあの方のところへ相談しに行くんでな、今、あ の方に会うには3年は待たにゃならんのだよ」 「3年!? あかん。オレなら待てんわ」 「3年ねぇ…。もうすぐ入学してくる新入生が卒業する頃まで待たなきゃいけないって ことよね。確かに大変だわね」 「だから、オレ達にってわけかよ」  幽霊達が頷く。 「えっとぉ、幽霊さん達を成仏させる魔法って…何でしたっけ?」 「たしか、土の魔法の<エクソシズム>だったと思いましたけど…」 「さすがシスティナ。魔法知識については、バッチリだな」 「でも私、実際に使ったことはないんです。すみません」 「システィナは、土の魔法は苦手だったもんなぁ」  システィナをからかうルーファスにアリシアが、 「それを言うなら、ウチに土の魔法が得意な人って誰もいないわよ。ルー君、あなたを 含めてね」  と茶々を入れる。 「…そうでした」  ルーファスは恐縮するしかなかった。  今のW・Aのメンバーは、何故か全員土の魔法が苦手なのだ。 「せやけど、ルーファス。とにかくその…<エクソ…>」 「<エクソシズム>」 「そや、<エクソシズム>でこの人達、成仏させてやらなあかんのやろ?」 「うん。まあ…そうだな」 「せやったら、やるしかないんじゃないんか?」 「ルーファスさん。私からもお願いします」 「そうだよ、ルーファス。なんとかしてやろうぜ。せっかく、オレ達を頼ってきてくれ たんだ。まぁ、ちょっと怖い思いもしたけどな」  ジャネットが幽霊達にウィンクしながら言う。しかし、ルーファスは目を閉じて何か 考え込んでいる様子だ。 「…そうだな」  ややあって、ルーファスが目を開けた。 「さっきだって、<コール・スピリッツ>でこれだけの人数の幽霊を実体化できたんだ もんな。全員が力を合わせれば、きっと何とかなるよな!!」 「はい、センパイ!!」 「そうね、ルー君。やりましょう」 「おっしゃ。それでこそルーや」  ルーファスの言葉に、全員が賛同する。 「ありがとう。本当に、ありがとう」  幽霊達もほっとしたように息をつく。初老の男のには目に光るものがあった。 「いよいよお別れじゃな」  初老の男が全員を見回して言った。  全員で<エクソシズム>を使って幽霊達を成仏させようとしたのはよいが、なにせ幽 霊を「あの世」に送り返す呪文である。こちらへ呼ぶ<コール・スピリッツ>と違って 間違ってしまった場合、何処に飛ばされるか分からない。そのため、念を入れて魔法を かけるのを一度に一人に限定した。  そして途中休憩をはさみながら約2時間。残りは初老の男、ただ一人になっていた。 「君達には本当に感謝しておるよ。縁もゆかりもないわしらのために、本当にありがと う」 「何言ってるんだよ。そりゃまあ、多少は強引だとは思ったけど、うん、まあ、いいん じゃない?」 「そやな。人に感謝されるのはオレらも嬉しいし」 「それに苦手の土の魔法の練習にもなったしね」 「そうですよ。また何時でも遊びに来て下さいってそれはマズイか」  ルーファスの台詞にみんな笑った。  本当に何の縁もないほんの2時間ほどの知り合いだったのだが、何故かルーファスは 寂しくなった。 「ルー君」  アリシアがルーファスを促した。 「ああ。それじゃみんな、頼むよ」  ルーファスの声に全員が魔力を集中させる。 『<エクソシズム>!!』  何の合図も無しに全員の声が揃った。 「…それではな。また会える日を楽しみにしておるよ」  初老の男が消える瞬間、そう言ったように聞こえた。 「『また会える日を』って言ったよな」  と、ルーファス。 「そうね。確かにそう言ってくれたわよね」  と、アリシア。 「『また会える日を』って、オレ達に早く死ねってゆうとんのかいな?」  と、ジョルジュ。 「大丈夫です。『近いうちにまた会おう』っておっしゃった訳じゃありませんから」  と、システィナ。 「かなり先の再会の約束だよな」  と、ジャネット。 「ボク、今日のこと、絶対忘れません。絶対に」  と、セシル。 「そうだな。きっと忘れない。今日のことは…」  声に出してルーファスが言った。声には出さずに全員が同じことを想った。  そして。 「さて。じゃあ、帰ろうか」  ルーファスのこの台詞が、恐ろしい夜の始まりとなった。  パシッ。  どこかで何か弾けるような音がした。 「今の…何の音や?」  ガタガタッ。  今度は窓が揺れる。 「また…なの?」  誰もがほんの2時間前のことを思いだしていた。 「ルーファス、あれ見ろよ」  と、ジャネットが指差した先には、一冊の魔導書がふわふわと浮いていた。 「システィナ…またか?」 「いいえ、ルーファスさん。今度はどなたもいらっしゃいませんけど…」 「それじゃあ、何で?」  ルーファスが疑問を口にすると、セシルが声を潜めて、 「センパイ。<マジック・サーチ>であの魔導書を調べてみて下さい。嫌になるほど、 よーく知っている人の魔力ですから…」  と、言った。  その『嫌になるほど、よーく知っている人』という表現に、多分彼の人であろうと予 想はつくのだが、これほど当たっても嬉しくない予想もそうはない。 「本当だわ。それも結構近いわね」 「あらぁ? でも、今は旅に出ていらっしゃる筈では…?」 「せやから、さっきオレがゆうたやろ? それがヤツの手口やって」  この会話はすべてヒソヒソ声で交わされていた。しかも、誰一人として固有名詞は出 していないにも関わらず、誰もがただ一人の人物を指している。 「ここはやっぱり、ヤツの手口にのってやらないと悪いよな」  ジャネットがにやっと嗤いながら言う。 「そやな」 「そうよね。やっぱり、それが礼儀ってものよね」  アリシアも悪戯っ子のような表情だ。 「ホントに皆さん、過激なんだから…」 「そうですわね…」  そう言うセシルやシスティナも。もちろん、ルーファスも同じだった。 「えっと、魔力の元はあの窓の下あたりかしら」 「まあ、そんなところじゃないかな」  話が決まれば行動は早い。アリシアとルーファスが、彼の居場所を確認する。  その時、なかなか騒ぎ出さないのに業を煮やしたのか、更に三冊の魔導書が本棚から 飛び出した。 「うわー。ま、魔導書が浮いとるー」 「きゃー。あーれー」  ジョルジュとアリシアが叫んだ。ジョルジュはともかく、アリシアはかなりの演技派 だ。ルーファスは思わず感心してしまった。 「うわー、うわー」「センパーイ、何とかしてくださーい」「きゃー」  ルーファス達も悲鳴をあげる。  その悲鳴に気をよくしたのか、魔導書の動きが活発になる。 「うっわー」  ジョルジュが叫びながら、彼が潜んでいる窓にそっと近づいて行く。と、勢いよく窓 を開けると同時に、窓の下に向けて<スタン・ライト>の魔法をかけた。 「ぐえっ」  さすがの彼も油断していたのだろうか。窓の下でおかしな声がしたとたん、魔導書が 動きを止めて下に落ちた。 「きゃー、こわーい」  アリシアがやはり窓の下に向けて<エンドレス・ラフ>を放つ。 「神よ、わたくし達をお守り下さい」  と、言いつつシスティナが<ストーン・ブリッド>を、ジャネットは<サンダー・ブ リッド>、セシルは<エア・ブラスト>、そしてルーファスは、<フレイム・アロー> を放った。  こうして。デイル・マースにとっての恐ろしい夜は始まった。 〜Fin〜 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:02 04965 Cona SS:真冬の怪談/後書きという名の言い訳

 ども、羊飼いのめりいです。  えっと、初めてのSSです。いかがでしたでしょうか?  何かネタはないかなぁと、WHのイベント一覧を見ていたら、なんとなく 「phantom of the misty」イベントが目に付きまして。これを書き始めたのが 静暑(7月)の終わりだったので、幽霊ネタなら時期的にもちょうどいいや、 と思ってたのですが…いつの間にか、炎天(8月)までもう終わり。おまけに SSの中では現在、寒終(2月)。うーむ…。  自分の遅筆さがいい加減、イヤになります。  と、自己批判および反省はこの辺までにしておいて。  今回のメンバーですが、システィナはネタができた時点で必須メンバーだった んですが、後のメンバーは……理由を説明すると長くなりそうなんで省略です。  でもちゃんと、私なりに理由があるんですよ。  オリジナル設定は、劇場のストーブとシスティナの霊視能力関連ですね。 あと、魔法の設定も結構適当。WHの魔法設定の良い資料がありましたら、 どなたか教えて下さいませ。  最後に。ご意見、ご感想等、お待ちしております。  誤字・脱字には気を付けたつもりですが、何かお気付きの点がございましたら、 どしどしお知らせ下さい。「読みづらいぞ。この大馬鹿者」等のお叱りの手紙でも 結構です(でも、不幸の手紙はイヤ)。  では、またお会いできる日を楽しみにして…。                    炎天 28日   羊飼いのめりい E-mail : mayk@gld.mmtr.or.jp ---------------------------------------------------------------------- Cona談  これも、お送りいただいてからかなり経ってしまった作品です(反省) ちなみに、文字数を数えていません。 ですから、横幅を大きく越えている可能性があります。 (御免なさい)  えーと、感想ですが、ここにコメントでOKです。 では。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:05 04966 Cona SS掲載確認

 えー、度々申し訳ない。 このPATIOにSEKKYさんのSSは掲載されているでしょうか? これも、未確認なので、教えていただければ幸いです。 −−−− Cona −−−− 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:38 04967 チャリスキー.H.K RE:反応無いよ〜〜(T.T)

04895へのレス
はーい!チャリスキー.H.Kでーす! とりあえず、事故レス・・・じゃない、自己レス(^^; ひとまず、%タイトル% ここには近畿地方の方がいらっしゃらないのかな? あと、あれから追記ね。 昼ゴハンは、寿司(食べ放題かも)か、中華にしようかな? ちなみに、コースはAかBが現在有力で、 参加希望者は、現在エタメロ側で約10人です。 それでは、今回はこの位で失礼致します。 アリシアFC No.019 アリシアの水精霊剣 侍中 デイルFC No.003 軍師Lv:3 SナイツNifty百人隊長 セシルFC No.029 せしるんの影武者 WFC No.001 Wとの幼なじみ かいちょ チャリスキー.H.K 97/02/09(日) 02:43 YHE01154(ニフティID) E-mail address : smm30027@bkc.ritsumei.ac.jp (インターネット) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:38 04968 チャリスキー.H.K RE^5:アリシア姫様の、お導き☆(嘘爆)

04939へのレス
大船葵 さん、こんばんは。チャリスキー.H.K です。 04939 番の発言のレスです。 > おお、どうやって知ったのでしょうか。やはりインターネットのほうですか。 実はここに来る6ヶ月程前に、インターネットをやってみて、 WHのページを見つけて、そこから色々とリンクした結果、 見事アリシアFCを見つけ、即入会したのですよ。 それから、そのアリシアFCの団長の りゅういちさんと、 エタメロ第一期キャラコンで知り合った てつさんに色々とお世話になり、 そしてここの場所も教えて頂きました。 そういえば、アリシアFCへ最初入会希望メールを、 間違って7通送っちゃったっけ(^^; ホント色々と有難うございましたm(_._)m(りゅういち様、てつ様へ) >> ここのパティオの、”ごく”一部の方です(^^) > ご、ごく一部ですか。一体何人ぐらいいるのでしょうか。すごく気になります。 ROMの方を入れれば、100人はいる・・・はずだ!!(笑) > 今度やってみます。挫折するかもしれませんが・・・・ といいつつ、エタメロで、メイドさんEDや、くそガキEDを目指す私(^^; >> これからも宜しくお願い致しますね☆ >> といいつつ、レスが遅れる私(^^;; > > いえいえ、こちらこそお願いします。いつでもレスは待っています。 >だから、安心して遅れてくださいね。 は〜〜〜い、ということで、遅れちゃったっす。 う〜〜ん、持病のシャクが・・・ (ポカッ!) はうぅぅぅ・・・冗談で〜〜〜す(^^; お返事も出来る限り早く出すようにしていますので☆ > WH2は制作されているのですか。どこでその情報を仕入れたのでしょうか。 >○ェ○○ィ??私ではわからないです。すみません。 それも、このパティオからです。さっすがぁ!! ちなみに、○ィ○・○ーヴェ○が出るゲームの、”みぜりあ”な方です(^^;; >> ならば、せしるんFCに貴方もどうぞ!!・・・と、言いたいところですが、 >> 会長と連絡が現在取れない状態なので、勧誘出来ないっす(涙) > > いえ、これ以上掛け持ちすると本物の浮気者になってしまいますからね。 それは残念。でも、アリシア姫や、デイル先輩が好きになりましたら、 遠慮無くご一報下さいね(^^) >でわでわ、別に浮気者もいいかなとか思っている大船葵でした。っていけません >ね、こんなことでは。 いえいえ、そんなこと無いですよ(こら) それでは、今回はこの位で失礼致します。 アリシアFC No.019 アリシアの水精霊剣 侍中 デイルFC No.003 軍師Lv:3 SナイツNifty百人隊長 セシルFC No.029 せしるんの影武者 チャリスキー.H.K 97/02/09(日) 02:49 YHE01154(ニフティID) E-mail address : smm30027@bkc.ritsumei.ac.jp (インターネット) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:38 04969 チャリスキー.H.K RE^8:どうしよう?それじゃせつない☆

04941へのレス
カーフ さん、こんばんは。チャリスキー.H.K です。 04941 番の発言のレスです。 > 「いやあ、お恥ずかしい」 > いえいえ。盛り上げてくれてましたよ。 実は塾のコンパでカラオケに行った時に、 エンターテイナーの称号を、教室長から頂いていたりします。 > 「しまった!!先日塾のバイトで、中学理科を教えていた身分で・・・」 > そりゃまずいですね・・・チャリス先生ピンチ!ですね。 でも、第一分野を教えていたから大丈夫でした!(おいおい) > 「頑張って!!」 > ええ。今凄く落ち込んでるの・・・ > パスワードが違うってニフティに接続できないの・・・ もし、新たなものをご使用されているのでしたら、 "O"(大文字のオー)と、"0"(ゼロ)の、打ち間違い・・・って、 (ちなみに、六角形(?)がO(オー)、長方形(?)が0(ゼロ)です) ・・・って、そんな単純なミスでは無さそうですね。 うう、もっと知識が有れば、もっとまともなアドバイスも出来るのに(T.T) > それでは。 それでは、今回はこの位で失礼致します。 アリシアFC No.019 アリシアの水精霊剣 侍中 デイルFC No.003 軍師Lv:3 SナイツNifty百人隊長 セシルFC No.029 せしるんの影武者 チャリスキー.H.K 97/02/09(日) 03:04 YHE01154(ニフティID) E-mail address : smm30027@bkc.ritsumei.ac.jp (インターネット) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:39 04970 チャリスキー.H.K RE:デイルミッサーーイルッ!!!(ゴミ)

04943へのレス
ガテラー星人 さん、こんばんは。チャリスキー.H.K です。 04943 番の発言のレスです。 > デイルビーーーーーム!! > いえ、それだけです。アセ ならばおまけで、%タイトル% ルー「ぐわっ!せ、先輩・・・部長の俺がこんな所で・・・」 めりっちゃ「か弱い部員を傷つけるなんてみたいなぁ☆ ・・・む、無念ですって感じぃ★」 じょっち〜「あたたたた、ちょっとタンマぁやでぇ!! ・・・うう、ほんま無っ茶悔しいわぁ!!」 せしるん「ボ、ボク死ぬかも・・・・・・ボ、ボクもう駄目ぇ〜〜〜」 そ〜にゃん「い、痛いじゃないのよ、馬鹿デイル!! ・・・お、覚えてらっしゃい!!」 みゅり〜「わ、私、もう駄目です・・・ああっ!す・み・ま・せ・んっ」 デイル先輩「迷わず、成仏してくれや!」 この後、ウィザーズアカデミーは廃部になった・・・ ウェンディ(特別出演)「・・・あなた達も不幸なのですね。」 すみません、粗大ゴミっす(^^;;; 登場キャラのファンの方、許してネ☆ それでは、今回はこの位で失礼致します。 アリシアFC No.019 アリシアの水精霊剣 侍中 デイルFC No.003 軍師Lv:3 SナイツNifty百人隊長 セシルFC No.029 せしるんの影武者 チャリスキー.H.K 97/02/09(日) 03:16 YHE01154(ニフティID) E-mail address : smm30027@bkc.ritsumei.ac.jp (インターネット) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 10:39 04971 チャリスキー.H.K RE^20:もはや生ゴミ発言(^^;

04940へのレス
カーフ さん、こんばんは。チャリスキー.H.K です。 04940 番の発言のレスです。 > 「私は、誇り高き妖精、かいる=いちゅばぁん!!」・・・想像してしまった・・・ > いやすぎる〜(爆) ならば逆に、 「私は、魔族のフィリー」 ・・・面白くない・・・どうしよう(^^;;; > 「だ、大丈夫だ!!きっと、10人は集まるはずだ・・・」 > そう、集めましょう! とりあえず、現在の段階で上手く順調にいけば10人集まるようです(^^) > それでは。 > ・・・・・・・・・・・なぜ接続できない〜! ファイトよ!ファイト!! それでは、今回はこの位で失礼致します。 (森高千里のファイト!を聞きながら(古いぞ)) アリシアFC No.019 アリシアの水精霊剣 侍中 デイルFC No.003 軍師Lv:3 SナイツNifty百人隊長 セシルFC No.029 せしるんの影武者 チャリスキー.H.K 97/02/09(日) 03:34 YHE01154(ニフティID) E-mail address : smm30027@bkc.ritsumei.ac.jp (インターネット) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 13:26 04972 大船葵 RE^20:歓迎レス感謝です>カーフさん

04951へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 > いえ、そういう意味ではなく、「あったらいいな」です。申し訳ありません。 確かにあったらいいですよね。うう・・・今からでも遅くないです。 作ってください>製作者の方々 > ま、萌えキャラは何をやっても萌えますからね(笑) そういうことです。(^^) > 頑張って成功させて下さいね。 ううむ、難しいです。頑張ります。 > やっぱり、本当の会長に来てもらうしか・・・ うう・・・いったい今どこに。 あ、とうとうSSのEVE買ってきました。昨日はそのせいで徹夜です。 でわでわ、昨日は半分死んでいた大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/09(日) 13:17 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 22:15 04973 カーフ 発言合体だぁ!!

04969へのレス
 チャリスキー.H.Kさんへ。  カーフです。  #4969/4971をまとめてレスしますね(謝)  「実は塾のコンパニオンでカラオケに行った時に、  エンターティナーの称号を、頂いていたりします」  凄い!!なにか判んないけど凄い!(誉)    「でも、第一分野を教えていたから大丈夫でした」  逃げたな(笑)    (ここから#4971)  「ならば逆に「魔族のフィリー」  外は雪、外にあるタライの水は凍ってます・・・(オイオイ)  「とりあえず、現在の段階では10人は集まるようです」  それはそれは・・・私も指定席の予約をせねば・・・  「・・・って、そんな単純なミスでは無さそうですね」  ま・・・ははは・・・あ〜あ・・・  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 22:16 04974 カーフ RE:RE^20:歓迎レス感謝です>カーフさん

04972へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「確かにあったらいいですよね・・・」  うう・・・CG引っこ抜きツールはありますけど・・・  (質問はEMパティオでどうぞ)  「ううむ、難しいです、頑張ります」  私は外しません。何せソーニャのイベントですから(断言)  「うう・・・いったい今どこに」  どこなんでしょうか・・・・?  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。   新規の発言 この発言へのレス

97/02/09 23:11 04975 セレナアクエレス RE:RE^2:結構前です(^^;)

04898へのレス
04898 りゅういちさんにレスです。  セレナです。初めまして。(爆) >>遥か昔とはどのくらい昔なのでしょうか? >えぇと、昨年の3月です(^^;)、私のほめぱげか、ConaさんのSSライブラリ >には載っていますけど、まぁそんなたいした物ではありません。(苦笑)  見せていただきました。ラシェルちゃんの特徴を活かしきったよい作品ですね。  #今、SSを書くとEMとWHごちゃまぜになりそうです。(^^;) >>私はラシェル、メリッサにセシル・・。 >>不安なパーティーだ(爆) >1年生でトリオを組んでいるんですね。 >ラシェルはいつも素直に成長してくれた印象があるけど、めりっちゃはいつも苦 >労させられた覚えがありますね(^^;  とりあえず、蒼紫君とジョルジュ君が脇を固めてくれますが・・。 やっぱり魔法はルーファスくん頼り。  やっぱり苦労しそうです。  それでは。 ★ラシェルFCNo.26セレナ=アクエレス☆ ☆ラシェル推進委員会No.26    ★ ★E-mail takeo_s@os.rim.or.jp    ☆ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/10 17:09 04976 大船葵 RE^22:歓迎レス感謝です>カーフさん

04974へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 ううーむレス20越えていますね。マイペースです。(^^) > うう・・・CG引っこ抜きツールはありますけど・・・ > (質問はEMパティオでどうぞ) ・・・・・・な、なんでしょうそれ・・・・・・・・・ ああっ御免なさい。何でもありません。忘れましょう。 > 私は外しません。何せソーニャのイベントですから(断言) おお、すごい気迫。 > どこなんでしょうか・・・・? そういえばINETの人でしょうか。そうならば直訴するしか・・・ でわでわ、眠い大船葵でした。午前中1時間寝ましたが・・・ <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/10(月) 16:57 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/10 22:12 04977 カーフ RE:RE^22:歓迎レス感謝です>カーフさん

04976へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「ううーむレス20越えてますね」  私たちのやりとりが一番活発ですね(爆)  常にEMパティオへのレスと一緒に書いてます(笑)  「・・・な、なんでしょうそれ・・・」  FWINMMですね(謎)  「おお、すごい気迫」  大船葵さんだって、ジャネットのイベントを外したくはないでしょう?  しかし・・・ジャネットがロングになったら?  FC会長は・・・GUEstで調べてもいませんね・・・  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。  全く・・・徹夜はいけないぞ(言えた義理か←自分) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 04:33 04978 りゅういち RE^5:そのまま使ってていいのでわ

04926へのレス
 こんばんは、大船葵さん。 りゅういちです。  #04926 へのレスです。 >> 私も近々PSを買う予定です。そうすればわかりますね。  うっ、世の中知らなくていい事もありますよ(苦笑)  ゲームとしては両方ともなかなか楽しめるとは思いますけどね(^^; >> そうですよね。蒼紫と若葉は兄弟ですね。決定事項です。たぶん・・・  いいのではないですかね。こっちはWHの設定で動けば(笑)  蒼紫の設定には確かに「若葉」という妹はいるのですから。 >> 作り方がわからないのです。わかっても作る勇気がないのですが・・・  作りますって宣言すればいいのです(笑)  いくら乱立したって構わないだろうし(^^; >>でわでわ、今FC作っても人が集まるかどうか疑問な大船葵でした。  まぁ、それはそうかも(苦笑)  では。 アリシアFC∞水龍騎士団∞ 〜Order of the WaterDragon〜 No.005 ”アリシアのお財布” りゅういち tdragon@umi.or.jp 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 04:33 04979 りゅういち RE^9:ほめぱげー?

04928へのレス
 こんばんは、やっちんさん。 りゅういちです。  #04928 へのレスです。 >> 納期蹴っても給料が入るんでしたらOKでしょう(^^)ホントカ!  私はOKなんですけどね、上役はOKじゃないみたいです(笑) >> 十分つかんでますね、エタメロ(^^;)やった事ないってほんとですか? >> プレイしないで、ドラマ編だけ聞いてるとか(^^;)  いやぁ、何にも持ってないですよ<EM関係  サターン版発売前まで、シグナルのほめぱげで遊んでいたんで、そこのキャラク ター紹介で知った程度の知識しかないです(笑) >> あんじぇりーくですかー、...わたしは男キャラにあんまり愛を感じないんだけ  愛は感じないですけどね(^^;、ゲームとしてならなかなか。  #バンドは良く判らんです、音楽系うといの(^^; >> 女教官は鞭でしばいて系のファンが出てきそう(^^;)そりゃやばいって!  ほーっほっほっほっ!、今日も魔法生物の勉強をはじめるわよっ!  さぁ下僕たち、おとなしく席に付きなさいっ!  なぁ〜んて(爆) >> もしかして、ソフマップの何館か忘れたけどの2階ですか?  いや、メッ○サ○オーのH系ゲームの置いてある所の2Fです。たしか(爆)  あそこ温度が違うんですよ(^^;、匂いも……(((^^;  あまり近寄りたくないとこです(苦笑) >> で、プロバイダ選びしてますが、お勧めの所ってあります?  難しいですね、私のとこは小さくて無名でサービスがあまり良くないので、電話 はいつでも繋がります(笑)  入ろうと思うプロバイダの上流のプロバイダとの接続が1.5M以上で、その上流と NSPIXとが20M以上で繋がっているとことかですかね(^^;  私は年2万以下の固定制で探しましたけどね(^^;  #実はプロバイダ変えようかと思ってる>私(笑)  では。 アリシアFC∞水龍騎士団∞ 〜Order of the WaterDragon〜 No.005 ”アリシアのお財布” りゅういち tdragon@umi.or.jp 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 04:33 04980 りゅういち RE^3:いらっしゃいまし(^^)

04931へのレス
 こんばんは、一斗さん。 りゅういちです。  #04931 へのレスです。 >> それってもちろんモニターからのゲームの音をヘッドホンで聞いて >>いるんですよね?  はい、やっぱり不思議ですか?(^^;  一つの理由として、壁が薄いというのもありますけどね(苦笑) >> こういったゲームのシナリオって電話帳ぐらいあるって聞きますから、  物によるみたいですけれど、N●ёLはそうだったみたいですね(^^; >>こんな素晴らしいゲームが出来上がって、我々が遊べるんですから、私は >>文句なんてサラサラ言う気はありませんが、友人に勧めて、”声”のせいで >>あまりハマらすことが出来ないという実績があるので、やっぱりねぇ。  私はこのゲーム、ゲームとしては及第点の出来だと思ってます(^^;  だから人にも薦めた事はないんですよ。  声に限らず、一つ一つが物足りないとこがありますから。  その物足りなさに、自分で色付けを出来る所は評価してます。  では。 アリシアFC∞水龍騎士団∞ 〜Order of the WaterDragon〜 No.005 ”アリシアのお財布” りゅういち tdragon@umi.or.jp 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 04:33 04981 りゅういち RE^4:お注射きだい(^^;

04935へのレス
 こんばんは、チャリスキー.H.Kさん。 りゅういちです。  #04935 へのレスです。 >> 名看護婦をお呼び致しましょう!!\(^^)/ (笑略) >> (しまった、りゅういちさんはEM知らないんだ・・・まっいいか!) >> さて、次はりゅういちさんの番ですよ、さ、さ、遠慮無くどうぞ★(^^;;;  ??? 「う〜ん、なんかもう一つここに連れてこられた理由が判らないのよね」  るー  「判らないまま注射までするか?普通!」  ??? 「あら、そんな事言っていいのかしら、ルーくん」  るー  「へっ?」  ??? 「あるときは看護婦……」  るー  「あるときはって……?」  ??? 「しかして、その実態わっ!」  るー  「実態わ!」  ??? 「……あら、もうこんな時間、帰って晩御飯作らなきゃ」  るー  「あのなぁ」  ??? 「それじゃ、そういう事でね☆」  るー  「おーい!……誰だったんだ一体?」  よく判んないからこんなとこかな(^^;  では。  はにーふらっしゅ!(爆) アリシアFC∞水龍騎士団∞ 〜Order of the WaterDragon〜 No.005 ”アリシアのお財布” りゅういち tdragon@umi.or.jp 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 04:33 04982 りゅういち 【告】ログの INET 転載について

 こんばんは、りゅういちです。  %タイトル%、忘れていた人、多いと思います。すいません。  いろいろ事情がありまして、現在はEMパティオのほうで先行して運営しており ます。  話の大元となったここでの展開は、概ね条件が整いましたので、あらためて実行 したいと思います。  概要  パティオ、INET間での交流が主な目的です。  現在の状況  ログ転載のホームページ提供は、ガテラー星人さんにお願いいたしました。  INET からの発言の転載は、私を含め、数名のかたが週番で担当にあたります。  このパティオに上がった発言は、下記例外を除いてINETに転載されます。  発言のUP  発言者の発言は改竄無しに転載されます。  発言の著作権については発言者に帰属すると認識しています。  特に転載を希望しない方の発言については全て転載されます。  転載の例外として、過去及び今後に転載不可の表明をされた方の発言は転載いた しません。  概ね、こういった感じなんですが、特に反論などが無ければ、今月中にでも実際 の運営に入りたいと考えています。  ご意見ありましたらよろしくお願いいたします。m(_ _)m アリシアFC∞水龍騎士団∞ 〜Order of the WaterDragon〜 No.005 ”アリシアのお財布” りゅういち tdragon@umi.or.jp 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 16:20 04983 大船葵 RE^6:そのまま使ってていいのでわ

04978へのレス
こんばんわ りゅういちさん 大船葵です。 > うっ、世の中知らなくていい事もありますよ(苦笑) > ゲームとしては両方ともなかなか楽しめるとは思いますけどね(^^; あ、そういえばNoelって面白いですか。興味があるのですが・・・ 後PSでお勧めソフトはありますか。って会議室で聞くべきですね。すみません。 > いいのではないですかね。こっちはWHの設定で動けば(笑) > 蒼紫の設定には確かに「若葉」という妹はいるのですから。 ん、いるのですか。でも、会社の人は違うと・・・ なぜでしょうねぇ。 > 作りますって宣言すればいいのです(笑) > いくら乱立したって構わないだろうし(^^; ううむ、いいのですか。でも、やっぱりいいです。 何かこのフッタが気に入ってしまいました。 > まぁ、それはそうかも(苦笑) うう、そうですよね。 でわでわ、会長補佐心得見習い(一発で出た(^0^))の大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/11(火) 15:56 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 16:20 04984 大船葵 RE^6:アリシア姫様の、お導き☆(嘘爆)

04968へのレス
こんばんわ チャリスキー.H.Kさん 大船葵です。 すみません。レス遅れてしまいました。 > 実はここに来る6ヶ月程前に、インターネットをやってみて、 > WHのページを見つけて、そこから色々とリンクした結果、 > 見事アリシアFCを見つけ、即入会したのですよ。 > それから、そのアリシアFCの団長の りゅういちさんと、 > エタメロ第一期キャラコンで知り合った てつさんに色々とお世話になり、 > そしてここの場所も教えて頂きました。 > そういえば、アリシアFCへ最初入会希望メールを、 > 間違って7通送っちゃったっけ(^^; > ホント色々と有難うございましたm(_._)m(りゅういち様、てつ様へ) (長い引用失礼) ほうほう、私とはまったく逆ですね。私はここをまず最初に知ってそれから インターネットのほうに繰り出していきました。そうですか。その頃はWHも全 盛期でしたか。 > ROMの方を入れれば、100人はいる・・・はずだ!!(笑) 確かにいると思いますよ。たぶん・・・いえ、いますね。 > といいつつ、エタメロで、メイドさんEDや、くそガキEDを目指す私(^^; うーむ、メイドさんEDは拝んでみたいきが・・・(^^) > は〜〜〜い、ということで、遅れちゃったっす。 > う〜〜ん、持病のシャクが・・・ > (ポカッ!) > はうぅぅぅ・・・冗談で〜〜〜す(^^; > お返事も出来る限り早く出すようにしていますので☆ ううう・・・今度は私か大幅に遅れてしまいました。すみません。御免なさい。 もう、しません。 > それも、このパティオからです。さっすがぁ!! おお、ここはギルドですね。 > ちなみに、○ィ○・○ーヴェ○が出るゲームの、”みぜりあ”な方です(^^;; ふむふむ、なるほど。(^^) うーむ、私がテ○ナ嬢FCの人だと見通しての伏 せ字恐れ入りました。 > それは残念。でも、アリシア姫や、デイル先輩が好きになりましたら、 > 遠慮無くご一報下さいね(^^) うーむ、アリシア嬢はともかくデイル先輩は・・・・あ、何かが突撃してくる。 逃げなきゃ。 > いえいえ、そんなこと無いですよ(こら) そういって頂けると嬉しいです。では・・・ってやっぱりいいです。 でも、どうしよう・・・・ でわでわ、育成ゲー大好きな大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/11(火) 16:00 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 16:20 04985 大船葵 RE^24:歓迎レス感謝です>カーフさん

04977へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 > 私たちのやりとりが一番活発ですね(爆) > 常にEMパティオへのレスと一緒に書いてます(笑) ええ、そうですね。いつも一緒に書いています。 > FWINMMですね(謎) お、そうですか。では調べてきます。ありますよね。 > 大船葵さんだって、ジャネットのイベントを外したくはないでしょう? はい、でもたまにはずしてしまいます。物覚えが悪いので・・・(^^;;; > しかし・・・ジャネットがロングになったら? ん、いいものはいい。(^^) でも、第一印象が違ったでしょうね。 > FC会長は・・・GUEstで調べてもいませんね・・・ うう・・・何処にいるのでしょう。(T_T) > 全く・・・徹夜はいけないぞ(言えた義理か←自分) ううむ、予想外でした。徹夜するとは思っても見なかったです。 でわでわ、徹夜しすぎな大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/11(火) 16:10 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/11 21:34 04986 カーフ RE:RE^24:歓迎レス感謝です>カーフさん

04985へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「ええ、そうですね。いつも一緒に書いています」  時たま混ざりそうになる(笑)  「はい。でもたまには外してしまいます」  メモするとか・・・「私はソーニャに関しては完璧だ!!」(名前は変えてね)  といえる様にならないと(命令)  「ん、いいものはいい。でも、第一印象が違ったでしょうね」  そうですね。かなり第一印象は大事ですから。  「うう・・・どこにいるのでしょう」  私には分からない・・・(何せここに来たのは去年の12月)  「ううむ、予想外でした」  あんまし詰まりませんからね。しかもゲームオーバーにならない(笑)    それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/12 10:12 04987 大船葵 RE^26:歓迎レス感謝です>カーフさん

04986へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 > 「ええ、そうですね。いつも一緒に書いています」 > 時たま混ざりそうになる(笑) あ、私もありますね。でも、実際に送ってしまったことはないですね。あった ら大変ですね。 > メモするとか・・・「私はソーニャに関しては完璧だ!!」(名前は変えてね) > といえる様にならないと(命令) 頑張ります。それでは「私はジャネット&真琴に関しては完璧だ!!!!」 でいいのですね。 > そうですね。かなり第一印象は大事ですから。 ポニーテールとういところで私は転びましたからね。 でも、性格も結構好き。(^^) > 「うう・・・どこにいるのでしょう」 > 私には分からない・・・(何せここに来たのは去年の12月) あ、結構遅かったのですね。知らなかったです。てっきり古巣かと思っていま した。 > あんまし詰まりませんからね。しかもゲームオーバーにならない(笑) そうそれです。ゲームオーバにならないから続けてしまう。あ、頭痛い・・・ でわでわ、翌日死んでいた大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/12(水) 10:02 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/12 18:34 04988 カーフ SSI:2つの石(4)

                  (4)  ?「余は・・・  町の人「だ、誰だ!」  ?「紅蓮のカルウェーザ」  顔は虎・・・半身を炎に包み、これまた炎の太刀を持った男・・・  カルウェーザ「サブローの仇は何処か?」  それがカルウェーザである。  町の人「す、S&Wの連中が連れていきました・・・」  カルウェーザ「そうか・・・そのS&Wは何処か?」  町の人「あ、あっちに見える塔がS&Wです・・・」  カルウェーザ「そうか・・・用は無くなったな」  町の人「へっ?」  カルウェーザ「ふんっ!」  彼が太刀を一降りすると・・・炎が辺りを吹き飛ばした・・・当然町の人も。  カルウェーザ「・・・行くか・・・」  辺りを黒焦げにし、カルウェーザが歩もうとした時・・・  チェスター「待て!炎をこんな事に使う奴はこの「炎の民」チェスターが許さぬ!」  メリッサ「そうだ、ユルサナイのだ!」  チェスターとメリッサだ。  カルウェーザ「ほう・・・「炎の民」か・・・面白い」  チェスター「フレイム・ストーム!!」  一瞬、カルウェーザが炎に包まれた・・・  チェスター「どうだ!」が・・・・  カルウェーザ「情けない・・・これが「炎の民」か?「炎虎列舞!」  チェスター「ぐわっ!」  少しカルウェーザが太刀を降りおろした・・・それで充分だった。  メリッサ「チェスター!燃えてるね!」  チェスター「何バカ言ってんだ!暑い!体が燃えてしまう!!」  メリッサ「あらあら・・・」チェスターが火達磨なのにこの余裕。  カルウェーザ「今楽にしてやる・・・炎獄覇!」巨大な炎が二人を襲う!  チェスター「逃げろ!メリッサ!」  メリッサ「え〜〜〜(あたふたあたふた)」  ?「ギガボルトレーザー!」  巨大な白い光の柱が炎を遮る・・いや、消し飛ばした・・・  カルウェーザ「な、何だと!・・・ちっ!遊びはやめだ!」  カルウェーザは去っていった・・・  チェスター「ふう・・・助かった」  メリッサ「誰だったのかしら〜?」  チェスター「全く魔力を感じなかったのに・・・あの威力」  メリッサ「きっと神サマよ!」  チェスター「呑気な奴・・・・」  もう一つ・・・の場所。  レジー「ちょっとそこの冷たそうな彼女?」  !「私か?」プラチナブロンドの冷たそうな美女が立っていた。  レジー「そうそう。君だよ」  !「この紺碧のアレティアを口説こうというのですね?」  レジー「そうさ。それがこの俺、レジー・パッカードさ」  アレティア「ふっふっふ・・・・私はそういう人は好きよ・・・殺したい位・・・」  レジー「殺される程好かれるとは・・・俺ってやっぱり・・・」  アレティア「デットリー・コールド!」  レジー「え?」本当に殺す気だった・・・  ジャネット「フレアストーム!!」  氷の息吹を炎が遮る。  ジャネット「・・・バカか?お前?」  レジー「ナンパの邪魔をするなよな?いいところなんだから!」  ジャネット「お前、一回死ぬか?」  アレティア「助太刀か?ならまとめて・・・ブリザード!!」  ジャネット「や、ヤバイ!!」  ?「デスボルトレーザー!!」  巨大な黒い光が吹雪を消し飛ばす。  アレティア「だ、誰だ!!」  誰もいない。どこにもいない。気配も魔力も感じない。  アレティア「ふっ・・・運が良かったな!私が多忙でな!」  その台詞を残して彼女は消えていった・・・  レジー「惜しかったな・・・」  ジャネット「こんなのに付き合ってられんな・・・」  一方・・・・  リンドバーグ「いやあ、済みませんね・・」  デイル「いやあ、人助けも我がWAの仕事ですから」  ソーニャ「何が仕事よ・・・あんな物を食べさせる人に?」  デイル「外野はほっといて・・・仲間はいつやってきますかな?」  リンドバーグ「それは・・・」と、その時。何故かタイミング良く・・・  カルウェーザ「ここがS&Wか・・・」  アレティア「そうね・・・」  デイル「誰だ!」  カルウェーザ「炎帝カルウェーザ!!」  アレティア「紺碧のアレティア!!」  ジョルジュ「何しに来たんや?」  カルウェーザ「サブロー様の仇をとりに・・・」  アレティア「毒殺された私のサブロー・・・犯人はお前達!!」  アリシア「サブローの仇?殺された?」  ラシェル「サブローは牢屋で・・・」  カルウェーザ「そう・・・毒殺された。毒入りの夕食とは・・・卑怯千万!!」  リンドバーグ「毒入り?そういえばあの時のか!」悔しがるリンドバーグ。  デイル「確か・・・あの夕食を運んだのは・・・ジロッ」  デイルの目がソーニャを睨む。  ソーニャ「な、何よ?」  リンドバーグ「・・・ソーニャ、君だったね」  デイル「毒を入れるとは・・・」  ソーニャ「そんな事はないわよ!第一・・・!」  アリシア「あの夕食、私たちも食べたのよ?」  ジョルジュ「と、いうことは・・・後から毒を入れたことになるわな」  リンドバーグ「・・・殺人か。酷い女だね。君は」  全員の視線がソーニャを冷たく睨む。  デイル「正義ってのは、殺人もいうのかな?ソーニャ?」  アリシア「要するに偽善者だったわけね・・・」  ジョルジュ「自分だけの正義なんて・・ひどいわな」  ラシェル「見損なったよ!」  セシル「センパイがそんな人だとは思いませんでした!」  デイル「・・・クソ女」  ルーファス「・・・・このWAからこんな事になるなんて・・・廃部だな・・・」  リンドバーグ「じゃ、ソーニャを殺人犯でひっとらえるかな」  ソーニャ「そ、そんなことって・・・・・・・・・・・・・」  ・・・・・カーフ「たとえばこんな状況を考えてみよう。  自分以外は全て間違えていたとする。そうなった場合、  自分が正い?他の人が正い?」  ソーニャ「それは私です。」  カーフ「だが、どうやって説明する?自分の正さを。相手の間違いを?」  ソーニャ「そ、それは・・・先生はどうなさるんですか?」  カーフ「まず、相手の発言に矛盾が無いか、  そして自分が正い事を分かり易く説明する」  ソーニャ「・・・・」  カーフ「間違っていたら、必ず矛盾がある。そこを見極める事が大切なんだよ」  ソーニャ「そうですね。先生」・・・・  ソーニャ「・・・そうよ、矛盾してはいない?」  リンドバーグ「ふっ、他愛もない・・・あの男の教え娘もこの程度か・・・」  (5)に続く・・・ 新規の発言 この発言へのレス

97/02/12 18:34 04989 カーフ SSI:2つの石(中書き3)

 カーフです。  遅れてすみません。「2つの石」です。  と、いってもまだ途中ですけど・・・  ソーニャが殺人者!という状況になってしまいましたね。  デイル以下の面々はリンドバークを信用しきってます。  ただ一人信用していないソーニャは・・・正しい事でも間違いにされます。  メリッサ・チェスター・レジー・ジャネットと出してみましたが・・・  1回限りのゲストです(笑)  次回・・・魔力もないのにレーザーの謎も明かされます。  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/12 21:29 04990 カーフ RE:RE^26:歓迎レス感謝です>カーフさん

04987へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「あ、私もありますね」  ・・・まあ、私もタイトルで区別してますから。  「頑張ります」  そうです。敢闘を祈ります。ご武運を祈ります。   「ポニーテールというところで私は転びましたからね」  そういえば、ポニーテールのキャラは少ないですね。  病弱やら眼鏡は多いけど・・・(笑)  「あ、結構遅かったのですね」  過去ログを読んだらあるかもしれませんね。  「そう、それです」  実はありました!  3日にまりなを屋上から「飛び降りる」を何度も選べば・・・(爆)  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/12 23:56 04991 ガテラー星人 間に合うか!!?

 ルーファス君誕生日おめでとぉぉーーー!!  君あってのウィザーズハーモニーだ!!            ソーニャ学研究学会 NO.3(2代目会長) 六星運行参考書                               ガテラー星人 新規の発言 この発言へのレス

97/02/13 01:54 04992 りゅういち 間に合わなかったぁ〜!

「やぁルーファス君、判ってるね」 「全然判りません」 「さぁ、でわ行くよ」 「いきません!」 「ほほぉ、私に口答え……、1年も経つと随分偉くなれるもんだぁねぇ」 「……どこいくんすか」 「まぁ黙ってついてきたまえ」 「とほほ」 ・・・ 「さぁ着いたよ」 「着いたってアカデミーじゃないですか?」 「つべこべ言わずに中に入る!」 「へいへい……」 ぱぱぱぱんぱんぱん!☆ 「ななななんだ?!、また新しい魔法か??!」 「おにいちゃん!、お誕生日おめでとう!」 「おめでとう、ルーくん」 「センパイっ!、おめでとうございます!!」 「ルルル、ルーファス!、あ、まぁ、おめでとう……」 「単に1年年を取っただけの事ですけど、一応、おめでとうございます」 「へっ?、何事?」 「何事って……、まさか忘れてたわけじゃないわよね?」 「なに?」 「ほら、ボクがいった通りだ」 「ルーファスの事だからそうじゃないかとは思ったが……」 「おにいちゃん、ほんとに忘れてるの?」 「こんな人がマスターだからアカデミーが……」 「お誕生日って言ってたけど……、俺の?」 「ルーくん以外に誰がいるのよ!」 「シンシアね、シンシアね、いっしょうけんめいプレゼント選らんだのに」 「ボクなんかケーキまで作ったのにぃ」 「飾り付けも徒労に終わったな」 「ばか」 「うん?、どうしたルーファス君。涙目になんかなって」 「先輩、おれ……、俺、マスターやっててよかったです……」 「おぉそうかね!、やっと判ってくれたか!、うんうん、これでも結構苦労 したんだよ、これだけのメンバーを暗示にかけるのは」 「そうですか、ほんとにありが……へっ?」 「いやぁ、みんなルーファス君の事をあまり気にしていないようでね、暗示 の掛が悪くてしょうがない。きちんと掛っていれば全員で抱き着くくらいの ことは平気でやってのける筈なんだけどねぇ」 「……っていうことは」 「3、2、1、ハイ目が覚めるっ!、でわ、また遊ぼうルーファス君よ!」 「あっちょっと!……っひぃぃ!」 「よくもやってくれたわね、ルー君……」 「おにいちゃん、こんなとこで何してるの?」 「はいこれ、ヴァンシアン家に伝わる、ストレスの溜まるケーキです。もち ろん食べてくれますよね、セ・ン・パ・イ!」 「ここまで腐った奴だったとはな」 「さいってー」 「みっ、皆待ってくれ!、俺じゃないっ!、俺じゃない!、俺じゃないんだ ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ 「はぅっ!、ふぅ、ここは?、部屋?。じゃぁ、夢?」 「やぁ、ルーファス君!」 「ひいいいぃぃぃぃ!」 「ああああ、なに奇声を上げとんのや!」 「ジョルジュ……?、お前、やっていい事と悪い事があるぞ」 「おかげで一発で目が覚めたやろ、感謝して欲しいくらいやわ」 「ところで、なんでお前がここにいるんだ?」 「なんでってぇ、何いっとんのや、お前が学校にもアカデミーにも顔出さん から、野垂れ死んどんのかとおもうて見に来たんやないか」 「顔出さないって……?」 「やぁ、ルーファス君!」 「ぎゃぁぁぁぁ!!」 「おや?、おかしいねぇ、もう目が覚めてしまったのか」 「もうって……、またなんかしたんですか?!」 「この前の日曜に顔出した時に、1週間ほどは目の覚めない強烈なのを掛け ておいた筈なんだけどね、何か足りなかったようだな……」 「……今日って何日?」 「あん?、13日や、っておい!、なに崩れ去ってるんや!?」 「あは、あはは、あはははは……終わった」 「でわ、さらばだ!、ルーファス君!!、あ〜はっはっはっはっ!!」 「おーいルーファーっス!、しっかりせいっ!」 「さらば我が青春のいちぺいぢ……」 「ばかばっか」 寒終13日 私からのプレゼントだルーファス君よ! 正義と愛の人 デイル・マース 新規の発言 この発言へのレス

97/02/13 12:30 04993 大船葵 RE^28:歓迎レス感謝です>カーフさん

04990へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 > ・・・まあ、私もタイトルで区別してますから。 あ、そろそろ題名変えますね。それにしてももうレス28ですね。 早いです。誰のせいでしょう。(^^;;; > そうです。敢闘を祈ります。ご武運を祈ります。  玉砕しないように気を付けなくては。 > そういえば、ポニーテールのキャラは少ないですね。 > 病弱やら眼鏡は多いけど・・・(笑) なぜかポニーテールは活発なのが多い。なぜでしょうね。 病弱は・・・いいです。(爆) でも、眼鏡は・・・・・ > 過去ログを読んだらあるかもしれませんね。 過去ログは500ぐらい前のしかないんです。そういえば過去ログは もう配っていないのでしょうか。 > 実はありました! > 3日にまりなを屋上から「飛び降りる」を何度も選べば・・・(爆) え、ホントですか。期待していいですね。(^^) でわでわ、ルー○ー○イトまでSSは触らない大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/13(木) 08:02 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/13 19:47 04994 さらりん Re^10:それじゃもお

04979へのレス
読んではいたが、超久しぶりに書きます、さらりんです。(^^; こんばんは、りゅういちさん。 #04979についてのレスでーす。 > いや、メッ○サ○オーのH系ゲームの置いてある所の2Fです。たしか(爆) > あそこ温度が違うんですよ(^^;、匂いも……(((^^; > あまり近寄りたくないとこです(苦笑)  秋葉原にも色んな所があると言うことで…(笑)  と言う私も、行ったことがないですねそこは。(^^; > 私は年2万以下の固定制で探しましたけどね(^^; > #実はプロバイダ変えようかと思ってる>私(笑)  その条件、全部満たすところは、INTERNET WINじゃないでしょうか(誘うな(^^;)  最近、リムネットにもアカウントを取った私ですが…(^^; .....___________________________ さらりん / Wizard's Harmonier _// kamochan@super.win.or.jp http://www.win.or.jp/~kamochan/game/wizh/wizards.html 聖システィナ教会 専属ステンドグラス職人 アリシアFC 水龍騎士団 No.006 〜アリシアのブローチ〜 新規の発言 この発言へのレス

97/02/13 21:05 04995 カーフ RE:RE^28:歓迎レス感謝です>カーフさん

04993へのレス
 大船葵さんへ。  カーフです。  「それにしてももうレス28ですね」  1日1往復してますから(笑)  「玉砕しないように気をつけなくては」  そうそう。萌えキャラなんですから・・・  「なぜかポニーテールは活発なのが多い。なぜでしょうね」  動きやすいからかなぁ?眼鏡キャラは知的なのが多いのも・・・?  「そういえば過去ログはもう配ってないのでしょうか」  このパティオの発言、確かINETに写すという発言がありましたね・・・  どこに写すんでしょうね?  ルーム○イト・・・もう持ってます(爆)  ちなみにメッセージを飛ばす事は出来ません。  体験版とも違います。  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315/kalf@meshnet.or.jp)でした。 新規の発言 この発言へのレス

97/02/14 03:27 04996 一斗 RE:RE^2:歴史を変えたゲーム:WH

04937へのレス
    こんばんは チャリスキー.H.K さん。  一斗です 》 そういえば言い遅れましたが、私のハンドルネームの由来は、 》 チャリが好き(スキ)だから、チャリスキー、 》 そして後ろに、イニシャル(H.K)を付けたのですよ(^^;;  この質問を受けたとき、同時にチャリスキー.H.K さんのハンドルネームの 由来について考えたんですが、やっぱりそうだったんですか。 ただ、後ろの”H.K”っていうのが一瞬”香港”かなぁ〜と思ったりも しましたが・・・ちゃいましたね。失礼しました。 》 とりあえず、北斗神拳、阿斗、(白い服を着た老爺(かな)の) 》北斗(三國志)、などしか思い付かないので、教えて下さいなm(_._)m (改行位置 変更)  どっちかと言うと直接的には関係ないんですが、事の起こりは”帝都物語” でして、ですから、かれこれ10年近く前ですね。(ふっ、古い)  その中で北斗七星が天の龍で、その力を利用して、加藤(主人公)が東京を 滅ぼそうとする下りがありまして、いままで、ただの”熊”の一部としか思って いなかっかった星座がそんな「すごいものなのか」と知り、 &、私の左腕に北斗七星と同じ・・・ だったら良いんですが、一つ足りない形でほくろが並んでいて、それで何だか 親しみを感じて好きになり、それ以来RPGとかの名前に利用してきたのを ハンドルネームとして利用したまでです。  っていうのが簡単ですが理由です。でも、帝都物語とこのハンドルネームは 今やほとんどつながりが無いような気もするんですが、まぁ細かいことは気に しないでやって下さい。 》 そういえば、元々私は三國志&信長の野望オンリーの、 》 バリバリの超硬派光栄ゲーマーでしたが、 》 覇王伝を筆頭とする最近の駄作に嫌気が差して(以下略)  そうだったんですか。でもシミュレーション好きの人の方がやっぱりこの手の ゲームにはハマり易いみたいですね。  私も結構シミュレーション系は好きなんですが、三国志、信長系は周囲で ハマっている人が多く、ひねくれている私はあえてそれらに手を染めずに、 大戦略ばかりをやっております。 光栄系だと”ランペルール”はやったかな。 あと、会社が違うんですが ”シュバルツシルト”もかなりハマりましたね。 》 しっかし、初めてやった時は驚きの連続でした・・・ 》 何しろ電源をつけてみると、何と主題歌が有って、これがまたいい!!(^^) 》(中略) 》 当時、この系統の代表格、○きメモ(借り物)もやってみたが、 》 私にには合わず、5分で断念(笑)  私はこの系統で初めてしたのは多分と○メモ(笑)だと思うんですが(ああっ なんて濃いスタートなんだ)、オープニングに歌には驚き&恥ずかしぃーー、 って感じだったのを憶えています。  それに比べるとウィズハーのOPは結構ハードな感じで、絵だけ見ていると ちょっと内容が想像つかないところがまた結構良いかもしれませんね。  私はシステム的にはとき○モの方がとっつきやすかったんです。何て言うか、 毎週スケジュールを組むのが少し面倒かな・・・ってね。 でも、その分自分&複数のキャラを育てられるシステムは画期的ですし、 ある意味で戦略シミュレーションと通じるものがあるのかもしれません。     それでは、この辺で。 ごきげんよう                            一斗(QYS04033) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/14 12:52 04997 大船葵 RE^30:歓迎レス感謝です>カーフさん

04995へのレス
こんばんわ カーフさん 大船葵です。 > 1日1往復してますから(笑) このまま行くとレス50にいってしまうかもしれませんね。 > そうそう。萌えキャラなんですから・・・ 萌えキャライベントは成功させなくてはいけませんね。 頑張らなくては。 > 動きやすいからかなぁ?眼鏡キャラは知的なのが多いのも・・・? そうですね。眼鏡きゃらは知的なのが多いですね。 というか眼鏡のイメージが知的ということになっていますね。 > このパティオの発言、確かINETに写すという発言がありましたね・・・ > どこに写すんでしょうね? 今度探してみます。たぶんHPではないでしょうか。 > ルーム○イト・・・もう持ってます(爆) > ちなみにメッセージを飛ばす事は出来ません。 > 体験版とも違います。 あ、私も昨日買いました。メッセージはZボタンで早くできます。 でわでわ、萌えキャライベント必ず成功の大船葵でした。 <<< ジャネット&真琴FC会長補佐心得見習い希望 >>> 97/02/14(金) 12:43 大船葵(PED00127) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/14 22:40 04998 カーフ RE:RE^30:歓迎レス感謝です>カーフさん

04997へのレス
大船葵さんへ。  カーフです。  「このまま行くとレス50にいってしまうかもしれませんね」  50と言わず、100行きましょう!(笑)  「萌えキャライベントは成功させなくてはいけませんね」  そうです。萌えキャラですから(当然)  「そうです、眼鏡きゃらは知的なのが多いですよね」  しかも必ず外すと美人(笑)本が好き(笑)図書館が根城(爆)  「今度探してみます」  分かったら教えて下さい。このツリーで(笑)  INETにやっと繋げるようになりましたから。  「あ、私も昨日買いました」  イベントが終わると、待つしかない(笑)  それでは。  EM会議室支店長兼  ソーニャFC「ソーニャ学研究学会」No18、「エセルバート家の家庭教師」  カーフ(YRU02315/kalf@meshnet.or.jp)でした。  ソーニャの「ソ」は・・・(爆) 新規の発言 この発言へのレス

97/02/14 23:35 04999 かんでぃ SS:バレンタイン狂騒曲

かんでぃでし。 時事ねた。 −吟遊詩人の語り−。 「(ポロロン)ええ、寒終の14日はさる聖人の命日にちなみ、  その日がどういうわけか女性が好きな男性にチョコをあげると  いう習わしになってるとか。あなた方の世界で言う「バレンタ  イン・デー」みたいなものですね。このS&Wでもこの日ば  かりは女の子も男の子も1年中で1番ドキドキする日。さて、  どうなるのやら…(ポロロン)」 ◎蒼紫の苦悩  「またこの日が来たか…」  いつもなら一日の疲れを癒すべき大切な場所であるわが家なのだが、  この日だけは別である。何故かと言うと…この日の調理場では  ただでさえやかましい姉妹だちがさらに甲高い声で騒いでチョコを  作っているからだ。いつもいつも試食役はこの私。  和菓子は好きなのだが、洋菓子が苦手になったのもこの年中行事の  せいかも知れない。  これはまだいい。本当に恐れていることは…  「お兄さまあ…」  「あ、若葉…今日は私は腹をこわしてしまってな」  「ひどい…わたくしの自信作を毎年お兄さまにご試食してもらって   お味をお確かめになって初めて皆様にお渡しできるのに…」  「わ…わかりましたよ。」  私は恐る恐る口に入れた。  その後私が目を覚ましたのは寒終の21日のことであった。 ◎れっつ、くっきんぐ! ( きょうはなんでかしらないけどおんなのこがおとこのこに「ちょこれーと」を  あげるひなんだって。   そーだ、しんしあはおにーちゃんにとおーーーーっておきのちょこを  つくってあげるんだ。でも、「ちょこれーと」ってどおやってつくるんだろお?) 「まことおねーちゃーん」 「(まずいっ!)…どどど、どーしたこんな所で?」 「しんしあちょこれーとつくりたいんだけどつくりかたしらないの。」 「ででで、ななな何で私に聞くんだ!」 「だあって、おにーちゃんがまことおねーちゃんのおりょうり  うまいっていってたもん。」 「(ルーファスのヤツ、今度あったらただじゃおかんぞ…)」 で、家庭科室。 「こうやって湯せんにかけてだな…こら、直火に当てるんじゃない!」 「はあ〜い」 「中にナッツとか入れると結構美味…何言ってるのだわたしは。」 「じゃあしんしあはこれいれるね」 「…めざしなんか入れてどうする」 ガラリと扉が開いた。 「あ、いーんだ、ボクにも教えてよ!」 「あ、らしぇるはなんのちょこつくるのー?」 「…やっぱり栄養の在るのかな。チョコって結構携帯食になるんだ。  よく親父達も好んで携帯してるし、何回も雪山で役にたったらしいし…」 「じゃあちりめんじゃことかいれないの?」 「あ、ボクもそれけっこういいと思ったんだっ!」 「…お前ら味考えてるのか。」 いつの間にか真琴達の周りを女生徒が取り囲んでいた。 「…別に教えてやると言うわけでは無いんだけど…まあ、いいか。ふう。」 その後、妙な香りの漂う黒い固まりをもった袴姿の少女が立っていた。 「私にも教えていただけませんでしょうか…こういうのしか出来なくて…」 彼女の受難は続きそうである。 ◎本とカカオとブランデー 図書館にて溜息をつくソーニャ。 「まったくあきれるわね。たかがチョコにキャーキャーと。  ミュリエル、どう思います?」 「あ…私はいいと思いますけど…昔からの習わしですし…」 「どおせ、どこかの菓子ギルドが売上工場の為に  でっちあげたんでしょ、あんな習わし。」 突然本を眺めていたメリッサが声をあげる。 「チョコレートは女の子の永遠のロマンなのよっ!二人があまいあまーい  一つのお菓子で結ばれるってえー素敵なことなのよねえー。」 「あなたの様な宣伝文句に釣られて無意味な消費ばかりする人間が  市場を堕落させるのよ!」 「なによお〜お菓子のロマンをわからないなんてえ〜」 「お二人とも喧嘩しないでくださいっ!」 犬も食わない女の戦いに首を突っ込んだ犬男が一人。 「おいおい、なに喧嘩してるんだ。…ソーニャ、料理でもするのか?」 「ちがうわよマックス!私は市場に於けるお菓子の影響を…」 といって彼女は「楽しいお菓子造り:チョコレート入門」と 書かれた本を後ろに隠した。 ◎レジーの選択 この日は俺様にとって大収穫日である。 なんてったってこのレジー様のファンはS&W中のどこにでもいるからな。。 ま、1個も貰えないヤツにはざまあみろだな。ははは。 「あなた…本当に幸せですか?」  システィナの声だ。いくら女性ならオールマイティの俺様でも、 シスターってのは苦手なんだよなあ。 「いくら貴方がたくさんチョコを貰ってもそのなかに本当の気持ちが入っているのは  どれだけでしょう?気持ちのこもってない贈り物に意味はあるのでしょうか?」 「いいだろ貰えれば」 「うう。ああ神様、この迷える子羊に救いの手を…」 おいおい、こんな所で泣かれても困るよ。 まったく困ったねえ。 「俺が悪かったよ。」 そう言うと、彼女は笑顔で、 「そうですか。良かった。  では、これ。貴方に神のご加護が在りますように」 と言って、リボンも何もついてない白い小さな包みを渡して 去っていった。 俺は質素な包みを開けた。小さな十字架型のチョコが入っていた。 俺はこういうの苦手なんだよ、と思いながらチョコを口に入れた。 今まで口にした何千個のチョコよりも旨かったような気がした。 ◎宝石箱 「あれにしようかしら、これにしようかしら。」 私は宝石店でプレゼントを探していました。ふと横を見ると、 珍しい事にジャネットが入って来ました。 「あら、ジャネットも彼氏へのプレゼント探し?」 「そーいうわけじゃねーよ。」 「じゃああなたの?」 「るせーな…それにしても高けえなあ。ここは」 「でもそれなりの価値は在るわよ。でもねえ。本当に好きな人には  自分で手作りしたものの方が何倍も価値あるのよ」 「別にそういうものを探しに来たわけじゃないといってるだろ!」 「あ、午後ちょうどチョコ作ろうと思ってたから、教えてあげる。」 「別にその気はねーけど、暇だから付き合ってやるかな」 ◎苦悩するマスター 「…ったく、どいつもこいつも…」 俺はきゃいきゃい言っているアカデミーのメンバーを後目に、 溜息をついた。これくらい部活動に力を入れてくれればいいのに…。 「やあルーファス君」 先輩の声だ。こういう時に限って来るんだよなあ。 「俺はこんなにもらっちゃったよ。役得ってやつかねえ。」 「…先輩に渡さないと後が怖いからでしょ」 「(必殺ディルスペシャル!)…そういうお前はどーなんだ?」 「(いたた)俺は今のところひとつも…」 「そおかあ、そおだよなあ、はっはっは」 何か後ろでセシルの声がした。 「あのー、これセンパイに上げます。」 「あ、そうか貰っておくよ。」 「…全く男から貰うとは、ルーファス君も変わった趣味だねえ」 センパイがそう言うとセシルは顔を真っ赤にして 「ちがいますっ!ボクが他の人からもらって余ったから  まだ貰ってないセンパイに…」 そういうとセシルは部室から出ていった。 デイル先輩が去った後その包みを見ると、知った字で確かに 「センパイへ」と書かれていた。 「おにーちゃんのためにつくったんだから!」 「センパイ、ボクの自信作だよ!」 「ルーファス、何故バラした!…別にこれはお前に渡すのではなく  あまったからお前にやるだけだからな。」 「あの…これ…」 「センパイ、いつもお疲れさま」 「あなたに神の祝福を」 「ルー君☆」 「いつもありがとーよ」 女子部員が相次いでチョコを持ってやってきた。 俺はさっきのチョコを鞄にそっとしまった。 −再び吟遊詩人− 「(ポロロン)寒終12日、それはいろんな思いの交錯する日。  思いが届いた人も、届かなかった人も、思いが来たひとも、  残念ながら思いが来なかった人も、何かのハートは来てるはず。  あなたの心のポストを覗いてごらんなさい。きっと何かが届いて  いるはずですよ。では。(ポロロン)」 (おしまい) 長くなってしまいました〜すみません。 (上下に分ければよかった。) ほのぼの指向にしてみましたが、どうでしたか? ちなみに思いついて速攻で書いたので、御見苦しい点はご容赦を。 ばい 一般女性キャラ全部出すのは疲れた。JAG10203 かんでぃ #ラミカ&テ○ナの話も考えていたんだけど…
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