事前準備
○ルールの把握
GMはゲームの審判役を引き受けるわけですから、世界観と同様にルールについてもよく把握していなければなりません。ですから、GMは事前にルールによく目を通しておく必要があります。
ただし、ルールを隅から隅まで把握しなければならないというわけではありません。まずはキャラクターの作成方法と基本的な判定方法を覚え、あとはセッションで使用する予定のルールだけ把握しておけば、とりあえずはゲームを行うことが可能となります。ただし、セッションでは何が起こるか予想できませんので、それぞれのルールの概要だけは目を通しておいた方がよいでしょう。
なお、ルールはGMだけが覚えなければならないものではなく、プレイヤーも把握しておくべきものです。事前に準備をする時間があるのであれば、基本的な判定方法だけでも覚えておいてもらって下さい。また、参加者で読んでおくルールを分担しておいて、セッションで迷った時などに相互に補完し合えば、それぞれの負担を減らすことができます。
○ルールの選択
GMは選択ルールの適用だけでなく、使用するルールを選ぶことができます。もし、GMが把握しきれない、あるいは制御することができないと思われるルールがあった場合は、それは使用しなくても構いません。まずはセッションを成立させることが第一ですから、文句を言う参加者にはきちんと話して、そのことを理解して貰って下さい。
○バランス調整
シナリオにおけるゲームバランスや個別のデータバランスは、PCの実力やシナリオの目的に応じたものでなければなりません。GMはこれらのバランスを可能な限り調整し、プレイヤーがゲームを楽しめるような設定にしておく必要があります。
○ルール/データの補完
ルールは世界の全てを網羅しているわけではなく、その中でゲームに必要と思われるものを抽出してルール化しています。もし、システムに書いていない判定を行う必要がある場合は、GMが常識や既存の判定方法などに照らし合わせて、ルールを補完する必要があります。
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実際の判定
シナリオの展開はプレイヤーの選択の結果によって変わります。これには、選択を行っただけで変化が生じる場合もあれば、PCの行動の成果に応じて違った展開へと進む場合もあります。
○手順
PCの能力や技量に応じて結果が変わる事態においては、GMはプレイヤーに行為判定を行わせる必要があります。行為判定の手順は以下のようになります。括弧の中は誰がその行為を行うのかを示しています。
1:行動の宣言(プレイヤー)
2:判定が可能かどうかの判断/判定の指示(GM)
3:技能の選択(GM)
4:難易度/修正値の決定(GM)
5:難易度/修正値の告知(GM)
6:判定の許可(GM)
7:行為判定(プレイヤー)
8:結果の判断と描写(GM)
9:状況変化の判断と描写(GM)
○行動宣言/判定の許可
状況やシナリオの展開に応じて、プレイヤーがPCに取らせる行動を宣言したり、GMの判断で行為判定を指示します。プレイヤーが行動宣言を行った場合、GMは判定が必要な状況か、あるいは判定が可能な状態であるかを判断しなければなりません。
▼成功の可能性
判定は行動が成功する可能性が少しでもある場合に試みるものであり、不可能とみなされる場合は判定を行う必要はありません。何をしても結果が変わらないのであれば、判定を行うのは時間の無駄です。判定するまでもなくできる事柄も同様で、そのまま行為の結果を描写すれば済みます。
多くの場合、PCの行動の可能性は技能や世界設定で表現されます。しかし、技能以外の部分、あるいは説明で言及されていない部分については、GMが判断して基準を定めなければなりません。
▼行動の内容
判定というのは、「何を、どのように」の部分が説明されなければなりません。それがない場合は、判定の結果を無効としても構いません。特に交渉のようなものは、何を目的として交渉するのか、何を聞き出そうとするのかが問題となります。もちろん、口調や態度によっても変化しますので、それらの内容次第によっては会談自体がご破算になってしまうこともあり得ます。そうなったら、それは判定が不可能な状況ということになりますので、どのようなダイス目が出たとしても結果を無効として構いません。
○技能の選択
判定を行うことが出来る状況であると判断したら、次は何の技能を用いて判定を行うのかを判断します。これはルール解説やデータにある技能の説明を見て、それぞれの場面に合わせて判断を行って下さい。
▼代替案
プレイヤーはGMが指定した以外の技能で判定が出来そうだと思った場合、そのことを提案することが出来ます。ただし、最終的にどの技能を用いるかの決定権はGMにあります。しかし、複数の技能で判定できる可能性がある場合、最も得意な技能で判定させてあげれば、結果が悪いものであっても不満を抱きにくいものです。プレイヤーのルール解釈が間違っていたり、明らかにこじつけである時以外は、なるべくGMの側が譲歩してあげましょう。
▼判定への不服
特に交渉のような場面で起こりやすいのですが、プレイヤーが行為の結果を判定で決めることに不服を抱くことがあります。しかし、GMはこういった要求に対しては、断固とした態度で接しなければなりません。
技能はキャラクターの特徴であると同時に、制限要素としても機能するものです。プレイヤーの判断や選択はキャラクターの行動に結びつきますが、プレイヤーの能力はキャラクターの能力ではありません。知識にせよ交渉にせよ運動能力にせよ、キャラクターの能力を上回る行動を取らせることはできないのです。
○難易度/修正値の決定
判定に使用する技能が決まったら、次は行為の難易度や周辺状況による修正値を設定することになります。なお、対抗する相手がいる場合は、難易度を決定する必要はありません。
▼シナリオの展開
難易度や修正値を決定する場合、その判定の結果がシナリオの展開にどう影響するのかを考慮に入れておかなければなりません。障害を簡単にするか難しくするかということは、シナリオの中での判定の位置づけによって決定されます。
▼判定のタイプ
たとえば、捜索のように1人だけでも成功すればいいのか、忍び足のように1人でも失敗してはいけないのかということでも、判定の基準が変わってきます。
1人でも成功すればよい判定では、人数が増えるほど成功率が上昇します。こういった行為では、たとえ判定値が低くても人数さえいれば、自動的成功もありますので難易度が少し高くても成功が期待できます。逆に、1人でも失敗してはいけない行為では、難易度は低めでも全体の成功率は低くなります。
こういった条件では必ずしも全員に判定を行わせる必要はなく、それが最も得意な人間や、逆に最も苦手な人だけを指定して判定を行わせても構いません。これによって成功率を調整することが出来ますし、緊迫感あふれるシーンを演出することも可能です。ただし、判定の失敗によって1人に責任が降りかからないよう、特に注意を払う必要があります。なるべくは、失敗しても回復する手段がある状況において採るべき手段でしょう。
▼難易度/修正値の決定
難易度/修正値の基準は、ルールもしくはチャートの中にある表を参照して下さい。特定の技能や場面における判定であれば、ルールの解説の中に基準が書かれている場合もあります。
この時は単に行為の難しさだけでなく、判定の結果を回復することが出来るかどうかを判断しなければなりません。特に、それによってキャラクターが行動不能になるような判定では、難易度を慎重に決定する必要はあるでしょう。たった1つの失敗によって簡単にシナリオが崩壊してしまうような状況は、なるべく設定するべきではないのです。
また、設定した難易度や修正値の大きさが、プレイヤーの心理に与える状況も考慮しなければなりません。失敗してはいけない状況で不利な修正を与えられると、プレイヤーはその行為を躊躇してしまうでしょう。逆に難易度や修正値が低いことで、それが手を出して欲しくない危険な行為であるにもかかわらず、プレイヤーがその行為を甘く見てしまう場合もあります。他にも、無駄な行為の場合は極端に難易度を高くすることで、それが意味のない行為や無理であることを知らせることが出来ます。
○難易度/修正値の告知
難易度や修正値というのは、プレイヤーがその行為を本当に行うのかを判断するための材料であり、葛藤を生む条件づけの1つとなります。複数の手段を取りうる場面では、判定値だけでなく難易度や修正値の大きさによって、どの手段を選ぶのかを決めることもあります。
▼告知の判断
修正値は基本的にプレイヤーに告知されるものですが、難易度は必ずしも伝えなければならないものではありません。
難易度を告知すべき状況というのは、塀を登るなどのように目で見て行為の難しさがわかるような場合か、プレイヤーに正しく行動の選択を行って欲しい場面に限られます。今まで試したことのない行為であれば判断がつきませんし、扉に罠が仕掛けてあるかを調べるような判定においては、難易度を告げるのは罠の存在を知らせることを意味します。また、その行為が成功したかどうかを明確にしたくない場合も、難易度を伝えるべきではありません。
難易度に限らず、本来は与えられるはずのない情報を簡単に渡してしまうのは、プレイヤーの心に甘えを生じさせる可能性があります。これによってゲームの緊迫感を削ぐことにもなりかねませんので、くれぐれも注意して下さい。
▼曖昧な告知
難易度を伝えるにしても、数値をそのまま教える必要はありません。難易度と判定値を比べてみて、少し難しいと思われる、とても成功するとは思えない、といった表現で行為の難しさを表現してもよいのです。これによって、GMがその判定をどう認識しているのかを伝えることになり、相互の考えの溝を埋める効果も期待できます。
○判定の許可/行為判定
行動を試みるための状態が整ったら、GMが指示して判定を行わせて下さい。
▼有効な結果
行為判定に限らず、PCの行動はGMが許可した場合にのみ結果が有効となります。プレイヤーが勝手にダイスを振った場合、GMはその結果を無効とすることができます。▼ルールの解説
もしルールがわからない人がいれば、GMは判定方法について解説しなければなりません。もちろんこれは、他のプレイヤーが行っても構いません。
○結果の判断と描写
▼成功値
難易度に対してどれくらいの成功を収めたかというのは、成功値(=達成値−難易度)で判断されます。成功の度合いについての基準は、ルールやチャートにある成功値表に記載されています。▼基準の揺らぎ
行為の種類や状況によっても変化はあるでしょうが、GMは数値から導き出される結果については、しっかりとした基準を定めて判断を下す必要があります。シナリオの都合で基準や結果の度合いを変えるのは、プレイヤーの努力や判断を一切無視した行為といえるでしょう。また、人によって極端に結果が違うようでは、プレイヤーはGMを信頼してゲームを行うことは出来ません。GMは常に公正な審判でなければならないのです。▼結果の描写
GMは判定の結果に応じて、行為の結果がどのようになったのかをプレイヤーに伝え、適切な描写を行わなければなりません。とはいえ、その都度詳細な描写を行う必要はなく、よほど重要なシーンでもなければ結果を簡単に告げるだけでよいでしょう。ただし、PCが把握できる範囲で、その後の行動選択の判断材料になるだけの情報は伝えられなければなりません。
○状況の変化
行為判定の結果によって周囲の状況に変化が生じた場合は、それも描写してプレイヤーに情報を伝えます。行為判定にかかる作業はこの繰り返しとなります。
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判定時の注意
○判定のやり直し
やり直すことが可能なものであれば、GMは繰り返し判定を行わせても構いません。しかし、無制限にやり直しが可能であるということは、よほど不可能に近い行為でなければいつかは成功するわけですから、ゲーム的には行動自体を無意味なものにしてしまいます。失敗したことに対するデメリットはあってしかるべきでしょう。
▼不利益
通常、行為やり直した場合は、余分な時間、金額、資材などを費やすことになります。また、失敗を繰り返すことによって、対人関係をどんどん悪くしてゆくかもしれません。このように、失敗の程度によって不利な状況を作り出すのも、GMの役目の1つとなります。
▼再判定の却下
たとえ物理的に可能であっても、シナリオの展開上、再度の判定を認められない行為も存在します。犯行現場から証拠を見つけだすような判定は、何度も繰り返して行わせる類のものではありません。こういった類の判定の場合は、GMの判断で判定のやり直しを却下することが出来ます。ただし、状況に変化が起こったり、何か工夫を凝らして行為に臨む場合には、特別に判定を許可してもよいでしょう。
○技能名称を隠す
TRPGでは一般に、キャラクターに知り得ない判定をGMが代理で行う場合があります。たとえば、扉に何か罠が仕掛けられているとして、プレイヤーに指示してそのまま判定させてしまえば、判定の成否にかかわらず罠の存在に気づくことになります。
プレイヤーとキャラクターの知り得ることは違いますので、きちんとそのことを認識している場合は問題にはなりませんが、これによって緊迫感が薄れてしまうことは避けられません。また、プレイヤーが判っているのに不利な行動を選択するのは躊躇われますし、プレイヤーとキャラクターの区別に拘りすぎる人は、逆にわざと不利益な行動を取ってしまうこともあります。
このゲームの場合、プレイヤーが振るサイコロの数を自分で選択することが出来ますので、GMによる代理判定に対して強く不満に思う可能性があります。ですから、サイコロはなるべく自分で振って貰った方が、あとで問題が生じる可能性が少なくなります。しかし、前述の問題を回避する必要もありますので、使用する技能の名称を伏せて判定を行わせるとよいでしょう。それでも判定値から判定内容がばれることもありますが、全てを告げてしまうよりは緊張感を削がずに済みます。
○行動の補助
専門的な知識や技術が必要とされる判定では、専門分野を習得していないキャラクターは作業を試みることが出来ませんし、一般分野に含まれる行為でも判定値が低くければあまり貢献することが出来ません。場合によっては、作業の邪魔をしたと判断されることもあり、特定のプレイヤーに疎外感を抱かせたり退屈な思いをさせてしまう可能性も考えられます。こういった場合、協力の意思を見せているPCの行動はマイナス方向で考えず、手伝いによって作業の効率化を図れるよう便宜するべきでしょう。
▼支援行動
支援行動のルールを適用することによって、味方の行動を助けることが可能となります。
▼分担作業
たとえば、書物の中から専門的な情報を引き出すという場合には、知識のないキャラクターには特定の文字を見つけるよう指示し、専門知識のあるキャラクターはその記述について詳しく調査する、といった具合にします。これによって、1人で調査を行うより時間短縮を図ることが可能となります。
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ゲームバランス
○事前準備
ゲームバランスが狂っていては、プレイヤーがいかに努力しても全て無駄になっています。GMは事前にテストするなどしてバランス調整に気を配らなければなりませんし、シナリオの展開にもって人数などが変化したら、微調整を行う必要があります。
○バランスの喪失/設定ミス
シナリオで期待される成功/失敗のバランスが大きく崩れていると感じた場合、その原因をまず考えてみましょう。そして、難易度を高くしすぎてセッションが進まなかったり、逆に簡単すぎて障害が意味をなさなかった場合は、その後のシーンで難易度を調整する必要があります。
▼判断のミス
GMは選択に応じた結果を公正に適用しなければなりません。プレイヤーの判断ミスによってピンチに陥った場合は、相応のリスクやデメリットが提示されて当然なのです。ですから、このような事態においては手加減をする必要は一切ありません。
○戦闘
▼生死
戦闘のようにPCの生死に関わるような判定では、データバランスに特に気を配らなければなりません。よほどシビアな展開でもなければ、少し易しいぐらいの感覚でバランスを取った方がうまくゆくでしょう。
▼逃亡
戦闘はどちらかが死亡するまで行わなければならないわけではありません。しかし、逃亡という選択肢を思いつかない時もありますし、逃亡を行うべきタイミングがわからなければ、最後まで戦ってしまう可能性が高くなります。NPCの側が逃亡するのは、シナリオの状況に合わせてGMが行えばよいのですが、PCの場合は何かきっかけが必要となるでしょう。たとえば、敵NPC側に増援を行うなど、どう考えても勝てないという条件がわかるような描写が必要です。
▼手加減
あからさまに手加減を行う必要はありませんが、PCの側に判断ミスが起こりうるように、NPCが判断を間違っても何ら不思議ではありません。また、相手が必ずしもPCを殺そうとする理由はなく、投降を呼びかけたり捕縛を試みてもよいでしょう。
▼動物
特定の動物と戦うのがシナリオの目的である場合はともかく、単なる障害として登場したり不慮の遭遇である時には、無理に生死をかけて戦闘を行う必要はありません。もし戦闘になった場合でも、PCがPCらしい行動を取るように、動物は動物らしく反応するのが最も自然な対応となります。
動物が縄張りに侵入してきた相手を見つけた場合、まずは威嚇して相手を追い払おうと試みるものです。特別にお腹が空いていたり本格的な戦闘状態に入ったのでもなければ、いきなり全力で戦闘を行うことなど滅多にあるものではなく、最初は牽制として軽く手を出したり、歯を剥き出して飛びかかるフリなどをします。逆に動物の側が攻撃を受けた場合、怪我を負えば逃走を試みようとするのが普通の反応です。
▼状況の変化
PCの実力や判断だけではどうしようもない場合は、助っ人となるNPCを出して対応したり、状況を変化させて戦闘を中断させる方法があります。たとえば直接的な戦力でなくても、付近の人々の通報によって警察が到着すれば、それ以上戦いを続けることは出来なくなるでしょう。また、戦っている舞台そのものが崩壊したり、パニックに陥って戦闘どころではない状況になれば、敵対行動を中断せざるを得なくなります。
▼敵方の増援
バランス調整を間違えてあっさりと戦闘が終わってしまう場合もあるでしょう。この場合はGMのミスですから、そのまま終了させてしまうのが当たり前の対応といえます。
しかし、それが入念に準備して臨んだ戦いであったり、重要なクライマックスであった場合、プレイヤーが満足感を得られないままセッションを終了することになりかねません。こういった場合に限っては、敵方の人数を増やして対応するなどの、多少の変更は許されるでしょう。ただし、プレイヤーの努力によって敵の戦力が弱まっていた時などは、こういった対応を取るべきではありません。
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適用ミス
GMといえども、ルールを全て覚えて完璧に適用することは出来ません。しかし、ミスに気づいた場合は、何らかの対処が必要となります。
○注意
▼基準の変更
1つのセッション内では、1度決めた基準を変更しないよう心がけなければなりません。判定の基準は判断の基準でもあるわけですから、それがGMの気紛れで頻繁に変更されるようだと、プレイヤーは強い不満を抱くことになります。
▼議論をさける
ルールに関して議論となる場合がありますが、それはセッションを停滞させることになるので、なるべく避けるよう努めて下さい。ルールのミスはともかく、解釈についてはGMにその権限が与えられています。ですから、セッションの進行が第一であることを理解してもらって、議論はセッション終了後に行うのが理想的です。
○判定時のミス
▼訂正
ミスに気づいた場合は素直に間違いを認めて、次の判定から正しいルールを適用するようにしましょう。 また、それでシナリオが崩壊するというのでもなければ、間違いを訂正せずそのままにしておいて、次のセッションの教訓とするのもよいでしょう。そのセッションの中での基準が一貫しているのであれば、ミスではあっても不公平ではなくなります。
問題となるのは、ミスによってプレイヤーが不満を抱いたり、議論になってセッションの進行が止まってしまうことです。基本的には、もう既に判定を下してしまった事項に対して、再び判定をやり直すのは避けた方がよいと思われます。それでプレイヤーの方に都合がよい結果に収まれば、結果的に不満が生じるのを押さえることは出来ますが、逆の結果になれば不満が高まることになりますし、ゲームの緊張感も薄れてしまう可能性があります。大事なのは全員が納得できる状況でゲームを続けることです。訂正はこれらの問題を回避するために行う手段と考えて下さい。
▼決定的なミス
たとえばルールを間違えてPCが死亡した場合は、プレイヤーとしては納得できるわけがありませんし、GMとしてもどうにか訂正したいと考えるのが当然でしょう。
しかし、物語が進んでしまって、既に訂正がきかない状態になっていることもあります。こういった場合はGMが強引に話を進めるのではなく、話し合いを行うなどして何らかの対策を取った方が、結果的にセッションがうまくゆく場合が多いようです。参加者の大多数が納得してくれるようであれば、途中からセッションをやり直すのもよいでしょう。どうしても不自然な展開になりそうな場合は、時間を遡って奇跡を発動させるのを認めて、何らかの理由をつけて復帰して貰うなどの措置を取って下さい。
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