1997年1月

***** うそばっかりのうささぎの話 ******

事故現場からみみずく博士の家に戻ってきたうささぎたち。

くまった「くまったたちが第一発見者だから事情聴取されるかと

     思ったけど、何もきかれなかったね。

     ちょっと残念。」

みみずく「ぬいぐるみじゃ相手にされないな。」

うささぎ「警察は苦手だ。」

くまった「それはそうと、クロクロはどうしたのかな?

     まだ来ないね。」

うささぎ「いっそのこと迎えに行ってみよう。」

くまった「そうだね。」

うささぎ「博士、それではクロクロの家に行ってきます。」

みみずく「よろしくな。」

うささぎ「デズデモーナ、出発するよ。

     あれ、またデズデモーナは消えちゃった。

みみずく「アリの行列でも探しているんだろ。」

さて、クロクロが居候している黒木さんの家へやってきたうささぎたち

うささぎ「こんにちは、うささぎだよ。

     クロクロはいますか?」

黒木  「クロクロならみみずく博士のところへ行ったわよ。」

くまった「あれー、行き違いかな?」

うささぎ「クロクロは何時くらいに出ていきましたか?」

黒木  「もう3時間位前かしら。」

うささぎ「おかしいな。

     3時間前なら事故の前には博士の処に着いているはずだ。」

くまった「お姉さん、くまったたちは博士のところから来たんだけど、

     クロクロには会わなかったよ。」

うささぎ「どっか別のところへ行ったのかなあ?」

黒木  「思い立ったらすぐ始めるクロクロだから、

     どこか別のところにいったのかも。」

うささぎ「そうですか。」

黒木  「明日はちゃんと博士のところへ行くように言っておくわ。」

うささぎ「では博士のところへ帰ります。」

くまった「また明日。」

帰り道

くまった「クロクロは何か面白いこと見つけたのかなあ?」

うささぎ「どうかなあ?

     うささぎは何かイヤな予感がする。

     事件に巻き込まれたのかも?」

くまった「考え過ぎだよ。」

うささぎ「ひょっとして、クロクロは歩いているときに

     近所のガキンチョ軍団に捕まったのかもしれない。」

くまった「うわっ、それって誘拐?

     捕まるとどうなるの?」

うささぎ「ラグビーボールの代わりに空中へ放り投げられちゃう。

     そうだ、今ごろクロクロは放り投げられたりして

     ガキンチョのオモチャにされちゃっているよ。きっと。」

くまった「ぬいぐるみはもともとオモチャだよ。」

うささぎ「そうだね。」

くまった「うん。」

うささぎ「おもちゃだよね。でも、ちょっとがっかり。」

くまった「世の中悪いガキンチョばかりじゃないよ。」

うささぎ「だといいね。」

くまった「きっと明日にはクロクロに会えるよ。」

うささぎ「いえてるね。」

つづく


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