嗜好品
○香り
▼アイリス・レモン
レモンのような香りを放つアヤメで、初夏に紫色の花をつけます。ポプリなどによく使われており、心を落ち着ける作用があります。・不明度:2
・生息地:南部
▼アロマベリー
人間の背丈ほどの低木で、その紫色の実は非常に良い香りを放ちます。この実は香水の原料として使われており、女性にもっとも人気のある香りの1つです。・不明度:2
・生息地:ソファイア周辺
▼カオリノキ(香りの木)
そのままでは普通の木の匂いですが、燃やす温度の違いによって異なる香りを放ちます。非常に高価で、貴族たちが宴の席でよく用います。・不明度:4
・生息地:北部
▼クラレンス
かつてフレイディオンの貴族であった娘、クラレンスが好んだ花です。クラレンスの悲恋の話は劇作となってエルモア中に知られており、その恋人である貧しい農夫アンドレアスが屋敷に忍び込んでこの花を送ったのを真似て、夜更けに恋人のテラスにクラレンスを捧げる若者は大勢います。百合に似た小さな花で、この花の香水は若い娘に人気があります。・不明度:1
・生息地:フレイディオン周辺
▼ナツカイドウ(夏街道)
よく街道沿いで見かける夏草で、ラベンダーを小さくしたような形をしています。ハッカに似た匂いを漂わせており、ポプリにして少女たちが身につけていることもあります。・不明度:5
・生息地:全域
▼ニセカエデ(偽カエデ)
香木として知られている有名な木で、アルメアの主要産物として輸出されています。ビャクダンのような香気を放ち、幹は彫刻や家具にも利用されます。カエデと見た目はほとんど変わりませんが、実際は全く異なる種類の植物です。・不明度:2
・生息地:アルメア周辺
▼ミズカゲロウ(水蜉蝣)
抽水植物の一種で、底泥に埋まっている黒い小さな種が匂い消しとして用いられています。水の上にカゲロウに擬態した蔓先を垂らして、それを襲う昆虫をつかまえます。基本的に擬態した部分に触れると蔓が絡まるようになっており、この性質を利用して種を取ることができます。・不明度:3
・生息地:全域
▼ミズハッカ(水ハッカ)
水原に生える抽水食物で、茎頂部にミズバショウによく似た葉を1枚だけ出しています。夏になると葉の間に、手のひらくらいの大きさの白い花を咲かせます。葉はハッカのような芳香を放ち、刻んでタバコにまぜたりします。・不明度:4
・生息地:エストルーク
○タバコ類
▼オオミツバ(大三つ葉)
クローバーと全く同じ形をしていますが種は異なります。葉は大きく、幅は60cmほどになります。この葉はタバコと似た成分を含んでいます。非常に栽培しやすい植物です。・不明度:6
・生息地:エスティリオ
▼ヒゲタバコ(髭煙草)
高さが3mくらいになるトウモロコシに似た形をした植物で、肉厚の濃い緑色をした大きな葉を持っています。この表面には長い産毛が生えています。寒い地方に生息し、かつては赤人のタバコとして愛用されていました。血行を促進する作用があり、寒いときにこれを吸ったり、風呂に浮かべる習慣もあるようです。・不明度:3
・生息地:北部
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加工原料
○染料
▼オイルインク
ハルジョオンに似た植物ですが、茎を折ると黒くてドロドロした油状の液が流れています。これはインクの原料となり、大量に栽培されています。・不明度:4
・生息地:西部
▼オニギキョウ(鬼桔梗)
一見しただけでは普通の桔梗と変わりませんが、花弁の下に鬼のような二本の角が生えており、摘む時に手を傷つけてしまいます。非常に多くの色素を含んでおり、染料として利用されています。・不明度:6
・生息地:東部
▼コバルト・スプラッシュ
海岸の砂浜に咲くコバルト色をした美しい花で、ツツジのような形で握りこぶしくらいの大きさです。この花は水気を多く含んでおり、軽く潰すとコバルト色の雫がはじけることからコバルト・スプラッシュと名付けられました。これを栽培して染料に使用することもありますが、育てるのは非常に難しく、花をつけずに枯れてしまうことが多いようです。・不明度:5
・生息地:南部
▼ヒメソメクサ(姫染草)
夏に薄紅色のアザミのような花を咲かせる、大人の腰ぐらいの高さの草本です。これは染め物に使われることと、花の基部に鋭い棘があり、これを集める娘たちが手を血で染めることから、このような名がつきました。この花で染められた布は、姫桃染めと呼ばれています。・不明度:2
・生息地:南部
▼ユウカレン(夕可憐)
花弁の縁にほんのりと紅を含んだ夕日色の花を咲かせ、これから紅を取ることができます。アザミの一種ですが、棘がまったくないため非常に採取しやすく、好んで栽培されています。夕日が傾き始めた頃になって咲き始め、日が沈む頃には閉じてしまうので、刹那橙とも呼ばれています。・不明度:4
・生息地:北部
○繊維
▼アサムラサキ(麻紫)
淡黄色の花をつける普通の麻とは異なり、夏に紫色の花をつけます。茎も紫色をしているので、これから取れる麻糸もまた紫色をしており、高額で売買されています。・不明度:4
・生息地:エリスファリア周辺
▼ユキワタ(雪綿)
鮮やかな黄色い花を咲かせる腰丈ほどの高さの草です。普通の綿とは違って、寒く乾燥した地域でしか栽培することが出来ません。雪綿からつくられる繊維は通常のものよりも軽量ながら、弾力性、伸長性、保温力、撥水性に優れており、手触りも絹のように滑らかです。また、非常に加工しやすく染色性も良好と、繊維として優れた性質を幾つも備えています。船乗りや軍人の防寒具に多く用いられており、カルネアの主要産物の1つとなっています。・不明度:3
・生息地:カルネア周辺
○紙
▼ベルトリーフ
永い帯状の葉が短冊のように垂れ下がっている、高さ2mぐらいの低木です。この葉は非常に丈夫で、昔は紙のかわりに字を書くために使われていました。・不明度:4
・生息地:北西部
▼マダラダケ(斑竹)
茶色の鮮やかな斑紋のある竹で、繊維が丈夫で柔らかいのが特徴です。セルセティアではこの竹を叩いて伸ばし、その繊維を集めて天日で乾かして紙をつくります。この紙は伝統芸術の1つである幻灯紙に使われており、独特の模様が幻想的な模様を浮き上がらせます。・不明度:5
・生息地:セルセティア
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油脂
▼オイルポット/アブラツボバナ
食虫植物で、細長い壺状の紫色の花を咲かせます。この中には油がためこまれていて、虫を引きつける匂いを放ちます。虫は一度この中に落ちると、這い上がることはできません。この油は燃えると逆に虫を遠ざける匂いを放ちますが、それは人間にとっては非常に良い香りで、夏期のランプ油などに利用されています。・不明度:4
・生息地:北部
▼キヌイトクサ(絹糸草)
ホウキを立てたような糸のように細い花をつける植物で、白い花が絹のような光沢と手触りをもつことから絹糸草と呼ばれています。この花には油分が多量に含まれており、火打ち石で火をつける時に利用されたりします。・不明度:3
・生息地:全域
▼コオリノサカミチ(氷の坂道)
氷の坂道とはいいますが、冬に生えるわけでも坂道に生えるわけでもありません。アブラナの仲間なのですが、その油分が非常によく滑るのでこの名がつきました。裏組合で売られている油は、この花の種から取れたものです。・不明度:5
・生息地:北部
▼スズノキ(鈴の木)
クルミの近縁種で、樹皮や葉の形はほとんど区別がつきません。明らかに異なるのがその実で、ぎっしりと詰まっているのではなく隙間があるため、強い風が吹くとカラコロと音を立てます。実には渋みがあるためそのままでは食用に適さず、主に油脂分を絞って利用します。・不明度:5
・生息地:中部〜西部
▼ヤエアブラナ(八重油菜)
アブラナの仲間であることは間違いないのですが、その花弁は通常の十文字に開くものとは異なり、八重咲きに変化してしまっています。花も少し大きめで、その姿はまるで黄色い薔薇のようにも見えます。そのぶん種も大きいものがとれ、収率がよいことから好んで栽培されます。・不明度:4
・生息地:南部
▼ロウソクノキ(蝋燭の木)
油脂分を非常に多く含んだ木で、オリーブの近縁種です。幹に傷をつけてしばらく放っておくと、蝋がゆっくりと落ちてきます。また、実にもアボガドのようにたっぷりと脂肪分を含んでおり、サラダなどにまぜて食べられてます。この木は背丈が大人の胸ほどしかないため、ユナスフィール教国では子供たちが手伝いでこの実を摘んでいる姿をよく見かけます。・不明度:5
・生息地:ユナスフィール教国
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道具
▼ウマノオバナ(馬の尾花)
馬の尾を立てたような花を咲かせる夏草で、花弁は白です。そのまま折り取って小さなホウキとして使うことができます。・不明度:3
・生息地:東部
▼カガミツリクサ(鏡吊り草)
ガラスでできている植物で、アザミによく似た花をつけます。鏡のように姿を映す葉がぶら下がっており、実際に鏡として使われています。・不明度:6
・生息地:ルワール大公国
▼カラクキギク(空茎菊)
茎の中心が空になっている白い菊です。野原に普通に生えており、これを集めて乾燥させてストローとして使うことができます。・不明度:2
・生息地:中央部
▼ノコギリスギ(鋸杉)
葉が非常に硬く、側面が鋸歯状になっています。この葉は刃物として使用することができ、これを利用する赤人の部族もいます。・不明度:5
・生息地:北部
▼ユミカラタチ(弓カラタチ)
非常に長い棘があるカラタチで、それが弓のように曲がっていることから、このように呼ばれています。この棘はしなやかで非常に丈夫なので針の代用として使うことができ、料理用の串やちょっとした布の留め具として利用されることもあります。・不明度:5
・生息地:中部〜南部
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指標
▼イドハナフサ(井戸花房)
井戸の壁に生える草で、細い花弁の集まった房のような花が咲きます。この草は澄んだ水のあるところにしか生えず、この花が咲くことはあまり水に不純物が含まれていないことを表わします。・不明度:1
・生息地:南部
▼カワイグサ(川井草)
川底に根を張る丈の高い草で、2〜3mほどになります。円を描くように集合し、川の上に出ている草の先が井戸の縁のように見えることから川井草という名がつきました。なぜ円状に集まるのかというと、川に沈んだ死体を取り巻くように生えるためであり、縁起の悪い草としても知られています。・不明度:3
・生息地:西部
▼ギンエンドウ(銀エンドウ)
銀の豆をつけるエンドウで、銀山の近くに生えています。その豆だけでも非常に価値がありますが、銀の鉱床を見つける指標にもなるので、この豆は銀山と同じ価値をもつといっても過言ではありません。・不明度:10
・生息地:不明
▼ギンカンナ(銀カンナ)
表面に銀が析出する珍しい植物で、銀を含む土壌にしか根づきません。大きな花をつけ銀色に輝くので、非常に目立ちます。古来より銀は毒物の検出に使われますが、貴族たちは見栄えも含めてこの花を胸に差し、身を守る道具として利用しているようです。・不明度:5
・生息地:南部
▼ツキヨギク(月夜菊)
満月のように丸い花を咲かせる菊です。この花は天気に応じて花を開閉する性質があり、花の咲き具合で翌日の天気を予想することができます。・不明度:3
・生息地:東部
▼トケイカエデ(時計楓)
カエデの仲間で、時間によって葉の色を微かに変えることから、このように呼ばれるようになりました。基本的に少し茶色がかった緑色をしているのですが、朝は青みが強く、時間が経つにつれて赤みがかってきます。よく気移りする性格を、時計楓のようだという地域もあります。・不明度:4
・生息地:北部〜中部
▼ノノコミチ(野の小道)
道端によく生えている、スズランによく似た小さな白い花なのですが、花が常に北を向いていることから、古来より道しるべとしてよく知られています。「野の小道に聞きなさい」という言葉がありますが、これは自分を見失わないようにという意味です。・不明度:4
・生息地:中部〜南部
▼ハスイカダ(蓮筏)
葉の真ん中に花をつけることから、筏に乗っている佳人にたとえられて名付けられました。春が過ぎて花の季節が終わると、泥の中から根を掘り起こし、炒めものや煮物などにして食べます。この花は決まって午後二時頃に咲き始めるので、時間花と呼ばれることもあります。・不明度:4
・生息地:ユノス周辺
▼ホロヨイノミ(ほろ酔いの実)
低山に生える低木で、秋にビワによく似た形の青い実をつけます。この実が落ちて発酵したものを動物が食べて、酔っぱらってふらふらしているのを見かけることから、ほろ酔いの実と呼ばれるようになりました。猟師たちはこの木のある場所を覚えておき、秋になると1日に1度はこの木の前を巡回します。・不明度:3
・生息地:全域
▼ムカデスギ(百足杉)
枝が完全に左右対象に生える珍しい杉で、大森林にしか存在しない植物です。枝の先は必ず東西を向いており、正確な方角を知ることができます。・不明度:12
・生息地:大森林
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その他
▼エメラルド・クララ
通常の薄黄色の花を咲かせるクララとは違い、花弁は透き通ったエメラルド色です。この花の最大の特徴は、実に本物のエメラルドをつけることです。しかし、人の近づかない谷底などに咲いていることが多く、簡単には見つかりません。・不明度:9
・生息地:不明
▼タカノクチバシ(鷹の嘴)
杉の仲間の針葉樹ですが、葉の先が鷹の嘴のように弧を描いています。樹液の粘着性が非常に強いため、木こりや猟師がノリの代用として使っていました。・不明度:6
・生息地:北部
▼ネバリアシ(粘り葦)
アシの一種で、根から粘着性の物質を出してすぐに地面を固めてしまうため、他のアシよりも干拓に使われる割合が高いようです。この粘着物質は肥料になり、肥沃な土壌をつくることができます。・不明度:5
・生息地:西部
▼ベニヒルガオ(紅昼顔)
浜辺に生えており、普通のヒルガオよりもずっと濃い赤色をしています。ジャコウのような強い臭いを放ち、これは虫避けとして香にして利用することができます。・不明度:4
・生息地:中部〜南部
▼ヤマニガグリ(山苦栗)
非常に苦い実をつける栗で、食用にはなりません。その代わり、この実を煮詰めて除虫剤として使うことができます。よく未婚のまま老いた険のある女性を例えて、山苦栗のようだといいます。・不明度:4
・生息地:全域
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