ミミズク博士の家にやってきたうささぎとデズデモーナ

うささぎ「ミミズク博士、こんにちは、うささぎと

　　　　　デズデモーナだよ。」

みみずく「いらっしゃい。」

うささぎ「今日はクロクロは来ていないの？」

みみずく「まだ来ていないな。」

うささぎ「そこにいるぬいぐるみはだれ？」

みみずく「うささぎは”くまった”に会うの初めてだな。」

うささぎ「うん。」

みみずく「紹介しよう。

　　　　　くまのぬいぐるみで、わしの弟子”くまった”だ。」

くまった「こんにちは。」

うささぎ「初めまして、うささぎだよ。

　　　　　こっちにいるにはデズデモーナ。」

デズデモーナ「ダー」

くまった「よろしく」

うささぎ「よろしく。

　　　　　ところで、博士。今日は質問があって来たんだけど。」

みみずく「なに？　何の質問？

　　　　　またこの間みたいに、”映画００７の中でジェームスボンドは

　　　　　敵の車の中に一晩中隠れていたけれど、その間おしっこは

　　　　　どうやってしたんだろう？”

　　　　　とかいうやつ。」

うささぎ「ちょっとちがう。

　　　　　今日は”寒い”っていうのはどういうことか聞きに来た。」

みみずく「そうかい。」

くまった「わー、くまったもぜひ知りたい。」

みみずく「では教えてやろう。

　　　　　冬になると、渡り鳥と同じ原理で北から雪女がやってくる。

みんな雪女はしっているかな？」

くまった「知っている。

　　　　　人を凍り付かせてしまう化け物だ。」

みみずく「そうだ。

　　　　　だから、人間は雪女が来る冬になると、雪女を恐れて

　　　　　ブルブルと震え、不快な気分になるんだ。

　　　　　それが寒さの正体というわけ。」

くまった「へえー、そうだったんだ。

　　　　　雪女が”寒さ”なんだね。」

みみずく「そうだ。」

うささぎ「ねえ、くまった。

　　　　　みみずく博士の話、まさか信じているんじゃないよね。」

くまった「えっ？　ちがうの？」

うささぎ「博士はよくウソを言うから気を付けた方がイイよ。」

くまった「えー、そんなあ。」

みみずく「ウソを見抜く力を養うための訓練も必要だからな。」

うささぎ「博士のウソは２秒でバレるって。」

みみずく「はは、いやあ、くまったは何でも信じるから、ついウソを

　　　　　いってみたくなってしまうな。」

くまった「ブー」

つづく