<太田市場で起きてること>

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強引な提案と東京都の不思議態度

10月25日、11月1日、連続で取り引き委員会がありました。

通常の委員会と違い、オープン形式で委員以外に多数の出席がありました。

出来るだけ多くの意見を集めるという趣旨、とばかりは言えないのですが、

ある意味で、めちゃめちゃ、別の意味では、そのめちゃめちゃぶりを公開す

る、という点でよかったとも思います。

この席で、太田市場花き部せり上場数量の新ルールが提案されました。

提案したのは、各団体の代表者の会、5者会議ということになっています。

ポイントを絞って提案内容を示すと以下の通りです。

1、入荷量の20%をせり上場数量とする。

  ただし、予約相対、買い付け集荷分は別枠集荷とする。

2、せり上場品の希望とその答えをスピーディーに行う。

1に関して説明すると以下のようになります。

インターネット取り引きが始まる時、せりに花がなくなるかもしれないという

危惧があり、話し合いの結果、指定品目の統入荷量の20%をせりに残すとい

うルールを決めました。

それ以前は、

入荷量(予約相対分を除く)の40%をせり分として確保する、となっていま

た。

ここで言う総入荷量というのは、予約相対、買い付け分(おおざっぱに言うと

注文分)を含む市場に入るすべての花をさし、入荷量というのは、注文分を除

いた数量を表します。

つまり、新提案では、総入荷量が入荷量という言葉に代わることにより

ネット以前の前提条件に戻りながら、せり分は20%しか確保しないというこ

とになります。

例えば、ティネケというバラが5000本、市場に入荷したとしても

注文分だから、という理由で1本もせりに出て来ないということもありうるの

です。

ありうると言うより、今でもそういうことが起きていて、それに合わせた提案

だ、と言うことも出来るのです。

2に関しては以下の通りです。

なんとなくお題目のような文章ですが、

あなたの欲しい花はせりに出て来ないかもしれないから、欲し花ははあらかじ

め言いなさい、

という、これまた、後退した提案なのです。

特定な花が欲しい場合、5日前までに文書で提出する。

もし、予約相対、産地の意向etcでせり分がないばあい、卸し会社はできるだ

けすみやかに、ない、と連絡する。

こんな感じです。

ここで、1で言うところの入荷量という言葉が問題になってくるのです。

入荷量を前提とした場合、せり分がなくても仕方ないじゃん、となるのです。

大体、<5日前に、せりに出して欲しい花を文書で提出>なんて、日々の暮ら

しの中で出来っこないじゃん、と思います。

この提案に対して、委員会の冒頭で、東京都職員が不思議な態度をとりまし

た。

卸売り会社によるかなり歩み寄った提案、と評価をしたのです。

しかも、自分たちの立場は中立公正だ、とも言っています。

コンピューターを始めた時、サルにもわかるパソコン入門、という本を買った

ことがあります。

この提案、サルにも分る権利侵害なのに、東京都の意外な意見にしばし意味が

分らず、ぽかんとして聞いていました。

提案のエンディングに、こう書かれています。

<歴史的認識は大切である。しかし、太田市場花き部は、すでに過ぎてしまっ

たことにこだわるのではなく、我々に手で作る事の未来について議論しよう

と、「5者会議」のテーブルについた。そこで話し合われたことは、互恵の精

神につらぬかれていた。(磯村)>

歴史的認識というのは、インターネット開始の時に決められたせり割合をさし

ます。これは、指定品目の20%を競りに出すというこの決定は、2005年

8月31日に、各団体が捺印して再確認されました。

これを、昔の話し、と言ってしまっているのです。

<これは無理な決定だったので現在は守っていません。過去のことなので。>

と言ってるように聞こえます。

ボクの聞き間違いなら、だれかサルにもわかるように説明して欲しいもんだと

思います。




5へ続く

2006.11.5

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