行動の種類
戦闘はアクションシーンに分類される行為となり、その他の行動と同じように処理を行います。戦闘行動には、主に以下のような種類があります。
○能動行動
▼攻撃行動
攻撃判定はマルチアクションの本行動として扱われるもので、判定に成功すれば相手にダメージを与えられる可能性があります。▼術法
術法を発動させるための行動で、関連する判定は全てフルアクションとして扱われます。詳しい判定方法については「術法判定」のページをご覧下さい。▼その他
攻撃以外の行動も通常と同じように試みることが出来ます。ただし、時間のかかる行為の場合はフルアクション扱いとなりますし、場合によっては何ラウンドかにわたって作業に専念しなければなりません。○受動行動
▼回避行動
回避力の技能を用いて相手の物理攻撃を避けるための判定で、受動行動として扱われます。▼抵抗判定
術法や毒などに対して抵抗判定を行うことが出来ます。抵抗は1ラウンド中に何度行っても構いませんし、相手を認識していなくても判定に修正を受けたり、判定不能となることもありません。
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攻撃判定
○基本
相手に攻撃を試みる場合は、《格闘》や《銃器操作》などを基準に判定を行います。この時の判定を攻撃判定と呼びます。
▼攻撃技能
攻撃の際の攻撃判定に用いる技能を攻撃技能と呼びます。攻撃技能は用いる武器や手段によって分類されており、《格闘》《近接武器》《絡み付き武器》《投擲技術》《弓矢技術》《銃器操作》などの種類があります。・種類:格闘、近接武器、絡み付き武器、投擲技術、弓矢技術、銃器操作
▼攻撃修正
攻撃判定には、それぞれに武器による修正を受けます。武器データで攻撃修正と書かれているものが攻撃技能に対する修正となり、修正値を加えた数値が攻撃時の判定値となります。
▼攻撃範囲
武器にはそれぞれ攻撃可能な範囲があり、そのエリアを超える場所にいる相手に攻撃を仕掛けることが出来ません。
◇近接武器
《格闘》《近接武器》《絡み付き武器》の技能で攻撃を行う場合は、現在いる地点から影響範囲(3m程度)までの距離にいる相手に対して、攻撃を仕掛けることが出来ます。◇遠隔武器
《投擲技術》《弓矢射撃》《銃器操作》の技能で攻撃を行う場合は、武器データに書かれている距離より離れた相手に、攻撃を命中させることは出来ません。
○条件による修正
▼認識
視界が不十分などの悪条件の下では、攻撃判定にマイナスの修正が与えられます。▼体勢
体勢が不十分な場合、判定にはマイナスの修正を受けることになります。たとえば転倒している場合は−4修正といった具合になります。▼体勢
相互に高低差がある状態での近接戦闘では、低い方にいる側は相手を攻撃しにくくなるため、攻撃判定に−2修正が与えられます。
◆攻撃時の条件修正
修正値 状況 −2 座位/膝つき、体の一部を捕縛、相手より低い位置からの攻撃 −4 転倒/匍匐姿勢、利き腕ではない腕での攻撃
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回避判定
○基本
相手の攻撃を回避するための判定を回避判定といいます。これは1ラウンド中に何度行っても構いませんが、攻撃が全く予期できない場合は回避を試みることは出来ません。
▼回避力
回避判定の基準となるのは《回避力》の技能で、戦闘防御と反射回避の2種類の回避方法があります。
◇戦闘防御(一般:敏捷+回避力)
近接武器による攻撃を回避するための判定で、武器で受け止めたり受け流したりして身を防ぐものです。◇反射回避(一般:感応+回避力)
突撃、絡み付き武器による武器捕縛、遠隔攻撃(投擲/射撃武器)を反射的に回避するための判定で、その場から飛び退いて攻撃を避ける場合に試みます。遠隔武器(飛び道具)の場合は、その射線上から離脱する回避方法を取るもので、銃口などが向けられた瞬間には、既に回避動作を行っているものと考えます。
○防具
回避判定には、それぞれに防具による修正を受けます。
▼防御修正
防具のデータに防御修正と書いてある場合、戦闘防御にのみ修正値が加算されます。通常、これは楯に設定されるデータとなります。▼回避修正
回避修正は戦闘防御と反射回避の双方に適用される修正値となります。通常、これは鎧に対して設定されるデータとなります。
○回避専念
ラウンドの最初に回避行動に専念することを宣言した場合、そのラウンド中の戦闘防御および反射回避に対して、それぞれ+3の修正を得ることができます。これはフルアクションとして扱われるもので、この行動を選択した場合は移動や能動行動を行うことは不可能となります(補助移動は可能)。
○条件による修正
▼認識
視界が不十分などの悪条件の下では、回避判定にマイナスの修正が与えられます。背後からの攻撃のように全く見えない条件では、攻撃されることが予測できても−4程度の不利な修正を受けます。▼体勢
体勢が不十分な場合、回避判定にはマイナスの修正を受けることになります。たとえば転倒している場合は−4修正といった具合になります。
また、移動が不可能な状態では、反射回避による回避判定を試みることはできません。ただし、体の一部が束縛されているような場合でも、それ以外の部分の動きで回避できる可能性がある時は、−2〜−4程度の修正を与えて判定を行わせて下さい。
◆回避時の条件修正
修正値 状況 +3 回避専念 −2 座位/膝つき、体の一部を捕縛 −4 転倒/匍匐姿勢、背後など見えない場所からの攻撃を回避する場合
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ダメージ処理
攻撃が命中した場合、キャラクターはダメージを被ることになります。アンバランスド・ワールドのシステムでは、耐久値を減少させることで負傷の度合いを表わします。物理的な攻撃による負傷では、生命値が減少することになります。
○基本処理
▼ダメージ計算
攻撃が命中した場合、攻撃側の成功値(お互いの達成値の差)を算出します。これがダメージの基本となる差分ダメージとなります。
差分ダメージに武器の打撃値を加えた数値が、実際に相手に与えるダメージです。つまり、たとえ攻撃が命中してもうまく回避していれば、肉体に受けるダメージは少なくてすむわけです。ダメージは更に防具の防御値の分だけ減少させることができます。最終的に防御値を引いた値を生命値から引いて下さい。
・ダメージ=[成功値(差分ダメージ)+打撃値−防御値]
▼影響
生命値に大きなダメージを受けた場合は、「影響と回復」のページに書かれているような影響を受けます。
○例外処理
▼攻撃時の自動的成功
自動的成功による攻撃が命中した場合は、回避側の防御値を0として扱います。これは防具の隙間や急所に攻撃が命中したり、衝撃によるダメージを与えたものと考えて下さい。
▼回避時の自動的失敗
回避側の判定結果が自動的失敗だった場合は、防御値が0として扱われます。これは防具の隙間や急所に攻撃が命中したり、衝撃によるダメージを受けたものと考えて下さい。
○静止目標への攻撃
▼判定
慌てる要素の少ない場面では、静止目標に対して攻撃判定を行う必要はありません。最大のダメージが加えられるものとして扱い、判定値をそのまま達成値として下さい。また、相手が生物で、なおかつ急所の位置が判別できる場合は、GMの判断で防御値を減少させて構いません。
▼制限
狭い場所や滑りやすい足場など、周辺の状況がダメージに影響する場合は、判定にマイナスの修正を加えてダメージを算出することになります。また、失敗する可能性が高いと思われる状況では、静止目標が相手でも普通に攻撃判定を行わせて構いません。
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固定ダメージ
○強度
火炎や酸によるダメージの大きさは、炎の勢いや液体の酸性度などを表わす強度という数値で表わされ、武器の打撃値と同じく固定ダメージとして扱われます。
▼接触
強度ダメージを受けるかどうかは、薬品や炎に接触するかどうかによって決まります。ですから、松明による打撃であれば近接武器と戦闘防御の対抗判定となりますし、仕掛けてある罠を避けられるかどうかであれば、罠の設置と発見との対抗判定の結果で判断します。
▼ダメージ処理
このような攻撃については威力ダメージは関係しませんので、行為判定の達成値を加えずにダメージを処理します。ダメージを軽減する手段は、基本的には身につけている防具のみとなります。なお、その防具がダメージ減少に有効でないと判断される場合は、防御値を無視してダメージ処理を行って構いません。・負傷ダメージ=[強度−防御値]
○爆発物
▼効果武器
爆発物のダメージは効果値として設定されます。このようにダメージの大きさが効果値で表わされるような武器のことを、効果武器と呼びます。
◇表記方法
効果値は[威力ダメージ+追加ダメージ]の形で表記されます。たとえば威力ダメージ8、追加ダメージが4の場合は、効果値8+4となります。威力ダメージだけの場合は、効果値8±0と書かれます。データ上で記述される場合も、常にこの形式で書かれています。
▼攻撃
爆発物による攻撃には、カモフラージュ(一般:判断+隠密技術)で罠を仕掛けたり、的当て(一般:敏捷+投擲技術)で狙った場所に投げ落とす、などの手段があります。これに対して受動側は、《観察力》や《隠密技術》の技能を用いて罠を看破したり、反射回避の判定で効果範囲から逃れるといった方法で対抗判定を試みることが出来ます。
この判定はダメージを受ける可能性があるかどうかを判断するためのもので、攻撃を仕掛けた側の達成値は負傷ダメージに一切関係しません。対抗判定の結果、攻撃側が勝利すれば爆発の範囲に相手を巻き込んだことになりますし、受動側が勝利すればまったく影響を受けずに済みます。
◇効果範囲
投擲による攻撃を行う場合、効果範囲が広いほど相手を爆発範囲に巻き込みやすくなります。そのため、爆発物の効果範囲が半径3mに達する毎に、攻撃に+1修正を加えて判定を行うことが出来ます。たとえば効果範囲が半径6mの爆発物の場合は、投擲判定に+2の修正を加えることが可能となるわけです。
▼ダメージ処理
受動側が対抗判定で敗北した場合は、生命値にダメージを受ける可能性があります。ダメージの計算に関係するのは、効果武器の威力ダメージと、攻撃側との対抗判定に用いた受動判定の達成値です。この時は改めて受動判定を行うのではなく、最初に発見や回避を行った際の達成値をそのまま用いることに注意して下さい。
ダメージの基本となる差分ダメージは、[効果武器の威力ダメージ−受動側の達成値]で導き出されます。最終的な負傷ダメージは、差分ダメージに追加ダメージを加えた値から、防具の防御値を引いた値となります。・差分ダメージ=[威力ダメージ−受動側の達成値]
・負傷ダメージ=[差分ダメージ+追加ダメージ−防御値]
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判定の手順
実際の戦闘手順は一般の行為判定と同様の処理をすることになります。
まず行動順番の早い者が、攻撃に関する技能を用いて行為判定を行います。成功した場合は振ったサイコロの出目を足して、達成値を算出します。判定に失敗した場合は、次の者が能動行動を試みる番となります。
回避判定を試みる側は《回避力》の技能を用いて、攻撃側の達成値を難易度とする対抗判定を行ないます。そして達成値を算出して、それが攻撃側の達成値以上ならば攻撃を回避したことになり、下回っていれば攻撃が命中したということになります。戦闘はこの手順を繰り返して行なわれることになります。
A.攻撃判定が成功した場合 1.攻撃側の達成値
攻撃側の達成値を算出します。 →2 2.回避側の達成値
回避側は攻撃側の達成値を目標として回避判定を行い、達成値を決定します。近接武器で攻撃された場合は戦闘防御、飛び道具の場合は反射回避を用いて回避判定を行って下さい。 →3 3.達成値の差
成功値(双方の達成値の差)を算出します。 →4 4.ダメージの有無
攻撃側が上回っていた(成功値がプラスである)場合は、成功値に武器の打撃値を加えます。その値が相手に与えるダメージとなります。 →5 回避側の達成値が攻撃側の達成値以上(成功値が±0以上)だった場合は回避成功となり、回避側が攻撃する番になります。 →B 5.ダメージ
回避側は最終的な打撃値(成功値+武器の打撃値)から装備している防具の防御値を引き、その値を生命値から減少させます。防御値が最終的な打撃値を上回っていた時は負傷せずにすみます。 →B B.攻撃判定が失敗した場合 回避側が行動する番となります。 →A
以上のような手順で戦闘は続いてゆきます。複数で戦闘を行なう場合も同様です。行動順番の早いキャラクターから行動を決定し、その次に早い者、更にその次……という順番で判定を繰り返してゆきます。
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