1996年7月14日


********* うそばっかりのうささぎの話 御殿場へ ****

バイク便のお兄さんに運ばれて町田まで来たうささぎたち。



バイク便「さあ、町田に着いたよ。荷物を届けるのも終わったし、

     オレは都心へ帰る。」

うささぎ「運んでくれて、ありがとう。」

バイク便「御殿場までは、まだ遠いね。きみたち電車に乗っていったら?

     ここから15分くらいのところに町田の駅があるから、

     そこから電車に乗れるよ。」

うささぎ「わーい。そうだね、電車にのってみようクロクロ。」

クロクロ「賛成!」

バイク便「じゃあ、オレは行くからね。

     またどこかで会おう。さよなら。」

うさ&クロ「さよなら。」

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ってなわけで町田駅までやってきたうささぎたち。

うささぎ「15分って言っていたけど、30分位かかったね。」

クロクロ「人間の歩く速さと、ぬいぐるみが歩く速さはちがうからね。

     人の2倍はかかるんだ。」

うささぎ「ふう」

クロクロ「さあ、キップを買おう。

     バイク便のお兄さんが言っていたけれど、新松田まで行って

     そこで乗り換えだって。」

うささぎ「お金ないのにどうやって切符かうの? クロクロ」

クロクロ「そういえばお金なかったね。」

うささぎ「あっ、あそこに切符が落ちている。

     あれを拾おう。」

クロクロ「作り話だから、ちょうどイイ具合に切符が落ちているね。

     よかった。

     あれ、でもこの切符、穴が明いている。

     使用済みの切符だ。」

うささぎ「使用済みが、なぜここに?」

クロクロ「定期かなんかで出たんじゃない?」

うささぎ「そうだね。

     でも使用済みとは残念。」

クロクロ「ないより、あったほうがマシさ。

     これで乗ろう。」

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うささぎ「さあ、改札機だ。

     切符の入れ口があんな高いところにある。」

クロクロ「ちょっと飛び上がって入れてくるね。」

うささぎ「その切符使用済みだから役に立たないよ。」

クロクロ「いいよ、試しに入れてみよう。

     よいしょ、っと。」



ピコーン ピコーン ピコーン バタン



うささぎ「うわ! 改札機が鳴りだした。

     どうしよう?」

クロクロ「うわ、ピコーンピコーンいっている!」

うささぎ「止め板(改札機で閉まるやつ)も閉まっちゃったよ。」

クロクロ「いいや。止め板の下を通って入っちゃおう。」

うささぎ「この止め板は人間には役立っても、ぬいぐるみには

     無意味だね。」

クロクロ「わーい。」

うささぎ「あっ、切符を忘れないように持って行こう。」



ピコーン ピコーン ピコーン 3番閉塞、確認願います。



つづく


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