肉体の変調

薬物病気窒息と蘇生


 

薬物


 ゲームの中でキャラクターが誤って毒物に触れたり、薬物が飲食物に意図的に投与された場合は、何らかの肉体的影響を被る可能性があります。この項目では、そのような事態に陥った場合の判定について説明します。


○データ

 毒物や麻薬のデータは「データパート5」に記載されています。


▼データ形式
 薬物にはさまざまな種類のものがあり、それぞれ異なる効果を及ぼします。薬物は以下のデータ形式で示されます。
 

◆毒物データ

名称  一般に呼ばれているその薬物の名前です。
不明度  その薬物がどれほど一般に知られているのかを示します。これを難易度として〈薬学〉の判定を行い、達成値が不明度以上であれば効果など詳しい情報を知ることができます。
薬物影響度  薬物の影響の強さを示す値で、データ上では単に影響度と表記されます。影響度は抵抗判定の難易度になります。薬物量の増減により、GMの判断である程度変化させても構いません。
開始時間  薬物が体内に入ってから効果をあらわすまでの時間です。
持続時間  薬物が効果を及ぼす時間を示します。
判別  服用などをした際に、それに気づくかどうかの判定です。ただし、〈薬学〉の判定に成功していなければ、種類や効果についてはわからないままとなり、判定に成功しても違和感を感じるだけにとどまります。
方法  どのような経路で相手に薬物を与えるかです。接触、服用、吸入、注入などの手段があります。
説明  その薬物に関する詳しい説明です。
効果  抵抗判定の成功時、失敗時、および特殊条件下での失敗時に適用される効果が、それぞれ記されています。
応急処置  薬物の影響を緩和するための適切な応急処置の内容です。


○生命抵抗

 薬物に対する抵抗判定は、【生命抵抗】の値を基準として行います。判定の難易度となるのは影響度です。


▼通常効果
 達成値が影響度以上であれば、判定成功時の効果が適用されます。達成値が影響度に及ばない場合は、判定失敗時の箇所に書かれている影響を受けることになります。

▼条件効果
 特殊な条件で用いられた時の効果は、条件と書かれてある箇所に示されています。ここにあるのは抵抗失敗時に適用される影響となります。なお、大量摂取時や血液中への直接注入時のように、通常よりも強い効果を示すと考えられる場合は、生命抵抗に成功していても通常の失敗時の記述を適用して構いません。

▼ダメージ
 ダメージが適用される薬物の場合は、影響度を効果値の威力ダメージとして扱って下さい。差分ダメージは[影響度−生命抵抗の達成値]として算出され、これが実際に生命値に受けるダメージとなります。


○判別

 投与された毒物が何であるかを判別するには、知識判定に成功しなければなりません。この判定の難易度は、薬物の不明度となります。判定に成功すれば、適切な対処法や解毒薬について思い出すことができます。


▼知識判定
 薬物に関する知識判定を行うためには、《医療知識》に含まれる〈薬学〉の専門分野を習得していなければなりません。判定は薬学(専門:記憶+医療知識)となります。
 判定に成功すれば、薬物の効果や対処法はもちろん、どのような材料から薬物を抽出できるのかといった知識や、死亡状態や患者の容態から摂取した薬物を特定するなど、様々な情報を得ることができます。また、適当な道具があれば、この技能で薬物や毒物を分離・精製することが可能です。特定の薬物をつくる場合は、不明度を目標とする判定を行って下さい。

▼代替技能
 〈薬学〉の専門分野を習得していない場合、その他の技能で代用することになります。ただし、一般分野の判定を行う場合は、成功しても大ざっぱな情報しか得ることができません。
 なお、《化学知識》に含まれる〈薬品知識〉の専門分野では、医薬品や毒物に関する知識を取り扱うことは出来ません。ただし、化学物質を誤飲した時などの対処法については、薬品知識(専門:記憶+化学物質)で判定を行なっても構いません。


○治療と回復

▼応急処置
 薬物の影響があらわれる前に適切な応急処置を行えば、肉体への影響を緩和することができます。この時は、応急手当(一般:記憶+医療知識)の判定を行います。
 薬物の影響度を目標とした判定に成功すれば、毒を吸い出すなどの適切な応急処置を施したことになります。これにより、応急手当の成功値を、患者の生命抵抗の判定値に加えて抵抗判定を試みることが可能となります。ただし、これによる修正値は最大でも+4までとなります。
 薬物に対する適切な知識がないまま応急手当を行った場合、治療方法を間違う可能性があります。場合によっては容態を悪化させる可能性もあるということを覚えておいて下さい。


▼解毒
 毒は特定の解毒薬、あるいは術法などによって解毒することができます。
 
◇解毒薬
 解毒薬がある場合は、適切な方法を用いて投与すれば、その影響度の分を毒の影響度から引くことができます。これによって、毒の影響度が0以下になった場合は、それ以降の抵抗判定は必要ありません。

◇術法
 術法による解毒の場合は、毒の影響度を難易度とした判定を行い、影響度以上の達成値を出さなければなりません。


▼自然回復
 効果の持続時間が経過すれば、薬物の影響から自動的に回復します。


○簡易表記/毒物

 この世界では、変異現象によって体内に毒をもつようになった生物がたくさん存在します。こういった生物がもつ毒は、大きくダメージ毒、麻痺毒、腐敗毒、致死毒の4つに分けられます。
 この4種類の毒は、ゲーム中の処理の煩雑さを軽減するために、影響度と効果だけで表されています。影響度とは毒性の強さのことで、抵抗判定の際の難易度となります。効果は抵抗に失敗した時にあらわれる症状のことです。


◆毒物の効果/簡易表記

種類 効果
ダメージ毒  【生命抵抗】の判定に失敗した場合は、影響度と達成値の差分だけ生命値にダメージを受けることになります。このタイプの毒物の影響度は、効果値の威力ダメージとしても扱われます。
麻痺毒  この毒を受けた場合、一定時間のあいだは体が麻痺し、自由に動かすことができなくなります。
腐敗毒  この毒が傷口に触れた場合、その部分が壊死してしまいます。治療しないで放っておくと、傷を受けた箇所を失うことになります。
致死毒  この毒を受けた場合、【生命抵抗】の判定に成功しなければ、即座に死んでしまうことになります。


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病気


 キャラクターたちは、シナリオの途中で病気にかかることもありますし、病気にかかった人を救うというという場面があるかもしれません。この項目では、そのような事態に陥った場合の判定について説明します。


○データ

 病気と治療薬のデータは「データパート5」に記載されています。


▼データ形式
 病気のデータは以下に示す形式で説明されています。
 

◆病気データ

名称  一般に呼ばれているその病気の名前です。
不明度  その病気がどれほど一般に知られているのかを示します。これを難易度として《医療知識》に含まれる専門分野で判定を行い、達成値が不明度以上であれば効果など詳しい情報を知ることができます。
疾病影響度  病気の感染力の強さを示す値で、抵抗判定の難易度になります。データでは単に影響度と表記されます。
開始時間  病気に感染してから症状があらわれるまでの時間です。
進行速度  病気に感染した場合、ここに書かれている時間が過ぎる毎に【生命抵抗】の判定を行います。
感染  感染経路と伝染性についてです。
治療手段  有効な治療方法について書かれています。
回復条件  病気が完全に治るための条件です。
効果  抵抗判定の成功時、失敗時、および悪化状態における失敗時の効果が、それぞれ記されています。
説明  病気の効果に関する詳しい説明です。


○生命抵抗

 病気の感染や進行を防ぐためには、影響度を難易度とした生命抵抗の判定に成功する必要があります。


▼感染判定
 病気に感染するかどうかは、影響度を難易度とした【生命抵抗】の判定の結果で決まります。抵抗判定に成功した場合は病気に感染せずに済みます。しかし、この判定で達成値が影響度を下回っていた場合は、開始時間を過ぎたあたりから、効果に書かれている抵抗失敗時の症状があらわれることになります。


▼経過判定
 病気が進行するか回復するかを判断するための判定で、この場合も影響度が難易度となります。抵抗判定に成功した場合は、効果に書かれている成功時の症状が適用されます。達成値が影響度を下回っていた場合は、抵抗失敗時の影響を受けることになります。
 判定は進行速度に書かれている時間が過ぎるごとに行います。これが―(棒線)で示されている病気は、有効な治療が施されるまで、抵抗判定に挑戦することができません。それまで、判定の結果は自動的失敗(達成値0)として扱い、失敗時の効果を毎日適用することになります。


○効果

 病気に感染している間は、抵抗判定の結果に応じた効果が適用されます。


▼種類

◇抵抗力の変動
 効果に抵抗力の減少と書かれている場合は、その分だけ一時的に【生命抵抗】の値が減少します。逆に、抵抗力の回復と書かれている場合は、その分だけ一時的に減少した抵抗力が回復します。なお、【生命抵抗】の減少は0までとなり、マイナスの値になることはありません。

◇ダメージ
 効果にダメージと書かれている場合は、病気の影響度を効果値の威力ダメージとして扱います。差分ダメージは[影響度−生命抵抗の達成値]として算出され、これが実際に生命値に受けるダメージとなります。

◇修正値
 修正値が記されている場合は、指定された行動にその分のマイナス修正がかかります。なお、特に明記されていない限り、抵抗判定に影響を受けることはありません。

◇その他
 書かれている症状がそのまま適用されます。


▼悪化状態

◇適用
 病状が深く進行して、キャラクター自身の【生命抵抗】の値が0まで下がった時は、悪化状態に陥ることになります。なお、キャラクターの【生命抵抗】が0でも、治療などの効果によって抵抗判定は可能となる場合もあります。

◇効果
 この間に抵抗判定に失敗した場合は、通常の判定失敗時の影響ではなく、悪化と書かれている箇所の症状が適用されることになります。なお、悪化時の記述がない病気の場合は、通常の失敗と同じように扱って下さい。

◇解除
 キャラクター自身の【生命抵抗】の値が1以上に回復した場合は、悪化状態が解除されたことになります。なお、医療などの効果で【生命抵抗】がプラスの値になっても、キャラクターの抵抗力が回復したことにはなりませんので注意して下さい。


○判別

▼専門知識
 病状を判別するには、内科医学(専門:記憶+医療知識)か民間医学(専門:記憶+医療知識)の判定に成功しなければなりません。この時の難易度は病気の不明度となります。
 この判定に成功すれば、適切な対処法について思い出すことができます。なお、〈民間医学〉の場合は、判定に成功しても間違った治療を施してしまう可能性があります。

▼代替技能
 医療知識の専門分野を習得していない場合、その他の技能で代用することになります。ただし、一般分野の病状推測(一般:記憶+医療知識)で判定する場合は、判定に成功しても大ざっぱな情報しか得ることができません。
 〈薬学〉の専門分野で代用する場合は、一般分野よりは詳しい内容を思い出すことが出来ますが、必要な薬の種類や製法以外の情報を得ることは出来ません。

▼知覚力
 発症したことがわかりにくい病気の場合は、最初に《観察力》や《知覚力》などの判定を行なわせても構いません。この判定に失敗した時は、患者の変化に気付かなかったことになります。

▼未知の病気
 全く未知の病気や症状に遭遇した場合は、【記憶】ではなく【判断】の能力を用いて診断を行って下さい。


○治療

▼専門医療
 薬師や医師の治療を受ける場合、病気の影響度を目標とした内科医学(専門:記憶+医療知識)、もしくは民間医学(専門:記憶+医療知識)の判定を行います。そして、判定に成功すれば、その時の成功値をプラス修正として【生命抵抗】の値に加えることができます。ただし、この効果は最大でも+4修正までとなります。

▼薬物
 薬を投与した場合、薬の影響度の分を病気の影響度から引くことができます。ただし、適切な薬物を選択するには、不明度を目標とした薬学(専門:記憶+医療知識)の判定に成功しなければなりません。
 薬物によって病気の影響度が0以下になった場合、それ以降は抵抗判定を行う必要がなくなります。そして、抵抗判定に成功した時の症状が、自動的に毎日適用されます。


○回復

▼病気の回復
 回復条件を満たした場合は、自動的に病気から回復することになります。

▼生命値の自然回復
 病気にかかっている間にも生命値の自然回復は起こります。ただし、この時の回復力は通常より一段階下がるため、生命値が1以上の場合でも1日に1点ずつしか回復しませんし、【生命値】が0以下の場合は全く回復しないことになります。


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窒息と蘇生


 呼吸が出来ない状態が長く続いた場合、キャラクターは窒息するかどうかの判定を試みる必要があります。


○窒息判定

▼条件
 事前に大きく呼吸する間がある時は[体力×2]ラウンド、急に水に落ちるなど全く準備がなかった時は[体力×1]ラウンドの間、息を止めていることが可能となります。しかし、これを過ぎても呼吸が出来ない場合は、1ラウンド経過する毎に窒息判定を行う必要があります。

▼アクションシーン
 アクションシーンの場合は、準備パートの際に抵抗判定を行なって下さい。

▼判定処理
 
【生命抵抗】の値を基準とした難易度1の判定に成功すれば、とりあえず1ラウンドの間は窒息せずに済みます。しかし、抵抗判定に失敗したキャラクターは、窒息により即座に気絶状態に陥ることになります。その後、誰にも救助されなければ、そのまま死亡することになるでしょう。

▼修正値
 最初のラウンドは修正値なしで窒息判定を行ないますが、次のラウンドからは−1修正を加えて判定しなければなりません。この修正値はラウンドが経過する毎に累積してゆきます。
 これによって【生命抵抗】の値が0まで下がった場合は、自動的に気絶状態に陥ってしまいます。なお、途中で一呼吸できれば、修正値を有利な方向へ1だけ戻すことが出来ます。

状況の打破
 窒息判定は自由に呼吸ができるようになるまで繰り返す必要があります。なお、呼吸が可能となった時点で、累積したマイナス修正は0に戻ります。


○窒息攻撃

 誰かに首を絞められたりした場合にも、窒息状態に陥る可能性があります。絞めに関する詳しい判定方法については「捕縛行動組打ち」の項目をご覧下さい。


▼判定処理
 首を絞められた場合は【体力】の値に関係なく、絞めによる窒息攻撃が成功したラウンドから即座に窒息判定を行うことになります。また、この場合は絞めの成功値が窒息判定の難易度となります。その他の判定処理については、通常の窒息と全く同じように行なって下さい。

▼結果
 相手を振り払うなどして呼吸ができる状態に戻れば、窒息判定を行う必要はなくなります。また、その時点で累積修正値は即座に0に戻ります。
 抵抗判定に失敗したり、マイナス修正の累積によって【生命抵抗】の値が0になった場合は、キャラクターは自動的に気絶状態へと陥ります。そのまま首を絞め続ければ、やがて死亡することになるでしょう。


○応急手当

▼技能
 窒息状態にある者を目覚めさせるには、応急手当(一般:記憶+医療知識)による人工呼吸を行わなければなりません。

▼回復
 昏睡状態に陥った場合でも、応急手当による難易度1の判定に成功すれば蘇生させることが出来ます。ただし、5分以内に救い出して応急手当を施さなければなりません。


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薬物病気窒息と蘇生