概要
○領土区分
ライヒスデールは連邦制国家であり、各領邦国家(州/小州)および独立伯爵領(準州)が地方自治体としての行政単位となります。
○貴族制度
支配階級であり、強い権限を持っています。領主貴族は1つの自治体を統括する存在であり、無領地貴族には官僚として働くものと、騎士として領主貴族に仕えるものがいます。
○政治制度
▼国家
制度上は三権が分立された立憲君主国家ですが、皇帝が行政、立法、司法、そのほか全てを銃轄する地位にいるため、実際は皇帝を頂点に仰ぐ独裁国家となります。行政機関は国務院と呼ばれており、全10省から構成されています。行政大臣は議会に対して責任を持たず、皇帝にのみ責任を持つ立場となります。立法機関として整備されているのは、連邦議会(上院)と帝国議会(下院)の2つになります。
▼地方
地方自治体は行政制度を独自に改編する権限を持ちます。しかし、現在は全国で国家制度を模倣した統一された方式がとられており、貴族領主が州知事もしくは市長といった自治体の最高責任者となり、その下部に議会と行政組織が整備されています。
領邦国家は帝国法に抵触しない限りにおいて独立を保持する権利を持ち、独自に州法を規定することが出来ます。租税等に関しても領主(もしくは州/小州議会)に最終決定権があります。
○軍事
ライヒスデール王国の軍制は全国で統一されており、管区を基準とした常備軍で構成されています。これは東西南北と帝都の防衛をそれぞれ担当する陸軍方面軍と統一海軍、そして皇帝直属の皇帝親衛隊が大きな部隊編成となります。この他、各領主は貴族特権として、自領地を守護するための近衛隊を保持し、領内の防衛活動においてのみこれを出動する権限を持ちます。なお、皇帝親衛隊は帝国軍と近衛軍を兼ねた特別な存在であり、皇帝と皇族に指揮権が委ねられています。
○警察
行政機関に属する内務省警察局が警察組織を統轄しています。警察局は国家警察として機能し、その下部組織として州警察や小州警察が各地域に整備されています。これら下部の警察組織は各自治体が運営するものですが、国家警察は強制的にこれらを監査・粛正する権限を持ちます。しかし、この国では警察と地域自治体との結びつきが強く、警察が為政者と通じて汚職や組織犯罪を完全に隠してしまうことも多いようです。
警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。
○司法
独立した司法組織として法務院が存在しますが、実際には皇帝の意見が強く反映されるため、立法・行政に対する抑止力とはなっておりません。裁判所は上級裁判所(州/小州/準州)、下級裁判所(地域自治体)の順に整備されています。裁判の進行方法は現実世界とほぼ同じ方式で行われ、判決に不服があれば控訴を行うことが出来ます。また、これら地方の裁判所の上には帝国裁判所が設置されており、上級裁判所からの上告が認められています。しかし、警察組織や地方の裁判所が為政者に与している場合は、不当投獄によって上告が妨げられる場合もあるようです。
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行政区分
○基本制度
ライヒスデールは連邦制の国家であり、各領邦国家(州/小州)および独立伯爵領(準州)が地方自治体としての行政単位となります。領邦国家は帝国法に抵触しない限りにおいて独立を保持する権利を持ち、独自に州法を規定することが出来ます。租税等に関しても領主(もしくは州/小州議会)に最終決定権があります。
しかし、先皇帝バウムアネス1世の治世より幾度もの憲法改正がなされ、現在は多くの制度において全国で統一された方式をとっています。これは国家制度を模倣したもので、貴族領主が州知事もしくは市長といった自治体の最高責任者となり、その下部に議会と行政組織が整備されています。
帝国政府は内務省内に連邦監査局を持ち、これらの地方自治体の内政を監視することが出来ます。しかし、必ずしも皇帝の監視が行き届いているとは言えず、幾つかの有力貴族の領内では不正行為がまかり通っているのが実状です。
○自治区域
▼特別自治区
かつてより平民によって自治を得ていた地域の中には、現在でも特別自治区として存在しているものもあります。特別自治区は国家に直接属する行政区であり、軍事などに関する幾つかの権限は国家が有することになります。
貿易の中継地や商業都市、あるいは産業の盛んだった地域などが自治を得ている場合が多いようです。規模としては市や町といった比較的小さな面積となり、小州など大貴族の領地に匹敵する自治区はありません。
自治領の代表は市民から選ばれる民衆の代表であり、議会も平民で構成されておりますが、中には貴族のように振る舞う者もいるようで、地域によっては貴族の領地と大差ない場所も幾つか存在します。
▼半自治領
貴族の領地に含まれる中で、平民の自治が認められている特別区です。市長や町長といった行政長官は平民の中から選出され、議会もすべて平民によって構成されておりますが、領主貴族の承認を得られない場合は、会議の決定は無効とされてしまいます。
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国家制度
制度上は三権が分立された立憲君主国家ですが、皇帝が行政、立法、司法、そのほか全てを銃轄する地位にいるため、実際は皇帝を頂点に仰ぐ独裁国家となります。
◆ライヒスデール/制度
皇帝──宰相──┬──国務院──┬──内務省
| ├──外務省
| ├──財務省
| ├──軍務省
| ├──産業省
| ├──農務省
| ├──商務省
| ├──運輸省
| ├──文部省
| └──宮務省
|
├──法務院
|
└──立法院──┬──連邦議会
└──帝国議会
○国家首長
▼皇帝
国家君主である皇帝は、ウィンステリア公国の首長(知事)が世襲的にその地位を継承します。皇帝は帝国の頂点に立つ存在であり、帝国の諸政務における様々な権限を有しております。帝国は立憲君主制をとっており、憲法のもとに諸権限を行使するわけですが、君主の権力の制限は自己制限であって、自身の判断でいつでも撤退することが可能です。
皇帝は行政長であると同時に各行政大臣の代理執行権をも与えられているため、閣僚が総辞職した場合は行政機関を単独で動かすことも可能です。また、各議会の召集、開閉、解散を行うことが可能ですし、法律の公布も皇帝の権限で行います。他にも議員と同様に法案の発議権もあり、国家代表としての軍事統帥権や、外交権、条約締結権なども持ちます。
▼宰相
行政の最高責任者であると同時に、連邦議会の議長を兼任します。宰相の任免権は皇帝にあり、宰相は皇帝にのみ責任を負う立場となります。
○国務院
ライヒスデールの行政機関は国務院と呼ばれており、全10省から構成されています。行政大臣は議会に対して責任を持たず、皇帝にのみ責任を持つ立場となります。
▼国務院長官
国務院の長官は首相に相当する存在で、非常に強い権限を持っています。長官は宰相が兼任することになっているため、この職だけは完全に皇帝の意志のみで選ばれることになります。
▼大臣の任免
各省の大臣は宰相の推薦に基づいて皇帝が任命します。行政大臣は皇帝の裁量によって解任することが可能です。
▼皇帝の代理権限
大臣不在の間は、皇帝が当該行務を請け負う権限を持ちます。
▼官僚貴族
国務院の官僚の大半を占めるのは貴族となり、平民から高い位へと出世することはきわめて稀なことです。官僚として働くためには、貴族に対して何らかのコネを得るか、爵位を買うなどの金銭的な授受が必要となります。
○立法院
立法機関として整備されているのは、連邦議会(上院)と帝国議会(下院)の2つになります。
▼帝国議会(下院)
下院である帝国議会は立法発議権と委員会の設置(請願の伝達)を行う権限を持ちます。これは国民全体を代表する唯一の民主的機関で、ライヒスデール国籍を持つ18歳以上の全成人に選挙権があります。
帝国議会の議員は、5年に1度の普通選挙で21歳以上の成人の中から選出されます。ただし帝国法により、一定額以上の税を納めるか爵位を有する者しか立候補することは出来ません。また、この他にも州法によって幾つかの規定があります。なお、議員は無給ですが不逮捕特権などを持ちますし、その他にも幾つかの免責事項があります。
▼連邦議会(上院)
連邦議会は各地方自治体の代表、および皇族と永世議員(有力貴族の一門)によって構成されるもので、立法発議権と帝国議会を通過した法案の審議・拒否権を持ちます。また、地方自治体に対する法案強制執行の議決権を有し、州法によってこれを無効とすることは出来ません。その他、帝国議会の解散権や州間の争訟に対する裁判権を行使することが可能です。
▼皇帝の権限
法案の裁可・公布権限を持つ唯一の存在です。皇帝は法案の拒否権を持ち、再審議を議会に求めることが可能です。また、単独で帝国議会の解散を命ずることも出来ます。
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皇帝
国家君主である皇帝は、ウィンステリア公国の首長が世襲的にその地位を継承します。国家の頂点に立つ存在であり、帝国の諸政務における様々な権限を有しております。事実上は皇帝の独裁国家といってよく、皇帝に逆らうことが出来る人物は誰1人として存在しません。
○皇帝
▼バウムアネス2世(男/46歳)
父バウムアネス1世の後を継いで、聖歴775年に皇帝位に就きました。皇帝になる前の名をベルントといい、市井の娘ナタージュとの間に生を受けております。彼には血の繋がらない兄カルシュテンと姉マルティーヌがおりましたが、先皇帝の退位前に病と事故でともに死亡しており、バウムアネス2世が皇位を継いだのは幸運といってよいものです。
進歩的な統治者であった父バウムアネス1世は、恋多き男として知られておりました。妻マリエットの死後には数々の浮き名を流すようになり、女優との噂が新聞を賑わせたこともありますし、アンディン族の踊り子ヘルシュディナとの大恋愛はスキャンダルになりかけたほどです。しかし、子供の数は意外なほど少なく、噂とは違って実際には殆どの女性とはプラトニックな関係を貫いていたようでした。そんな彼がいきなりベルントを自分の子供として連れて帰ってきた時は、宮廷中がひっくり返るような騒ぎになったそうです。
母ナタージュはベルントを生んだ時に死亡しており、彼は肖像画でしか母の顔を知ることはありませんでした。その後、ベルントは宮廷で乳母の手によって育てられましたが、兄カルシュテンは血筋も定かではない弟を疎んじ、姉マルティーヌに至っては、父の前以外では目もくれなかったといわれています。このため、幼い頃のベルントは無口で、乳母以外にはまったくなつかなかったようです。しかし、父バウムアネスは兄たちと分け隔てなく接し、出来る限りの愛情を注いで彼を育てました。やがて学問の才を発揮しはじめたベルントは、ウィンステリア公国の官職を経て父の下で働くようになります。この頃の経験は、現在の皇帝にとって非常に役に立っているようです。
その後、父の死によってベルントは皇帝位に就き、彼はバウムアネス2世を名乗るようになります。この時、死の床で言った父の言葉がベルントを変えたのか、皇帝位についた後の彼の性格は一変し、以前の内向的な面は全く影を潜めるようになりました。自室に飾っていた母の肖像画も、父の死を境に取り外してしまったようです。
出生の定かではない彼でしたが、バウムアネス1世の直接の指名だったため、叔父や従兄弟たち皇族も逆らうことは出来なかったようです。とはいえ、その継承は到底納得できるものではなく、皇族たちはバウムアネス2世に対して敵対的な行動を繰り返しました。しかし、バウムアネス1世によって既に皇帝の権力は強大なものとなっており、数年の時間をかけてバウムアネス2世は政敵たちを葬り去り、皇帝権をさらに絶対のものへと変えてゆきました。
皇帝の身体的特徴は全くリミュール人そのものですが、唯一ヘテロクロミアという点だけが他人と大きく異なっています。初等学校時代は色違いの瞳のことで相当からかわれたようで、最終的には学校を辞めて、家庭教師のもとで勉学を行うようになったほどです。顔立ちは威厳に満ちあふれていたバウムアネス1世にはあまり似ず、痩せて神経質そうに見えます。
皇帝はオペラなどの観劇を好み、よく劇場にも足を運んでいます。他にも芸術全般に興味を示し、その強硬な政策とは似つかわしくない穏やかな嗜好の持ち主です。なお、父と違って女性との噂は何ひとつ囁かれることはなく、女性が苦手なのではないかとまで言われています。側近たちは世継ぎの心配をしているのですが、皇帝自身は全くそのことを意に介そうとはしません。下層市民の中には、そのことをして男色家であるとか女性恐怖症なのではと揶揄する者もいますが、実際のところは誰にもわかりません。
○皇帝府
皇帝の政務補佐を行う官僚組織で、きわめて私的な事務処理機関です。皇帝権を代行する権限は持たず、一般官僚と同じ立場となります。人員の選定は皇帝に一任されており、皇帝以外の何者もこれを罷免する権限は持ちません。
○皇帝私設官房
内部では皇帝の声とも呼ばれる非合法・非公式の組織で、皇帝の権威を守るためにのみ存在しています。政府機関とは一切関係を持ちませんが、そのメンバーには皇帝の側近が含まれておりますし、近衛隊や秘密警察の一員も参加しています。また、退役した軍人や警察官といった人材もメンバーの中に含まれています。平時は皇帝府官僚を装って、宮廷で堂々と活動会議を行ったりしているようです。
彼らは密偵・工作・暗殺などの様々な非合法活動を主導しておりますが、組織自身が直接手を下すことはなく、あくまでも皇帝と実行犯との仲介役に徹しています。実行犯となるのは民間人が多く、彼らは組織の存在そのものを知らずに、資金や情報の提供を受けて自身の判断で活動を続けています。国家友愛党もその1つであり、他にも幾つかの右翼組織に資金提供を行っています。
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軍事
ライヒスデール王国の軍制は全国で統一されており、管区を基準とした常備軍で構成されています。これは東西南北と帝都の防衛をそれぞれ担当する陸軍方面軍と統一海軍、そして皇帝直属の皇帝親衛隊が大きな部隊編成となります。この他、各領主は貴族特権として、自領地を守護するための近衛隊を保持する権限を持ちます。
▼帝国軍の統括
戦場における指揮権は陸海の総司令官にあり、予算や編成に関する権利は軍務大臣が有しております。この双方を束ねる皇帝には統帥権が与えられているため、総司令官に代わって単独で軍を指揮することが可能です。作戦行動は軍司令部の会議によって決定されますが、皇帝の裁可を受ける必要があります。
▼皇帝親衛隊の指揮
皇帝親衛隊は帝国軍と近衛軍を兼ねた特別な存在であり、皇帝に指揮権が委ねられています。
▼近衛軍の指揮
通常の近衛隊については各領主にのみ指揮権が与えられています。近衛軍の活動は制限されており、各領内の防衛活動においてのみ出動が許されます。近衛隊は皇帝の認可を得ずに各領邦国家の判断で動かすことが出来ますが、軍司令部に報告を行う義務を負います。
○兵制
▼帝国軍将校
将校として軍隊を指揮するのは、軍務省に所属する軍人となります。しかし、その多くは貴族出身の者であり、将官として名を連ねているのは殆どが名門貴族の一門となります。才能を買われて下の身分から下士官として登用される場合もありますが、高い位へとのぼりつめることは殆どありません。
▼騎士
無領地貴族であり、領主貴族に仕えて俸給を受け取っている軍人です。彼らは近衛軍に所属する者であり、皇帝親衛隊を除いては帝国軍に所属することはありません。多くは将校として部隊を率いるのですが、特に信頼の厚い者は身辺の警護を任されたりすることもあります。
▼常備兵
帝国軍の常備兵士として国土防備にあたる軍人であり、選抜徴兵と志願兵の2種類があります。通常、兵士は出身地区の管区に配属されますが、国内状況に不穏な空気が見られる場合は、暴動を防ぐために別管区に配置換えを行うことがあります。
○軍事情勢
この国では先進的な皇帝のもとで積極的に霊子機関を取り入れ、早い時期に工業革命が成立しました。この技術と強力な騎兵隊である銀仮面騎士団(皇帝親衛隊の1部隊)を中心戦力として、現在ユークレイと交戦中です。咋年までは国境での小競り合い程度でしたが、南東地域より発掘された旧文明の兵器を今年1月の初めに戦線に投入して以来、連勝しています。この発掘兵器はエネルギー砲の一種なのですが、その熱量に応じた霊子物質を必要とするため多用できるわけではありません。
▼デイルハウント砦
ユークレイとの国境近くに位置する城塞です。古くに建設されたもので、ライヒスデール軍の象徴でもあります。
○国家関係
▼友好国
フレイディオンとは軍事同盟を結んでおり、物資の支援などを受けています。なお、カイテイン帝国とも今冬には同盟を結ぶ予定です。
▼敵対国
ユークレイとは国境紛争を行っており、その同盟国であるカスティルーン、ペトラーシャとも敵対しています。また、ロンデニアとは古くから海戦を行ってきた間柄で、現在もポラス海峡の通航問題で争っております。
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警察
○警察機構
行政機関に属する内務省警察局が警察組織を統轄しています。警察局は国家警察として機能し、その下部組織として州警察や小州警察が各地域に整備されています。これら下部の警察組織は各自治体が運営するものですが、国家警察は強制的にこれらを監査・粛正する権限を持ちます。しかし、この国では警察と地域自治体との結びつきが強く、警察が為政者と通じて汚職や組織犯罪を完全に隠してしまうことも多いようです。
警察組織は通常の形態で、警察署の中にいくつかの部署があり、刑事や警察官が業務を担当します。警察組織に務める場合は、警察学校で訓練を受けなければなりません。
▼国家警察
全警察組織に対して指揮監督を行う部署で、首都に庁舎が存在します。基本的に現場での捜査は担当しませんが、国際部や秘密警察などは国家警察に所属する場合は、政治犯などを対象とした捜査を専門に行います。
▼自治体警察
州/小州/準州の警察業務を監督します。また、広域の犯罪を取り扱ったり、応援要請があった場合は地域に出向いて業務を手伝います。これには1つの市を統括する市警察や地方警察といった下部組織があります。
市警察はさらに地域警察や街区警察といった小さな部署を管理しています。地方警察は市に含まれない地域(群や島など)を管理する部署となります。形式的には市警察と同等の立場にありますが、実際には地方警察の方が立場は低いようです。
▼首都警察
州警にあたる大きな組織で、首都周辺の警察業務を取り扱います。首都に存在する重要施設などの警護も首都警察の担当です。
○特殊な部署
▼武装警察隊
いわゆる機動隊のような役目を果たす部署で、武装警官たちで形成されています。変異現象による犠牲者を救ったり、あるいは暴動を鎮圧したりといった仕事をこなしたりします。
▼広域捜査部
複数の地方にまたがって犯罪をおかした者を担当する刑事です。これは国家警察に所属する部署となりますが、地方では嫌われることが多く、協力を得られないことも少なくありません。
◇騎馬警官隊
主に緊急時に出動する広域捜査部門で、騎馬の機動力を活かして素早い追跡や封鎖を行なう目的で設立されました。
▼公安警察部
警察組織内の特別調査機関です。非合法な活動が多く、その悪名は国外にも広まっています。その勤勉さを皮肉って、民衆は影で彼らのことをすりきれコートと呼んでいます。
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司法
○法務院
独立した司法組織として存在しますが、実際には皇帝の意見が強く反映されるため、立法・行政に対する抑止力とはなっておりません。
▼長官の任免
法務院長官の任免権は皇帝が持ちます。ただし、立法院は法務院長官および裁判官の弾劾裁判権を有しているため、これによって罷免される可能性はあります。
○裁判所
裁判所は上級裁判所(州/小州/準州)、下級裁判所(地域自治体)の順に整備されています。これらの裁判所は、皇帝の権限において法務院の監督を受けて裁判を行いますが、その地方出身の貴族が裁判官として多数登用されるため為政者の影響力が強く、必ずしも公正な裁判が望めるとは限りません。
裁判の進行方法は現実世界とほぼ同じ方式で行われ、判決に不服があれば控訴を行うことが出来ます。また、これら地方の裁判所の上には帝国裁判所が設置されており、上級裁判所からの上告が認められています。しかし、警察組織や地方の裁判所が為政者に与している場合は、不当投獄によって上告が妨げられる場合もあるようです。
▼法の適用
民法、刑法、商法、および裁判手続き等は、共通法として帝国全体で取り決めが為されております。この他にも州法として規定されている条件があれば、それに基づいて裁判を行う必要があります。
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特別政策
○富国強兵
先代皇帝バウムアネス1世の時代より、帝国では富国強兵政策を展開しています。
▼産業育成
産業育成の目的で教育改革が行なわれ、中等学校以上の学校数の増加や、国立の専門学校(工業学校、農業学校など)の創設が行なわれました。また、鉄鋼や機械製造など分野では税制上の優遇措置が取られておりますし、国家主導で鉱山開発を進めたり、新技術の開発者に補助金や報奨金を出すなどしています。▼交通網の増強
産業発展および軍事上の理由から、現在は国営鉄道の敷設や定期汽船の増設・増便などを行なっています。また、物流の促進と自動車の普及を積極的に行なう目的で、都市を結ぶ街道の整備にも取りかかっています。▼貧困者農園
国家が貧困者に対して土地を貸し、農業を行わせて生活を救済しようというものです。農園貸与は手間がかかるために、他国の自治体ではあまり好まれてはおりませんが、ライヒスデールでは富国強兵政策の一環として、この農園を活かして労働力を余すところなく活用しようとしています。▼国営軍事工場
官営工場はバウムアネス1世の治世に模範工場として創設され、後にその大部分が民間へと払い下げられました。しかし、国営工場として一部の軍事部門は残されており、貧困者の救済措置と称して低賃金で労働を行なわせたり、実験兵器のテストに利用しているようです。
○異民族排斥
皇帝バウムアネス2世はリミュール人を最も優秀な民族であると宣言し、少数異民族の排除を積極的に行っております。また、リミュール人以外の民族の地位を低いものとしており、政府機関の重職も全てリミュール人で占められています。この徹底した自民族主義の下では、奴隷の存在すら認めておりません。
この過激な選民主義に関しては国民の中でも賛否両論あるのですが、声を大にして反対することは皇帝への反逆とみられるため、影で密かに論議されています。この傾向は最近ではさらに顕著になっていますが、これは最近になって密告令というものが発布されたからです。密告令は国家秘密保護法の一部として通過した法案であり、反国家的言動や密偵行為の密告を奨励するというものでした。通報者には報償として幾らかの賞金が与えられます。国家秘密保護法はもとより軍事機密を守るための法案だったのですが、それは表向きのことで、強力な国家統制を目的として作成されたというのが実状です。現在の秘密警察の検閲は、時には個人の手紙も開封されるほどの徹底ぶりです。
○その他
▼帝国秩序法
帝国内の秩序を乱す者を逮捕・投獄したり、その活動を制限するための法律です。しかし、その基準はきわめて曖昧で幅広くとられており、ほとんど官憲や裁判官の解釈次第となっています。風刺演劇でさえ民衆を扇動する目的であるとされ、劇場封鎖などの措置を受けています。
▼帝国健康安全保険局
国家人民の心身の健康を保全するという名目で設置された、皇帝直属の特殊行政機関です。これはいわゆる保険衛生業務を担当する部署ではなく、帝国内の秩序浄化が目的でつくられたもので、人間狩りを行なうのが主な仕事となります。
たとえば、不定居住者を衛生上の問題として都市から追放したり、栄養事情の改善と称して貧困者農園に働き手を送ったりという具合です。また、精神的疾患として反国家的活動を行なう者をとらえて「特別治療」を行なったり、人類学的見地から行なう学術的調査と称して少数民族をとらえ、学術実験の結果として死に至らしめるなど、保険局という名からは想像できない業務も行なわれているようです。
なお、これらの業務を行なう実動部隊は、さながら軍隊のごとく武装して活動しており、その風貌から鉄帽隊と呼ばれて人々におそられています。
▼文書発行条例
新聞に反政府的論説が掲載されたことから発布された条例で、これによって書物や新聞の発行には自治体の認可が必要となりました。禁書となった書物も数多くあり、それらは発行停止となったり回収されて焼却処分とされています。こういった中で闇新聞と呼ばれる文化が発達し、人々の反政府的な活動はますます地下に潜る結果となっています。
▼国家反逆者取締法
帝国に反逆する言説や行動に対する取り締まりを行うための法律で、宮廷侮辱罪なども含めた総合的なものです。皇帝に対するちょっとした不満を言っただけでも逮捕・投獄される可能性があるため、民衆は井戸端会議でさえ小声で行うようになっています。
▼浮浪法
乞食、旅芸人、賭博師などの、定住や労働を拒む者を取り締まる法律です。現在審議中の法律で、これによって治安がよくなると歓迎する者も多いのですが、都市は宿無しの肉体労働者も多く抱えていることから、産業構造に大きな打撃を与える可能性もあります。
▼学生運動
かつてバウムアネス1世は教育改革によって知識人層を育成し、国政を担う新たな人員を育ててきました。これは君主権力による上からの改革を行うために必要なことでしたが、書物を通じて諸外国の制度を学んだ知識人たちの中には、現在の制度に反発して反政府運動を行う者も数多くいます。また、現在の学生たちも影で学生大会などを開いて、政治の在り方について討論を行うなどして、改革を目指して活動を続けています。
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