通訳と翻訳



「あら〜、翻訳やってるんですか。じゃあ、今度のイベントで通訳やって下さいよ。」

...この文章には間違いがあります。翻訳と通訳とでは、必要とされる技能も仕事の性格も全く違う似て似つかぬものなのです。翻訳=通訳といった間違えた方程式が、あちこちで使われています。通訳と翻訳は、こんなに違います。
通訳: 翻訳:
「クイックマインド」 「根気」
素早い反応 じっくり考えて
即答性がある 長時間の作業
ラフだが的を得ている 幾度もの修正を加えて完璧なものに仕上げる
家ではできない 家で仕事をすることもできる

 だから皆さん、翻訳と通訳は違うんです。私は、通訳としての仕事をしたことがありませんが、おそらく通訳者は、会場や通訳が必要となるところに出向かなければいけないんでしょう。
 一方、翻訳者は、人によって家でやったり、仕事場に行って翻訳したり。 フリーの翻訳者は、家で。雇われ翻訳者は、大抵会社に毎日通って、「9 to 5」の勤務形態でしょう(まあ、もっとも5時で終わるとは思えないけど)。

[good point] フリーの人は、仕事をするのは一般的に家。仕事がなければ、家にいようと外に出ようと自由。仕事があっても喫茶店でノートパソコンを持って行って仕事したりもできる。いつまでに仕上げなければいけないというのはあっても、この時間からこの時間まで仕事しなければいけないというのがない。その点は自由があっていい。

[bad point] まず、収入が不安定。大抵は、単発の仕事。まとまった仕事ならまだしも、ペラ1枚の翻訳では、せいぜい数千円。それが仮に1月に20日分来たとしても10万円そこそこ。翻訳で食べていくには、(1)in-house翻訳者になる (2)まとまった仕事をもらう (3)週次、月次の仕事をとってくる。この3つのどれかでしょう。

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