経験点
○評価項目
ゲームが終了した後、GMはその結果に対する評価を行います。
▼内容
評価されるのは、いかにうまく問題を解決したかについての課題評価と、人をどれだけ幸せに導くことができたかという感情評価の2つになります。注意すべきは、ゲームの目的はこの双方を満たすことであり、どちらか一方だけでは駄目だということです。▼対象
評価される内容は、セッションの課題をどのようにクリアしたかということです。ですから、評価対象となるキャラクターは、自分で判断して課題に挑戦した者に限られます。もし、シナリオの本筋に全く関係せずに終わってしまった場合、そのキャラクターは評価の対象とはなりません。▼評価のポイント
プレイの評価はプレイヤーの判断に対して行われるものです。サイコロ目の善し悪しは問題ではなく、あくまでも判断内容とその結果について評価を行って下さい。また、キャラクターがどの程度の苦労したかや、作業をどれだけ繰り返したかは、評価には全く関係ないことになります。
○経験点
シナリオで与えられた課題をうまく解決できた場合は、評価に応じた経験点を貰うことが出来ます。経験点はCPに換算されるもので、これを消費して技能レベルなどを上昇させることになります。
▼計算
経験点はGMがあらかじめ設定した基準ポイントに、シナリオの結果に対する評価ポイントを加えて決定します。評価ポイントには、課題評価と感情評価の2種類があります。
なお、与えられるCPはマイナスとなることはありません。計算の結果がマイナスとなる場合は、それは0として扱って下さい。▼シナリオの長さ
1つのシナリオを数回のセッションにわたって行うなど、通常よりも長い期間の冒険をこなした場合は、特別に1〜2点のボーナスを与えたり、シナリオを途中で幾つかに区切って経験点を渡しても構いません。逆にシナリオが短時間で終わる簡単なものであった場合は、下の基準よりも経験点を少な目にして下さい。
ただし、雑談で時間を浪費するなど無駄にシナリオを長引かせた場合には、この基準は適用されません。あくまでもセッションの内容や密度を基準に考えて下さい。
○基準ポイント
▼決定
基準ポイントはシナリオの難易度に対して決まるもので、キャラクターによらず一定となります。GMは以下の表を見て、どの程度の難しさのシナリオなのかを判断して下さい。▼ウィルパワー
セッション開始時に与えられるウィルパワーの追加ポイントは、この基準ポイントに等しい数値となります。
◆基準ポイント
CP 基準 内容 0 日常レベルの事件 日常のちょっとした騒動やもめごとを解決するシナリオ。 1 騒動レベルの事件 小規模の騒動や事故を扱うシナリオで、下手をすれば危険な事態に巻き込まれる可能性がある。 小犯罪レベルの事件 ごく小さな犯罪に関わるシナリオで、場合によっては危険な目に遭う可能性がある。 2 大騒動レベルの事件 犯罪ではないが広範囲に及ぶ大きな騒動が起こったり、危険な怪物が出現するシナリオ。 犯罪レベルの事件 犯罪に関わるシナリオで、非常に危険な目に遭う可能性がある。 3 地域レベルの事件 1つの都市や地域を巻き込む大きな騒動を取り扱うシナリオ。結果によっては自治体の運営にも影響を与える可能性がある。 大犯罪レベルの事件 特別に大きな犯罪事件に関わるシナリオで、頻繁に命の危険にさらされたり、大勢の人間が不幸な目に遭う可能性がある。 4 広域レベルの事件 州や地方など広範囲の地域を巻き込む大きな事件や騒動を取り扱うシナリオ。結果によっては自治体の運営にも影響を与える可能性がある。 政治レベルの事件 政府機関や国家そのものにも影響を及ぼしかねない、非常に大きな事件を取り扱うシナリオ。 5 世界レベルの事件 裏設定が大きく関与したり、複数の国家に影響を及ぼす事件。結果によっては、エルモア地方や世界の在り方にも影響を与える。
○評価ポイント
評価ポイントはシナリオの目的をどの程度まで達成したのかによって決まるもので、キャラクターごとに評価を行います。この評価ポイントを基準ポイントに加えたものが、最終的に与えられる経験点となります。
◇課題評価
シナリオの課題として提示された問題を、どの程度まで解決したかによって決まります。◇感情評価
キャラクターが行動した結果、シナリオに関わった者がどのような感情を抱いたか、幸せになれたのかによって決まります。この評価はキャラクターが直接感謝されたかどうかに関係なく行って下さい。
▼評価方法
◇基準
ポイントの基準は以下の表のようになります。◇評価方法
2つの評価項目に対して、セッション全体を通した評価を行って下さい。最終的な評価ポイントは、課題評価と感情評価を合計したものとなります。この数値を基準ポイントに加えた分のCPを、経験点としてキャラクターに与えて下さい。◇評価外
いずれかの評価項目において×がついた場合は、評価対象外として扱われます。この時は、基準ポイントも含めて一切の経験点を得ることが出来なくなります。ただし、わずかでも評価すべき点があった場合は、×を−2の評価として扱っても構いません。◇注意
評価はキャラクターの行動(=プレイヤーの判断)に対して行うものです。PCとは関係のないところで人が不幸になったり、シナリオで予定されている回復しようのない事態など、プレイヤーが責任を取るべきではない状況に対しては、マイナスの評価を行わないようにして下さい。
◆評価ポイント/課題評価
評価 結果 内容 +1 すばらしい業績 きわめて優れた手段で課題を成し遂げた場合など ±0 完全に達成 首尾よく事をおさめて、シナリオの目的を完全に達成した場合など −1 部分的に達成 シナリオの課題を完全な形で果たすことが出来なかった場合や、部分的に失敗した場合など × 失敗/混乱 使命を全く達成できなかったり、事態を収拾することができなかった場合。または、シナリオ開始時点よりも状況を悪化させた場合など
◆評価ポイント/感情評価
評価 結果 内容 +1 幸福な状態 危機から救ってもらうなど、非常に満足した状態 ±0 変化なし 特に損害もなく、特別に良いこともなかった場合 −1 不幸な状態 怪我を負ったり金銭的な損害を被るなど、悲惨な目に遭った場合 × 最悪の不幸 PCのせいで人死にが出るなど、最悪の事態に陥った場合。または、シナリオ開始時点よりも状態を悪化させた場合など
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CPと成長
○成長
経験点として貰ったCPを使って、技能や能力値を成長させることができます。成長するために必要なCPは、それぞれ以下に記す通りになります。なお、残しておいた余剰CPを使用して成長を行っても構いません。
▼制限
キャラクターの成長は、1度に1ポイントずつしか値を変えることができません。ただし、社会レベルのように急に変更する可能性があるものは、1度に何点か変化させても構いません。▼経験点の残り
CPを成長に使用せず、未使用CPとして残しておくことも出来ます。
○能力値
▼消費CP
これを1点上昇させるためには、目標とする値の2倍のCPが必要となります。たとえば体力を5から6に上昇させたいというような場合には、6×2=12CPを消費します。▼上限
能力値は人間の最大値である10までしか上昇させることが出来ません。▼属性値
能力値を上昇させた場合、それに応じて【耐久値】【行動力】【移動力】といった属性値も変化します。
○技能/抵抗レベル
▼消費CP
キャラクター作成時と同じく、次に上昇させようとする数値の分だけ消費します。たとえば3レベルに上昇させようとする場合は、3CPが必要となります。▼上限
レベルは最大で5までしか上昇させることが出来ません。▼選択ルール
選択ルールを適用した場合は、レベルの最大値は10まで上昇させることが出来ます。この場合も、技能レベルを1つ上昇させるためには、目標とする数値と同じ値のCPを消費する必要があります。
技能レベル 消費/個別 消費/合計 1レベル 1CP 1CP 2レベル 2CP 3CP 3レベル 3CP 6CP 4レベル 4CP 10CP 5レベル 5CP 15CP
○専門分野
▼消費CP
キャラクター作成時と同じく、3CPを消費することで1つの分野を習得することが出来ます。▼制限
専門技能を身につけるには多大な時間がかかるため、プレイの合間に十分な時間がなければ、これを獲得することは出来ません。このような理由から、GMは専門分野の習得を制限することが可能となります。
○補助技能
補助技能は慣れによって身に付くものです。そのため、1種類につき2CPを消費すればすぐに身につけることが出来ます。
○社会特性
▼レベルの変動
これらの数値は、基本的にキャラクター作成時から変化しないものとなります。ただし、社会的評価が変動したりGMが特別に認めた場合は、数値を変化させることが可能です。▼条件
《身分》レベルは社会からの評価が基準となるものですから、職業や地位の変更がレベル変動の条件となります。《財産》レベルも給与などが極端に変わらなければ、変更する必要はありません。《経歴》レベルを上げるには、シナリオを通じて行動範囲を広げたり、数多くの人たちとの交流を深める必要があります。▼レベルの低下
社会身分を剥奪されたり職を失うなどした場合は、社会レベルが低下することになります。GMがレベルを低下させるよう指示した場合、社会レベルの獲得に費したCPは未使用CPの方へと戻ってきます。ただし、これはその時点での成長に利用することは出来ません。次のシナリオをこなした後に、初めて成長のために消費することが可能となります。▼消費CP
これを1点上昇させるためには、目標とする値と等しいCPが必要となります。たとえば2レベルから3レベルに上昇させたい場合は、3CPを消費します。レベルを低下させた場合はその逆で、そのレベルに上げるために消費した分のCPが戻ってくることになります。
○個人分野
▼消費CP
◇追加設定
追加設定に分類される個人分野を新たに獲得するためには、1種類につき2CPを消費する必要があります。◇交友設定
交友人物を新たに獲得するためには、1人につき2CPを消費する必要があります。
▼特殊設定
特殊設定として扱われる個人分野はGMから与えられるもので、獲得のためにCPを消費する必要はありません。
◇シナリオ
1つのシナリオを解決することが出来れば、その体験内容を1つの個人分野として獲得することが出来ます。個人分野の名称は、シナリオ名(事件名)として下さい。なお、記録を行う際には、どのGMによるシナリオなのかを区別できるようにしておいて下さい。
○術法
▼消費CP
キャラクター作成時と同じく、[術レベル×1]CPを消費することで習得することが出来ます。▼時間
新たに術法を獲得するためには時間がかかるため、プレイの合間に十分な余裕がなければ獲得することは出来ません。
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その他
○能力/技能の変動
▼能力値
シナリオを経験した上で、どうしても能力値の割り振りについて変更したいと考えた場合、GMと相談した上で数値を変動させても構いません。ただし、1度に変更できるのは1ポイントまでとして下さい。
▼技能
長期間、その技能を使用していないと考えられる場合、GMと相談の上で技能レベルを低下させても構いません。この場合、成長に使用した分のCPが払い戻されることになります。ただし、1つの技能につき、1度に変更できるのは1レベルまでとして下さい。
○仕事への影響
キャラクターが事件に巻き込まれている間は、本業に何らかの支障をきたす恐れがあります。よほど欠勤が続く場合は減俸されたり、ひどい時には職を解雇されることもあるでしょう。ただし、個人分野として支援してくれる対象を得ていた場合は、その限りではありません。
○交友人物
▼関係の悪化
〈交友人物〉と仲違いをして、一時的に絶交状態となることもあります。その後、相手との関係を修復できるイベントが起こった場合、GMは[判断+経歴レベル]を基準とした判定を行わせて下さい。この判定に成功すれば、再び相手を〈交友人物〉として扱うことが出来るようになります。なお、このようなイベントをプレイ中に起こせなかった時は、セッション終了後に場を用意してあげても構いません。
▼交友人物の死/失踪
死亡、失踪、長期の旅行など、絶交以外の理由で〈交友人物〉を利用できなくなることもあります。この場合はGMの判断でCPを払い戻してあげたり、その人物の関係者をコネクションとして一時的に利用できるなど、何らかの対策を取ってあげてもよいでしょう。
○転職
キャラクターが転職を考える場合、その職業に就くために必須とされる技能など、それなりの下地が要求されます。資格や専門技術を要する職業ならば、それをあらかじめ習得していなければなりません。技能がなかったり、あっても判定値があまりに低いようならば、見習いとしてある程度の修行を積む必要があります。
また、商売をはじめるならば資金が要りますし、誰かの紹介がなければ雇って貰えないこともあります。日雇いの職場ならともかく、余程のことがなければ転職は難しいものと考えて下さい。
○ペナルティ
事件の解決を試みる途中で、キャラクターたちは過ちを起こす可能性がないわけではありません。そのミスの程度によっては、何らかの罰を受けることになります。
ちょっとした失敗ならば、特に咎められることはありません。しかし、誰かの名誉を傷つけたり、所属する団体に恥をかかせたりした場合は、抗議や厳重な注意を受けるでしょう。時には訴えられることもあるかもしれません。あまりにひどい場合はコネを喪失したり、所属団体を除斥される可能性もあります。
▼法的処罰
法的に罪を犯した場合は罰金を徴収されたり、時には逮捕されることになるでしょう。誰かに怪我を負わせたり殺人を犯したりすれば、多額の賠償金を請求されたり、監獄に入れられることになります。人を傷つけるというのは、たとえ理由があっても本来許されることではありません。もし罪に問われなかったとしても相手はそのキャラクターを恨むでしょうし、周囲から冷たい仕打ちを受けることも考えられます。ひどい時には、住んでいる土地から追い出されてしまうでしょう。
ただし、相手が最下層身分であった場合は、それなりに考慮されることがあります。たとえば奴隷は財産としかみなされておりませんので、仮に命を奪ったとしても賠償金を払うだけで済みます。特に異端階級の人間が相手であれば、全くの不問に付されることも珍しくありません。
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