大田市場で起きてること
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要約すると
早いもの勝ちのルールが出来た。
しかも、チャンスは平等にはやって来ない。
ドラマチック要約すると、そんな感じだと思う。
まず、このルールの肝心なところは、予約相対を別枠にした点。
これに関しては繰り返し繰り返し、特に東京都に向かって言ってきた。
なぜ、東京都に繰り返したかと言えば、花を職業としてないからイメージが浮かばないかも、と
いうことと、結局ルールを決めるのは東京都じゃんか、という理由からだ。
2日前までに注文するかインターネットでクリックした花は、太田市場に入荷した花とは別に扱
われる。注文されたりクリックされる花は、一般的に言えば、花屋さんにとって必要な人気花。
これ当然。だから抜かれていく花は、お彼岸の頃は栃木県のスプレー菊だったり、クリスマス頃
になれば赤いバラだったりする。そして、その代わりにセリに上場されるのが、1週間もたたな
いうちに葉っぱが黄色くなる輸入のスプレー菊(生産国によって出来不出来に大きな差がある)
だったりするのだ。
予約相対を別枠にするとセリに花がなくなる可能性があるのを東京都も認めている。
それを回避するために東京都が提案決定したルールは、以下の2項目。
1、相対に80%を超える花を出してはいけない。(20%はセリに)
2、品種別に最低セリ上場(ケース単位)を設ける。
1に関しては、予約相対で全部なくなってしまった場合には意味がなくなる。0に80%とか言
ってもどうしようもないのだから。
2に関して、チューリップを例にすれば以下の様に表示される。
ピンクダイヤ他P系品種 5ケース
モンテカルロ他Y系品種 5ケース
5ケースは最低単位なので実際にはもっとセリに出される。しかし、多くの花屋さんは、別にピ
ンク系のチューリップが欲しいわけでない。アンジェリッケが必要な時に、桃太郎はいらない。
バラはもっとおおざっぱで、リストアップされているのは7種類。実際に市場にやってくるのは
500〜600種類もある。
アジサイとかユーカリ等はリストアップさえされない。
しかし、リストアップされてないから重要ではない、ということで全くない。
アジサイの中でもこのシーズン一番綺麗なオータムライトグリーンは輸入量が多いのにも関わら
ずセリ前に消えていく。
ユーカリの場合、ポポラスベリーとポポラスリーフとポポラスレッドは違う。
これは、花屋も花卸し屋も卸業者も常識的に分っている。
しかし、ポポラスベリーは124束あったとしても予約相対と相対で0になるほど人気があり、
ポポラスリーフは24束のうち20束セリに出てくる不人気ぶり。(2007年1月24日)
お彼岸に消えてしまった国産のスプレー菊と同じこと。
人気のあるものから消えていく。
しかもボリュームディスカウントされて、注文なのにセリの半値という例もあるのだからひどく
不平等な話しなのだ。
このルールを発案、権力で決めると言った東京都は、この疑問に答えるべきだと思うのだけど、
今になっても答はない。
さて、どのように責任を取ってくれるのでしょうか?
11へ続く
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