橘寺





●厩戸皇子生誕の地に建つ寺

 敏達天皇元年(572)に欽明天皇の別宮であった此の地、橘宮にお生まれになったのが厩戸皇子、後の聖徳
 太子です。
 推古天皇14(606)年、太子が仏教の法典『勝鬘経(しょうまんきょう)』の講讃をされているときに不思議な現
 象が起こったと云われています。
 大きな蓮の花が降り積もり、南の山から光明のさす仏頭がたくさん現れ、太子の冠には日月星の光が輝きまし
 た。
 すると、太子はすぐに天皇の勅命をもって橘樹寺(橘寺)が建立されたと伝わっています。

 この寺は東西87m南北650mの寺地に東向きの四天王寺式の大伽藍をそなえた大寺院です。
 尼寺という性質からか境内には花弁のように綺麗な形のくぼみに水をたたえている五重塔の心礎、伝説の蓮
 華塚、などがあります。
 また如意輪観音坐像(重文)・日羅立像(重文)とともに、聖徳太子坐像(重文)が安置されています。
 この像は本堂奥の太子殿にあり、像高55.1cm、クスノ木の寄せ木造り、玉眼、彩色です。
 像の膝裏に永正12(1515)年椿井仏所の法橋舜慶作の意の墨書が認められます。
 太子がこの地で勝鬘経の講讃をしたという故事に基づいてつくられた像です。


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