(C)ロンデニア開発地 

基本情報自然・要所


 

基本情報


○概要

 C-10地域の南西部では、ロンデニアによる鉱山の開発が行なわれています。北東部ではルワール大公国が開発を進めていますが、両国は友好関係にあるため衝突が起こることはありません。
 両陣営はヒナ山地での鉱脈探索を進めておりますが、周辺地域には通行を阻む難所が多く、現在は最高峰であるヒナ山の麓までしか到達できておりません。その奥地には独自の文化を持つ部族が存在するようですが、詳細についてはよくわかっておりません。


▼C-10:未開地
・北東部:ルワール開発地
・南西部:ロンデニア開発地


▼鉄道敷設
 最近の変わった話題としては、ベルナデル準州で長距離鉄道の敷設計画があります。これはロンデニア単独ではなく、C-10地域の鉱山開発も含めて、ルワールと共同で進める案も持ち上がっており、多くの利権が絡む大プロジェクトとして注目を集めています。しかし、そのためには原生林を伐採したり、聖地として崇められている場所を破壊する可能性があるため、原住民の激しい反発を受けています。


○辺境自治区(開発区)

 外地省から派遣される地区長官が監督する自治区で、新たな農地の開拓や鉱山開発を行なっています。


▼マグダリル自治区
 ヒナ山の麓にある流刑開拓地で、流刑囚の収容所と小さな町で構成されています。ここでは農地開拓と鉱山開発が行なわれており、準州で捕らえられた犯罪者や本国を追放された流刑囚たちが、過酷な労働を強いられています。収容所には800人以上の囚人がおり、暑さに耐えながら狭い雑居房の中で生活しています。
 地区長官であるフィル=オコーナーは賄賂と不正で成り上がった人物で、その立場を利用して私腹を肥やすために、様々な知恵を絞っています。たとえば、囚人にかかる経費を切り詰めて差額を懐に入れたり、ノルマ以上の仕事を科して得た余剰の農作物を市場に流したりするのは、当然のように行なわれています。また、適当な罪状をでっち上げて囚人数を増やしながら、外地省には正規の報告を行なわず、その労働によって不正な所得を得るといった悪事も働いています。
 開拓地の治安維持や収容所の監視を担当しているのは辺境軍の1部隊ですが、彼らはオコーナーの私兵も同然で、悪事に加担して懐を暖めています。現地民を捕らえて奴隷として売り飛ばしたり、密猟によって象牙や毛皮を入手することが、まるで本来の業務のように行なわれています。また、故なく囚人を虐待したり、下層階級の者に暴行を働くことも日常的となっており、大勢の人々から恨まれています。
 今までは見せしめの鞭打ちや公開処刑といった手段で、囚人たちに恐怖を植え付けて従わせてきましたが、あまりの酷い扱いに表立って不満を見せる者たちが現れはじめています。彼らを焚き付けているのは、ゴードン=マクマナスという密猟集団のリーダーだった男です。しかし、彼の本当の目的はかつての仲間たちとの集団脱獄で、反抗者たちを煽って暴動を起こさせ、それを隠れ蓑にして逃亡を図ろうと計画しています。


▼パステト=バルガ自治区
 現地の小部族をまとめて収容している居留地のことで、100人ほどが生活しています。彼らは開発区で労役の義務を負っていますが、この地域を監督しているセイル=ロー長官は現地の有力部族の子孫であるため、居留民たちに過酷な労働を強いることはせず、生活を維持するために必要な最低限の農地開墾や、細工品の加工といった作業を行なわせるだけで済ませています。
 理解ある指導者として人々に慕われている彼ですが、居留民たちから唯一反発を受けていることがあります。それは現地民たちが聖地と崇めているヒナ山での鉱脈探索です。これは植民地政府から直接与えられた任務であることから、土着の民の血を引く者として忸怩たる思いを抱きながらも、命令には従わざるを得ません。また、居留民たちには現地宗教の信仰が禁じられているため、彼らが反発しても強制的に探索を行なわせなければ、そのことを理由に処罰される可能性があります。もちろん、何の成果も上がらず時間を費やすだけでは、新しい地区長官が派遣されることも考えられるため、板挟みの状態で心を痛めながらも、部族民を守るために禁を破って調査を続けさせています。


○組織・集団

▼辺境地域巡回警備隊
 辺境自治区を巡回するベルナルデル準州所属の警備隊で、周辺地域の警戒任務のほか、各地の自治区に情報伝達を行なったり、輸送や護衛などを担当する部署です。しかし、彼らにとって最も重要な任務は、他の実働部隊の職務状況について、植民地軍の上層部と植民地政府に監視報告を行なうことです。このため、おしゃべりインコと揶揄されており、各地の部隊から嫌われる役目となっています。


○人物

▼ゾラン=ステイビル(白人/男/39歳)
 マグダリル自治区の収容所で働く看守で、サーカスで猛獣使いをしていたという変わった経歴の持ち主です。鞭の名手であり、獣を調教するように囚人を打ちのめし、恍惚とした表情を浮かべて侮蔑の言葉を吐く、収容所で最も嫌われ憎まれている男です。その嗜好から職を選んだと言われており、囚人のみならず仲間の看守からもゲス野郎と呼ばれています。


▼ジェイラス=ローチェス(フォリア人/男/32歳)
 奴隷売買組織スレイブマスターに所属している、奴隷狩りを生業とする傭兵部隊の副隊長です。見た目は白人に見える彼ですが、実は曾祖父が黒人というフォリア人(白人と黒人の混血)です。そのことで子供の頃から疎外されてきた彼は、黒人奴隷を虐げることでそのコンプレックスを払拭しています。時に狩りを楽しむように逃げようとする黒人を撃ち殺したり、逆らう奴隷に執拗に鞭を振るうため、仕事仲間たちも彼とはやや距離を置いて付き合っています。


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自然・要所


○要所

▼ヒナ山地(C-3/C-5/C-10)
 標高1500mほどの山々が連なる山岳地帯で、奥地には最高峰となるヒナ山がそびえています。この山は古の王国に仕えていた巫女が逃れてきた場所で、ヒナというのはその巫女の名だと伝えられています。
 昔から金や宝石が発見されていたのですが、これは神からの賜わり物と考えられていたため、あまり積極的な採掘は行なわれておりませんでした。特にヒナ山は特別な場所とされ、ドーン・ミーヴァ王族のみが立ち入ることが出来る不可侵の聖地として、長く禁足地のまま崇められてきたのです。しかし、聖歴330年代にロンデニアの植民地になると、周辺地域の開発が一気に進められ、近年では麓での鉱脈探しが行なわれるようになっています。それに対して被支配層の黒人たちは強く反発しておりますし、支配をまぬがれている奥地の原住民たちの中には、調査隊に直接的な攻撃を加える者も現われています。
 
◇獣王の聖跡(巨人の足跡/陥没島)
 ヒナ山の麓に見られる独特の地形で、大地が突如陥没している場所が10ケ所以上も存在します。白人たちは巨人の足跡や陥没島などと呼んでいますが、周辺に住む原住民たちの間では、神の使いである獣王の聖なる足跡として古くから崇めてられています。
 この大穴は平均の深さが100m以上にも達するもので、中には直径・深さともに300mを超すものも見つかっています。幾つかの穴は峡谷で繋がっており、密林の動植物たちとともに奥地への通行を阻んでいます。また、風や鳥たちの運んだ種が芽を出したのか、穴の中にもたくさんの草木が生い茂っており、隔絶された世界で独自の生態系を築いています。不思議なことに、鳥や昆虫以外にも動物たちが住み着いているため、どこかに抜け道があるのではないかと考えられています。
 
◇聖爪痕(地割れ谷/裂け目)
 ヒナ山の周辺に見られる地面の断層のことで、様々な深さの亀裂が各所にあります。これは獣が残した爪痕のようにも見えるため、現地の民の間では聖爪痕(聖獣の爪痕)だと伝えられていますが、一般的には単に地割れ谷や裂け目と呼ばれています。小さなものは幅・深さともに数十cm程度となりますが、通行を阻むほどの幅があるものも珍しくはありません。陥没島を繋ぐ亀裂は深さ100mを超える谷となっており、大亀裂や陥没谷という呼ばれ方をしています。


▼岩壁街(C-10)
 原住民たちがグラン峡谷の岩壁を掘ってつくった家々のことで、狭い岩棚にへばりつくようにして、たくさんの住居跡が並んでいます。いつの時代の建築かは明らかになってはおりませんが、現在は廃虚となってしまっているようです。しかし、これはウルリ砂漠側の谷にあるため、誰もそこまで赴いて確認した者はおらず、実際に無人となっているかどうかはわかりません。
 
◇屍谷
 峡谷の入り口付近のことで、聖歴692年に起こった局地地震で崩落したといわれる、岩壁街の残骸が散らばっています。この地域の調査は終了していますが、瓦礫を見たところ高度な技術で造られた建築物らしく、平らに磨かれた壁材に精巧な彫刻が施してあったり、防腐用の塗料を塗った給水設備らしき木管も発見されています。幾つか発見されている宝飾品などからも、周辺部族よりも高い知識・技術を持った人々が住んでいたことは間違いないようです。しかし、装飾模様や文字らしき刻印を比較しても、近隣に住む部族の文化とはあまり関連性が見られず、かつてペルソニア奥地に存在したといわれる、巨石文明の末裔ではないかと考えられています。


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基本情報自然・要所