セッションにおいて、GMはあらゆる状況を説明するナレーターとならなければなりません。プレイヤーは、自分のキャラクターがどのような世界の住人で、どこにおり、どのような立場の人間であるのかなどがわからなければ、いったい何をしてよいのかわからなくなってしまいます。GMはこれらを順番に説明しながら、セッションを進めてゆくことになります。
以下の事柄は、セッションが始まる前にプレイヤーに伝えておくべきことです。
○世界
まず、キャラクターが住む世界についての説明です。世界設定にある概説の部分を拾い読みしてもらえば、この世界のだいたいのイメージを掴んで貰うことができるでしょう。
セッションで問題となるのは、この世界における常識や価値観、テクノロジー、宗教などです。基本的なところでは、術法や変異現象、あるいは霊子機関など、現実と異なる部分を挙げてゆけばよいでしょう。
○ルール
ルールがわからない人がいれば、ゲームが始まる前に教えておかなければなりません。ただし、全てのルールを事前に伝えておく必要はなく、基本的な判定部分だけ把握できていれば問題はないでしょう。その他の部分は、ゲームが滞らないようにしながら、セッションの中で少しずつ教えるようにして下さい。
○キャラクター
▼能力
そのキャラクターが出来る事柄や、自分がどの程度の能力を持っているのかを教えておく必要があります。それによって、自分が活躍できる場面をわかってもらうことが出来ます。▼立場
キャラクターの立場を説明しておかなければ、プレイヤーはどのように振る舞ってよいのか判断がつきません。職業の地位(身分)や収入の程度、および周囲との関係などをだいたい把握しておけばよいでしょう。これらは職業の個別のページに書かれています。
○シナリオ
▼テーマ/課題
セッションの目的やテーマを簡単に説明します。もちろん、シナリオの詳しい中身までは推測できない程度にとどめておかなければなりません。できれば、プレイヤーとして望ましくない態度についても話しておくとよいでしょう。
▼基本設定
舞台となる場所やキャラクターに関する基本設定の説明です。舞台の概要やキャラクター間の関係をどの程度まで親密にするかを予め伝えておけば、情報の不備によって起こりうる問題を解消することができます。また、セッションの導入時でもよいのですが、どのような立場でキャラクターが事件に関わるのかを話してしまっても構わないでしょう。
▼制限
PCがしてはいけないことや社会的立場などに関する説明です。これによって、自分がどの程度の範囲で活動できるのかがわかります。
▼傾向
シリアスな展開やコミカルな雰囲気など、GMがあらかじめ特定のプレイ傾向(雰囲気)を想定している場合、事前にそれを参加者に伝えておいた方がよいでしょう。これはプレイを円滑に行う上で非常に重要な要素となります。
題材が同じだとしても、シナリオの傾向が全く逆になることもあり得ます。たとえば、差別問題を扱ったとしても明るく前向きなプレイを行うことは十分可能ですし、日常レベルの小さな事件だとしても、非常にシリアスで暗い雰囲気のプレイになることもあるのです。
参加者の意識が不統一のままだと、実際のシナリオの展開とプレイヤーの予測との間にズレが生じ、不満や違和感を抱えたままプレイを続けることになりかねません。また、シリアスなプレイを想定していても、たった1人がめちゃくちゃなプレイをしたばかりに、コミカルなセッションに変わってしまう場合もあります。このようなことが原因で参加者の満足が得られなかったとしたら、いかに手間をかけてシナリオを作成しても、その努力は水の泡となってしまいます。ですから、どのようなプレイを想定しているのかは、なるべく事前に確認をとっておくべきです。
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