【第2部】 Vol.5



*** うそばっかりのうささぎのはなし ***



お寺で修行をすることになったうささぎとクロクロ。

今日はそのことをミミズク博士へ報告に来ました。



博士  「やあ、クロクロ、うささぎ。

     きょうは薬屋のアルバイトは休みかい?」

うささぎ「薬局でのアルバイトはもう終わったんだ。

     リストラされちゃったからね」

博士  「そうかい」

クロクロ「それで仕事がなくなったから、今度はお寺で修行をすることに

     したんだ」

博士  「へえー」

うささぎ「お寺に『一週間体験修行コース』っていうのがあって、

     それに参加するんだ」

博士  「またずいぶんとお手軽な修行があったもんだな」

クロクロ「ふつうのサラリーマンの人とかも体験修行に来るらしいよ。

     お寺も教えの普及のためにいろいろと努力しているんだ」

博士  「ふーん。

     で、どんな修行をするんだい?」

うささぎ「まだ、なにも聞いていないから、よくわからない」

博士  「なるほどね。

     普通の人がお寺で修行をするときには、まず始めに髪の毛を剃って

     坊主頭にするんだけど、うささぎ達も坊主頭にするんだろ」

うささぎ「坊主頭?

     坊主頭かあ。

     うささぎの頭を坊主にすると、どんな感じになっちゃうんだろ?」

博士  「そうだなあ。絵に描いてみると、こんな感じ、、、」



うささぎ「なんかカッコ悪いな。クロクロどう思う?」

クロクロ「ちょっとね」

博士  「しかし、これでは今ひとつ坊主という感じがしないな。

     耳がじゃまだ。耳も取ると、、、」



クロクロ「坊主らしくなったね」

うささぎ「なんか急に修行する気がなくなってきたな」

クロクロ「そんな弱気なことでどうするんだ」

うささぎ「そんな事言ったって、これカッコ悪いよ。

     クロクロだってカッコを気にするだろ」

博士  「じゃあ、クロクロの坊主姿も想像してみよう」



クロクロ「やっぱり修行はやめにしよう」

博士  「おいおい、一度やるって決めた事なのに、そんなに簡単にやめ

     ちゃうのかい?」

うささぎ「だってカッコ悪いよ」

クロクロ「耳までなくなっちゃうのはヤダなあ」

博士  「修行が始まる前から脱落してどうするんだ。

     ちゃんと、がんばらないと」

うささぎ「うーん。困ったなあ」


                  つづく

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