大田市場で起きてること
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起きてる出来事は役所体質問題でもあるということ
太田市場で起きてる問題。
始まりは、花屋組合と卸売り業者(太田花き&フラワーオークションジャパン)の問題。
だったはずでした。
東京都は正しくルールに則って違反があれば正す、というのが役割だったはずでした。
それが、いつのまにか、組合と東京都の対立になってきています。
2月の取引委員会では、東京都事業部課長の強引な議事進行にまったをかける組合い、
首をすぼめて時が過ぎるのを待つ卸業者と中卸業者、
常に沈黙して一言も発しないその他2人の東京都職員、
そんな感じでした。
理由は不明ながら東京都が強権を使ってまで決めてしまった新ルール。
この新ルールはインターネット取引を始める際に東京都が回答したこととも矛盾しています。
組合いが東京都に意見書を出したのが、2月20日頃。まだ東京都から何の答えもありません。
2月末には都庁で担当課長2名(太田市場の課長ではありません)と組合取引委員4名で話し合
いをしました。この話し合いというのが、どういう意味があったのかまだ不明ですが
2名の課長が時々口にしていた気になる言葉があります。
<手続きを踏んだ>
「取引員会でちゃんと話し合いをし、然るべき手続きを経て新ルールを決定したと聞いてる。
そう言うのです。
都庁での話し会いの意味も、ひょっとしたら手続きだったのかもしれません。
つまり、「あなたがたの主張はちゃんと聞いた。だから、無視したわけではなく、話し合ったと
いう手続きを踏んだという意味で責任を果たした。」
内容はともかく手続き上問題ないから、新しいルールを作る上で問題はない。
そんなことなんじゃないか。
話しは少しそれますが、それほどそれてもいないので書いてみます。
もうすぐ都知事選挙。争点の一つに築地移転問題があります。移転先の豊洲は東京ガスの跡地で、
土壌汚染が問題になっているのです。たまたまラジオで大阪市立大の教授の話しを聞きました。
(あとで調べたら、この教授は日本環境学会会長で土壌汚染の専門科、大阪市立大大学院の畑明
郎教授でした。)
彼によると、2001年に豊洲の移転候補地(東京ガス所有)を東京ガスが土壌検査をした頃と
今では実情がまったく違う。サンプル調査にしても、当時の調査は全く不十分で、今の法律では
10倍のサンプルをチェックしなくてはいけない。計画によると、2メートル掘って4.5メート
ルの盛り土をする。その上にアスファルトでカバーをするので大丈夫だ、と言っているがこれで
は足りない、とのこと。
土壌に含まれているシアン(青酸カリ)、ベンゼンなどの有毒物質は毛細管現象で上に上がる。
アスファルトはひび割れして地表に出て来る可能性があるしガス化して空気中を漂う。
それが魚を汚染するかもしれないというのです。
これに対する東京都の答え
「ちゃんとやりますから大丈夫です。」
もう一つ。
三宅島に計画されてるオートバイレース。僕は初耳で、Jーwaveで聞くまでは全く知りませんでした。
15分解説を聞き、ネットで調べてみました。三宅島の噴火被害復興のために、石原都知事が発案
したそうです。一見、よさそうに思えるのですが、本当のところは問題だらけ。
Jーwaveでゲスト解説していたのは、元プロレーサーの宮城光さん。
彼も最初はいい企画と思ったそうです。が、現地調査の際、4回試走、危険すぎて無理だという
結論に至ったそうです。道幅が狭く(6メートル)、片側は海断崖、片側は山壁になっていて、
事故が起きた時の緩衝スペースを全くとれないと言うのです。石原都知事は、危険だから面白い、
と言っています。宮城さんは、東京都に対して、2月5日に(反対)意見書を送ったそうですが、
反応はありませんでした。
Jーwaveが東京都に取材すると、<いろいろな意見を考慮して企画しますから大丈夫です>と答
えたそうです。
要するに対応が同じなのです。
話しは聞いた。質問も読んだ。それを踏まえて決めた。手続きを踏んで決めた。
こういうことなのです。
築地移転問題は都知事戦の争点になるようなことだから世間的にも知られています。
だから、問題がクローズアップされて、都知事選を安閑としていられなくなった石原都知事も再
調査したらいい、みたいなことを言い始めています。しかし、花市場の問題は、なかなか伝わり難い。
組合内部にさえも知らせるのが困難で、こうやってホームページを作ったりファックスでお知らせし
たりし始めているのです。インターネット取引の基本に戻ると、20%の花はセリに出す、という
提案が組合に出されされて始まった取引システムなのです。言わば、条件を提示され、お願いされて
始まった部分もあるのです。それを、実体は取引なのに取引じゃないから違反じゃないと言ったり、
肝心の20%枠を取り払ったり、それに対する質問にも答えないまま権力行使したり、それを役所的
な手続きは踏んだということですませてしまうようなやり方が許されていいわけがありません。
10へ続く
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