タイプ
○分類
装備品は一般装備、旧式装備、軍用装備、特殊装備の4つのタイプに分類されます。冒険者や軍人といった職につかない限り、一般装備表の中にある品だけで十分足りるはずです。
▼一般装備
一般装備は普通の町中でも比較的手に入りやすいもので、都市であれば大抵の品を揃えることができるでしょう。
▼旧式装備
旧式装備は前近代的な国家での戦争や、怪物相手の戦闘などに使用されている、比較的古い時代の装備品です。近代国家ではなかなか手に入りにくく、中古品として売買されることが多いようです。新たに作製してもらうのも難しく、その場合は3〜5倍程度の価格となってしまいます。手間や設備の問題から、製造を断られることも少なくないでしょう。
ただし、冒険者や獣狩りといった職業についている者は、既に独自の購入ルートを持っている場合が殆どですし、新たな土地に移った時でも組合や仲間から紹介してもらうことが出来るでしょう。また、死亡/引退した同業者に譲ってもらったり、受け継いだ古い鎧などを手直しして使う場合もあります。
▼軍用装備
軍用装備は文字通り軍隊で使用される装備品で、主に近代的な軍隊で支給される品々がリストアップされています。中には一般でも手に入るものもありますが、軍隊でしか使用されないような品もあります。
ここにある装備はプレイヤーの独断で所持することはできません。GMの許可を得て、初めて使用することが可能となります。仮に許可されたとしても、それは職務を遂行する際に使用できるというだけであり、個人が自由に持ち歩けるようなものではありません。個人が所持している場合は、それは闇ルートなどを通じて手に入れたものでしょう。
▼特殊装備
特定の地域や職業で継承されている、非常に珍しい独特の装備品となります。殆ど一般には流通しておらず、滅多に入手することは出来ません。そのため、GMの許可がなければ、これらを入手することは出来ません。
○装備の規制
これらの装備品の所持は、軍用装備を除けば特に制限されることはありません。というのは、エルモア地方には変異現象によって強力な怪物が存在しており、そのための自衛力として武器を使うことが認められているからです。
▼町中
法的な規制がないとはいえ、一般市民が町中で刀剣を帯びていたり、鎧を身につけていたりすることは殆どありません。懐に銃を忍ばせたり、あるいは杖の中に刀を仕込んでいることはあっても、それを積極的に人目にさらすことは避けるべき行為なのです。警察官や軍人でもなければ、変人扱いされかねないということを覚えておいて下さい。
▼野外
一方、田舎では自分の力で身を守らねばなりませんので、森に入るのに銃を携帯したり、ナタや手斧を腰にぶらさげていてもまったく問題はありません。
それから、街道を歩いて移動する旅人が武器を所持することは、むしろ常識的なことだと考えられています。変異体が出没する以外に、犯罪者が路銀を狙うこともよくあるからです。とはいえ、日頃から常にそれらを手放さずにいるというのは、常識的な態度ではありません。この点においては注意するようにして下さい。
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銃器の機構
○火薬
▼黒色火薬
現在は黒色火薬(木炭、硫黄、硝石を配合)が利用されており、まだ無煙火薬は発明されておりません。黒色火薬は燃焼するとはげしく白煙をあげる性質があり、次の射撃の邪魔になります。また、銃尾や銃口にすすが付着し、きちんと掃除をしないと故障の原因ともなります。▼雷石火薬
この世界には、衝撃を与えると爆発する雷石(サンディ・ロック)という石が存在します。これを火薬として利用している銃弾は、無煙火薬と同様に煙を出さずに発砲することが出来ます。雷石火薬は黒色火薬よりも高値となり、銃弾1発につき20エランほど余分に支払わなければなりません。
○銃弾
球形の鉛玉を使う場合と、先端が円錐型や椎の実型の金属薬莢を利用する場合があります。
▼可燃薬莢(紙薬莢)
1発分の鉛の球形弾丸と火薬が包んである紙包弾薬の一種で、包み紙には可燃紙が用いられています。紙は火薬と一緒に燃えてしまうため、燃え残りを取り除く手間がいりません。
これは前装式/後装式のいずれの銃器にも用いることが出来ます。ただし、雷管(着火機構)が分離しているので金属薬莢式の銃で利用することは出来ませんし、紙製であるため弾倉に詰めることも不可能です。
なお、現在では一般的な方式ではありませんが、前装式の銃器では弾丸と火薬を別々に詰めることも出来ます。この場合の装填時間は可燃薬莢の2倍かかります。▼金属薬莢
金属薬莢は弾頭と火薬と雷管が一体となった弾丸で、弾倉に詰めて利用することが可能です。銃弾の後ろに雷管が仕込まれており、これを叩くことで火薬に火をつけることが出来ます。金属薬莢の特徴は撃った後に排莢を行う必要があることで、これは手動でレバーを操作したりすることで行われます。
○着火方式
着火方式は大きく分けると、発火式と薬莢式の2つに分類することが出来ます。発火式(火縄、歯輪、火打ち石、管打ち式)は着火部分と推進火薬が分離しており、金属薬莢式は雷管・推進火薬・弾頭が一緒になっています。
発火式には幾つかの着火方式がありますが、データでは着火方式を細かく区別はしておりません。何も表記がない場合は、プレイヤーの好みで方式を決めて構いません。
▼雷管
雷管は爆薬の一種で、ハンマーがここを叩くと火花が出るようになっています。管打ち式の銃の場合は銃身の後部に雷管を取り付ける機構があり、雷管を叩いて出た火花によって銃口内につめた火薬に着火します。金属薬莢の場合は弾丸の後部に雷管がつけられており、これを叩くことで中につめられた火薬に着火します。
▼火縄式(マッチロック)
引き金を引くと火縄の先が火皿の上に乗せた点火薬に触れ、着火するという方式です。▼歯輪式(ホイールロック)
引き金を引くと回転する歯輪と黄鉄鉱が触れて火花を出し、火皿上の点火薬が発火するという仕組みです。▼火打ち石式(フリントロック)
引き金を引くと火打ち石(フリント)が当り金をこすり、火皿上の点火薬が発火するという仕組みです。▼管打ち式(パーカッションロック)
引き金を引くと撃鉄が雷管を強打し、飛び散った火花が銃口内の火薬に着火するという方式です。▼金属薬莢式
弾丸の後部に雷管がつけられており、これを叩くことで中につめられた火薬に着火します。
○装填機構
▼単発銃
発射毎に手で弾薬を装填するもので、前装式・後装式にかかわらず、1つの銃身に弾丸を1発ずつ込めなければなりません。▼連装銃(多銃身銃)
単発銃の銃身を増やしたもので、各銃身から1発ずつ発射することが出来ます。▼連発銃(弾倉式)
弾薬を込めた弾倉を備えており、発射毎にレバーやトリガーを引くことで弾丸を装填することが出来ます。
▼前装式
1度発射するごとに銃口の先から火薬と弾丸を込める方式で、装填に時間がかかります。▼後装式
銃身後部または薬室から弾薬を装填する形式の銃です。蓋をスライドさせる方式や、中折れ式と呼ばれる銃身を折り曲げる方式などがあります。▼レバーアクション式
発射する毎にレバーを上げ下げすることで、遊底が前後にスライドして次の弾丸が薬室に送り込まれます。▼ボルトアクション式
遊底の横に取り付けたボルトハンドルを手で前後に往復させて、弾丸の装填や排莢などを行うやり方です。弾丸の装填は、弾倉からバネの力で自動的に行われます。▼リボルバー式
シリンダーと呼ばれる円筒形の回転弾倉があり、これが薬室を兼ねています。発射する毎にシリンダーが回転し、次弾を銃身の位置に移動させます。排莢は手動で行う必要があります。
現在のリボルバー銃の機構はシングルアクション式と呼ばれているもので、発砲前に親指で撃鉄を引き起こす必要があります。ダブルアクション式と呼ばれる引き金を引くだけで発射できる方式は、現在は開発されていません。
○弾倉(マガジン)
▼箱形弾倉式(ボックスマガジン式)
底部にバネを仕込んだ箱形の弾倉で、上から弾丸を詰めてゆく方式です。銃器にセットした後は、レバーなどを操作することで自動的に薬室に弾丸が送り込まれてゆきます。▼管状弾倉式
銃身の下や銃床内に弾丸を収納する筒がついており、バネの力で弾丸を薬室に送り込む方式です。▼回転弾倉式(シリンダー式)
リボルバー式の銃器に用いられるもので、シリンダー(円筒形の回転弾倉)に弾を詰め込み、それを銃本体に組み込むことで弾丸を充填する方式です。1発撃つ毎に弾倉が回転し、次弾を銃身の位置に移動させます。
○銃腔
▼滑腔銃(スムースボア)
銃身の内側に細工を施していない、単なる金属の筒です。球形弾の装填に適していますが、弾道が不安定となるためライフル式のものより精度が落ちます。▼施条銃(ライフル)
銃身内部に螺旋状の溝(ライフリング)を施したものです。発射された弾丸が回転することで弾道が安定し、滑腔式のものより命中精度が高くなります。なお、ライフリングを施した銃器では球形弾丸は使われません。
○普及の度合い
現在のエルモア地方で主流となっている銃器は薬莢式のもので、後進国では可燃薬莢(紙薬莢)を用いた管打ち式(パーカッションロック式)の銃が、先進国では金属薬莢を用いた後装式の銃が主に利用されています。
弾倉を用いた最新式の連発銃は、ごく一部の先進国家で出回っているだけに過ぎません。これらは高価なため、軍でも一部の部隊にしか支給されておらず、一般の部隊では旧型の安価な銃器が使われています。
火縄銃のような旧式の銃器は、主に猟師たちの間で普及しています。また、アルメアのような後進国家では、未だに前装式の長銃が主力となっています。
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物品
○耐久値
セッションの中で、何かを壊さなければならない事態に陥ることもあります。物品の耐久値は以下の表を参考にして下さい。
▼基準
防御値や耐久値は、構造物の厚さに応じて調整して下さい。▼破壊武器
構造物を破壊できる武器は、用途が破壊となっているものに限られます。なお、あまりにも厚い壁や、武器の材質が構造物よりも劣ると考えられる場合には、最初から破壊不能ということにしても問題ありません。▼攻撃判定
判定は通常と同じように行なっても構いません。また、静止物を攻撃する場合は失敗しないものとし、自動的に最大ダメージを与えるものとして計算することも出来ます。▼減少状態
ダメージを受けて耐久値が0以下になった時は、防御値を半分として扱います。さらに減少して−耐久値(最大耐久値にマイナスをつけた値)になった場合、構造物は完全に破壊されたことになります。
◆構造物の耐久値
防御値 耐久値 木 1〜5 2〜10 煉瓦 2〜8 3〜15 石 2〜10 4〜20 鉄 3〜20 6〜30
○代替武器/打撃値
武器表に載っていない手近な物品を武器として扱う場合は、以下の表を参考にして下さい。効果分類についてはGMが個別に判断して構いません。
◆物品の打撃値
打撃値 物品 ― 枕や薄い本などの比較的柔らかい物品 0〜1 花瓶、分厚い本、武器の柄、ガラスの破片など 2 短い木の棒、たいまつ、細いステッキ、大きい花瓶、果物ナイフ、こぶし大の石など 3 火かき棒、長い角材、フライパン、包丁、椅子、手のひら大の石など 4 太い鉄の棒、大きい石など
◆適性と修正値
修正値 物品 ±0 手の延長の動きで扱えるもの
握りなどがあって持ちやすいもの
数十cmほどの短いもの−1 だいたい重さのバランスがとれているもの
1m程度のまっすぐなもの−2 両手で抱えるような塊
重さのバランスの悪いもの−3 鞭のように曲がるもの
長すぎるもの
○火炎
▼強度ダメージ
火炎による影響は強度ダメージで扱われ、相手に押し付けることでダメージを与えることが可能となります。防具で防げるとGMが考える場合は、耐久値に与えられるダメージは[強度ダメージ−防御値]となります。
◇基準
強度ダメージは火炎の大きさにもよりますが、通常の松明の炎であればだいたい2点、油をかけるなどして激しく燃えている場合は3点となります。
▼判定
松明などを押し付けるのであれば、判定は接触(一般:敏捷+近接武器)と戦闘防御(一般:敏捷+回避力)で対抗判定を行ないます。
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