Mar.1999  最新 過去 「世界ひしゃげ発見」に戻る

31.Mar.1999 (Wed.)
最近話題のこの文書、読めば読むほど味が出る。

この文章は要約すれば

私には Unix についてのスキルはありません。だから NT を選びました

という表明にすぎないのだ。

矛盾だらけで、なんでそういう結論になるのかさっぱりわからないバグフィックスについての一節も、 Unix のスキルがないからリリースノートを読んでもわからない、 ただそれだけのことだとわかれば、なるほどと思うだろう。

別にそれは恥ずかしいことでもなんでもない。 Unix だろうがメインフレームだろうが NT だろうが、自分にとって使いやすい、 よく知っている環境でシステムを作って、ちゃんと動けば全然構わないのだ。

なのになんで、

以上、ここまで読んでいただけば、 如何にUnixシステムでのBBS運用にリスクが大きいかがおわかりいただけると思います。

なんて言っちゃうのかな。自分にとってはこうだった、ってことを一般化しちゃダメだよ。

あと、「DOS ならハードの性能を100%生かせる」ってのは10年前の発想だよ。 DOS を単なるランチャーとして使って、 プロセス管理もメモリ管理もファイルシステムも何もかも全部自前で作るのなら別だけどね。

28.Mar.1999 (Sun.)
おを、窪田先生のページ更新されている!

「ある物体の運動量をmvとする。もう一つの輻射複合体の運動量を(E/c2)vとする。これらを足すと
Mv=mv+(E/c2)v
である。両辺をvで割ってc2を掛ければ、
E=(M−m)c2 =m’c2
となり、質量とエネルギーは等価であることが証明された。」 というものです。

 アインシュタインは、とてもこういう人を食ったような計算をするのが得意だったらしいです。 初めに(E/c2)を質量だと決めてから、周り回って元に戻して、エネルギーと質量は等価であることが証明された、と 述べているわけです。  こんな論文が20世紀物理学では、史上最大の物理理論としてもてはやされたわけですから、ちょっと信じられない事 だと思いませんか。

全然違うよ。

アインシュタインは

初めに(E/c2)を質量だと決めて

なんていない。これは窪田先生の誤読に他ならない。誤読でないのなら単なる嘘だ。

輻射複合体の運動量が (E/c2)v ってのは、

エネルギー E の光は E/c の運動量を持つ
っていう、電磁気学の基本的な法則、理論的にも実験的にも正しいことがわかっている法則を使って導いたんだよ。 あまりにも当たり前すぎて、いちいち「この法則を使った」なんて書かないくらいの当たり前の法則なんだよ。

電気は窪田先生の専門なんだから、電磁気学は習ったはずだぞ。

そもそもこの「アインシュタインの証明」の引用自体があまりにも端折りすぎ。

この証明はある思考実験を使ったものなんだけど、その思考実験の重要な部分を全部省いて、 あたかもアインシュタインがいきなり「複写複合体 (実態は反対方向に進む二つの光の塊)」 なんて物を持ち出したみたいに見える。いつもながら、卑劣な手口だね、窪田先生。

で、じゃあ実際にたとえば核反応での質量欠損みたいに E = mc2 を証明しているとされる事例について窪田先生はどう考えてるのか、っていうと、

私は、原子爆弾の質量欠損は、次のように考えています。  電磁波は、その波長が短くなると粒子性を帯びてきますが、この運動エネルギーは当然、 E = mc2/2 を持つので、これは量子エネルギー E=hνに等しくなります。 したがって、 hν = mc2/2 から、m = 2hν/ c2 が得られます。

これは、電磁波のエネルギーを質量に換算したら、こうなるという意味であり、 “電磁質量”と名付けるべき筋合いのもの だと考えています。もちろん、現在はこの式は“擬似科学だ!”とされ、検討しようという気運さえ存在しません。

これだよ。光の運動エネルギーが E = mc2/2、つまりニュートン力学に従うなら、 運動量もニュートン力学に従って p = mc でなきゃならないだろう。ならさっき挙げた、

エネルギー E の光は E/c の運動量を持つ
はどうなる? この法則に従えば光の運動量は p = mc/2 になっちゃうぞ。

それとも光はニュートン力学に従わないのか? 光の運動量が p = mc にならない、 つまり光はニュートン力学に従わないというのなら、なんでそんなに自信たっぷりに

この運動エネルギーは当然E = mc2/2 を持つ

なんて言えるの? この式には、

運動エネルギーは E = mv2/2
っていうニュートン力学の法則以外には何の根拠も無いぞ?

だいたい、原子爆弾の質量欠損は、核反応の前後で、原子核の質量が確かに m = E/c2 だけ減っている、ってことが確かめられている、ってことなんだよ。窪田先生の式じゃ、質量欠損は m = 2E/c2 になっちゃうじゃないか。質量欠損が実際に確かめられている、 ってことの意味をどう考えているのかな?

http://www.d1.dion.ne.jp/~kubota_t/m-m.htmlより、

その他は、相対性理論は絶対に正しいとした上で、それを事細かに説明し、私の考えは間違っているとするものです。 私は30年以上相対性理論は正しいと信じて勉強してきましたから、 相対論の本質的な部分はよく理解しているつもりです。

いくら事細かに説明されても、反論にはなってないことが多かったようです。 つまり、「そんなことは私はよく知っているのですが。」と、お答えするような手紙の内容でした。

* 色付けは引用者によるもの

いいかげんに物事を理解して、しかもちゃんと理解したつもりになっている人は、人からそのことで説明を受けても、

「ああ、それ知ってるから」
と軽く見てその説明の本当に大事な部分を見逃してしまいがちだね。これはまさにその好例というべき。

それにしても30年勉強してこれだよ。あまりにもひどくないか? あ、「相対論を信じ」ちゃったからダメなんだね。科学は信じるものじゃないもの。

Linux 専用マシンである玄炎に加え、碧炎蒼炎にも Linux のインストールを試みる。
碧炎

このマシンに Linux を導入するに当たって問題となるのは NIC (ナカガワメタル TR-PCI-100) と SCSI (IOI-9100UW) である。また、SCSI 二枚構成であることや PCI デバイスが多く、IRQ の共有が多いことも問題だ。

TR-PCI-100 の VIA Rhine、IOI-9100UW の INIC950 とも、Linux で使えるようになったのはごく最近で、 標準のインストーラーについてくるブートイメージでは対応していない事が多い。

この二つのカードが標準で使用できる (と思われる) ディストリビューションとして、 Plamo Linux 1.4.1 を選んだ。 Slackware をベースとしたフリーの日本語パッケージである。

まず Linux をインストールする HDD の領域を確保しなければならないが、これは特に問題ない。 2台の SCSI HDD のうち、IBM DCAS-34330 (4GB) の方はほとんど手付かずだったので、 ごくわずかなデータを退避して Windows の FDISK で FAT パーティションを削除しただけで領域の用意は完了である。

最初に、CD-ROM からブートしてのインストールを試みた。そのためには SCSI の CD-ROM からブートできるように BIOS 設定を変更しなくてはならないが、 BIOS で CD-ROM からの BOOT を指定してもうまくいかない。実は SCSI (CD-ROM がつながっているのは Tekram DC-390U) の BIOS 設定で指定しなければならないのだった。まあ、これはすぐにわかったからよしとしよう。

CD-ROM からのブートに成功してインストーラーは起動した。が、このままではインストールできないことがわかった。 CD-ROM ブートで使われるブートイメージでは VIA Rhine と Tekram DC-390U は認識されるが、 肝心の HDD がつながった IOI-9100UW は使えなかったのである。

IOI-9100UW を認識できるブートイメージを使って作成した FD から起動して、ようやく インストーラーが IOI-9100UW を認識してくれた。が、今度は DC-390U が使えない。つまり、 インストール元の CD-ROM が読めないのである。困った。

既に玄炎で Linux が動いているのだからそこで両方が認識できるカーネルをビルドしてブートイメージを作ればよい、 のであろうが、できればやりたくない、というか、できない。

が、Plamo Linux ではインストール方法として CD-ROM からのインストール、FTP や NFS を使ったネットワークインストールの他に SMB、つまり Windows のファイル共有を使ったインストールができるのだった。 幸い NIC は認識されている。これで何とかなりそうである。

蒼炎の CD-ROM ドライブに Plamo のインストール CD をセットし、 ソースディレクトリを共有に設定する。FD からブートして、SMB でのインストールを選択し、自分の IP アドレス、 ソース (蒼炎) の IP アドレス、蒼炎のホスト名、ソースディレクトリの共有名などを入力すると、 無事インストールが始まった。便利になったものだ。

インストールは無事に終了したし、インストールされたカーネルは IOI-9100UW も DC-390U も VIA Rhine も使えるものだったので万事めでたし、かと思ったが、そううまくはいかなかった。 NIC が使えないのだ。起動時には一応認識されてはいるのだが。 どうやら、VIA Rhine と DC-390U が IRQ を共有しているのがよくないようだ。 インストール時に使えていたのは、DC-390U を使っていなかったから、ということらしい。

そもそも IRQ の共有を Linux でサポートしているのかどうか気になって、Hardware-Howto を読んだり、 goo で "Linux PCI IRQ 共有" といったキーワードで検索したりしたが、 今一つはっきりしない。ただ、やはり同じように IRQ 共有ではまっている事例が見つかっただけであった。

各カードをを挿す PCI スロットを入れ替えたりして、IRQ 共有をしないようにするべきなのだろうが、 そうすると Windows 環境に悪影響を及ぼしそうで怖い。

X は RivaTNT で問題なく使えているし (Plamo の標準 GUI はちょっと地味だが)、 他は問題ない (もちろん SB Live! や DVD デコーダーを使うのははじめからあきらめている) だけに残念である。

蒼炎

メインマシンの蒼炎に Linux をインストールする予定は当初は無かった。蒼炎のビデオカードは XFree86 でサポートされていない 3Dfx Banshee だったからである。

が、碧炎の IRQ 共有問題を何とかしようと "Linux PCI IRQ 共有" で goo を検索していて、 Banshee で XFree86 を使用している事例を偶然見つけたのであった。 その上、碧炎でのインストールが上記の通りあまりうまく行かなかったこともあって、 それでは蒼炎にインストールしてみるか、ということになったのだ。

インストールするディストリビューションであるが、最初は

「玄炎が Redhat 系 (Vine Linux)、碧炎は Slackware 系 (Plamo Linux) だからここはやはり Debian では」
などと考えていた。が、入手した Banshee 用の X Server は rpm で供給されているし、 件の事例も Vine でのものだったので、必然的に Vine Linux(1.0b1) を選択することとなった。

蒼炎は Banshee を別にすれば、HDD は IDE だし、NIC などの IRQ 共有もないので比較的問題は少ないと考えられた。 (もちろん碧炎と同様 SB Live! や DVD デコーダーは使用をあきらめている)

まず領域の確保である。

蒼炎は DTTA-371010 と DTTA-351010 の2台の 10GB の HDD を搭載している。それぞれを 約5GB の二つのパーティションに分け DTTA-371010 を C: と D:、DTTA-351010 を E: と F: にして使っている。

DTTA-371010:
パーティション1
C: 5GB vfat32
パーティション2
論理パーティション1
D: 5GB vfat32
DTTA-351010:
パーティション1
空き(約 8MB)
パーティション2
論理パーティション1
E: 5GB vfat32
論理パーティション2
F: 5GB vfat32
DTTA-351010 に基本パーティションを置いていないのはドライブ構成が変わったときにドライブ名がずれるのを防ぐためである。

これらのドライブのうち、F: はアプリケーションがインストールされておらず、データだけしかなかったので、 そのデータを退避して F: を潰し、Linux にあてることにする。 が、Linux はできるだけ基本パーティションにインストールしたかったこと、またもう少し大きな領域を Linux にあてたかったことなどもあって、DTTA-351010 のパーティションを最初からきりなおすことにした。 F: と E: のデータを退避して領域を全て解放し、改めて以下のようにパーティションを切りなおした。

DTTA-351010:
パーティション1
空き(約 6GB)
パーティション2
論理パーティション1
E: 4GB vfat32

Linux インストール後は以下のような構成になる。

DTTA-351010:
パーティション1
Linux swap(約 512MB)
パーティション2
Linux (約 5.5GB)
パーティション3
論理パーティション1
E: 4GB vfat32

インストールは順調に進んだ (X の設定はとりあえず VGA でインストール) が、 最後のネットワーク設定で VIA Rhine が選べない。ネットワーク設定をしないでインストールを終えた。

インストーラーでは VIA Rhine が選べなかったが、via-rhine.o は既に用意されていたので、 自分で各種設定をすればネットワークがつかえるはず、と設定をはじめたが、自分でやる方法がわからない。 玄炎の設定を見たりドキュメントを読んだりしながらようやく設定を終え、無事ネットワークがつかえるようになった。

いよいよ Banshee 用の X Server のインストールだが、 ここから入手した3つの rpm をおいたディレクトリで rpm -Uvh *.rpm を実行するだけである。

残念ながら XF86Setup がうまく動かなかったのでとりあえずここの XF86Config をそのまま使うことにする。 今までの XF86Config のバックアップを取ってダウンロードしたファイルと入れ替え、/etc/X11/X から VGA 用の X Server へのシンボリックリンクを Banshee 用の SVGA Server にリンクしなおした。

今のところ完全ではないが (24/32 bit でうまく動かない)、かなり快適に X が使えるようになった。

今回はここまでで力尽きた。もっとちゃんと使えるようにする設定は今後の課題となろう。

21.Mar.1999 (Sun.)
あー。なんだかだいぶ間があいたが、気にせず書き始めよう。
「アインシュタインの相対性理論は間違っていた」 の窪田氏がいつのまにかWeb に進出していた。
「相対論ではない、単なる間違った考え方」
を持ち出して、
「どうです、間違っているでしょう、これが相対論です」
とやる手口は相変わらず。
架台が2つあり、例としてV=2vの場合の図を書きましたが、きわめて奇妙な図です。 「L、vt、ct、光の直角三角形」も正しく、 「L、Vt、ct、光の直角三角形」も正しいことはあり得ません
なんて書いてるけど、もちろんその通り。問題は、そんなこと誰も主張していないってこと。 Fig.2 の考え方は、単に間違った考え方に過ぎない。窪田氏がでっち上げた偽の相対論に過ぎないのだ。 偽の相対論をでっち上げて、それが間違っていることを証明する。 まるで某宗教団体なみの自作自演体質ではないか

そもそも窪田氏がこのページの最初に挙げた図 (Fig.1) は、相対論に基づいた図じゃないのだ。

相対論以前の、「光速は観測者によって変化する」という19世紀の考え方に基づいた図なのだ。

19世紀の考え方が正しければマイケルソン・モーレーの実験はどういう結果が出るはずか、 を説明するための図なのだ。この19世紀の考え方と相対論の違いが窪田氏に理解できてないことは、 すでにここで指摘しているが、あれからまったく進歩していないね。

「質問への回答」のページから

「窪田は相対論の“その字”も分かってない。“相対性”という言葉も分かってない。素人が口を出すな!」

という手紙も多かったです。ベストセラーになった、ある単行本に私の著書が紹介され、その中で私は「なぶり殺し」 に合いました。

私は特殊相対性理論がどういう理論であるのかをよく知っています。分かりやすく説明しましょう。

いいえ、ぜんぜんわかってません。

あの図を「相対論に基づいた図」として紹介した瞬間に、 あなたは相対論について何もわかっていないことを自ら証明してしまったのですよ>窪田氏

マシンのプロフィールを書きかえた。これまでの日記に出てきたあのボードは、 あのカードはどこに行ったか? 野暮なことは聞かないこと(笑)。

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