1996年10月

****** うそばっかりのうささぎの話 御殿場へ ******

さて電話ボックスであったタケシさんの部屋へやってきたうささぎたち

うささぎ「うわー、お兄さんの部屋汚いねえ。」

クロクロ「足の踏み場もないや。」

タケシ 「余計なお世話だ。」

うささぎ「これじゃ、”どこでもモグラの宅配便屋さんもやって来ることが

     できないね。」

クロクロ「そうだね」

タケシ 「その何とかモグラってなに?」

うささぎ「宅配便屋さんだよ。

     説明するね。

*********** どこでもモグラの宅配便 *************

ある日東京のうさぎ小屋での話

     ミシッ ミシミシッ

カステラ「うささぎ、なにか変な音しない?

     ミシミシっていう?」

うささぎ「んん?」

     ミシミシミシ、バキバキ、バキッ

カステラ「うわー、何かが床をつきやぶって出てきたー。」

うささぎ「あっ、どこでもモグラも宅配便屋さんだ。」

モグラ 「へい、まいど。」

カステラ「どこでもモグラの宅配便? 荷物を届けに来たの?」

モグラ 「はい。手紙付きで。」

うささぎ「わーい、うささぎあての荷物だね。」

モグラ 「へい」

カステラ「それにしても、床を突き破って入ってくるとは。」

モグラ 「モグラなもんで、地面を突き破って出てくるのが

     性に合っているんですよ。」

カステラ「それでは、届け先が2階や3階の家はどうやって行くの?」

モグラ 「どこでもカラスの宅配便に頼みます。」

カステラ「カラスの宅配便?

     まさか窓ガラスをぶち破って突入し荷物をとどけるんじゃ

     ないだろうな。」

モグラ 「よく御存知で。」

カステラ「窓のない家はどうする?」

モグラ 「ヒグマの宅配便に頼み、力づくで扉をぶち破って届けてもらいます。」

カステラ「そこまでしなくてもいいんじゃない。」

モグラ 「それもそうですね。

     それではハンコをいただけますか?」

うささぎ「はい。」

モグラ 「毎度あり。」

カステラ「モグラさん、この壊れた床はどうしくれるんだ?」

モグラ 「直しながら去りますので安心を。」

うささぎ「うささぎは知っているよ。あっと言う間になおっちゃうんだ。」

モグラ 「それではまた!」

      パキパキパキ

カステラ「おおっ、見る見るうちに床が元通りになっていく。

     さすがプロの仕事は違う。」

うささぎ「わーい」

**********************************

うささぎ「ってな感じで荷物を届けてくれるんだ。」

タケシ 「ふーん」

           ルルルルルルルルルル

クロクロ「電話だよ。」


つづきへ  目次へ戻る      表紙へ戻る