難易度
キャラクターが何かを行なおうとする場合には、その条件に差があることが多いかと思われます。たとえば1mの距離を跳ぶ時と5m跳ぶ時では状況が違います。その差を表現するために、行為判定には難易度という数値が設けられています。これは目標とする行為の難しさを示すもので、この値が高いほど困難な挑戦であることを意味します。
○成功判定
▼難易度
通常の行為判定では、サイコロを振って出た目の合計が判定値以下ならば成功です。しかし、それと同時に、達成値が難易度として設定された値以上でなければ、目標を達成できなかったことになります。つまり、目標に対して何らかの成功をおさめたとみなされるのは、行為判定の結果が[難易度 ≦ 達成値 ≦ 判定値]の時に限られるわけです。▼成功判定
難易度と達成値の比較のことを成功判定といいます。行為判定に成功しても成功判定に失敗すれば、目標は達成できなかったことになります。たとえば幅跳びを行った場合、行為判定に成功しても達成値が難易度を下回っていたのであれば、何mかは跳ぶことができたが目標地点には届かなかったということになります。
○難易度の目安
GMはキャラクターが行なおうとしている行為の難易度を判断して、プレイヤーに指示しなければなりません。以下に目安を示しておきますので、GMはこれを参考に難易度を設定して下さい。
◆難易度表
難易度 目安 0 誰でもできる行為。判定の必要なし 1 かなり簡単。素人でもあまり失敗しない 2 簡単な行為。普通はうまくゆく 3 やや簡単。素人では3回に1回ぐらいは失敗することもある 4 素人では2回に1回ぐらいしか成功しない 5 やや難しい行為。素人では失敗することも多い 6 素人には難しい行為 7 素人には困難な行為。専門家でも失敗することはある 8 難しい行為。その道のプロでも5割程度の成功率 9 困難な行為。その技術にかなり熟練していなければ失敗することが多い 10 非常に難しい行為。熟練した専門家でなければ手を出さないほうがよい 11 一流のプロでも難しい行為 12 至難な行為。一流のプロでも失敗することの方が多い
○認識と描写
難易度は必ずしもプレイヤーにわかるとは限りません。たとえば壁を登る時のように、キャラクターが難しさを把握できる判定では、予めプレイヤーに難易度を告げても構わないでしょう。しかし、罠の有無を調べる場合のように、キャラクターから難易度の基準となる存在が確認できないような判定では、単に行為判定の結果だけを描写して下さい。先の例では、実際に罠があったとしても、成功判定に失敗すればその存在はわかりません。この場合は、ただ単に「罠は存在しないと思った」というようにプレイヤーに告げることになります。
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対抗判定
今まで説明してきた判定は相手がいない場合でしたが、これから説明するのは相手と競争する時などの判定についてです。
○適用
相手がいるような場合の判定を対抗判定といいます。たとえば取っ組み合いや腕相撲などのように、2人あるいはそれ以上の対象が同時に同じ内容の行為を試みるような場合や、攻撃と回避のように能動側(行為を働きかける側)と受動側(行為を受ける側)にわかれるような行為などの全てが、この対抗判定に含まれます。なお、ゲームの中では能動側が試みる行為を能動行動、受動側が試みる行為のことを受動行動と表現します。
○判定方法の選択
対抗判定には様々なものがあります。戦闘、商取引、または隠したものを発見する時など、GMは状況に合った技能で判定を行わせて下さい。基本的には技能の説明に書かれているものを使用すれば問題ありませんが、GMは必要があればその他の種類を選択しても構いません。
▼受動側の判定回数
1回の対抗判定については、受動側が複数種類の判定を行える可能性があっても、必ず1回の判定で結果を決定して下さい。
○判定方法
対抗判定の方法は、それぞれが行為判定を行なって互いの達成値を比較する(成功判定を行う)というもので、達成値が高い方が成功(勝利)したことになります。すなわち対抗判定とは、相手側の成功値を難易度とする判定なのです。
これに基づいて判断すると、達成値が同じとなった場合は、引き分けがありうる時は引き分け、能動側と受動側に分かれている時は受動側の成功ということになります。たとえば腕相撲のような競技では、力が拮抗して勝負がつかない状態です。しかし、攻撃を回避するような場合では、達成値が同じならば間一髪で攻撃を避けたことになります。
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成功値
行為判定の結果が難易度に対してどれだけ成功をおさめたか、あるいは失敗したのかを表わすために、成功値というものが設けられています。
○数値の取り扱い
▼成功値
成功値は達成値から難易度を引いた値になります。行為の最終的な成功は達成値が難易度以上になった時ですから、成功値が0以上の時は行為が成功、−1以下の時は失敗ということになります。これは対抗判定の時も同じ扱いとなり、それぞれの達成値の差が成功値となります。▼失敗値
失敗した側の失敗の度合いを示す場合には、失敗値という数値を用います。これは成功値がマイナスとなった場合に用いるもので、成功値の絶対値(符号を取り去った数値)で表します。たとえば、成功値が−5だった場合は、失敗値は5となるわけです。
○目安
以下に、成功値(失敗値)の目安を示しておきます。GMはこれを参考にして、行為の成功や失敗を演出して下さい。
◆成功値の目安
成功値 目安 +15 滅多に起こり得ない高度な成功 +10 きわめて素晴しい成功 +6 素晴しい成功 +3 やや素晴しい成功 +1 軽い成功 ±0 最低限の成功 −1 軽い失敗 −3 ややひどい失敗 −6 かなりひどい失敗 −10 きわめて大きな失敗 −15 信じられないほど大きな失敗
▼注意
気をつけなければならないのは、これはあくまでも難易度に対する成功の度合いだということです。たとえば難易度1の判定において達成値が7だった場合と、難易度6の判定において達成値が12だった場合では、ともに成功値は6で同じになります。ですが、それぞれの達成値は7と12で、達成値12の方がより素晴しい成功を成し遂げたということになります。成功値は難易度と無関係に決まることを忘れないようにして下さい。
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特殊な結果
○自動的成功
行為判定時においてサイコロの目の合計が判定値と同じだった場合、すなわち達成値の最大値が出た場合には、難易度がいくつであっても成功となります。これを自動的成功といいます。たとえば判定値が8であれば、8を出した時に自動的成功となります。
▼成功値
自動的成功の場合、達成値が難易度を上回っていれば成功値はそのままですが、難易度を下回っていた時でも、本来は成功値がマイナスとなるところを±0とすることができます。つまり最低限の成功をおさめたということになるわけです。
▼対抗
対抗判定を行っている時に自動的成功が出れば、相手が自分の達成値よりどれほど上回っていても、引き分け以上の結果に持ち込むことが可能となります。
ただし、能動側と受動側に分かれる対抗判定では、能動側の達成値が受動側にとっての難易度となります。ですから、能動側が自動的成功を出したとしても、その時の達成値が相手の達成値を上回っていなければ、受動側の勝利となることに注意して下さい。
▼適用外
以下のような条件においては、自動的成功の効果は適用されないので注意して下さい。
◇不可能な行為
このルールについて注意しなければならないのは、いくら自動的成功となったとしても、どう考えても不可能である行為は失敗に終わるということです。普通の人間は20mの距離を幅跳びで跳ぶことはできませんし、100mを3秒で走るというわけにはいきません。それぞれの判断はGMに委ねますが、無理なことは無理であると、はっきりとプレイヤーに告げるようにして下さい。◇難易度のない判定
物品の作製や発明など難易度を設定しない判定では、自動的成功の効果は適用されません。純粋に達成値のみで結果を判断することになります。
○自動的失敗
行為判定においてサイコロの目が全て1だった場合には、その判定は自動的に失敗となります。このような失敗を特別に自動的失敗といいます。これは判定値や難易度にはいっさい関係ありません。たとえ難易度が2の場合でも、サイコロを2個振って両方1が出れば、それは自動的失敗として扱われることになります。
▼行動不能/判定放棄
マイナス修正の影響や身動き出来ないなどの理由によって、最初から行動不能な状態に陥っている場合、判定結果は自動的失敗と同じものとして扱われます。また、判定を最初から放棄した時も、この処理を適用して構いません。
▼影響
自動的失敗を出した場合は、通常の状態で考えられる最低の結果となります。このため、物品やその他の条件によって自動的に得られる効果も、一時的に低下/制限されることになります。たとえば、乗り物での移動であれば移動距離が減少したり、戦闘時の防御であれば防御値が適用されない、といった具合です。
これ以外の影響については、単なる判定失敗時と同じように扱います。結果に対して特に大きな影響はないと考えられる場合は、通常の失敗と全く同じ描写で構いません。あくまでも、判定を行なった事柄について、最低の結果になるというだけであって、それ以外に特別なアクシデント(転倒や物を落とすなど)は起こりませんので、GMは注意して下さい。
▼達成値
自動的失敗の場合でも、普通に行為判定に失敗した時と同じように、達成値を0として扱います。
○相殺
判定値が1の時は、自動的成功と失敗が同時に出る可能性があります。この時にサイコロ目が1だった場合は、自動的成功/失敗の効果は相殺され、達成値1の成功として扱われます。
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