概要
不思議な現象や異世界の住人との接触などを楽しむためのシナリオです。
○目的
幻想シナリオにおける目的というのは、個々の課題の内容によって大きく違うものとなるでしょう。たとえば、幻想事件を解決することであったり、異世界の住人を無事に元の世界に送り返すことであるかもしれません。また、幻想的な変異現象を利用して他の問題を解決したり、奇跡の発動によって自ら幻想的光景を演出するなど、事件そのものが幻想性を内包していないシナリオも考えられます。
プレイヤーとしての目的を強いて言うならば、幻想を幻想のままにとどめながら、問題をうまく解決するということになるでしょう。時には、変異現象とわかっていても、知らないフリをして話を続ける必要があるかもしれません。アンバランスド・ワールドの中では異質な楽しみ方となりますが、これはシナリオの課題を解決することと相反するものではありませんので、ゲームとしては特に問題はないでしょう。
○楽しみ
▼幻想体験
不思議な現象や異世界の住人との接触など、幻想性あふれる状況を堪能することが何よりの楽しみとなるでしょう。▼美しい物語
美しい物語を成立させつつ課題をうまく解決することも、楽しみ方の1つとして挙げられます。▼奇跡
神秘的な状況を自ら作り上げるつもりならば、奇跡の発動をうまく使いこなすことが1つの鍵となるでしょう。奇跡の発動はPC自身が.認識できるものではありませんので、プレイヤーの思惑によってシナリオを演出することが可能となります。
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舞台
○基本
妖精界などの異世界と接触したり、あるいは変異の影響で幻想的な光景や出会いが生まれることもあります。これはエルモア地方に限らず、いずれの場所でも起こりうる可能性があるものです。なお、異世界へ通じる可能性が高いのは、エストルーク連邦国家の水原や、あるいは絶対変異地帯の近辺があげられます。
それから、精霊や天使といった存在との出会いも、幻想的なシナリオをつくるためのネタとなりうるものです。これらもまた、どの地域でも出会う可能性があるもので、特に場所を限定する必要はありません。
○特定地域
特定の地域で見られる変異現象の中にも、幻想的なイメージを喚起するものがたくさんあります。サンプルシティの1つとしてあげられているペトラーシャの都市「サリュンティル」では、癒しの風という現象が起こり、奇跡として非常にありがたがられています。他にもカルネアで見られる白金夜、ジグラットの幻影現象、ソファイアの蜃気楼都市、カルネア領フリスタスで見られる光輝水などがあり、それが与える影響もまたシナリオの要素として用いることができるでしょう。
それから、人の心が引き起こす数々の奇跡もまた、非常に美しい物語を提示するきっかけとなるかもしれません。エルモア地方では、人々の強い思いが様々な奇跡を生み出します。つまりエルモア地方という場所そのものが、幻想を呼び起こす舞台だということができるでしょう。
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シナリオ
○タイプ
▼異界
エルモア地方の人々にとって、異界の存在は神秘の世界に属するものですが、決して遠い存在ではありません。妖精が人間の世界に遊びに来ることもありますし、逆に人間が妖精の世界に紛れ込んだり、変異現象によって生じた閉鎖空間に閉じこめられるといった事件に、自身が巻き込まれない保証などないのです。▼変異現象
幻想的な光景を生じさせる変異現象も数多く存在しますし、変異現象の産物が不可思議な事件の引き金となることも珍しくありません。▼術法/特殊能力
術法データは幻想的な現象を生み出すヒントの塊といえます。過去に発動された術法が事件の引き金となることもあるでしょうし、ペットや子供などが意図せずに術法を用いていることで、幻想事件が引き起こされる場合もあります。▼時空
変異現象が引き金となって空間の繋がりがおかしくなったり、過去の風景が出現することもあります。これを利用して過去の事件をPCに知らせたり、あり得ない事実を成立させることが可能となるでしょう。▼妖精
現実世界に妖精が訪れることもありますし、逆に人間が妖精の世界に迷いこんでしまうこともあります。▼精霊
精霊は宗教機関に異端と認定されていたりもしますが、人間に害を及ぼす存在とは限りません。子供たちと遊ぶためにこの世界に現れたり、人間の味方をすることもあります。▼宗教
宗教的奇跡として認定されている幻想事件も数多く存在します。現実世界にも宗教に関連する神秘的事件は数多く残されていますので、ぜひシナリオ作りの参考にしてみて下さい。また、たとえ誰かが変異現象の影響を受けたとしても、それが宗教的奇跡と認められれば人々に迫害を受けることはありませんから、この事実を積極的に利用してみるのもよいでしょう。▼霊魂
霊といっても悪意ある存在ばかりではありませんし、神秘的現象を起こす能力を持っておりますから、幻想事件の発端として利用するのは難しくありません。また、霊として存在しているということは、現世に何らかの未練を抱いている可能性が高いわけですから、シナリオの課題を生じさせるだけの理由を持っているともいえます。▼錬金術
錬金術によって生み出された物品の中には人間が制御できないものも数多く存在しており、変異現象や術法と同じく幻想事件を引き起こす可能性の高いものです。こういった品々を変異現象の産物と同じように扱うことで、錬金術師をシナリオに登場させなくても事件を成立させることが出来ます。
○原因
▼法則
幻想シナリオだからといって何の脈絡もなく神秘現象が出現したり、原因も法則性もなく散発的に事件が起こるようでは、ただGMのつくったシナリオを聞くだけになりかねません。もし、何らかの現象が起こるのであれば、きちんとした出現法則を設定しておくなど、推理や調査が有効となるシナリオを作成するよう心掛けて下さい。▼精神問題
変異現象によって生じる幻想事件の中には、人間の精神作用が影響しているものも少なくありません。こういった事件を解決するためには、まず精神的な問題を片付けなければならない場合もあるので、それをシナリオの課題としてもよいでしょう。詳しくは、シークレットパート:限定情報の変異現象の項目を御覧下さい。
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その他
○判定
このタイプのシナリオでは、特に必須となる技能は存在しないでしょう。ただし、シナリオを成立させるために、何らかの術法の習得が必要とされる場合もあるかもしれません。
○物品
PCの側で必須とされる物品はありませんが、変異現象によって生まれた産物など、幻想性を高める物品が用いられることもあるでしょう。
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