いよいよ御殿場に向けて出発したうささぎとクロクロ。
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クロクロ「さて、どうやって行こうか?」
うささぎ「大通りに出て、そこでヒッチハイク!」
クロクロ「そうだね。」
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うささぎ「さあ、大通りに着いたよ。」
クロクロ「さすがに車がたくさん走っている。」
うささぎ「オーイ、だれかあ、御殿場まで乗っけて行ってくれえ。」
クロクロ「いきなり御殿場までは乗せていってくれないよ、きっと。
とりあえず渋谷まで連れていってくれる車をさがそう。」
うささぎ「オーイ、だれかあ、渋谷まで乗っけて行ってくれえ。」
クロクロ「だれにも聞こえていないね。」
うささぎ「やっぱり、車の中にいる人にまでには聞こえないね。
すごい車の音だし、アッというまに通り過ぎて行くし。」
クロクロ「いい方法はないかな?」
うささぎ「実力行使で車を止める、っていうのは?」
クロクロ「実力行使? どうやって?」
うささぎ「車の前に出て、立ちはだかる。」
クロクロ「ひかれて、おしまいだよ。」
うささぎ「ダメかあ。」
クロクロ「車は速すぎるけど、自転車だったら声かけられるかも。」
うささぎ「そうだね。自転車の人に頼もう。」
クロクロ「さっそく、むこうから来る自転車の人に頼もう。」
うささぎ「オーイ、そこの自転車の人。
自転車に乗っけてえ。」
クロクロ「あっ、気がついたみたい。こっちに来るよ。」
うささぎ「あれ、クロクロ。自転車の人、マンションの田中さんだよ。」
クロクロ「田中さんのおばさん?」
うささぎ「うん。
何か、やな予感がするなあ。」
田中「あら、ぬいぐるみちゃんたち。何しているの?」
うささぎ「ヒッチハイク」
クロクロ「誰かクロクロたちを運んでくれる人探しているんだ。」
田中「そう! だったらおばさんが乗っけていってあげる。」
うささぎ「わーい。ありがとう。」
田中「さあ、乗りなさい。」
うささぎ&クロクロ「はーい。ありがとう。
じゃあ、渋谷までお願いします。」
田中「何言っているの。おばさんはスーパーマーケットに用事があるのよ。
これからスーパーへ行くからね。」
うささぎ「ありゃ。田中さん、スーパーは渋谷とは反対方向だよ。」
クロクロ「反対方向だ! せっかくだけど降ろしてください。」
田中「人が親切にしてあげているのに失礼ね。
一度乗ったんだから。さあ、みんなでスーパーへ行くわよ。
出発!」
うささぎ「うわー、スーパーは反対方向だって。
ヤダよー。」
クロクロ「御殿場が遠くなっていくう。」
チリンチリン。自転車はうささぎたちを乗せてスーパーへひた走るのでした。
つづく