北方同盟/制度

北方同盟ラハト連合同盟国家軍事


 

北方同盟


 北島にいるセル人は北方同盟を名乗って、南島のセルセティア連邦と戦っています。同盟に加盟しているのは、マイエル教ラハト派主導による中央政府が統括するラハト連合と、領主貴族が支配者である幾つかの独立公国です。同盟は主に軍事と経済における同盟であり、国家としての統制機関を持つわけではありません。


▼同盟旗
 北方同盟の旗は、地の部分が2:3:2の割合で赤、黄、緑に縦に分割されています。


○政治制度

 同盟内部の政治制度は大きく2つの方式に分かれています。1つはラハト連合であり、連合加盟州は全く同一の制度による統治を行っています。もう1つは独立公国の統治制度で、ラハト連合とは別個に独自の内政を行っています。公国の殆どは旧態依然とした領主制度を採っており、領主貴族は世襲的にその地位を継承します。


○同盟会議

 同盟会議はラハト連合の閣僚と独立公国の代表者によって行われます。ここでは経済と軍事に関する会議が定期的に行われ、同盟全体における方針を決定します。なお、同盟内ではラハト連合の発言力が強く、連合代表が議長となっています。


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ラハト連合


 三権が分立されており、制度上では近代的国家の体裁を保っていますが、実質的にはマイエル教のラハト派が三権を掌握している状態です。ラハト派は天神マハトを中心に主神となる六神を崇める流派で、現在のマイエル教の最大派閥となります。
 ラハト派は時代に逆行した政教一致の政体を作り上げており、ラハト派の大神官が連合代表を務める形となっています。ラハト連合は形の上では連邦制を継続していますが、連合内部の州権は比較的弱く、中央政府の影響力が強いのが特徴です。


▼国号
 自らは神聖ラハト連合国家を名乗っていますが、国際的には承認されておりません。なお、セル人国家を意味するセルディナンという呼び方もあり、ラハト派を積極的に支持するわけではありませんが、独立には賛成しているセル人たちの間でよく使われています。


▼連合旗
 ラハト連合の旗は、地の部分が緑、赤、緑の順に1:3:1の割合で横に塗り分けられており、赤地の中央部にはマイエル教の聖印(円と六芒星を組み合わせた紋章)が白く描かれています。


▼貴族
 称号は廃止されておりませんが諸特権は既に失われており、領主という地位も存在しません。一部の貴族は地主や政治家として生き残っておりますが、財産を失って没落した家系も数多くあります。


◆ラハト連合/制度

 
 連合代表──┬──枢密院
       |
       ├──立法府──┬──州議会
       |       └──連合議会──┬──枢軸議会   
       |                ├──聖職議会
       |                └──人民議会
       |
       ├──行政府──┬──主席長官(=連合代表)
       |       ├──内務省
       |       ├──外務省
       |       ├──財務省
       |       └──軍務省
       |
       └──司法府──┬──審問院
               └──検察院
 


○連合代表

 ラハト連合の代表者は、連合議会全体で行われる選挙によって選出されます。現在はラハト派の大神官であるグレン=グラブドゥがこの地位に就いています。なお、グレンは連合代表就任後に、もともとは10年であった任期を終身制へと変更しております。このため、過去に1度しか連合代表選挙は行われておりません。


▼枢密院
 連合代表の諮問機関であり、メンバーは連合代表の独断で選ぶことが出来ます。現在の枢密院は、神儀会と呼ばれるマイエル教の中枢組織と、グレンの私的な相談相手で構成されています。


○立法府

 立法機関として連合議会と州議会に立法権限が与えられています。州議会は連合憲法に抵触しない範囲で州法を定めることが可能ですが、現在は戦時特別情勢下という理由で立法権限を一時停止されています。そのため、実質的には連合議会が唯一の立法機関となります。


▼連合議会
 枢軸議会、聖職議会、人民議会の三部会から成る立法機関です。枢軸議会は連合加盟州の代表者(州知事)で構成されています。聖職議会はマイエル教ラハト派の高位聖職者、人民議会は国民による直接選挙によって選ばれた議員からなる議会です。
 各議会は等しく立法発議権を持ち、法案について審議を行うことが出来ます。個別の議会で審議されて2/3以上の支持を得た法案は、三部会で行う総会議で審議されることになります。ただし、5年前から戦時下の特別法として、人民議会の議員選挙の無期限停止が施行されたために、現在は二部会でのみ審議が行われています。


▼連合代表
 連合代表は本会議における部会の招集権と、議長の任免権を持ちます。また、連合法は連合代表によって発布されるものであり、代表の署名がなければ正式な法律として認可されません。


○行政府

 行政府は4省から構成されており、連合代表が兼任する主席長官と各省長官の指揮・監督の下に行政行務が行われます。


▼行政長官の選出
 各省の長官は連合代表に任免権があります。なお、行政長官は連合議会の議員を兼任することは出来ません。


▼主席長官の権限
 主席長官は誰の賛同も得ずに、各省長官の職務の一切を代行することが可能です。また、主席長官は軍の統帥権を与えられており、独自の権限で軍を指揮することが出来ます。


○司法府

 司法府は裁判所を統括する審問院と、検察組織である検察院から構成されています。なお、司法府には違憲審査権は与えられておりません。


▼審問院
 最高人民裁判所(連合)、上級裁判所(州)、下級裁判所(地域自治体)の順に裁判所が設置されており、それぞれ控訴・上告を行うことが可能です。判決には宗教的見解が強く影響します。また、公正な裁判が保証されるとは限らず、連合政府に不都合な判決が下されることはありません。


○警察機構

 内務省警察局が全ての警察組織を統轄しています。現在は戦時下ということで、警察局には国内統制のために大きな権力が与えられています。
 警察局は州警察などの下部の組織に対して監査・粛正を行う権限を持ちます。所轄は国家警察、州警察、市警察といった形で分割されています。警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。なお、これらの警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。


▼管轄

◇国家警察(警察局)
 全警察組織に対して指揮監督を行う部署です。基本的には、捜査などの実際の業務を行うわけではありません。ただし、幾つかの特殊な部署は政治犯などを対象とした捜査を専門に行います。

◇州警察
 各州の警察業務を監督します。また、広域の犯罪を取り扱ったり、応援要請があった場合は地域に出向いて業務を手伝います。州警察は幾つかの市警察や地方警察を統括しています。市警察はさらに地域警察や街区警察といった小さな部署を管理します。地方警察は市に含まれない地域(群や島など)を管理する部署であり、形式的には市警察と同等の立場にありますが、実際には地方警察の方が立場は低いようです。

◇首都警察
 州警にあたる大きな組織で、首都周辺の警察業務を取り扱います。首都に存在する重要施設などの警護も首都警察の担当です。


▼特殊な部署

◇広域捜査部
 複数の地方にまたがって犯罪をおかした者を担当する刑事です。これは国家警察に所属する部署となりますが、地方では嫌われることが多く、協力を得られないことも少なくありません。

◇治安警察隊
 武装警官たちで構成される部署で、国内軍といっても差し支えありません。主に暴動鎮圧や重要施設の警備などの仕事をこなします。

◇公安警察
 国内の風紀・治安維持の目的の下に結成された組織で、いわゆる秘密警察に相当します。実質的には連合代表に直属する組織で、連合政府に反対する思想や言論、行動を取り締まることが行務の半分を占めます。様々な特権があり、郵便書簡の検閲や密偵行為なども法的に許されております。


○地方行政

 ラハト連合の行政区は大きく州で区分されます。各州の下には県は存在せず、直下に市町村が置かれています。各自治体は、それぞれ国家制度を模倣した行政組織と一院制の議会を持ちます。
 連合内部の州権は比較的弱く、連邦制といっても中央政府の影響力が強いのが特徴です。たとえば、州議会は連合憲法に抵触しない範囲で州法を定めることが可能ですが、現在は戦時特別情勢下という理由で立法権限を一時停止されています。


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同盟国家


 北方同盟に所属する領主国家で、ラハト連合とは別個に独自の内政を行っています。他国でいえば公国/候国に相当する存在ですが、セルセティア王国の成立前から独立しているため、1つの国家(独立公国)として扱われています。
 これらの国家では旧態依然とした貴族制度が残存しており、領主は世襲的にその地位を継承します。貴族には様々な特権が与えられていますが、既に農奴解放が行われているため、人民が土地に縛り付けられることはありません。


○貴族

 独立公国の貴族は支配階級として扱われます。領主貴族は1つの自治体を統括する存在であり、一軍の将としても活動します。ただし、その権力は領内でのみ及ぶものであり、同盟内では地域の代表者でしかありません。無領地貴族には官僚として働くものと、騎士として領主貴族に仕えるものがいます。


▼伝統貴族
 セルセティア王国に所属していなかった領主国家の貴族で、古くから強い権限を維持してきました。

新貴族
 かつての官僚貴族がセルセティア王国の崩壊時に土地を私有化し、領主貴族となったものです。


○政府

 領主が全権を握る立場となり、独自の政治制度を構築することが出来ます。なお、殆どの国家では司法府と行政府が分離しておらず、司法権限は行政組織(領主)に与えられるものとなります。


○警察組織

 警察組織は領地単位で運営され、治安判事という役職を中心に組織されています。治安判事は1つの地域や街の警察組織を統括する刑事で、部下の警吏を率いて事件捜査を行います。それと同時に、軽犯罪に関する裁判権を有する裁判官でもあるのです。スリや少ない金額の盗難などに関しては、詰め所で簡易裁判を行って刑罰を即決することができます。また、治安判事は民事事件にも介入することが許されています。つまり、大きな犯罪に対する裁判以外は、その地域における全てのもめ事を解決する重大な役目を負っているのです。


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軍事


 北方同盟の軍事は同盟軍総司令部が統括しています。これはラハト連合代表と連合軍務省長官および幕僚、そして同盟国家の貴族領主と将官で構成されています。同盟軍最高司令官の地位にはラハト連合代表が就いており、貴族領主の発言力はラハト派によって抑えられています。
 同盟軍は連合加盟州と同盟国家を管区として編成されており、各管区は割り当てられた兵数を供出する義務を負います。


▼管区司令
 同盟国家の司令官は各領主貴族となりますが、連合加盟州の場合は軍務省から将官が派遣されることになります。なお、同盟国家は陸海軍を合わせて1つの管区となりますが、ラハト連合海軍は連合全体で1つの管区として扱われます。


▼特別管区
 聖職管区と呼ばれる特別な管区が存在し、これに所属する軍隊を一般にラハト神聖軍と呼びます。これは志願民兵と聖職者で構成されており、ラハト派総本山の警護や連合代表の護衛などは、すべてこのラハト神聖軍の担当となります。
 もともとはラハト派の所有する土地と聖職者を守るために設立された部隊ですが、軍を鼓舞する目的で前線に立って戦う場合もあります。


○兵制

 同盟国家とラハト連合では異なる兵制を敷いています。


▼同盟国家
 同盟国家では領主が自由に兵制を決めることが可能です。将官となるのは貴族領主および騎士であり、自領地の軍隊を率いて作戦行動に参加します。


▼ラハト連合
 連合内の兵制は統一されており、連合軍は志願兵である職業兵士と選抜徴兵で構成されます。将官となるのは軍務省に所属する軍人で、各将校の指揮に従って作戦行動を行います。


○軍事情勢

 南北間の戦乱が激化しています。民族問題も深刻ですが、何よりも宗教上の問題は特に溝が深く、聖母教会の介入が事態をより混乱させています。
 セル人はセティア人に比べて人口が少ないため、この内戦は早いうちに終結すると思われていたのですが、人々の思惑を外れて今まで長引いています。これはラハト派の巫女の中に、聖者の再来とも呼ばれるリュミル=カレルレンが登場したことによります。彼女はまだ15歳という若さでありながら、ラハト神聖軍の兵として同盟軍の先頭に立ち、その象徴として戦っています。神の啓示を受けたという彼女の活躍は目をみはるものがあり、幾度も無謀とも呼べる作戦を成功させています。実際に彼女が奇跡を行なったところを見たという人もおり、そのカリスマ性は高まるばかりです。しかし、同盟軍の将や連邦軍たちは彼女の活躍を疎み、魔女として疑いの目で見ております。友軍の中でも陰謀を目論む者がおり、その無事が懸念されるところでもあります。


○国家関係

▼友好国
 現在のところ、特別に友好的な国家は存在しません。


▼敵対国
 特別に敵対している国家はありませんが、宗教的にはほとんどの国家と相容れない存在であり、そのために国際的には反乱軍と見なされています。また、地理的な条件からこの国を中継貿易港として狙う国家も少なくありません。


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