概要
ライヒスデールは皇帝を頂点とする帝国であり、複数の領邦国家(公国/候国)から為る貴族支配国家です。皇帝は非常に強い政治的権限を有しており、実質的には全権力が皇帝のもとに集中されております。
この国では先進的な前皇帝のもとで積極的に霊子機関を取り入れ、早い時期に工業革命が成立しました。この技術と強力な騎兵隊である銀仮面騎士団(皇帝親衛隊の1部隊)を中心戦力として、現在ユークレイと交戦中です。咋年までは国境での小競り合い程度でしたが、南東地域より発掘された旧文明の兵器を今年1月の初めに戦線に投入して以来、連勝しています。
政治:全体/制度上は三権分立/実質は皇帝の独裁
:地方/領邦国家/方式は全国で統一
代表:皇帝/独裁者
貴族:支配階級/地方自治体の最高責任者
騎士:存在/軍人
軍隊:全体/国家が統括/近代的な常備軍
:地方/領主貴族が統括/領邦国家の防衛のみ
警察:国家が統括/通常形態
司法:国家が統括
宗教:聖母教会/低
教育:中〜高
科学:中〜高
術法:低
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基本情報
ライヒスデールは皇帝を頂点とする帝国であり、複数の領邦国家(公国/候国)から為る貴族支配国家です。皇帝は非常に強い政治的権限を有しており、実質的には全権力が皇帝のもとに集中されております。
▼国号
正式名称はデール諸邦領連合帝国となりますが、一般にはライヒスデール(デール帝国/デール連合国家)と呼ばれています。▼国旗
国旗は黒、白、赤の縦縞の地に、竜を象った皇帝家の紋章が記されています。▼統治
現在の皇帝はバウムアネス2世(男/46歳)であり、聖歴775年に皇帝位につきました。▼貴族
支配階級であり、非常に強い権限を持っています。領主貴族は1つの自治体を統括する存在で、無領地貴族には官僚として働くものと、騎士として領主貴族に仕えるものがいます。▼首都
デール山地の南西麓にある大都市です。皇帝のお膝下ということで、特に選民主義思想が徹底しています。
○現況
この国では先進的な皇帝のもとで積極的に霊子機関を取り入れ、早い時期に工業革命が成立しました。この技術と強力な騎兵隊である銀仮面騎士団(皇帝親衛隊の1部隊)を中心戦力として、現在ユークレイと交戦中です。咋年までは国境での小競り合い程度でしたが、南東地域より発掘された旧文明の兵器を今年1月の初めに戦線に投入して以来、連勝しています。この発掘兵器はエネルギー砲の一種なのですが、その熱量に応じた霊子物質を必要とするため多用できるわけではありません。
○民族
皇帝が少数異民族の排他を唱えるようになってからは、国籍を持たない山間部に住む民族や遊牧民の殆どが国外へ退去しています。現在のライヒスデール国籍を持つ者はその殆どがリミュール人で、他にはセナイア人、スレイラール人、ナヴァール人、マイリール人といった、古くから国家に住む幾つかの民族だけが国民として認められています。しかし、リミュール人以外の諸民族が住む領邦国家は、国家行政への影響力が低く抑えられており、その声は国政に反映されにくくなっています。また、皇帝に同調して純血民族による国家統一を唱えるリミュール人も増えており、それ以外の民族が住みにくくなっていることは確かです。
▼リミュール人(白人)
鼻梁の整った白人で、白髪に近い銀色の髪をもち、緑や真紅の瞳のものが多くいます。全国民における割合は80%以上になります。▼セナイア人(白人)
南方に多く住む金髪碧眼の白人で、肌は小麦色です。全人口の8%ほどを占めています。フレイディオンの主要民族であり、軍事同盟を結んでいる関係から、この民族に対する差別は行われていません。▼スレイラール人(白人)
プラチナブロンドの髪に碧眼の白人で、背はそれほど高くありません。ユークレイ由来の民族で、全人口の5%程度を占めています。ユークレイと戦闘を行っていることから、特に風当たりが強い民族です。▼その他
カスティルーン由来のナヴァール人や、ペトラーシャ由来のマイリール人、また先住民族であるヴァルネル人などは、古くから東部国家に存在します。
○宗教
一般に聖母教会が信仰されていますが、国教ではありません。数代前の皇帝より、教会の勢力は徐々に弱められており、今では国政への発言権はまったくなくなってしまいました。
○科学・教育
都市と農村での差が大きいのですが、都市での教育水準は比較的高い国家です。この国では先進的な皇帝のもとで積極的に霊子機関などの先進技術を取り入れ、早い時期に産業改革が行われました。
○産物
▼農産物
小麦、大麦、ライ麦、ジャガイモ、リンゴ、ブドウ▼鉱産物
石炭、銀、銅、鉛、スズ、ニッケル、ボーキサイト、クロム▼その他
牛、豚、乳製品、ハム、ビール、顔料、染め物
○交易
ブルム内海と接しておりますが、ポラス海峡の通航問題でロンデニアと争っており、近年では外洋への渡航が妨害される場合があります。そのため、フレイディオンを介した陸上交易や、カルネアとの貿易を中心に輸出入を行っています。
○交通
他国と同様に主な交通手段は馬車ですが、既に都市間での旅客用鉄道も整備されはじめています。また、上流階級のお遊びとしてですが、自動車なども普及し始めています。なお、これら新型の乗用機関は軍で積極的に取り入れられ、新しいものが開発されています。水上交通も古くから重要な交通手段として確立されており、河川を通じて貨物などが頻繁に輸送されています。
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国土
○概要
西部をブルム内海に接する国で、北部に北デール平原、中央部にはデール山地と呼ばれる低山が、南部には南デール平原とゴーズ平原が広がっており、全体に平坦な地形となっています。このように他国から非常に攻めやすい地形となっており、特に国境付近の領邦国家の多くは古来より戦いの絶えない土地でした。
温帯に属しておりますが全体に気温は低く、特に北東部の一部地域は冷涼な気候となります。気温は夏期で20℃前半、冬期は0℃前後になります。国家北部ではジャガイモが、南部では麦類の栽培が盛んです。降水量は一年を通じて平均的で、湿度は低く乾燥しています。
国家南部に流れる川は水量が豊富で、北部に比べて湖沼も多くなります。中部の低山地帯では水脈が網の目のように張り巡らされている場所もあり、水運による輸送が盛んです。山地西部には森林地帯が広がっており、首都北部には皇帝の狩り場も存在します。
○地図
○要所
▼デール山地
国家中央部に位置する低山地帯で、ゆるやかな丘陵が続いています。鉱産資源の採掘の他、風光明媚な高原地帯は放牧などに利用されています。高い山でも3000mにやや届かず、その他は2000m程度の山々が連なっています。
▼ベスター山岳地帯
ヒンメルバッシュの南に存在する、階段状につらなる中級山岳地帯です。鉄鉱石や石炭の採掘場として古くからライヒスデールの産業を支えています。
▼デール平原
北デール平原とも呼ばれる北部の平野地帯です。この辺りではジャガイモや麦類などの他、リンゴやナシの果樹栽培が行われています。
▼南デール平原
デール山地の南部に広がる平野で、主に麦類を中心とした農作物の栽培に利用されています。この付近は湖沼も多く、水資源が豊富です。
▼ゴーズ平原
フレイディオンに続く南端の平原で、豊かな穀倉地帯が広がっています。
▼シュタール湾
交易都市エスワルトを含む国内有数の港湾です。この辺りは古くから貿易港と栄えており、漁港としても国内随一の水揚げ量を誇ります。北部を流れるヴェラントレフ川はその深さで知られており、海からそのまま船が都市に入ってくることができます。
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変異現象
『銀の雫』と『金の雨』と呼ばれる現象が、ペトラーシャとの国境付近でよく見られます。
○金の雨
金の雨現象とは、その名の通り純金の雨が降るというものですが、物にぶつかるなどの衝撃を受けると普通の雨に戻ってしまいます。ほぼ全域で見られる現象で、少し痛いぐらいで特に害になるものではありません。
○銀の雫
銀の雫現象は湿度が低い時に結露するというもので、さらにこの状態で気温が下がると銀色の酸性霧となります。この酸性霧の恐ろしいところは、生物と同じように意志をもって生命体を攻撃してくるところです。霊獣の一種とみられていますが、基本的には霧ですから火で撃退することができます。とはいえ、広域でこれが起こった場合は人間の手に負えるものではなく、東南の酸性霧地帯には誰も近づきません。
○その他
▼白濁現象
ベスター山岳地帯の北にある森林地帯で見られる現象で、霧でもないのに空気が白濁して、周囲が全く見えない状態になります。時には空間が白光で満ち、光の粒子がきらきらと輝いていることもあるようです。出現条件は全くわかっておらず、これによって古くから数多くの人々が行方不明になっています。
▼磁界変異
デール山脈の北端で起こる現象で、時間帯によって磁界が狂うことが知られています。この付近に長くいると具合が悪くなったり、精神状態がおかしくなることもあり、近づく人は殆どおりません。
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文化・生活
リミュール人は一般に厳格で几帳面な性格で、外国人からは頑固できまじめと評されています。権威主義者が多く、権力や多数派に追従する人が多いのも特徴です。人前で侮辱されることを特に嫌っており、恥という意識に対して特に敏感なようです。
○食べ物
この国ではジャガイモとベーコン、そしてタラがよく食べられます。露店ではポテトとベーコンの串焼きや、揚げジャガドーナツなどといった手軽なおやつが売られています。これらは家庭で毎日のように見られる食材で、輪切りのジャガイモを揚げたものでタラを挟んでオーブンで焼いたり、ベーコン、スパイスリーフ、シイタケ、タマネギなどの炒めものを卵で巻いて、上からソースをかけたものが、非常によく食卓に出されます。また、ハムの種類も豊富で、生ハムに関してはエルモア最高の品質を自負しているようです。
▼酒類
北部ではビールが、南部ではワインが好まれており、どちらも非常に種類が豊富です。ワインはもちろんビールも料理に使われており、肉のビール煮やビールスープといった料理もあります。しかし、飲み過ぎにはくれぐれも気をつけた方がいいでしょう。間違って政府への不満を漏らしたりしては、たちまちのうちに投獄されることになりますから。
○その他
▼タバコ
ライヒスデールではタバコが好まれており、現在は工場もたくさん建てられています。紙巻きタバコや葉巻の他にも、刻みタバコや嗅ぎタバコ、噛みタバコなど様々なものが消費されています。
▼金属加工
鉱山近くの街では金属加工業が盛んで、古くから高い技術を誇ってきました。これに伴いメッキなどの周辺技術も発展を遂げています。ヒンメルバッシュ市は古くから刃物産業で有名で、国外にもハサミやナイフが出荷されています。
▼結婚
ライヒスデールでは結婚税があるため、貧乏暮らしをしている者はなかなか結婚が出来ません。そのため秘密結婚が行われることが多く、届け出をしていないが周囲に夫婦と認められ、同棲生活をしている者がたくさんいます。
▼教育
厳格なしつけを行う傾向があり、殆どの家庭では子供が甘やかされることはありません。子供の頃から社会の一員としての自覚を教え込まれ、子供でも公共のものに対する自覚が高いようです。これは先皇帝の政策にも関係するもので、近年においては特に顕著な傾向となっています。
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人物・集団
○組織・集団
▼銀仮面騎士団
皇帝親衛隊に所属する一部隊で、皇帝に仕える騎士が率いています。強力な騎兵隊であり、その顔全体を覆う銀色の仮面から、敵軍から銀色の悪魔と称されて恐れられています。▼秘密警察
警察組織内の特別調査機関で、その悪名は国外にも広まっています。その勤勉さを皮肉って、民衆は影で彼らのことを『すりきれコート』と呼んでいます。▼国家友愛党
皇帝に心酔し、その思想に共鳴する差別主義の過激派で、移民排斥運動と称して不法居住者を私刑にかけたことで名を広めました。▼ライヒスデール博愛協会
非軍事派の地下組織で、友愛党に対して敵対行動を取っています。▼港湾自治団
エスワルトでつくられた青年自警団ですが、その乱暴なやり口は暴力団と変わりません。最近では住民との間で数々の衝突を繰り返しています。▼アンディン族
古くから国内に住む少数民族で差別対象となります。現在は帝国の目を逃れて、南部の山地でひっそりと暮らしているようです。▼メーヘンゴッツ警備会社
主に個人警護を担当する警備会社で、地位の高い人間を顧客としています。契約期間中は単に警護を行うだけでなく、移動ルートや宿泊場所の選定も含めて、徹底した安全対策を取るようです。▼帝国芸術アカデミー
芸術の発達を目的として設置された文部大臣の諮問行政機関で、帝国を賛美する芸術を奨励しています。この下部機関として、帝国総合芸術学院という芸術学校が皇帝の出資によって設立されており、美術、文学、音楽の他、バレエや舞台演出などを学ぶことが出来ます。▼帝国科学アカデミー
文部省の下部機関で、科学技術の発達を目的として活動する学術団体です。富国強兵政策の推進のため、バウムアネス2世の即位記念事業として設置されました。▼帝国特別文化財管理委員会
帝国科学アカデミーの一部門で、考古学に関係する事業を管理・統括しています。これは考古学学会とは別組織となり、行政機関の役人が所属しています。名目上は文化的歴史遺産の鑑定、保護、管理などを行う組織となっていますが、実際には先史文明の発掘品を国家が独占するための監視組織です。学術機関や民間が発掘した品々を押収し、軍の研究機関へ送るのが主な仕事となります。これらは書類の上では修復・収蔵となっていますが、発掘者の手元に返還されることは殆どありません。
○人物
▼皇帝バウムアネス2世(男/46歳)
極端な選民主義者であり、恐怖の独裁者として君臨しています。▼美将軍メーアトール(男/27歳)
成り上がりの軍人で、皇帝には特に目をかけられている優秀な用兵家です。その美しさから婦人たちの受けはよく、美将軍の名で呼ばれています。しかし、本人はいたって禁欲的で、実直な軍人としての態度を決して崩しません。▼ハイエルゼン子爵(男/34歳)
秘密警察の所長の地位にいますが、皇位継承5位の子爵としての顔も持っています。氷の知性と呼ばれるほどの冷酷な男で、いかなる非道な命令書にも眉ひとつ動かすことなくサインします。▼軍神フリーダス=ジルフィール(男/61歳)
皇帝の不興をかったことから退役を余儀なくされ、現在はロッドリアの郊外で隠居生活を送っています。しかし、国家の行く末を憂慮する青年将校たちはひそかに彼を訪れ、熱心に復帰を持ちかけています。▼ヘイゲルト=リューレック(男/34歳)
歪みの血族と呼ばれるリューレック家の当主で、彼もまたその名を受け継ぐに相応しい狂人です。嗜虐的な性癖をもつ彼は、ひそかに奴隷を買い入れては、それを惨殺して楽しんでいます。▼ルイドヴィッヒ=リーインバッシュ(男/49歳)
癇癪持ちで知られる北デール地方の領主です。しかも、彼の場合は怒りだすきっかけというものがまったくつかめず、ちょっとしたことでころころと気分が変わります。その中にはほとんど言いがかりとしか思えないものも多く含まれており、彼に仕える者はその怒りに触れずに1日を過ごすことを、ほとんど諦めています。▼ヴァンデル=ブラッカー(男/24歳)
政治的風刺詩を書いたことで投獄された経験を持つ学生で、反政府運動に身を投じています。しかし、そのことで父親は官職を失い、今も家族は肩身の狭い思いをしています。▼フランツ=ヴィッシェルハイト(男/20歳)
ドライゼンラント市の南部に領地を持つ男爵の次男なのですが、アンディン族の存在を知りながら、その存在を隠しています。しかし、この事実が明るみに出た場合は、たとえ貴族の家系といえども厳しく処罰されることは間違いないでしょう。▼メラウ=ディノン(女/16歳)
アンディン族の族長の娘です。フランツに恋をしてしまったのですが、身分違いということはよく理解しており、懸命に自分の気持ちを押さえています。
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