新技術/特殊機械

生体機械憑依機械


 

生体機械


 科学魔道の時代には生命と機械を連結させる技術が存在しましたが、それは非常に高度で複雑な手段を要します。そのため、現在のエルモア地方ではこれを真似ることは不可能ですが、以下のような手段で簡素な技術を構築することは不可能ではありません。


○錬金術

▼義肢開発
 錬金新派と呼ばれる派閥に、エリティアという錬金名を持つ女性がいます。彼女は生命金属や有機連結金属を利用した、『エリティアの銀腕』と呼ばれる義肢の開発を行っており、現在のところ以下のような技術を生み出しています。これを改良することで、将来的に機械と生命体を連結し、自らの意思で機械の体を自由に動かせるようになるかもしれません。

・関連エリティアの銀腕


▼精神感応物質
 心霊秘学の分野では、霊魂の感情の動きに連動して回転運動を行う、『心霊歯車』という機械が開発されています。これを応用した技術が、錬金新派が生み出した『アゼルバインの生命歯車』で、人造霊魂の精神作用を生体の動きに反映させる目的で開発されました。この生命歯車は生物にも応用できるものであり、生命秘学や元素秘学の技術と組み合わせることによって、精神に感応して動く歯車やバネを作製することが可能となります。

・関連アゼルバインの生命歯車心霊歯車トルティカナルの生命螺子図面


○金属経蟲

 金属経蟲というのは新大陸エスティリオに存在する技術で、魔道蟲や有機連結金属を原料としてつくられる、非常に特殊な金属生命体です。これは内部に霊的回路を保持しており、結合した生命体の精神に感応して動く性質を持っています。これはそのまま義手として利用できるものですし、有機連結金属を用いて機械と連結することで、機械制御を容易に達成できる可能性があります。
 しかし、金属経蟲には幾つかの欠点があります。まず、これは魔道蟲の技術を応用しているため、結合させるためには激しい苦痛を伴います。また、霊魂が宿る危険性があるため、それを封じるための措置(霊刻)が施されていますが、まれに刻印が機能を失うことがあるようです。そのため、使い手が精神に異常をきたしたり、自動的に動き出すような事態が生じる可能性があります。このような理由から、新大陸で実際にこれを利用している者は殆どおらず、現在では技術のみが細々と継承されている状態です。

・関連魔道蟲


○制限

▼認識
 これらの技術を用いても、実際に機械を制御するのは人間の意思となります。そのため、自身が作動原理を理解できていない場合や、人間が制御・認識するのが不可能な機構を動かすことは出来ません。


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憑依機械


 機械に霊魂を憑依させることで、人間が制御する必要のない自動機械を生み出すことが出来ます。これは変異現象によっても起こる現象で、これまでに幾度もそういった機械が問題を起こしたことがあります。そのため、霊魂が機械を動かせるという事実は、その問題に関わった人間ならば知っている可能性があるわけです。しかし、技術として確立するとなると、変異現象のような偶然に頼るわけにはゆきません。また、その下地となる技術が存在しなければ、この発想を形にすることは不可能です。


○可能性

 憑依霊魂による機械制御技術を誕生させる可能性があるのは、やはり錬金術師ということになるでしょう。彼らの中には心霊現象について研究している者もおりますし、精神秘学の分野にも参考となる技術が存在します。


◇連結
 霊魂が憑依した物質と機械は、有機連結金属で繋ぐことが出来ます。しかし、霊魂の意思を実際の物理反応に変換するには、間に精神活動に反応して動く物質を介在させるなど、何らかの工夫が必要となります。
 たとえば、ミズガネ(水鉄)と呼ばれる、水銀のような性質を示す生命金属は、ゆっくりではありますが生物のように活動しています。また、新大陸にある金属経蟲の技術は、より直接的に問題を解決してくれるかもしれません。金属経蟲は接続者の精神に感応して動く生命金属で、これを用いることで自動機械が誕生する可能性は高いでしょう。

◇召霊
 錬金術の心霊秘学の分野では霊魂を呼び寄せる召霊機械も開発されています。また、霊魂が憑依しやすい物質も存在するため、何らかの意識を人工的に物質に宿す技術が、近い将来に確立されるかもしれません。

◇制御
 制御を行う霊魂もまた、どのような性質のものでも適用できるわけではありません。意識のない霊魂が定着し、特定の刺激に反応を返すようであれば、これをパターン化して制御機械に組み込むことが出来ます。また、科学魔道時代にはプログラム化された人工霊魂による機械制御も行われていたため、その霊魂のパターンを霊的回路として獲得すれば、部分的な機能だけでも再現が期待できます。

◇問題
 しかし、要求する機能を備えた霊魂が、偶然に物質に宿ってくれるとは限りません。もちろん、それを発見すること自体に、運と多大な労力が要求されることでしょう。さらには自我を持つ霊魂が憑依したり、もともと自発的意識のない霊魂に自我が宿ることで、自動機械が事件を引き起こす危険があります。


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