******** うそばっかりのうささぎの話し ********

  

【第3部 第1話】

 

前回の話しまでは、ぬいぐるみだった「うささぎ」「クロクロ」「くまった」たち。

今回の話しでは謎の生き物の国の「謎の動物」として登場します。

動物になったうささぎたち、なにをやってくれるのでしょうか?

はじまり、はじまり、、、

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親愛なる森のみんな! 

元気にしていますか? くまったはとうとう「石油の出る町」へたどり着きました。

ここには大きな川、それも大きな客船が通れるくらいの川があります。

ここからはいよいよ船に乗って「鯨の来る町」を目指そうと思います。

幸いにして、くまったはタダで船に乗せてもらえるようになりました。

といっても、「鯨の来る町」までは船の中で船乗りとして働かなくてはなりません。

くまったにそんな仕事ができるかって? 心配ありません。

乗り込むのは空(から)の客船でお客さんは一人もいないんだとさ。

何でも「鯨の来る町」へ遊びに行っている動物たちを迎えに行く船らしいです。

明日はいよいよ船長さんのところへ連れていってもらいます。

ではまた。

         「鯨の来る町」を目ざす「くまった」より

 

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ミミズク「よう、船長!」

船長  「・・・・・・」

ミミズク「おい! 船長!」

船長  「よう、ミミズクどん」

ミミズク「聞こえてんだったら、さっさと返事をしてくれよ」

船長  「初めのは聞こえていなかったんだ」

ミミズク「聞こえてもいないのに、なぜ『初めの』っていうのがわかるんだ?」

船長  「テレパシーで」

ミミズク「テレパシー使えるんだったら、声をかける前に返事をしたらどうだい?」

船長  「次回からはそうしよう」

くまった「ちょっと、ちょっと、ミミズクさん。船長さんはテレパシーが

     使えるんですか?」

ミミズク「使えない、使えない」

くまった「そうですかあ」

船長  「で、そこの若い衆が補充要員だね」

ミミズク「あー、凄腕のやつを連れてきたからな。こいつは船の扱いについちゃあ

     森一番だ」

くまった「森では船には乗りませんって、ミミズクさん」

ミミズク「今から一週間もすれば森一番になるって」

船長  「じゃあ、さっそく乗船してもらおうか」

くまった「はい」

ミミズク「じゃあ、若い衆、元気でやれよ。

     船長の作ったものだけは食うなよ」

くまった「どうしてですか?」

ミミズク「今まで乗っていた船員10名、みんな食あたりで、ほら、あそこの

     病院に入院してるさ」

船長  「いやあ、みんな働きすぎだから、ベッドの上でゆっくり休むのも

     必要だと思ってね」

くまった「あのー、やっぱり船乗りになるのは、やめておきます」

船長  「冗談だって」

ミミズク「みんな海から運んできた珍味の毒貝を食べたんだ。

     船長は変わったものは食べないからね」

くまった「ほんとうに大丈夫ですか?」

船長  「心配いらないって」

くまった「うーん」

 

つづく

 

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つづきへ 

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