植物/一般


 


○ア行

▼アカカザグルマ(赤風車)
 秋に庭先などに咲く花で、その名の通り赤い風車に見えます。花が枯れそうになると付け根がしおれて、風を受けて回るよになります。しばらくすると花はねじ切れ、種が地面に落ちるような仕組みになっています。

・不明度:5
・生息地:北部


▼アサヒゴケ(朝日苔)
 朝日を浴びると水分を放出する苔で、夏の湿原に生えます。放出した水分は露となり、朝日の輝きを美しく照り返します。

・不明度:6
・生息地:北部


▼アメアジサイ(雨紫陽花)
 雨上がりにだけ咲くアジサイで、赤紫の花をつけます。非常によい香りを放ち、街路や庭先によく植えられています。

・不明度:4
・生息地:中部〜西部


▼アヤヤマブキ(綾山吹)
 草丈の長いヤマブキです。茎は非常に丈夫で、大人が千切ろうとしてもなかなか切れません。女の子たちはこれを綾取りの糸にして遊びます。

・不明度:3
・生息地:西部


▼アリノマクラ(蟻の枕)
 小さい俵型の花をつけるランの一種で、草丈は10cmほどしかありません。この花に蟻が集まることと、花の形が枕に似ていることからこのような名がつきました。

・不明度:5
・生息地:都市国家半島


▼イヌクグリ(犬くぐり)
 雑草の1つで草丈は70cmほどです。この草は穂先が地面にもぐる性質があり、のちにその穂先の部分が根に変化してしまいます。そして根からはまた同じように茎が生えます。こうして犬がくぐれるくらいの草のアーチができることから、イヌクグリの名がつけられました。子供たちが野原で遊ぶ時は、よくこの草に足を取られた転んでしまいます。

・不明度:4
・生息地:全域


▼ウィドウズ・クライ
 未亡人の叫びという意味をもつこの草は、紫色の花弁を陽に透かすとまるで女性が泣いているような姿が浮かび上がります。また、茎にあいている穴を風が通ると、泣いているかのような無気味な音を立てます。

・不明度:4
・生息地:中部〜西部


▼オジギニレ(お辞儀ニレ)
 形は普通のニレと変わりませんが、その葉に触れると葉がお辞儀するようにとじることからこの名がつきました。

・不明度:2
・生息地:全域


▼オレンジショウブ(オレンジ菖蒲)
 湿地帯に生える菖蒲の一種ですが、紫ではなくオレンジの花をつけます。香りもオレンジに似ていて、人気のある花です。

・不明度:2
・生息地:中部〜西部


○カ行

▼カザクレナイ(風紅)
 ハイビスカスのような形の赤く大きな花をつける植物です。この花は赤い花粉を大量にまき散らし、そのために風が紅色に見えることからこの名がつきました。

・不明度:4
・生息地:セルセティア


▼カノコツボ(鹿の子壺)
 オレンジ色の壺のような形をした花で、鹿の子供のような斑点があります。この斑点は暗闇で輝き、虫を引きつけます。花の中は消化液で満たされており、虫が落ちると花を閉じて逃げられないようにします。

・不明度:6
・生息地:北部


▼クモヅタ(蜘蛛蔦)
 様々な樹木に蔓をのばして、その養分を吸って生きる寄生植物です。なるべく多くの木に広がり、宿主が枯れないようにする性質を持つようで、樹上を蜘蛛の巣のように覆うことから、このような名が付きました。

・不明度:4
・生息地:全域


▼クモハグサ(雲葉草)
 軽くて小さな葉をもち、枯れると茶色ではなく白く変わります。この草は枯れる頃になると葉に粘りのある花粉の塊を落とし、風が吹くと葉は根元から千切れて飛んでゆき、花粉を遠くに運ぶ仕組みになっています。この時に葉がふわふわと浮かぶ様から、雲葉草の名がついています。秋には空一面を白い葉が覆い尽くすこともあり、子供たちはこの葉をつかまえようと野原を走り回ります。

・不明度:2
・生息地:北西部


○サ行

▼サカサスミレ(逆さスミレ)
 花が下を向いているスミレで、その姿はまるで悲しんでいるように見えます。普通のスミレよりも赤みがかっており、水辺に咲いていることが多いようです。

・不明度:5
・生息地:北部〜中部


▼サラシャ・サラシャ
 伝説の踊り子サラシャにちなんで名付けれらた草で、扇状の薄桃色の1枚の花弁が風に揺れる様が美しく、貴族たちに好まれています。

・不明度:2
・生息地:ライヒスデール周辺


▼サルビアノナミダ(サルビアの涙)
 サルビアに寄生する蔓植物で、サルビアの葉の真ん中に白い美しい花をつけます。この花は長い期間を蕾のままで過ごし、その蕾が雫のような形をしていることから、サルビアの涙という名前がつきました。

・不明度:6
・生息地:南部


▼スカシスイセン(透かし水仙)
 小振りの水仙で、草丈は30cm程度にしかなりません。この花の特徴は、花弁を日に透かすと女の子の横顔のような模様が見えることで、幼くして死んだ少女の魂が宿っているのだと言われています。

・不明度:4
・生息地:東部


▼スレンダー・ワルツ
 水仙の仲間で、美しい黄色い花をつける植物です。花弁の上に虫が乗ると、細長いおしべがゆっくりと揺れて虫を中に誘い込みます。これにつられて虫が花の奧に入っていくと、その体に花粉がたっぷりついて、自動的に花粉を媒介してくれるという仕組みになっています。この時の動きがワルツを踊っているように見えることから、この名がつきました。

・不明度:5
・生息地:東南部


▼ソヨカゼノキ(微風の木)
 トチノキの仲間なのですが、せいぜい3mほどにしかなりません。この木はいつもさわさわと葉を揺らしており、まるで周囲に微風が吹いているように、とても涼やかな感じを与えてくれます。

・不明度:5
・生息地:中部〜西部


○タ行

▼ツメツボミ(爪蕾)
 アサガオの仲間で、花の先端のほんの少しだけが紅色をしています。蕾のときは、この紅がマニュキアを塗った女性の爪に見えることから、このように呼ばれています。

・不明度:4
・生息地:南西部


▼ドウクツジュ(洞窟樹)
 内部に幾つもの穴が縦横無尽に通っており、幹を叩くと乾いた音が響きます。空洞部分は外部からも繋がっており、幹の途中には幾つも入り口が見えています。この穴の中には多くの動物が巣をつくっていますが、木質そのものは非常に硬く、新たに幹に穴をあけるのは困難です。どうしてこのような構造を持つに至ったのかはわかりませんが、巣穴からは食べこぼしや糞が根元に落ちて来るため、動物に住処を提供することで養分を得ているのだという説があります。

・不明度:2
・生息地:全域


○ナ行

▼ナガレモダマ(流れ藻玉)
 海洋を移動しながら生活する細長い海藻で、たくさんの個体が絡まりあってイカダのように水面に広がっています。ぬめりに富んだ粘液で気泡をつくり、それを表面に付着させることで浮力を保ちます。小さな藻玉は手ですくえる程度の大きさですが、直径100mを超えるものが発見されたこともあります。この藻を巣にする生物もたくさんおり、一緒に浮遊しながら生活しています。

・不明度:7
・生息地:全域(海洋)


▼ナナツアヤメ(七つアヤメ)
 1つの茎にいくつもの花を咲かせることから、このような名で呼ばれています。また、1本に様々な色の花を咲かせることから、こう呼ばれるようになったという説もあります。湿地近くに生えており、観賞用植物として好まれております。

・不明度:2
・生息地:西部


▼ニジムラサキ(虹紫)
 サフランによく似た形の紫の大輪を咲かせる花で、見る角度によっては虹色の輝きを放ちます。これは花の表面に油脂が浮き出ているためで、マダラムラサキという名のハチを呼び寄せる役割を持っています。山地に点在しているため、特にこの油を利用するということはありません。

・不明度:8
・生息地:北部


○ハ行

▼ハダカコンブ(裸昆布)
 海藻特有のぬめりがないことから、裸コンブの名で呼ばれています。ロンデニアの海中森林の付近でよく見られます。

・不明度:7
・生息地:西部


▼ハタケノイズミ(畑の泉)
 7月頃からチューリップに似た薄紅色の花を咲かせます。この花は受粉した後はほとんど花を閉じたままになります。これは雨水を中に溜め込んでいるためで、花がしおれると溜め込んだ水と一緒に種が流れてゆくようになっています。このような特徴を持っているため川縁によく咲いており、畑わきの用水路などでよく見かけます。

・不明度:4
・生息地:南西部


▼ハトバナブエ(鳩花笛)
 ランの仲間で、拳大の紫色の花をつけます。この花の形は鳥によく似ており、花弁の隙間を風が通り抜けると、ハトの鳴き声のような音を発します。よく子供たちがこれを高くかざして、音を鳴らしながら走っている姿を見かけます。

・不明度:3
・生息地:南部


▼ヒモカザリ(紐飾り)
 シダ植物の一種で、葉の裏からたくさんの感覚毛が出ていることから、服のひも飾りにたとえられています。この感覚毛は水分を感知するためのもので、水が下にあると胞子を飛び散らせる仕組みになっています。

・不明度:7
・生息地:南部


▼ヒヨコムギ(雛麦)
 麦の仲間で食べることもできるのですが、膝ぐらいの高さまでしか丈を伸ばさず、集めるには効率が悪いため食用としては栽培されておりません。ヒヨコぐらいしか食べないだろうという意味で、ヒヨコムギと名付けられました。

・不明度:2
・生息地:全域


▼ヒレンヨグサ(悲恋夜草)
 別名を精霊花といい、ユリによく似た形の濃桃色の花を一輪咲かせます。人間と恋に落ちた精霊が、愛した少女をかばって死んだ後、この花になったのだという伝説があります。

・不明度:2
・生息地:北部


▼フユポプラ(冬ポプラ)
 冷帯に生息しており、針葉樹林と混合林をつくる非常に珍しい木です。冬でも葉を落とさず、葉の細さを変えることで寒さに対応しています。お金がない時に無駄遣いを控えることをたとえて、「フユポプラのようにしなきゃ」ということもあります。

・不明度:3
・生息地:北部


▼プラチナノカガミ(プラチナの鏡)
 高山植物の一種で、小さな白い花を咲かせます。この葉は鏡のようにキラキラと光るので、このような呼ばれ方をするようになりました。大きさがちょうど小さな妖精の顔くらいであることから、妖精の鏡という呼び方をする地方もあります。

・不明度:9
・生息地:全域


○マ行

▼マイヒレン(舞火蓮)
 浜辺でよく見かけるカンナの仲間で、真っ赤な大輪を咲かせます。セルセティアの若い娘たちはこれをドライフラワーにして、帽子や服などにさしています。

・不明度:6
・生息地:セルセティア南島


▼ミカヅキノカゲ(三日月の影)
 濃緑色の三日月型の葉っぱをぶら下げていることから、このように呼ばれるようになりました。2〜3mほどの潅木で、クスノキに近い種類になります。平地や低い山地に生え、葉の形の面白さからよく庭木として植えられています。風に葉が揺れる様は非常に風情があり、葉がこすれあう心地よい音とともに楽しまれています。

・不明度:3
・生息地:中部〜南部


▼ミセス・ミスト
 ホオズキの仲間で、秋になって白い花が萎んでしまうと、がくが成長して橙色の実を包み込みます。霧婦人という名は、そのがくの部分がレースのように透けていることに由来します。霧が降りる日はがくの隙間に露が溜まり、まるで橙色の宝石を包んだガラスのようにも見えます。

・不明度:5
・生息地:ロンデニア


▼ミツバチラン(蜜蜂蘭)
 背丈は30cmほどになるランの仲間で、春に小指の爪くらいの大きさの紫色の花をたくさんつけます。この花は蜜蜂を引きつけるらしく、花期には草が見えなくなるほどびっしりと蜜蜂たちがしがみついて、蜜や花粉を集めている姿を見ることができます。

・不明度:4
・生息地:ソファイア周辺


○ヤ行

▼ユリアリス
 小型のユリのようなオレンジ色の花を咲かせる草で、よく草原に生えています。花弁のつけねの方に音符に似た模様があることから、夕日のメロディと呼ばれることもあります。かの作曲家ウィスペルベルクが、この花を見て楽曲「夕日色の娘」を思いついたという逸話は、あまりにも有名です。

・不明度:2
・生息地:ライヒスデール周辺


○ラ行

▼ラナヴォルト
 線香花火のように火花を散らしている植物で、この火花そのものが花という変わった植物です。盛夏に咲き、観賞植物として珍重されています。

・不明度:4
・生息地:北部


▼ルリアカネ(瑠璃茜)
 アカネの近縁種で本当は茶色の花をつけるのですが、光の乱反射によって瑠璃色に見えます。夜になって花に当たる光量が落ちると茶色にくすんで見えるため、年寄り花という呼ばれ方をすることもあります。

・不明度:5
・生息地:中南部〜南部


○ワ行

▼ワスレリンゴ(忘れ林檎)
 リンゴの一種なのですが、木の丈は40cmほどにしかならず、実もコインほどの大きさにしかなりません。そのあまりの小ささのため、ついリンゴであることを忘れてしまうので、このような名がつきました。近年では鑑賞植物として取り扱われるようになり、窓辺にこの鉢植えが飾られているのをよく見かけます。

・不明度:3
・生息地:北部〜中部


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