基本情報
ペルソニア北中部(B地域)の海岸沿いは、古くから熱帯林や平野が広がっていた地域です。これらの土地に南部から来た黒人たちが住み着き、河川の流域に農地を開墾するのですが、やがてラガン帝国に征服されてしまいます。その後、聖歴700年代の初頭に冒涜の王と呼ばれる怪物が出現し、ラガンの植民地時代は終わりを迎えるのですが、代わってエルモア地方の国家が次々と入植を果たし、現在もその支配下に置かれる状況が続いています。
○地勢・気候
ペルソニア北中部域は、これより東の気候と同じく亜熱帯から熱帯に属しており、海から吹く風によって湿潤な気候となります。年間の平均気温は、北端付近では25度まで達することはありませんが、南では25度以上になる場所が殆どです。
この地域は南西の方向へ進むにつれて熱帯林が多く見られるようになり、海岸沿いにはカカオやコーヒーといった作物の農園が広がっています。しかし、内陸部に入ると広大なサバンナ地帯(B-8)が見られたり、熱帯樹の大密林が残されている地域もあります。また、アポルト山付近(B-10)まで進むと砂漠があらわれるなど、非常に多様な地形を観察することが出来ます。
○人種・系統
北部には赤人民族もわずかに住んでおりましたが、殆どを占めるのはペルソニア中部域(E地域)に住んでいたと言われるレグラム人系の黒人です。また、これらと黄人、白人との混血なども多く住んでいます。
▼種類
◇レグラム人(黒人)
前聖歴の頃から一帯に住んでいた黒人で、この地域の人口の殆どを占めています。古くはペルソニア中部(E地域)のサバンナ地帯に住んでいたと考えられており、その周辺では現在も多くの部族が暮らしています。◇フォリア人(混血:黒人+白人)
出自となる民族を問わず、黒人と白人の混血のことを広く言う言葉です。フォリア人は大きく2つに分けることが出来ます。1つは、貿易商人や移民として訪れた白人が、現地の黒人と結婚して生まれた子供です。もう1つは農園経営者などが奴隷の女性に生ませた子供で、こちらは白人家庭に受け入れられることは殆どなく、父親がいないものとして育てられます。いずれの系統にしても、フォリア人は双方の人種から疎まれる存在となります。◇ゴズラム人(混血:黒人+黄人)
黒人と黄人の混血を指す言葉で、B-3〜B-7地域に多く住んでいます。◇バウンシャ人(赤人)
ペルソニア北東部の主要民族である赤人で、その殆どはB-1〜B-2地域に住んでいます。◇レバンド人(混血:赤人+黒人)
バウンシャ系赤人とレグラム系黒人の混血で、その殆どはB-1〜B-2地域に住んでいます。◇黄人
ラガン帝国由来の黄人で、B-3〜B-7地域に多く住んでいます。なお、ラガン帝国が滅んで以来、ペルソニアでの黄人の地位はあまり高くなく、白人には蔑視される傾向にあります。◇白人
白人国家から移民で、ライヒスデール人、カルネア人、ソファイア人などがいます。◇その他
アデン系の黒人やその他の混血民族も存在します。
○産物
北部の農園では綿やサトウキビが盛んに栽培されていますが、南西へ進むに従って雑穀などの耕作地が増えてきます。中部以南の熱帯雨林では、カカオ、コーヒー、ゴム、バナナといった作物や、質のよいペルソニア・マホガニーが採れることでも知られています。
内陸部では古くから遊牧生活を営む民族が多く住んでいたため、現在も郊外で牧畜が盛んに行われています。また、豊富な降雨によって大地から海にもたらされる塩類により、付近の海岸の水産資源は非常に豊かで、干物なども古くから作られていました。
▼農産物
綿、太陽麻、サトウキビ、トウモロコシ、モロコシ、落花生、イモ類、アブラヤシ、バナナ、カカオ、コーヒー、ゴム、香辛料など▼鉱産物
石油、石炭、鉄、銅、鉛、亜鉛、砂金、リン鉱石、硝石など▼その他
魚介類、酪農(牛、豚など)、木材(ペルソニア・マホガニーなど)
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文化・生活
○概要
ペルソニア北東部(A地域)より後になって侵略が行われたためか、現在も黒人たちの文化が色濃く残っている地域です。特にトトム平原(B-8)やオゴロ密林(B-9)などの未開の地では、昔ながらの原住民の生活が守られている地域が多く、それぞれの自然環境に応じた独特の生活文化が見られたり、部族で語り継がれている様々な民間伝承を聞くことが出来ます。
○宗教
ラガン帝国の支配下にあった地域では、現在も一部でマイエル教が信奉されていたり、土着の信仰が生き残っていたりします。しかし、その他の地域では強制的に聖母教会への改宗が行われ、多くが聖母教会の信者となります。なお、まだ支配を逃れている奥地では、それぞれの民族による信仰が行われています。
▼山岳信仰
アポルト山やワーズ山脈などの高峰は、山岳信仰の対象となっています。山そのものが感謝と畏怖の対象となる場合もあれば、神が姿を変えたものとして擬人化されて崇められる場合もあります。
○食事
主食はバナナをつぶして餅のようにしたものや、イモ類、雑穀といったものが食べられています。海岸沿いの地域は特に食料に恵まれており、植民都市ではたくさんの海産物が市場に出回りますし、太陽の恵みを受けて育った野菜類も豊富です。なお、南西の暑い地域では、汗をかくためにトウガラシなどの香辛料がよく使われています。
少し変わっているのがサバンナ地帯での食文化で、この地域で大量発生するユスリカやイナゴが食料とされています。ユスリカの場合は乾燥させて粉にしてからダンゴにし、イナゴの場合は炒め物に混ぜるなどして食されています。
○遺跡
旧王朝のものとラガン帝国の植民地時代の遺跡が存在します。
▼ラガン帝国
B-1〜B-2地域は、古くはシュパイト=ダハグ氏族同盟という、10を超える有力氏族による連邦国家が支配していた地域です。しかし、聖歴125年にラガン帝国に征服され、その支配は約600年の間続きます。そのため、この一帯にはラガン帝国時代の建物が今も多く残されており、様々な遺跡も各地に存在します。
▼旧王朝
B-4地域にあったファルザ王国は、聖歴531年代に入ってラガン帝国の侵略を受けるまで、長く独立を保ち続けてきました。その後、ラガンの支配は聖歴720年代まで続き、聖歴734年にはソファイアの支配下に置かれますが、ファルザ王国時代の建物が現在も一部に残っています。
同様にルクソン王国(B-5、B-6、B-7)も、聖歴530年代に征服されるまでは独立国家であったため、植民地内の各所で当時の姿を残す建築物を見ることが出来ます。
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