心霊秘学/基本設定


 


 霊魂は記憶と自我を併せ持つ精神体であるとされ、世界が持つ記憶や霊魂と最も近い場所に在るものと考えられています。そのため、真理の探究の手段として霊魂を調査する分野が生まれたわけですが、精神分野と同様に見えない領域を扱うため、非常に取り扱いが難しいと同時に、少なからず危険も伴う研究となります。なお、心霊秘学を究めた者は霊杯博士と呼ばれています。


○霊魂

 霊魂はエーテル体と星幽体との複合存在であるといいます。エーテル体は精神の作用を司るもので、星幽体は個体の情報を記憶するものと定義されています。
 より詳しくいうと、星幽体は自我や性格、あるいは個人の記憶といった情報そのものであり、形質の一種であると考えれています。しかし、これのみでは精神の作用は起こらず、必ずエーテルの駆動力を必要とするのだといいます。ですから、霊魂とは常にエーテル体と星幽体の2つが揃った状態をいい、星幽体とエーテル体という個別要素とは明確に区別して用いられる言葉となります。


○個体霊魂

 個の最奥部に存在する霊魂のことで、術法などの手段によって生体から解離していない場合は、生命場に内包された状態にあります。これは肉体の死によって解離しますし、術法などの霊的な手段でも幽体離脱が行われることがあります。また、この他にも現象として霊魂の離脱が確認されています。
 錬金術の世界では、生命を構成する要素に霊魂が含まれており、特に心霊秘学を学ぶ者は霊魂に比重を置いた考え方を持っています。そして、生命とは身体に霊魂が宿った存在ではなく、霊魂の意思を具現するための道具として肉体があるのだという説を展開しています。このような考え方を心霊主義と呼んでいます。
 心霊主義の立場では霊魂は不滅の存在であり、人格は死後も存続するものです。実際、霊が身体を離れても存在できることは確認されておりますし、また、教会の記録にも生まれ変わりという現象が残されています。本来、霊魂は常に向上進化を目指す霊性であり、天国という概念も究極の真理へと達することの比喩であると解釈する者もいます。そのために敢えて霊体になることを目指す術法師も存在しますが、それが事実かどうかは確認されておりません。


○霊道

 何らかの理由で異界へと存在を転移できなかった霊魂は、現実世界と冥界の狭間にある霊道という場所に存在するのだといいます。この空間は混沌雲(カオス・ブラック)という未知の粒子に満たされているので、霊的な手段を用いても発見できないという説が主流となっています。なお、この粒子が瘴気と呼ばれるもので、そのために長く現世にとどまる霊魂は瘴気の影響を受けるのではないかという考え方も存在するようです。
 しかし、霊道自体がどういった存在であるかについては、学派や個人によって異なる説を主張しています。ある学派では、霊道は個別の霊魂に固有のものであり、特定個人の精神世界が再現された空間であるという説を唱えておりますし、違う学派では星幽世界へ繋がるルートの1つであるのだといいます。しかし、自身の目で確認した者も存在しないため、どの説も主流となるには至っておりません。


○霊媒物質

 降霊物質あるいは中間物質とも呼ばれるもので、我々の世界でいうエクトプラズムをさす言葉です。
 霊魂は霊媒物質をまとわなければ、物理世界へ影響を与えることが出来ないと考えられており、一般に観察される心霊体は霊媒物質に憑依した状態、つまり霊魂+霊媒物質という複合存在であるといいます。これは生命体が肉体を必要とするのと同じ意味であると解釈されています。
 霊魂が霊媒物質への憑依を果たすメカニズムについては、未だに明らかとはなっておりません。また、霊媒物質の実体も詳しくはわかっておりませんが、霊道あるいは冥界由来の物質であるとされており、心霊体が霊道から顕現する時に物質化するというのが心霊秘学での定説となっています。なお、これまでの研究によって、以下に挙げる情報が霊媒物質の性質として明らかになっています。
 
・霊媒物質の性質
 電磁気の影響を受ける
 物質透過性を持ち、物理的存在をすり抜けることができる
 瘴気属性の場合は日光の影響を受ける
 霊魂の意思によって、上記の性質を一部変化させることが可能である


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