シーン管理
アクションシーンは戦闘などの処理を行うためのもので、細かく時間を区切ってキャラクターの行動を管理します。
○開始と終了
アクションシーンはGMが宣言した時点から開始となり、戦闘や逃走劇などに何らかの決着がついた時点で終了となります。
▼ラウンド
アクションシーンはラウンドという単位で時間を区切って処理を行ないます。1ラウンドはおよそ10秒となります。▼パート
ラウンドは準備パートと行動パートの2つの局面に分かれます。
○行動処理の流れ
まずは、アクションシーンの基本的な処理手順を説明します。
▼シーン参加者の確認
実際の戦闘に突入する前に行うべきことは、登場するキャラクターを確認することです。状況によっては、シーンに途中から参加したり、離脱することもあります。
▼開始
GMがアクションシーンへの移行を宣言したら、1ラウンド目の開始となります。ラウンドの最初に行うのは準備パートの処理で、次に行動パートを処理します。そして、全てのキャラクターが行動を済ませた時点でラウンド終了となり、次のラウンドへと移行します。アクションシーンの処理はこの繰り返しとなります。
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行動順番
各パートにおける行動の順番は、以下のように決定されます。
○基本
▼準備パート
準備パートでは特に順番は関係ありません。GMの指示に従って、それぞれの処理を行って下さい。
▼行動パート
◇順番
行動パートでは、【行動力】(=判断+感応)の大きい順番に処理を行います。【行動力】の値が同じ者が複数いる場合は、【敏捷】の値が高いキャラクターから先に行動することになります。【敏捷】の値も同じ場合は、PC側の行動順番を先にして下さい。PC間での順番決定は、プレイヤー同士の話し合いで決めて構いません。◇例外
自動的にラウンドの最後に順番が回される行動も存在します。このようなキャラクターが複数存在する場合は、【行動力】が大きいものから行動できるものとして扱って下さい。◇実際の処理
【行動力】の大きいキャラクターから、順に行動を処理してゆきます。この時は、細かくカウントを行っていては時間がかかるので、キャラクター毎にGMが行動内容を尋ねるとよいでしょう。待機者がいる場合、いちいち行動するかどうかを確認するのではなく、一番最後に行動するという前提で処理を行って下さい。なお、PCの行動順については、アクションシートに行動力と順番を記入しておけば、確認を行う手間が省けて便利となります。
▼更新
一番遅いキャラクターの行動が済んだ時点で、そのパートは終了となります。次の行動パートでは、再び【行動力】の大きい順に処理を行って下さい。
○待機状態
▼通常待機
特に行動を行わない場合は待機状態として扱われ、次のパートまで現在の状態を保つことになります。
◇待機状態の解除
それまで無行動だったキャラクターは、【行動力】以下のタイミングであれば、いつでも待機状態を解除して行動を試みることが出来ます。自分が行動したいタイミングとなった時に、GMに告げて下さい。◇割り込み
他人が何をするか発言を聞いてから割り込んだ場合は、双方が全く同じタイミングで行動を開始することになります。この時は、他人が行動処理を終える前に、宣言を行わなければなりません。行動処理はGMが指定した順番で行いますが、実際には全く同時に行動したことになります。
▼継続待機
1つの行動について準備を済ませている状態であれば、継続待機という特殊な待機状態を維持することが出来ます。たとえば、銃器をずっと構えて敵の出現に備えるなどした場合に、この行動を選択することが可能となります。
◇効果
継続待機の状態はラウンドをまたいで効果を発揮するもので、以降のラウンドは行動力の大きさを無視して、行動の順番を自由に選択することが出来ます。なお、継続待機を試みている者同士が、まったく同じタイミングで行動を選択した場合は、通常と同じように同時行動として処理されます。◇割り込み
継続待機の状態にある時は、他のキャラクターの行動宣言を聞いてからでも、相手に割り込んで先に行動を開始することが出来ます。◇制限
継続待機が効果を示すのは、準備している1種類の行動のみとなります。その他の行動を試みる場合は、通常と同じように行動順番を決定して下さい。◇ペナルティ
この行動を選択した場合、準備している行動を実際に試みるまでの間は、集中状態が維持されているものとみなされます。この間に何か他の行動を行なう時は、複数行動のルールが適用されることになります。また、回避や抵抗も含めて、自分が能動行動を終える前に他の行動を試みた場合は、自動的に継続待機の状態は解除されることになります。その後は、通常状態と同じように行動順番を処理して下さい。
○先制対決
銃での決闘のように、複数の者が全く同じタイミングで行動を試みる場合は、通常とは異なる方法で行動順番を決定します。
▼行動と先制値
この時は全員が同時に行為判定を行い、達成値を決定します。そして、次に先制値(=行動力+達成値)という値を算出して、それぞれGMに申告します。行動は先制値が大きいキャラクターから処理され、それぞれの結果を順番に適用してゆきます。そして、全員分の行動が終了した時点で、対決の処理は完了となります。
先制値が同じ者が複数いる場合は、通常と同様に【敏捷】が高い者の行動順番を先にして下さい。【敏捷】の値も同じ場合は、PC側が先に行動することが出来ます。PC間での順番決定は、プレイヤー同士の話し合いで決めて構いません。
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準備パート
行動処理を行う前にキャラクターの状態などを確認するためのパートです。ここで行う処理は、遭遇処理と状態確認の2つに分けることが出来ます。
○遭遇処理
準備パートの最初に行うのは遭遇処理です。これは個人や集団が遭遇したラウンドのみ生じるもので、それ以外でこの処理が行われることはありません。
▼先制行動の決定
アクションシーンの開始ラウンドでは、相手の存在に気付いた者だけが行動を行うことが出来ます。詳しい判定方法などについては、こちらの「不意打ち」の項目をご覧下さい。
○状態確認
位置する場所や怪我の具合など、キャラクターの状態をチェックします。
▼確認事項
◇シーン参加者の確認
現在、戦闘に参加しているキャラクターを確認します。◇抵抗
ラウンド毎に行う抵抗判定などを処理します。◇ダメージ
気体、火炎、毒などによって受けるダメージの処理を行います。術法による継続ダメージなどもこれに含まれます。◇状態の確認
姿勢や怪我といったキャラクター状態や、周辺状況によって与えられる修正値などの確認を行います。◇影響の回復
解除や抵抗判定のタイミングが準備パートとなっている場合、この段階で影響回復/抵抗判定を行います。回復のために何らかの判定が必要な場合は、GMの指示に従って処理を行って下さい。
▼ペナルティ
◇周辺状況
周囲の見通しが悪かったり、足場が不安定な場所では、行動にマイナスの修正を受けることになります。◇転倒/匍匐姿勢
転倒したり匍匐姿勢を取っている間は、運動に関する判定に−4修正を受けます。また、体勢回復を行うまで移動は不可能、もしくは移動力0として扱われます。◇捕縛
足を挟まれるなど体の一部が捕縛されている間は、運動に関係する判定に−2の修正を受けます。また、体勢回復を行うまで移動は不可能となりますし、状態によっては反射回避を試みることが出来なくなります。◇座位/膝つき
座った状態や膝をついた姿勢を取っている間は、運動に関する判定に−2修正を受けます。また、姿勢変更を行うまで移動は不可能、もしくは移動力0として扱われます。◇逆腕
利き腕ではない方の腕を用いた行為判定には、−4修正を受けることになります。◇朦朧状態
朦朧状態にある間は能動行動を取れなくなる上、全ての判定に−4修正を受けます。◇恐慌状態
恐慌状態にある間は、能動行動を取ることは出来なくなります。回避判定や抵抗判定などの受動的な行動を試みることは可能ですが、まともな会話をしたり正常な判断を下せないまま、状況に対応するだけで精一杯となります。◇気絶/昏睡
気絶や昏睡状態にある間は、周辺状況の確認も含めて、一切の行動を試みることが出来ません。この状態にあるキャラクターにとどめを刺す場合は、判定を行う必要もなく確実に殺すことが出来ます。◇視線
相手から視線を外すなどして戦う場合は、視覚を必要とする判定に−2修正を受けることになります。また、背後などの死角からの攻撃を受ける場合には−4修正、完全に盲目の状態では−6修正がかかります。◇高さ
相互に高低差がある状態での近接戦闘では、低い方にいる側は相手を攻撃しにくくなるため、攻撃判定に−2修正が与えられます。
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行動パート
実際にキャラクターの行動を処理するパートです。
○行動処理
▼順番
行動力の大きい順に処理を行って下さい。▼行動機会
各キャラクターは行動パートの間に1回ずつの行動機会が与えられます。▼種類
キャラクターが試みることが出来る能動行動には、フルアクション(全行動)とマルチアクション(小行動+本行動)の2種類があります。自分の順番が来た時に、いずれかを選択して下さい。
○フルアクション(全行動)
1ラウンドを通じて、1種類の行動に従事する場合に選択します。数ラウンドにわたって行動を継続して行うこともあります。あまりに複雑な作業の場合、終了までにどの程度の時間を費やすのかは、GMが任意に決定して下さい。
▼行動の種類
◇複雑な作業/思考
集中して取り組まなければならない複雑な作業や高度な思考を行なう場合は、フルアクションとして扱われます。◇治療
出血を止めたり人工呼吸を行うなど、時間のかかる治療はフルアクションとして扱われます。◇術法/発動
術法の発動はフルアクションとして扱われます。補助動作を加えた発動スタイルの場合は、通常と同じように【行動力】に従って行動順番が決定されます。しかし、精神集中のみを発動スタイルとした場合は、自動的にラウンドの最後に発動判定を行うことになります。なお、これには幾つかの例外がありますので、詳しくは術法系統のデータを参照して下さい。◇術法/精神集中
タイプが集中となっている術法の場合、効果を維持するためには特定の行為を集中して行う必要があります。これは継続作業に分類される行動なので、フルアクションとして扱われます。◇術法/その他
術法の効果が継続している間に、他者に影響を与えたりするために、術法判定を行なう場合もあります。この時、特に記述がなければ、それらの行動はフルアクションとして扱われます。◇特殊行動
フルアクションに分類される特殊な戦闘行動も存在します。詳しい内容は戦闘関連のルール内で解説します。・関連:特殊攻撃、防衛行動、移動妨害
◇その他
その他の時間や手間のかかる全ての行動です。アクションシーンはラウンドという時間単位で区切られているだけであり、キャラクターは普通の状態と何ら変わりなく行動することができます。例に挙げられている以外の行動をとる場合もあるでしょうが、GMは常識の範囲内で判断すれば特に問題ないと思われます。
▼行動の妨害
フルアクションで作業に集中している間に妨害を受けることもあります。このとき、作業を中断して妨害に抵抗するのであれば、特に行動にペナルティを受けることはありません。しかし、作業を続行しながら回避などを試みるのであれば、複数行動として扱われることになります。どのような作業にこの修正が適用されるのかは、状況や行動内容を考えてGMが判断して下さい。
複数行動とみなされる行動については、それぞれ−3修正を加えて判定しなければなりません。詳しい判定方法については、こちらの「複数行動」の項目をご覧下さい。
○マルチアクション(小行動+本行動)
1回の行動機会につき、小行動と本行動をそれぞれ1回ずつ行うことが出来ます。自分の行動順番が来た時に、2種類のアクションを連続して行って下さい。
小行動と本行動は、どちらを先に行っても構いません。それぞれ1回ずつであれば、小行動の後に本行動を行うのも、本行動の後に小行動を行うのもプレイヤーの自由となります。▼小行動
小行動とは判定を必要としない簡単な行動のことで、以下のような行動を1つ選んで試みることが出来ます。これはきわめて短い時間で達成できる行動に限られ、他人に影響を与えるような行為は含まれません。
◇通常移動:[移動力]m
[移動力]mの距離を移動することが出来ます。◇周辺状況の確認
周辺を見渡し、状況を詳しく確認するための行動です。通常の状態であれば、自動的に視野内の状況を認識していることになるので、特にこれを試みる必要はありません。しかし、特別に何かを詳しく観察するような場合や、振り向いて背後の状況を確める時には、この行動を選択しなければなりません。また、意識が回復した直後などは、自動的に状況確認を行うことになります。◇姿勢変更
転倒状態から起き上がる、座った状態から立ち上がる、しゃがみ込む、匍匐姿勢を取る、といった行動です。◇潜伏/変更
近くにある遮蔽物に身を隠したり、自発的に潜伏状態を変更することが出来ます。潜伏状態には部分遮蔽と完全遮蔽の2種類があります。◇射撃専念/投擲専念
事前に相手に狙いをつけることによって、安定姿勢で遠隔攻撃が出来るようになります。これを試みた場合は、中距離以上の射程距離にいる相手にも攻撃することが可能です。ただし、実際に攻撃を行う前に何か別の行動を取った場合、この状態は解除されてしまいます。◇準備作業
能動行動の準備を行うための作業で、近くにある物を手に取ったり、所持している物を即座に使える状態にするなどの行為です。・例:ポケットから物を取り出す、武器を鞘から抜く、矢をつがえる、弾倉の交換、持っている物を懐に仕舞うなど
▼本行動
メインとなる行動処理で、攻撃など他者に影響を与えたり、判定を要する行動を取ることが可能です。
◇能動行動
あまり複雑な作業を必要としない行動を、1度だけ試みることが出来ます。能動行動として認められるのは、受動行動を除いた殆ど全ての行動となります。判定が必要となる行為を試みる場合は、選択した行動内容に応じた技能を用いて下さい。判定を行う必要のない行動の場合は、条件さえ整っていれば自動的に成功することになります。◇全力移動:[移動力×2]m
[移動力×2]mの距離を移動することができます。◇移動行動
移動しながら別の行動を試みる場合の移動方法で、他者の影響範囲から離脱したり、封鎖状態を突破するなどの行動を試みることが出来ます。この場合の移動距離は[移動力]mとなります。◇体勢回復
何かに挟まれて動けない状態から抜け出すなど、姿勢の回復に時間がかかる場合に適用される行動です。これは自分の体勢を回復するだけでなく、他人を助け起こしたりする行動も含まれます。◇気付け
気絶した者を揺り動かして目覚めさせるといった行動です。◇小行動
小行動に含まれる行動の全ては、本行動でも試みることが可能です。
○補助行動
特にルール上で制限されていない場合、以下の3種類の行動は、フルアクションやマルチアクションと合わせて試みることが出来ます。
▼補助移動
移動以外の行動を取る場合、その前に個人の影響範囲内(半径3m程度)での移動を追加で行うことが出来ます。影響範囲については、「影響範囲と乱戦状態」の項目で詳しく説明します。▼瞬間行動
手に持っている物を投げ捨てるなど、無意識に試みることが出来る瞬間的な行動です。
○発言・会話
アクションシーンの中でも、キャラクターは通常と同じように言葉を発することが出来ます。会話や指示を行なう場合は、以下の基準に従って行動の種類を判断して下さい。なお、特に他者に影響を与えないような発言であれば、厳密にルールを適用しなくても構いません。
▼単語(補助行動)
単語を発する程度であれば、補助行動としていつでも普通に試みることがことが出来ます。この場合、能動行動には特に何の影響も与えません。▼短文/指示(小行動)
幾つかの単語からなる短文の場合は、マルチアクションの小行動として扱われます。この場合、発言は一方的なものとなり、誰かの行動/行為判定に影響を与えることは出来ません。▼長い会話/具体的指示(本行動)
相手に対抗判定を行なわせたり味方の行動にプラス修正を与えるなど、他のキャラクターの行動/行為判定に影響を及ぼす発言の場合は、マルチアクションの本行動として処理して下さい。
○判定処理
▼基本
判定が必要となる行為を試みる場合は、選択した行動内容に応じた技能や能力を用いて判定を行って下さい。判定処理は通常シーンの時と全く同じ方法で行います。▼対抗判定
その能動行動が誰かに向けたものであり、相手がそれに対して防御や抵抗を行う場合は、対抗判定の処理を行います。衝撃ダメージや体勢などによる影響がなければ、受動行動はいつでも行うことが可能ですし、回数に制限を受けることなく何度でも試みることが出来ます。▼変化と描写
判定によって状況に何か変化が生じた場合、GMは結果に応じた描写を行い、状態についてプレイヤーに説明しなければなりません。また、それによって次の行動に影響を受ける時は、修正値などを与えて判定を行わせる必要があります。
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