カルネア植民地
(B)ラベルタ準州 

基本情報自然・要所人物・集団


 

基本情報


○全体

 B-5、B-6、B-7地域がラベルタ準州として扱われています。


▼総督
 現在はシェリンフォード=ハウマン総督が植民地政府を統括しています。

▼州都
 ノモス川の河口部(B-5)にあるリーブレイム市に総督府が置かれています。


○人種・民族

 住民の大多数を占めるのは、ペルソニア中部域に住んでいたと言われるレグラム人系の黒人ですが、西部にはアデン系の黒人も住んでいます。この他にも、本国から移民としてやって来た白人、ラガン由来の黄人、およびこれらの混血人がおります。


○歴史

▼B-5
 この地はかつてルクソン王国があった地域で、聖歴530年代に征服されるまでは、独立国家として貿易で栄えておりました。エルモア地方との交流が始まったのは聖歴210年代のことで、その当時はソファイアとの貿易が中心でした。
 聖歴450年代になってソファイアがセルセティアの港を失うと、エリスファリアとの交易が行われるようになります。しかし、奴隷問題から相互の関係がこじれ、一部の貴族がエリスファリア側についたことで、国内に大きな乱れが生じました。さらに、聖歴510年代にはエリスファリア本国で問題が起こり、ルクソン王国は後ろ楯を失うことになります。この隙を突いたのがラガン・カルネア勢で、2国は聖歴520年代後半に共同でルクソン王国へ侵攻し、聖歴534年にはラガン帝国がこの地を支配することになるのです。
 それから聖歴760年代に入るまで、この地は長くラガンの支配下に置かれるのですが、聖歴700年代に入ってからのラガンはペルソニアでの力を失っており、実質的にこの地域をまとめていたのは、交易で財を為したパダム族という黒人の部族でした。その後、聖歴762年にラガン帝国が滅亡すると、パダム族が中心となって独立自治政府が設けられます。しかし、この政府は混乱をおさめることは出来ず、この地はカルネアが武力で占領することになります。現在もこの地はカルネアの支配下にあり、ラベルタ準州として植民地総督が管理しています。


▼B-6
 この地域はかつて熱帯雨林が広がっておりましたが、聖歴300年代頃になると、北部にあったルクソン王国による農地の開墾が行われ、その支配域へと変わることになります。その後、聖歴450年代に入ってから、ルクソン王国とエリスファリアの結びつきが強くなるのですが、エリスファリアは山師から南部山地に鉱脈があるという情報を得て、その事実を知らないルクソン王国から一帯の土地を安く買い上げます。こうしてエリスファリアは多くの鉱物資源を手に入れるのですが、聖歴510年代には国内問題からペルソニアでの影響力が低下し、ルクソン王国は後ろ盾を失うことになります。こうして聖歴525年には、ラガン・カルネア勢の武力侵攻を受け、この地はカルネアの支配下に置かれることになりました。
 聖歴540年代後半に入るとカルネアはユークレイ侵攻に力を入れるようになるのですが、この隙をつかれてラガン帝国にこの地を奪われてしまいます。ラガンの支配は聖歴720年代まで続きますが、聖歴730年代に入るとロンデニアと同盟を結んだカルネアがペルソニアに再進出を果たし、ラガンから一帯を取り戻すことに成功します。そして現在もカルネアの植民地として、植民地総督が管理している状態となります。


▼B-7
 この地域はかつて、熱帯雨林や草原が広がっていました。しかし、聖歴300年代頃になると、東部にあったルクソン王国による農地の開墾が行われ、その支配域へと変わることになります。
 聖歴520年代後半になるとラガン・カルネア勢がこの地に攻め寄せ、聖歴534年にはカルネアの支配下に置かれます。聖歴540年代後半に入るとカルネアはユークレイ侵攻に力を入れるようになるのですが、この隙をつかれてラガン帝国にこの地を奪われてしまいます。
 ラガンの支配は聖歴720年代まで続きますが、聖歴730年代に入るとロンデニアと同盟を結んだカルネアがペルソニアに再進出を果たし、ラガンから一帯を取り戻すことに成功します。そして現在もカルネアの植民地として、植民地総督が管理している状態となります。


○産物

 カカオ、コーヒー、ゴム、バナナといった作物や、質のよいペルソニア・マホガニーが栽培されています。


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自然・要所


○地勢・気候

 ペルソニア北中部域は亜熱帯から熱帯に属しており、海から吹く風によって湿潤な気候となります。年間の平均気温は25度以上となる暑い土地で、カカオやバナナといった熱帯の作物が栽培されています。


○都市

▼リーブレイム市/州都(B-5)
 ノモス川の河口部に建設された港湾都市で、もともとはルクソン王国の王都でした。交易の中心地であるとともに、軍事的にも重要な拠点として位置付けられており、植民地軍の本体が駐留しています。
 都市の中央部をノモス川が流れており、ルクソン王国の時代ほど明確ではありませんが、東西で大きく特徴が分かれています。東部はルクソン時代にも城塞が置かれていた場所で、それをラガン帝国が改修して要塞として利用していました。カルネアもそれを引き継いでいるため、東部街区には政治と軍事に関連する施設が多く存在します。要塞の周辺は区画整理された後に分厚い石壁で囲まれており、新しく建設された港は軍港として使われています。
 西部は商業と市民の住宅地が多く、港も商港として利用されております。全体に雑然とした雰囲気の、小さな建物が並ぶ街区が多くなりますが、区画整理が行なわれた港付近は整然とした街並みに変わっています。また、ラガン時代には大通りの拡張工事が行なわれ、給水と荷物運搬を目的とした水路も整備されたため、市場付近を除けばそれほど渋滞は起こりません。


▼ララス・ポート(B-6)
 キノ山の西麓にある街で、小規模な軍港と要塞が置かれています。住民の殆どは軍事関係者やその家族で、物資のやり取り以外は殆ど外部と交流はありません。
 
◇限定情報
 外部には秘匿されておりますが、要塞内部には軍事工房が秘匿されており、ここでは新兵器の開発が行なわれています。そのため、多くの区域が一般人の立ち入り禁止区域に指定され、町の周辺も含めて非常に厳重に警備されています。また、キノ山には自然洞窟を改装したホールが隠されており、避難施設や武器庫といった設備が用意されています。これは要塞からトンネルで繋がっており、有事の際には指揮系統をこちらに移すことが出来ます。これらを準備する際に、この周辺に住んでいた山岳部族は追い払われており、多くは東部のソファイア植民地の方へと移住しています。


▼トロン市(B-7)
 サイロン川の河口にある交易都市で、かつてルクソン王国が2つに分裂した際に、反国王派の中心都市として栄えた街です。ここは奴隷貿易の拠点ともなった場所であり、かつては大きな奴隷市場が置かれておりました。しかし、現在は普通の市場に変わっており、奴隷の取り引きは州都のリーブレイム市を中心に行なわれています。なお、奴隷貿易で繁栄した名残りとして、市場の近くには奴隷を閉じ込めておくために使われた牢獄がありますが、現在は穀物などの保管庫となっています。


○要所

▼キノ山(B-4/B-6)
 パゴット平野とリンストン平野を分ける標高1200mほどの山地で、平野部に急に突き出た岩山です。ここはソファイア領とカルネア領の境界となりますが、殆ど人が立ち入らないまま放置されています。特に鉱物資源も採掘されず、地形も険しいため利用方法が殆どないというのが主な理由ですが、古くから数々の不吉な伝承が語り継がれている場所でもあるため、古くからこの山に住んでいた山岳民族を除いて、現地の人間にとっては不可侵の山として恐れられています。また、最近では小さな振動や地鳴りが聞こえるという噂もあって、なおさら人の近づかない場所となっています。


▼彫刻洞窟/嘆きの洞穴(B-7)
 ストラ山脈の北西部には、かつて逃亡した黒人奴隷たちが隠れ住んでいたといわれる洞窟が存在します。内部の壁には本物の人間と見紛うほどの精緻な彫刻が刻み込まれており、彼らの怒り、嘆き、悲しみといった感情が余すところなく表現されています。この洞窟からは今でも奴隷たちの叫びが聞こえて来るのだといいます。実際には風が生み出す音なのかもしれませんが、周辺には怨嗟の怒号や啜り泣く声が響き渡るそうです。


▼サボテンの森(B-7/B-11)
 パーム平原とネナン砂漠の間にあるサボテンだらけの土地で、千種以上のサボテンがあるといわれています。サボテンに擬態する怪物が中に紛れているので、近くを通る時は注意しなければなりません。なお、サボテンから精神安定剤や麻薬が抽出されるため、これを採取するために訪れる業者も存在します。


▼ネナン砂漠(B-7/B-11)
 南方をアポルト山とストラ山脈に塞がれた乾燥地帯で、様々な伝説が残る地として知られています。実際、ここでは古来より奇妙な現象が多発しており、夜に砂漠が青白く光ったり、砂そのものが生き物のように動くといった話が語り継がれてきました。また、砂漠の中にはデザート・ローズという鉱物によく似た、クリスタル・ローズあるいはデザート・ブルーと呼ばれる、花弁のような層状構造を持つ青白い結晶石がよく落ちています。こういったことから、ここは天地信仰者の聖地の1つとしても有名で、巡礼のためにこの砂漠を目指して旅をする者もいます。
 
◇灰色砂丘
 岩石砂漠と砂砂漠が混じっているような地域には、砂の上にぽつんと佇むように岩が出現している場合があります。中でも南にある灰色砂丘と呼ばれる場所では、非常に特異的な環境が形成されています。
 この地の岩には細かい孔が開いているらしく、見た目の割に軽いのが特徴です。そのため、風によって岩石が転がされて大きく移動し、砂上に引きずったような跡が長く残されることがあります。また、孔が適度に湿度を保つためか、重く転がりにくい岩塊の上に植物が生えている場合があり、木々が突き出ていたり丸サボテンに囲まれているなど、個々の岩ごとに異なる生態系が見られます。砂漠の人々は、このような岩石を『緑岩』と呼んでおり、植物を目当てに集まる動物の狩り場としている部族も存在します。

◇失われた王国
 原住民の伝承ではここはもともと砂漠ではなく、熱帯雨林の生い茂る湿った大地だったといいます。しかし、奥地にあった古代の王国が施した秘術が失敗し、一夜にして砂漠に変わってしまったのだそうです。その時、王国の民は都市ごと砂に飲み込まれ、今も砂漠の下で眠りについていると伝えられています。なお、砂漠には蜃気楼が時々あらわれることがありますが、この土地では失われた王国が幻像として姿を現わすと言われており、実際に古の都を見たという目撃談は少なくありません。


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人物・集団


○組織・集団

▼強盗団グレイグ一味
 壁山の悪魔とも呼ばれる武装強盗団で、グレイグ兄弟を頭とする20名近い荒くれ者たちです。ソファイア、カルネアの植民地を襲い、金品を強奪したり若い娘をさらうなどの犯行を重ねています。殺人さえ平気で行なう極悪人で、近郊の町村では生死を問わない賞金首として手配書が出回っています。
 彼らはピルム丘陵を根城にしており、壁山と呼ばれる迷路のような地形の奥に住処をつくっています。また、現地民とも通じており、略奪品と引き換えに必要な生活物資の一部を得たり、危険を知らせて貰ったりしています。


○人物

▼シェリンフォード=ハウマン総督(白人/男/54歳)
 陸軍士官として軍事学を学び、B-5地域の独立地域の制圧時に大いに活躍し、後に植民地総督に任命されました。その後、病気の為に辞職したのですが、前総督が何者かに殺害されるという事件が起こり、副総督の一派が逮捕されたことで、代行として一時的に総督の地位に就くことになりました。しかし、本国が内戦に突入したために、新しい総督が決まらないまま2年の月日が過ぎてしまい、当人としても辞めるに辞められず、非常に困った状態に置かれています。


▼パトリック=ウェイン(白人/男/27歳)
 未開の大地に憧れを抱き、新しい音楽を見つけるためにペルソニアに訪れた音楽家です。カルネアから到着した時に降り立ったのはヴィシュニア準州(A地域)ですが、バイオリンと身の回りのわずかな品だけを持って放浪生活を送り、演奏活動を続けながら様々な土地を渡り歩いて、ラベルタ準州(B地域)まで辿り着きました。
 現在、彼はB-6地域の町で安宿暮しをしておりますが、つい最近知り合ったばかりの1人の同居人がいます。それは周辺の山麓を旅していた途中で知り合った原住民の少女で、おそらくまだ10歳にもなっていないでしょう。彼女はたった1人で草原をふらついており、ラーラという名前以外の素性はまったくわかりませんでした。その後、いくら待っても誰も探しには来ず、やむなく彼は近くの街まで連れてゆくことになります。彼女が持っていた1枚の仮面と身につけていた民族衣装を手がかりに、しばらく現地の人々に聞き込みを行なってみたのですが、一切の手がかりを得ることが出来ませんでした。彼女を置いて1人で旅立つことも出来ず、かといって一緒に連れてゆくことも簡単ではありません。内戦中の祖国には戻れない状態ではありますが、いつかはカルネアに帰るつもりの彼にとって、この少女の存在は非常に頭の痛い問題といえるでしょう。


▼アルシア=マクグレン (白人/女/28歳)
 知的な美貌で評判の霊子機関の研究者で、軍の要請を受けてペルソニアにやってきました。無口で物静かな女性で、私的な話題を一切口にしないのですが、特に無愛想というわけではありません。しかし、誰とも特別に親しくすることはなく、周囲の者を無意識に遠ざける雰囲気を身にまとっています。リーブレイム市の軍事工房に務めており、霊子機関の改良が本来与えられた任務です。しかし、最近は少し休みがちになっており、体調でも崩したのかと周囲に心配されています。
 
◇限定情報
 ペルソニアの砂漠に含まれる霊砂の研究を行なうために渡航してきた、カルネア生まれの錬金術師です。表向きは霊子機関の研究者ですが、大学時代の師の誘いを受けて元素秘学に関する研究の手伝いをはじめ、現在も霊石や霊水などの霊子物質を対象とした研究活動を続けています。
 つい最近のことですが、アルシアはネナン砂漠で霊石のような青白い結晶を発見しました。その結晶石が霊砂に関して非常に面白い性質を示すものであったため、彼女はこの新しい発見に興奮し、寝食を忘れて研究に没頭している最中です。そのため、研究所の方を度々休んでおりますが、このままクビになってもいいと考えているほど、この研究を重要なものだと考えています。


▼フレデリック=ゴーバンス(白人/男/34歳)
 農場を経営している大柄な男で、厳つい容貌に似合わず温厚な人柄で通っています。そんな彼には、家で猛獣を飼うという少しだけ変わった趣味があり、自宅の中庭のプールでワニを飼育したり、最近ではライオンの子供を引き取って育てているようです。酔っぱらって衝動的に暴力を振るう悪癖があるためか、あるいは恐ろしいペットの世話に嫌気がさしたのか、これまでに結婚した2人は妻は、いずれも彼のもとから姿を消しています。
 
◇限定情報
 好人物を装っている彼ですが、血を見るのが好きだという異常嗜好の持ち主で、生きた動物をワニに与えて楽しむ趣味があります。この行動は、酔った上での口論からカッとなって最初の妻を殺害してしまい、ペットとして飼っていた大型犬の餌に混ぜて死体を始末したことに始まります。以来、彼は生きたニワトリを犬に襲わせるなどして楽しんできましたが、その趣味がエスカレートして人間を生きたまま猛獣に喰わせるという、極めて残虐な行動に楽しみを見い出すようになりました。2番目の妻も犬をけしかけて重傷を負わせた後、ワニのプールに放り込んで始末しておりますし、使用人と娼婦も1人ずつ殺害されています。その嗜虐性は殺人を犯すごとに増しており、このままではさらなる被害者が生み出されるのは間違いないでしょう。


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基本情報自然・要所人物・集団