<1>北デール地方
ユークレイおよびブルム内海と接する地域です。内陸部は麦類の耕作地帯となっており、各地にビールの造醸所が立ち並んでいます。沿岸域には港町が幾つもあり、貿易や漁業で栄えています。ユークレイとの国境付近では現在も戦いが行われており、デイルハウント砦には軍隊が駐留しています。
▼クレンスロッツァ市
北部最大の交易都市であり、各地の品々が集まるにぎやかな場所です。郊外には大耕作地帯が広がっています。
▼モルスブルク市
またの名を朝露の街といい、夜明け頃に気温が急激に下がって湿度が急上昇するため、朝になると一面が露に覆われてしまいます。窓は結露で大変なので、窓枠の下には必ず水の受け皿がついています。
<2>テンデルヴァイン地方
東をカスティルーン、北をユークレイに接している地域です。北部には高地と高原が広がっており、主に酪農が行われています。付近はハムやソーセージの名産地として知られています。南にはベスター山岳地帯がそびえており、鉱産資源の採掘場がたくさんあります。
▼ヒンメルバッシュ市
金属工業で発達した街で、特に刃物産業でその名を知られています。現在は武器の生産が盛んで、大型の銃器工場が存在します。郊外には陸軍基地があり、大勢の兵士が駐留しています。
<3>リュティッヒ地方
西にブルム内海をのぞむ地域で、古い時代から交易で発展してきました。内海は穏やかで天然の良港が数多く並んでおり、南西地方には数多くの漁村が集中しています。また、北部には塩の生産で財をなしたミールシュタイン市があります。
▼エスワルト市
古くから貿易港として機能していた港湾都市で、漁港としても国内随一の水揚げ量を誇ります。北部を流れるシュラントレフ川はその深さで知られており、海からそのまま船が都市に入ってくることができます。
<4>中央デール地方
デール山地が広がっている地域で、大部分は森林とゆるやかにうねった丘陵で占められています。高い山でも3000mにやや届かず、その他は2000m程度の山々が連なっています。あまり肥沃な土地ではないため農業には利用されておりませんが、種々の鉱産資源の採掘のほかに、風光明媚な高原地帯は放牧などに使われています。ただし、北部の北デール地方に近い地域は変異現象が発生するため、昔から殆ど利用されておりません。
山地の内部には細い水脈が網の目のように広がっており、河川交通が積極的に利用されています。天然の要害のような地形の場所には古くから城塞が建てられており、幾つもの古城が残っています。
<5>シュターフェン地方
東部をカスティルーンと接する地域です。国境付近は変異現象のために非常に冷涼な気候となっており、針葉樹林が広がっています。北部にはベスター山岳地帯があり、この付近は鉱工業が盛んです。南にはローレック湖があり、重要な水源として役立っています。
▼エスウェリオン市
文化都市であり、ライヒスデールでは最大の規模を誇るエスウェリオン大学があります。軍事や科学の研究も盛んで、研究機関が集中しています。この街には士官学校もあるため、貴族の子弟が多く住んでいます。
<6>南デール地方
南デール平野が広がる地域で、湖沼も多く水資源が豊富です。一帯は麦類の一大耕作地で、のどかな田園風景が広がっています。この付近はパンの種類が豊富で、この地方だけで200種類以上のものが作られています。
西部の沿岸部には、カーティス山地と呼ばれる低い丘陵地が横たわっています。海岸部は岩だらけの磯浜や断崖が広がっているため、小さな漁村しか存在しません。カーティス山地の北部には干潟があり、渡り鳥の休息地として知られています。
▼リットシュタット市(首都)
デール山地の南西麓にある大都市です。皇帝のお膝下ということで、特に選民主義思想が徹底しています。郊外には帝国動物園があり、数多くの珍しい動物が飼育されています。
<7>ワルテルメアーズ地方
デール山地の南部にあり、ブドウやワインの生産が盛んな地域です。中西部にはオルライ山地があり、標高2000m前後の山々が連なっています。
▼グラディスカッツェ市
歴史ある街であることから住人たちのプライドは高く、良くも悪くもライヒスデールらしい土地柄です。磁器の生産で知られており、有名なバルロック窯があります。
▼ドライゼンラント市
金の雨がよく降る街で、人々は常に傘を手放しません。毎年、大雨による河川の氾濫で街が水浸しになるため、十年ほど前に上流に運河と人工湖が建設されました。国内最大の水門は新たなる観光名所となっており、ここ数年は物珍しさで訪れる者で街は賑わっています。
▼エルツァブルク市
グラディスカッツ市の北にある小さな町で、かつては銀や錫などの鉱石資源の採掘で栄えておりました。しかし、現在ではその多くが廃坑になっており、豊富な木材を利用した木彫製品の生産に切り替えています。人形などの玩具作りで有名で、特にくるみ割り人形や精巧なミニチュアハウスの生産が盛んです。
<8>ワイデルハウト地方
東部をペトラーシャに接する地域です。北部にはゼクトハイン山地があり、麓にはマイリール人が多く住んでいます。この付近は他の地域と文化・風習が異なっており、結婚式の時に民族衣装を着たり、葬式の時に個人が好きだった色の洋服や装飾品を身につけるなど、独特の習慣が目にとまります。
▼エルバディア市
聖歴770年代に北部のゼクトハイン山地で真金の鉱脈が発見され、その採掘で発展を遂げております。北部には混合林が広がっており、各地に薪炭を出荷しています。ここから南部へと連なる道はスズノキ街道と呼ばれています。スズノキとはクルミの近縁種であり、強い風が吹くとカラコロと音を立てる実がなります。このため、秋になると街道には賑やかな音が鳴り響き、旅人たちの耳を楽しませてくれます。
<9>サンデルテミス地方
フレイディオンと国境を接する地域で、一帯はゴーズ平原が広がっています。南部では特にブドウの栽培が盛んで、ワインの生産で有名です。この付近は美しい牧歌的な風景が続いており、古い街並みが多く見られます。かつてはフレイディオンと激しい戦闘が繰り広げられた土地であり、一帯に古城が点在しています。
▼サイレンズヴァル市
幾何学模様の街として知られています。これは付近から掘り出される石に、不思議な幾何学模様が施されていることからついた名です。
▼フィリスモリア市
畜産業で有名な地域で、ここから出荷される酪農産品は質の良さで知られています。
▼クレンバルシュタット市
オーフェルベルク州の州都で、ワインの生産と交易で発展した都市です。フレイディオンとの国境近くにあり、住民の殆どはセナイア人となります。この国では例外的に宗教施設が多い街で、信仰に篤い地域でもあります。
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