補助技能/術法変化

解説技能


 

解説


○基本

 補助技能には術法変化技能、戦闘変化技能の2系統があり、これらを用いることで術法、戦闘に関する行動のバリエーションを広げることができます。なお、補助技能は選択ルールであり、使用するかどうかはGMの指示に従って下さい。


▼習得
 補助技能は誰かに教わらなくても身につけることが可能です。1つの技能を習得するためには、2CPの消費が必要となります。

▼使用方法
 補助技能は特殊な扱いをする技能で、獲得してさえいれば特定の行為が可能となるものです。それ自体を判定に用いることはなく、判定を行う前に宣言をすれば、補助技能で規定されている行為を試みることが出来ます。

▼対象技能/判定
 その補助技能と組み合わせて使うことが出来る技能/判定のことです。実際の判定は、指定された技能を用いて行うことになります。

▼修正値
 補助技能を用いて行う判定の中には、使用時に何らかの修正を受けるものがありますが、これは対象技能に対して適用されます。


○条件

▼対象技能
 それぞれの術法系統の技能が組み合わせの対象となります。

▼複数の補助技能
 1度の判定に複数の補助技能を使用しても構いません。その際に消費する【精神値】は、それぞれ余分に消費する分を個別に計算し、それらを最後に加算した値になります。

▼消費精神値
 拡大による【精神値】を実際に消費するのは、最終的に発動判定が成功した場合に限られます。判定に失敗して術が発動しなかった時は、補助技能による拡大などの程度にかかわらず、通常と同じように1回の発動判定につき1ポイントの消費ですみます。

▼発動判定/修正値
 1ラウンド中の判定回数を増やした時は、増加した分だけ全ての発動判定にマイナス修正がかかります。たとえば、複合発動で3回の発動判定を行なう場合は、2回の発動判定を追加しているので、3回の発動判定すべてに−2修正がかかることになります。

▼消費精神値の上限
 1度の発動機会において拡大に使用できる【精神値】は、術者の【霊力】の値までに制限されます。


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技能


○種類

 術法の効果を変化・拡大させるための補助技能です。

・種類空間変化時間変化回数変化短縮発動複合発動条件発動増幅発動術法停止


○空間変化

 術法に関して空間的な変化を起こすための技能です。術法の到達距離、効果範囲、あるいは効果範囲の形状などを拡大したり、変化させることが可能となります。なお、0や接触となっている場合には、それをいくら拡大しても0ですので、全く拡大できないということになります。


▼変化内容

◇距離
 到達距離の場合は、書かれているデータをそのまま拡大することになります。ですから、距離10mと書かれているものを2倍に拡大すれば20mになります。
 距離が術者、0、接触、近接、通常など、具体的な距離で表記されていないタイプの術は、この技能を用いて拡大することは出来ません。術の要素そのままの数値が効果の及ぶ限界となります。

◇面積
 面積の場合は一辺といった要素が、そのまま2倍、3倍に拡大されることになります。1辺が1mの平面を2倍に拡大すれば、1辺が2mの平面となります。

◇体積
 体積を拡大するときは、半径や一辺といった要素の1/2だけ拡大されることになります。たとえば、半径5mとなっている場合は、これを2倍に拡大すれば半径7.5m、3倍に拡大すれば10mとなります。1立方mであれば、3倍にすれば一辺が2mの立方体に拡大されます。

◇形状
 範囲を拡大するだけでは、形状そのものは変化しません。半径〜mと書かれているものは必ず球状の効果範囲となりますし、〜立方mなどと書かれていれば、それは拡大された立方体の範囲に効果が発現します。
 しかし、効果範囲の形状を変化させる目的で空間変化の技能を使用した場合、たとえば集団にかかる術法でも、味方を除いてかけることができるようになります。自分を中心にかけるような術法でも、方向を限定したり、直線上の相手にかかる術法を曲げたりすることも可能です。また、縮小させる場合に限り、面積や体積を変えることも出来ます。
 このとき注意するのは、もともとの範囲からはみ出すような形状変化を行うことはできないということです。半径3mの術の場合は、半径3mの空間内でのみ効果範囲の形状を変化させることができます。ただし、一直線などとなっている場合は、自由に軌道を変化させて構いません。


▼消費精神値

◇要素
 要素が1つ拡大されるごとに、【精神値】を1点余分に消費することになります。たとえば距離を2倍にした時は全部で2点、3倍にする時は3点の【精神値】を消費しなければなりません。

◇形状変化
 効果範囲の形状を変化させたり縮小する場合は、その形状や体積にはかかわらず、【精神値】を1点だけ余分に消費します。

◇注意点/計算
 距離や効果範囲を同時に拡大させた場合には、余分に消費する【精神値】をそれぞれ個別に計算し、その合計値を消費することになります。たとえば、距離を2倍、効果範囲を2倍に拡大して、さらに形状を変化させた場合には、2(距離拡大)+2(範囲拡大)+1(形状変化)=5点の【精神値】を余分に消費することになります。


○時間変化

 術法に関して時間的な変化を起こすための技能です。この技能を使用した場合は、術法の持続時間を拡大したり、発動する時間を指定することができます。


▼変化内容

◇持続時間
 持続時間を拡大する場合は、書かれている数値をそのまま2倍、3倍という風に増加させることができます。ただし、0あるいは永久などと書かれている場合、拡大は不可能となります。

◇発動時間
 術の発動時間を指定することができるようになります。これを使用した場合は、たとえば逃亡している途中に攻撃術法を10秒後に発動するようにして、相手を罠にかけるといった使用法が可能となります。ただし時間を指定した場合、その術が発動するまでは、消費した【精神値】は回復しなくなります。3日後に発動するように指定したら、たとえ十分に休息しても3日間は【精神値】が減少したままになります。


▼消費精神値

◇持続時間
 持続時間を拡大する場合は、距離や効果範囲の拡大と同様、2倍にする時は1点、3倍にする時は2点というように、余分に【精神値】を消費しなければなりません。例えば持続時間を4倍にした時は、通常発動時の1点に拡大分の3点を加えて、全部で4点の【精神値】を消費することになります。

◇発動時間
 発動時間を指定する時は、時間の長さにかかわらず、【精神値】を1点だけ余分に消費します。


○回数変化

 通常、1度の判定で術法は1回しか発動しませんが、この技能を使用した場合は1度に複数回の発動が可能となります。これには、複数の対象に術法をかける場合と、1つの対象に複数回の術法を発動させる場合があります。いずれの場合でも、発動判定はそれぞれの術ごとに行って下さい。


▼変化内容

◇対象の増加
 1度に複数の対象、もしくは範囲に対して術を発動させることが出来ます。

◇回数の増加
 1対象、あるいは1つの効果範囲に、術を複数回かけることができます。しかし、これによって複数回の効果をあらわすわけではありません。というのは、似たような術法や対抗する効果をもつ術法は、互いの効果を打ち消すように働くためです。
 この場合は複数回の判定を行なって、達成値が最も高いものが発動することになります。つまり、1人に攻撃のための術を同時に2回かけても、ダメージを与えられるのは1つの術ということになります。もちろん複数の対象に複数回、術をかけてもかまいません。そのような場合でも、1つの対象にかかる術法は1回しか効果をあらわしません。

◇修正値
 1ラウンド中の判定回数を増やした時は、増加した分だけ全ての発動判定にマイナス修正がかかります。たとえば、全部で3回の発動判定を行なう場合は、2回の発動判定を追加しているので、3回の発動判定すべてに−2修正がかかることになります。


▼消費精神値
 判定回数が1回増えるごとに基本消費の分だけ余分に【精神値】を消費します。


○短縮発動

 術法をかけるまでの時間を短縮することが出来ます。


▼変化内容

◇準備時間の短縮
 精神集中のみのスタイルの場合、行動順番は自動的にラウンドの最後に回されることになります。しかし、この技能を用いた場合は、補助動作を加えたスタイルと同じように、自分の【行動力】の順番で発動判定を行なうことが可能となります。

◇マルチアクション化
 通常、術法の発動はフルアクションに分類されますが、この技能を用いればマルチアクションとして発動を行なうことが可能となります。当然のことですが、術法の発動は本行動として扱って下さい。

◇瞬間発動
 通常は能動行動として扱われる術法を、受動行動として使用することができます。瞬間発動の場合に限り、術のスタイルや準備時間を考慮する必要はありません。
 この技能を使用した場合には、術法の距離、持続時間、効果範囲などの扱いが変化して、それぞれ最低のランクになります。つまり、距離については接触、0、術者のいずれかになりますし、持続時間は一瞬、効果範囲は1対象あるいは1点に変わるのです。これは他の術法変化技能を用いても拡大することはできません。
 瞬間発動は通常の回避や抵抗と同様に使用します。刀剣での攻撃に対して火球をぶつけて威力を相殺したり、瞬間移動で逃げたりという具合になります。実際の判定としては、普通の判定と同様に達成値を比較して、相手よりも達成値が高ければ回避、あるいは抵抗に成功ということになります。もちろん、回避や抵抗と同じくダメージを減少させることもできます。
 ただし、達成値で相手を上回ったとしても、相手にダメージを与えることはできません。この技能はあくまでも受動的行動として扱われます。なお、この技能を使用した後に、改めて回避や精神抵抗の判定を試みることはできません。対抗判定で負けた場合は、相手の攻撃が成功したことになります。


▼消費精神値
 いずれの変化を行なった場合でも、1回の発動判定につき1点の【精神値】を余分に消費することになります。


○複合発動

▼変化内容
 この技能を使用した場合は、同時に複数種類の術を発動させることができます。これは別種の術に用いる回数変化の補助技能と考えて下さい。ですから、1種類の術を追加した場合は、2つの術を同時に発動できることになります。
 
◇スタイル
 
発動させる術は系統が異なっていても構いませんが、それぞれの術法のスタイルは守られなければなりません。

◇発動判定
 発動判定はそれぞれの術ごとに行って下さい。距離や時間などの拡大も術ごとに行なうことになります。

◇修正値
 1ラウンド中の判定回数を増やした時は、増加した分だけ全ての発動判定にマイナス修正がかかります。たとえば、全部で3回の発動判定を行なう場合は、2回の発動判定を追加しているので、3回の発動判定すべてに−2修正がかかることになります。

◇発動時間
 複合発動を行なった時の行動順番は、使用する術法のうち、最も遅い発動時間に合わせることになります。

◇対象
 回数変化の技能を使わない限りは、1種類の術につき各1回しか発動判定を試みることが出来ません。同様に、術をかける対象数も増やすことが出来ませんので、そのまま発動した場合は1対象に全ての術がかかることになります。


▼消費精神値
 複合発動を行った場合、消費する【精神値】は増やした術の数と等しい値になります。たとえば3つの術を同時に使用する場合、全部で3ポイントの【精神値】を消費することになるわけです。拡大する場合は、それぞれの術法変化技能のルールに適応するように計算して下さい。


○条件発動

▼変化内容

◇条件指定
 この技能を使用した場合、術の発動条件を指定することができます。たとえば扉が開いたら術が発動する、などというようなことが可能になります。術者がその場にいた場合に、咄嗟に判断できる程度のことならば設定可能となります。基本的に1つの場所や対象にかけられる術は1つだけです。複数の術や異なる術をかけたい場合は、回数変化や複合発動の技能を使用しなければなりません。

◇発動延期
 この技能を使用した場合は、術法の発動準備を先に済ませておいて、その状態を維持したままでいることが出来ます。これによって、通常は試みることが出来ない、術法発動の継続待機が可能となります。
 行動を選択した場合は、自分の行動順番が来た時に術法の発動延期を宣言して下さい。この時点で発動延期は成立したことになり、以降は継続待機の状態を維持しているものとみなされます。その他の条件は通常の行動時と全く同じになります。
 発動判定は継続待機を宣言した時点ではなく、実際に発動を選択した時に行ないます。その前に別の行動を取った時は、継続待機の状態は自動的に解除されることになります。なお、実際に発動を行なわずに準備状態を解除することも可能ですが、この場合は発動判定に失敗したものとして扱って下さい。


▼消費精神値

◇条件指定
 条件指定を行なった場合は、【精神値】を1点だけ余分に消費する必要があります。消費した【精神値】は術が発動されるまで回復しません。発動した後に休息をとって、はじめて消費分の【精神値】を回復させることが可能となります。

◇発動延期
 この場合は延ばした時間にかかわらず、【精神値】を1点だけ余分に消費する必要があります。ただし、実際に発動判定を行なわなかった場合は、判定に失敗したものとして扱われるので、補助技能による拡大分の消費は起こりません。


○増幅発動

 この技能を使用した場合は、通常より術法判定の達成値を上昇させることが可能となります。


▼変化内容

◇同調発動
 同一の術を習得している者と協力して、1つの術を発動するための行動です。これを試みる場合は、まず実際に術を発動させる中心人物を決定します。同調発動の技能を習得している者が1人しかいないのであれば、自動的にその人物が中心となります。その他の参加者は補助技能を習得していなくても構いませんが、中心人物の影響範囲内に存在しなければなりません。
 基本的には「助力判定」と同じ判定方法となります。発動判定は全ての参加者が行ないますが、術が発動するかどうかは中心人物の判定結果に拠ります。中心人物が発動判定に成功した時は、判定に成功した協力者の人数分だけ、中心人物の達成値を上昇させることができます。ただし、判定に失敗した協力者がいる場合は、その数を達成値から減少させなければなりません。なお、中心人物が発動判定に失敗している時は、協力者が判定に成功していても、術は発動しなかったことになります。
 たとえ何人で判定しても、術の効果自体は1人で判定した場合と同じです。数はもとより、距離や効果範囲などが拡大するわけではありません。なお、同時に術法変化技能を使用した場合は、通常と同じように効果の拡大などが可能となりますが、中心人物がこれらの補助技能を習得している必要があります。
 アクションシーンでこれを試みる場合、発動のタイミングは自動的にラウンドの最後に行なうことになります。なお、協力者が発動を妨害されたとしても、その人物が同調発動に参加できなくなるだけあり、全体の発動が妨げられるわけではありません。

◇蓄積発動
 これは術法判定の達成値を個人で上昇させるための行動です。その他の術法変化技能の使用とは異なり、これは発動判定を行う時点で使用するかどうかを選択することが出来ます。
 最初の判定時にこの技能を使用すると、術は通常の発動のタイミングでは効果を発揮せず、次のラウンドに発動することになります。そして次の行動時に再び判定をして成功すれば、達成値に+1して発動させることが可能となるのです。判定が成功し続ける限りにおいては、いくらこれを繰り返しても構いません。最初も含めて4回判定に成功すれば、達成値を+3することができます。
 発動させるラウンドは最初に宣言する必要はなく、任意のラウンドで行うことができます。基準となる達成値は、一連の発動判定で出した達成値の中で、最も高い値が自動的に選択されます。ただし、途中で1度でも判定に失敗した場合は、術は発動せずに終わります。なお、この技能を用いている場合は、術を発動するまで集中状態を維持しなければなりません。


▼消費精神値

◇同調発動
 発動の中心人物は、1ポイントの【精神値】を余分に消費します。その他の参加者については、通常の発動時と同じです。
 通常、拡大に用いる【精神値】の上限は【霊力】の値までとなりますが、同調発動の場合は補助技能による拡大分だけでなく、発動の協力者が消費した【精神値】もこれに含めて計算します。つまり、補助技能による消費分と協力者の人数を加えた値が、中心人物の【霊力】以下となる必要があります。

◇蓄積発動
 この行動を選択した場合は蓄積判定に成功した回数だけ、すなわち得られるプラス修正の分だけ、【精神値】を余分に消費することになります。
 蓄積判定を何度行なっても、実際の発動機会は1回として扱われます。拡大に消費する【精神値】の上限は【霊力】までとなりますが、これは1度の発動に関しての制限となりますので、修正値は+霊力が上限ということになります。


○術法停止

 この補助技能を用いた場合、持続時間が過ぎる前に術の効果を消滅させることが可能となります。ただし、これは自分が発動させた術に対して効果をあらわすもので、他人がかけた術には何の影響も与えません。


▼変化内容

◇自由解除
 術法をかける際に宣言すれば、後で自分がここで止めようと思った時に、いつでも術法の効果を消滅させることが可能となります。
 この場合は、効果を停止する時に改めて判定を行う必要はありません。なお、解除を行う際に、効果対象との距離やその術を認識しているかを気にする必要はなく、異世界にいる場合でさえも、術者の好きな時に解除することが出来ます。

◇条件解除
 術法をかける際に宣言すれば、指定した条件が整った時に自動的に術が解除されます。条件として指定できる内容は、術者がその場にいた場合に、咄嗟に判断できる程度のものに限られます。たとえば気温が下がったら微風の術を解除する、といった具合です。

◇判定解除
 既にかかっている術法の効果を解除するためには、自分がかけた術の達成値を難易度とした、解除判定を試みる必要があります。この場合、解除対象となる術の発動と同じ判定を行ない、対抗判定で勝利すれば術の効果を消滅させることが出来ます。なお、解除を行う際に、効果対象との距離やその術を認識しているかを気にする必要はなく、術者の好きな時に解除判定を試みることが可能です。


▼消費精神値

◇事前指定
 自由解除および条件解除を試みる場合は、術を発動させる際に【精神値】を1点だけ余分に消費する必要があります。なお、自由解除と条件解除は別の扱いとなり、双方を同時に設定したい場合は、2ポイントの【精神値】を余分に消費しなければなりません。

◇判定解除
 判定解除を行う場合は、解除判定を1回試みるごとに1ポイントの【精神値】を消費することになります。


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解説技能