図1: 角度が90°でない場合
上図1の(1)のように、装置の進行方向とACのなす角度が90°でなく、θであるときは、 絶対静止系で考えると(2)のように光は
A→C'→A'' と進みますが、 90°のときと違ってA→C' にかかる時間とC'→A'' にかかる時間が異なるので、 前者を t'、後者を t'' とします。すると、図からAA' = CC'= vt' 、A'A'' = C'C'' = vt'' 、AC' = ct' 、C'A'' = ct''
(AC')2 = (AA' + Lcosθ)2 + (Lsinθ)2 ですから、
これを整理して t' を求めると (t'> 0 に注意する)、
同様に t'' を求めると、
往復時間を t とすると、これは t' と t'' の和ですから、
が得られます。ここで、θ=0、つまり cosθ=1 だと、
となって、#2で計算した t1 に等しくなり、 が得られます。ここで、θ=90°、つまり cosθ=0 だと、
となって、#2で計算した t2 に等しくなります(当然ですが)。
角度が 90°でない場合のローレンツ収縮の適用
角度が90°でない場合に、ローレンツ収縮を適用して計算してみましょう。 ローレンツ収縮によって装置は進行方向に 1/γ 倍に縮みますから、
(AC')2 = (AA' + Lcosθ)2 + (Lsinθ)2 のかわりに、
(AC')2 = (AA' + Lcosθ/γ)2 + (Lsinθ)2 つまり、
が成り立ちます。これを、
c2 - v2 = c2/γ2 に注意して整理すると、
となり、これを t' > 0 であることに注意して解くと、
同様に t''も、
結局往復時間 t は、
となり、θに関係なく一定であることがわかります。