翻訳のススメかた



それでは翻訳の作業の一連の作業をみてみましょう。

  1. まず受注
     クライアントと会って話をするときもあれば、ただ電話で詳細を聞いてファックスで原稿をもらうこともある。

  2. 下調べ(バックグラウンド、用語集等のリファレンスを確保する)
     通常は、和英、英和辞書のほか、ジャンルにあった辞書、参考文献をかき集めておく。さらにクライアントからもらえる資料はとりあえずもらっておく。よく悩んでしまうのは、団体や企業の名前、特殊な商品の名前等。ここら辺は間違いたくない。

  3. 基礎訳(下訳)
     とりあえず、分かる範囲でわーっと翻訳してしまおう。分からないところはアンダーラインでもひいておいて後で見直したときに分かるようにしておく。

  4. Web、図書館、資料のあるところで調べる
     図書館は、参考資料の宝庫。普通高くて買い惜しみしてしまいそうな資料がわんさかある。特に新聞の縮刷版、専門辞書・事典のたぐいは、役に立つ。個人名などは人名辞典などを見ると良い。

  5. 翻訳を仕上げる
     さあ、全ての情報を揃えたら、下訳したものを仕上げる。分からなくてあけていたところを埋めていく。

  6. 読み直し
     次に全体のフローをもう一度読み直してチェックする。訳しているときは一文一文に気が集中するため、翻訳していて気づかなかった文章間での違和感や口調の不統一などが読み返すと見えてくる。こうやって直しがきくところが通訳とは決定的に違う。

  7. プルーフリード
     さすがにネイティブ・スピーカーでないと、微妙なニュアンスなどがうまく表現できなかったりする。また、ダブルチェックの意味も兼ねてネイティブ・スピーカーにプルーフリードしてもらおう。
     ここでよく問題になるのは、翻訳者とプルーフリーダーとの間での翻訳内容に関する意見の食い違い。翻訳者は意図しているものを忠実に表現することで一心。一方、プルーフリーダーは全体のフローを見て、できる限り的確な(母国語で一番自然な)表現に直そうとする。そこに翻訳内容の違いが出てくるときがある。翻訳者は、翻訳内容に間違いがないことを確認しながら、プルーフリーダーと相談しつつ適当な自然なフローを持つ表現になるよう折り合いを付ける必要がある。翻訳者の翻訳が「絶対」というような姿勢は持たないこと。

  8. 直し

  9. プルーフ
     もう一度読んでもらおう。これが最終チェック。

  10. データ納品準備
     納品形態、ファイル形式、アプリケーションバージョンは事前に確認。メール添付なのかどこかにアップロードするのかなどなど。

  11. 納品

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