基本情報
○概要
シャドウ・ファントム(幻影霊魂)とは、生者や死者の魂のようにもともと存在するものではなく、何らかの情報を元に新たに生み出された霊魂のことです。
この世界では変異現象などの影響によって、集団の意識や共有概念、あるいは過去の記憶や情報といったものが、現実の現象や存在に変化することがあります。このようにして生まれた霊魂がシャドウ・ファントムで、独立した1つの意識として活動します。
▼自我
1つの霊魂になった時点で、これらは人格のようなものを持ち、根源となった思念に従って独自に活動します。▼憑依
シャドウ・ファントムは実体を持たないため、活動するためには何か実在するものに憑依する必要があります。
○種類
シャドウ・ファントムには以下の3つのタイプがあります。なお、これらの要因が複合して生まれる場合もあるようです。
▼複製
生物や死者の霊魂の情報が複製されることで、シャドウ・ファントムが生み出されます。単体の霊魂だけでなく、複数の霊魂がベースとなる可能性もあるようです。▼化身
誰かが抱く願望、想像、概念といったものが、化身としてシャドウ・ファントムに変化したものです。▼架空存在
誰かがその誕生を強く望めば、物語の中のキャラクターなどの架空存在が、霊魂として1つの意識を持つに至ることもあります。また、過去に死亡した英雄などが、人々の願望によって蘇ることもあるでしょう。
○思念
シャドウ・ファントムを生み出すのは、主に何らかの存在が抱く強い願望となります。
▼種類
シャドウ・ファントムの根源となる思念は、夢や希望といったポジティブなものだけではなく、憎悪や悪意に染まった思いも含まれます。▼反作用
願望とは全く逆に、恐怖や不安といった思いがシャドウ・ファントムを生み出し、人々に害悪を与えるために活動することもあります。▼集合思念
単独の存在が抱く思いだけでなく、ごく弱い思念が集合することでシャドウ・ファントムが誕生することもあります。なお、このような場合は、核となる強い意識存在に霊魂の性質が左右されたり、主要人格として活動することが多いようです。▼蓄積
現在、誰かが抱いている思いだけでなく、過去からの想念の蓄積によってシャドウ・ファントムが誕生する場合もあります。たとえば、夢に破れた大勢の人間たちの、情熱や執念の残骸が集まってシャドウ・ファントムが生まれ、その願望を果たすために活動を開始することもあるわけです。▼種類
人間以外の生物や妖精、あるいは死者の霊魂なども、シャドウ・ファントムの根源思念を生み出す可能性があります。
先頭へ
憑依
シャドウ・ファントムは単体では物理世界に影響を及ぼすことは出来ず、何らかの実体に憑依することで、はじめて行動が可能となります。
○休眠状態
▼定着
シャドウ・ファントムが霊魂のままでいる時は、眠ったような状態で特定の場所にとどまっていたり、物体に宿ったままとなっています。
これも1種の憑依といえますが、活動不可能な対象に宿っている状態のことを、ゲーム内では『休眠定着』と呼んで区別します。定着する場所や物質は、全く無作為に選ばれることもありますが、多くはその霊魂に関連性の高いものとなります。たとえば、死者の霊魂であれば遺品や墓地となりますし、架空存在であれば書物などが該当します。
なお、場合によっては、シャドウ・ファントムが誕生すると同時に、活動可能な対象への憑依が行なわれる場合もあるようです。
▼行動
休眠状態にある間は、霊魂として活動を行なうことは一切できません。この間に可能となる唯一の行動は、定着している場所を通過した者や、定着物品に接触した相手に取り憑くことだけです。
○憑依対象
シャドウ・ファントムは生物/非生物のいずれにも憑依することが出来ます。しかし、何に憑依してもよいわけではなく、活動できる対象は以下のものに限られます。
▼シャドウ・ビーイング
シャドウ・ファントムが生物に取り憑いた場合、その結合した状態にある存在を『シャドウ・ビーイング』と呼びます。
◇憑依条件
憑依できる生物は、意識を持って活動しているものに限られます。怪物でいえば、知能が「なし」となっている対象には憑依はできず、少なくとも「動物なみ」以上の対象でなければ、取り憑くことは出来ません。
また、基本的には形態的に類似した存在ほど憑依しやすく、相似点が少なくなるほど難しくなる傾向があります。形状が大きく異なる相手の場合は、変身憑依の【精神抵抗】の難易度が低下してしまいます。ただし、同じ人間同士などの場合は、この影響を受けることはありません。
▼ファントム・ドール
シャドウ・ファントムが物質に取り憑いた場合、その結合した状態にある存在を『ファントム・ドール』と呼びます。憑依対象となるのは以下の物質で、憑依した段階で通常の肉体へと変化します。
◇遺体
シャドウ・ファントムは生物の遺体に取り憑くことが出来ます。◇人形/ぬいぐるみ
自身の姿に似た人形やぬいぐるみに憑依する場合もあります。◇素体人形
人形系や傀儡系術法に用いる素体人形は、霊魂が取り憑きやすいことが知られており、通常はそれを防ぐ紋様が施されています。しかし、この紋様を刻んでいなかったり、破損や劣化などが原因でこれが機能しなくなっている場合は、シャドウ・ファントムの憑依対象となります。◇霊媒物質
心霊体と同様に、霊媒物質をその肉体とすることが可能です。◇霊子物質
霊石や霊水などの霊子物質に憑依し、自らの肉体とすることが出来ます。
○変身憑依
通常の霊魂とシャドウ・ファントムの最も大きな違いは、霊魂が乗り移った後に憑依対象の存在が変化し、全く別の存在へと変貌してしまうことです。このため、シャドウ・ファントムの憑依は、特別に『変身憑依』と呼んで区別します。
▼変身
シャドウ・ファントムが取り憑いた対象は、黒い霧のようなものに覆われた後に、霊魂が規定する情報に応じた姿へと変化します。たとえば、シャドウ・ファントムが死者の霊魂の複製であれば、憑依対象は死者の生前の姿へと変わります。この時は身につけている衣装や品物なども同時に生み出され、通常の物品と同じように扱うことが出来ます。▼能力
変身による効果は姿形だけでなく、肉体的な能力も完全にシャドウ・ファントムのものとなってしまいます。また、シャドウ・ファントムが持つ特殊能力も発動することが出来ます。▼意識・記憶
シャドウ・ビーイングの場合、変身憑依が行なわれている間は、憑依対象となる生物の意識は休眠状態に陥っています。休眠中は全く意識がなく、眠っているのと同じ状態となります。▼肉体
シャドウ・ファントムは取り憑いた相手を核として肉体を形成します。この時に生み出された肉体は、通常と同じようにダメージを受けることは間違いなく、見た目には怪我を負ったりするのですが、実は憑依対象となる生物や物体には何の影響も与えておりません。
通常の生物であれば死亡するようなダメージを受けた場合も、霊魂が概念上の死を迎えて消滅するだけです。その時は変身憑依の時と同じように黒い霧に覆われますが、それが消えた後には意識を失った無傷の人間や、傷1つない人形や遺体が残されます。
○憑依と解除
▼憑依
憑依が行なわれるのは、シャドウ・ファントムと接触が起きた際に、霊魂の側から憑依を働きかけることで行なわれます。この際、憑依対象は【精神抵抗】による抵抗判定を試みることが可能です。▼解除
憑依状態は通常の霊魂と同様の条件で解除されます。つまり、霊魂が自らの意思で憑依対象から離れるか、術法などによって強制的に解除することで憑依状態は解かれます。▼特殊条件
物質に宿る形で現世にとどまっているシャドウ・ファントムの場合、その物を身につけている間しか憑依できないなど、何らかの制約を受ける場合があります。また、概念や架空存在がシャドウ・ファントムへと変化した場合は、月の出ている間しか活動することが出来ないなど、根源となる情報によって条件が規定される可能性があります。これらは個々の霊魂によって異なるもので、シナリオに応じてGMが設定することになります。
先頭へ