解説/魔族

概説分類悪魔の心臓


 

概説


 神に敵対する邪悪な種族で、人間を堕落させることを目的として活動しています。魔族は全て瘴気に属しています。


○知識判定

 一般分野:怪物知識(一般:記憶+異端知識)
 専門分野:異端判別/魔族(専門:記憶+異端知識)


○分類

 魔界に生きるものをまとめて魔族と呼びます。悪魔といった場合は、魔界を統べる真魔のことを言い、それ以外の雑多な存在はまとめて一般魔族と呼ばれます。一般魔族には使役悪魔や魔界獣などが含まれます。


○弱点

 魔族は聖水を恐れたり、祈りの言葉に怯えたりするという言い伝えがあります。また、変身していても鏡には正体が映ってしまうとも言われています。しかし、これらは迷信に過ぎず、魔族自信が人間を騙すために流した嘘という説もあるようです。魔族は平気で教会に入り込んで来ますし、聖職者や聖印を見て逃げ出すということもないのです。なお、聖職者はこれらのことを知っているので、誤った対策をとることはありません。


○特殊能力

▼邪痕
 真魔が用いることができる特殊能力で、呪いの一種として扱われます。邪痕とは悪魔が狙った相手につける霊的な傷のことをいい、これを授けるためには霊力を基準とした判定に成功する必要があります。邪痕を防ぐには、精神抵抗による判定に成功しなければなりません。対抗判定で破れた場合は、何かの記号や刻印のように見える痣や傷が、体のどこかに浮かび上がります。
 邪痕を与えた悪魔は、相手の居場所や状態をいつでも知ることが出来ます。また、離れた場所にいても意識を集中するだけで、邪痕の持ち主が知覚しているものを自動的に知ることが出来ますし、相手と心の中で自由に会話することが可能となります。
 これを解呪するには呪詛払い(浄化系、霊媒系)か呪法解除(魔力操作系)の術法を用いなければなりません。なお、この特殊能力の影響を受けている者に出会った時は、霊感の判定を行なわせても構いません。判定に成功した場合、何か嫌な雰囲気を感じたり、背後に何か影が見えるといった変化を感じることが出来ます。


▼憑依
 真魔は霊魂のように人間に憑依することができます。この時、憑依対象の体のどこかに、悪魔の心臓の一部が見えています。この部分に攻撃されると、悪魔は生命値に直接ダメージ(防御値0)を受けることになり、憑依状態も解けてしまいます。


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分類


 魔族の世界にも、人間社会と同様に身分が存在するようです。これは魔族の実力にも比例しますが、功績や行使できる能力によっても異なるようです。まず大きくわけられるのは、奴隷階級と一般階級とでもいった身分差で、下の位を雑魔、上の位を真魔と呼ぶこともあります。


○身分階級

▼一般魔族

◇雑魔
 雑魔とされるのは使役悪魔、傀儡悪魔、悪魔戦士などですが、彼らの間での上下関係は明確に分かれてはいないようです。

・種類:魔界獣、傀儡悪魔、使役悪魔、悪魔戦士
 
◇魔人族
 変異の影響によって魔族となった人間で、雑魔より格上の存在です。彼らは悪行を積み重ねることで力を強くしてゆき、真魔へと変身を遂げるものと考えられています。
 なお、一般には殆ど知られておりませんが、魔人は瘴気に属する存在ではあるものの、悪魔の仲間ではありません。しかし、人間社会では一般魔族として分類されており、悪魔の手下だと信じられています。


▼真魔(悪魔)
 下位悪魔より上の位からは真魔に分類されることになります。真魔同士は上下関係がはっきりしており、位が高いほど強い権力を持っています。人間でいえば一般市民と貴族、あるいは部下と上司の関係となります。
 しかし、同じ階級の中でも能力が高ければより重要な地位についており、また、魔王などの主に気に入られているほど強い権力を行使することができるようです。悪魔同士にも派閥や権力争いがあり、特に魔王たちの間では激しい闘争が繰り広げられているようです。
 
・種類:下位悪魔、上位悪魔、魔将、魔王、魔神


○悪魔の昇格

 純粋に地位を上げるには、上の位の者に功績を認めてもらうしかありません。そのために命令をこなしたり、人間を数多く堕落させることに尽力するのです。特に聖職者などの徳の高い人間の魂を堕落させた場合は、かなりの功績として認められるのだといいます。
 とはいえ、こういった仕事を細々とこなしていても、仕えている者よりも上に立つことは殆ど不可能です。しかし、より強い能力を身につけることで、主よりも上位の悪魔に認めてもらい、高い地位に引き上げてもらうこともあるといいます。悪魔はいざとなれば、主をも平気で裏切るものです。


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悪魔の心臓


○悪魔の死

 使役悪魔、悪魔戦士および傀儡悪魔といった雑魔は、死んでも普通に死体を残すだけですが、真魔になると『悪魔の心臓』と呼ばれる宝石のような透き通った石を残して、肉体は溶けてなくなってしまいます。
 悪魔の心臓は悪魔の魂そのものであるといいます。これには不思議な模様などが描かれており、色や形状は様々です。強い能力を持ち階級が高い悪魔ほど石は大きく、そして強い光を放つのだといいます。しかし、その輝きはあくまで禍々しく、知らぬ間に人間を悪の道へと誘い込むのです。
 悪魔の心臓は瘴気の結晶であり、周囲に瘴気を呼び集める力があります。これを長く身につけていたために、悪魔に体を乗っ取られたり、衰弱して死亡してしまった人間もいるという記録が残っています。


▼影響

◇悪意の種
 長い間、悪魔の心臓の近くにいた者は、瘴気によって「悪意の種」の特殊能力と同様の効果を受ける可能性があります。

◇魔性の接近
 瘴気の結晶であるこの心臓は、悪魔にとって宝石に等しい貴重な存在であり、これを手にするために魔族が集まって来る可能性があります。

◇魔性化
 殆ど考えられないことですが、悪魔の心臓を体内に取り込んだ生き物は、魔族へと変化してしまう可能性があります。


○浄化

 悪魔の心臓を浄化すれば悪魔は転生の道を断たれ、永劫の眠りにつくことになるため、宗教機関ではこれを高く買い取ってくれます。もし浄化しなければ、周囲に集めた瘴気で再び体をつくり、生まれ変わりを果たすのだといいます。
 学術機関でもこれを引き取ろうとする者がいるそうですが、それは滅多にいない不信心者だけであり、周囲からは変人扱いされているような人が殆どです。もちろん、悪魔の心臓を隠し持っていた場合は、通常は異端扱いされることになるでしょう。


○復活

 悪魔の心臓が浄化されずに放置された場合は、いずれ周囲から瘴気を集めて復活を果たすことができます。期間は悪魔の階級や強さにもよりますが、下位悪魔で1か月以上、魔将で1年以上の時間がかかるといいます。これを防ぐには、浄化系の術法などで封印を施さなければなりません。


○吸収

 能力を上げるというのは、悪魔にとっては簡単なことではありません。しかし、悪魔の心臓を食べることによって、より強い悪魔へと変化できるのだと言われています。そのため、聖職者が持つ悪魔の心臓を狙ったり、他の勢力の悪魔をだまし討ちにしたりすることがあるようです。
 もっとも、上位の悪魔の私闘は魔神に禁じられているといい、魔将や魔王といった位にある者同士が直接戦うことはないという話です。


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概説分類悪魔の心臓