(C)ルワール開発地 

基本情報自然・要所


 

基本情報


○概要

 C-9、C-10地域はルワールの支配地ではありませんが、鉱山の開発が積極的に行なわれています。


▼労働刑
 この地では原住民のほか、流刑者たちも強制労働を強いられています。ルワール植民地の場合、これらの収容所は単なる犯罪者の監獄施設というだけでなく、抵抗運動に参加する反乱分子の受け入れ先でもあります。これは見せしめの意味合いもありますが、各地の収容所に分散して送ることで、まとまった抵抗を防ぐという目的もあるようです。


○C-9地域

 古くは草原が広がる未開の地だったのですが、聖歴740年代になって山脈奥地に新たな鉱脈が見つかり、ルワール大公国による開発が行われるようになりました。現在もこの地域は、ほぼルワールの支配下に置かれていますが、鉱山資源を狙うライヒスデールが侵攻を企てているという噂もあります。


▼山岳民族
 メナナ高地に住む現地部族は、ルワールの開発に対して激しく抵抗しています。彼らは聖獣信仰者の集団で、中には術法を用いて妨害活動を行なったり、呪装仮面を被って戦う者たちも存在します。また、山中にある洞窟を利用して、神出鬼没のゲリラ活動を展開するため、軍も彼らには手を焼いています。


○C-10地域

 ロンデニアとルワールの開発地となっておりますが、現在のところはいずれの植民地でもありません。両陣営はヒナ山地での鉱脈探索を進めておりますが、周辺地域には通行を阻む難所が多く、現在は最高峰であるヒナ山の麓までしか到達できておりません。その奥地には独自の文化を持つ部族が存在するようですが、詳細についてはよくわかっておりません。

・北東部:ルワール開発地
・南西部:ロンデニア開発地


▼鉄道敷設
 現在、ロンデニア領(ベルナデル準州)では長距離鉄道を敷設する計画がありますが、C-10地域の鉱山開発も含めて、ルワールと共同で進める案も持ち上がっており、多くの利権が絡む大プロジェクトとして注目を集めています。しかし、そのためには原生林を伐採したり、聖地として崇められている場所を破壊する可能性があるため、原住民の激しい反発を受けています。


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自然・要所


○要所

▼ヒナ山地(C-3/C-5/C-10)
 標高1500mほどの山々が連なる山岳地帯で、奥地には最高峰となるヒナ山がそびえています。この山は古の王国に仕えていた巫女が逃れてきた場所で、ヒナというのはその巫女の名だと伝えられています。
 昔から金や宝石が発見されていたのですが、これは神からの賜わり物と考えられていたため、あまり積極的な採掘は行なわれておりませんでした。特にヒナ山は特別な場所とされ、ドーン・ミーヴァ王族のみが立ち入ることが出来る不可侵の聖地として、長く禁足地のまま崇められてきたのです。しかし、聖歴330年代にロンデニアの植民地になると、周辺地域の開発が一気に進められ、近年では麓での鉱脈探しが行なわれるようになっています。それに対して被支配層の黒人たちは強く反発しておりますし、支配をまぬがれている奥地の原住民たちの中には、調査隊に直接的な攻撃を加える者も現われています。

◇獣王の聖跡(巨人の足跡/陥没島)
 ヒナ山の麓に見られる独特の地形で、大地が突如陥没している場所が10ケ所以上も存在します。白人たちは巨人の足跡や陥没島などと呼んでいますが、周辺に住む原住民たちの間では、神の使いである獣王の聖なる足跡として古くから崇めてられています。
 この大穴は平均の深さが100m以上にも達するもので、中には直径・深さともに300mを超すものも見つかっています。幾つかの穴は峡谷で繋がっており、密林の動植物たちとともに奥地への通行を阻んでいます。また、風や鳥たちの運んだ種が芽を出したのか、穴の中にもたくさんの草木が生い茂っており、隔絶された世界で独自の生態系を築いています。不思議なことに、鳥や昆虫以外にも動物たちが住み着いているため、どこかに抜け道があるのではないかと考えられています。
 
◇聖爪痕(地割れ谷/裂け目)
 ヒナ山の周辺に見られる地面の断層のことで、様々な深さの亀裂が各所にあります。これは獣が残した爪痕のようにも見えるため、現地の民の間では聖爪痕(聖獣の爪痕)だと伝えられていますが、一般的には単に地割れ谷や裂け目と呼ばれています。小さなものは幅・深さともに数十cm程度となりますが、通行を阻むほどの幅があるものも珍しくはありません。陥没島を繋ぐ亀裂は深さ100mを超える谷となっており、大亀裂や陥没谷という呼ばれ方をしています。


▼ウルリ砂漠/雷鳴砂漠(C-9/C-10)
 メナナ高地に囲まれた盆地に出来た砂漠で、別名を雷鳴砂漠といいます。これは一帯で起こる変異現象からとられた呼び名で、その名の通りに頻繁に雷が落ちて来るのです。この雷は天候に関係なく発生するもので、雲1つない晴天でも雷光が放たれる場合があります。もともと、一帯は草原だったという伝承が残っており、その証拠に砂漠の各地で草食動物の化石が発見されています。
 この場所が砂漠に変わったのは落雷による火災が原因で、繰り返し起こることで植生の回復が不可能になったのではないかと推測されています。砂漠化を促進させた要因の1つとされるのが、各所で散発的に吹き荒れる大風で、これによって火が広範囲に拡散したのでしょう。この風は神の怒りの息吹だと信じられており、吹き荒れる少し前になると上空の方から、鳶の鳴き声のような神秘的な高い音が響き渡ります。周辺に住む人々は、この音を「神鳥の歌」あるいは「歌う風」と呼んでいます。
 大風は砂嵐を発生させ、周辺の地形を全く新しいものに変えてしまいます。規模の大きいものは空高くまで砂を巻き上げ、砂漠の外にも砂塵を飛散させます。ひどい時は周辺地域に厚い砂の層を堆積させ、一面が黄色い大地へと変わってしまいます。本当かどうかはわかりませんが、1つの集落を飲み込む大嵐が発生し、住民や家畜たちを山の上まで運んでしまったという伝承も残っているほどです。いくぶん誇張されて伝わっているかもしれませんが、遠く離れた場所から砂漠に立つ砂の柱が目撃されることもあるため、実際に大規模な被害をもたらした嵐が発生したのでしょう。
 
◇象牙谷
 いわゆる象の墓場と呼ばれる場所で、ウルリ砂漠の探索に出向いた探険家グエン=オーリィが、ヒナ山麓の奇岩地帯で偶然に発見したものです。実際に象の骨が大量に見つかった非常に稀な例の1つで、100体以上の死体が見つかっています。
 グエンはそこで手に入れた象牙で一財産を築くと、その半分を次の探険の準備のために費やし、さらなる奥地を目指して旅立ちました。しかし、その探索行から彼が戻って来ることはなかったといいます。残された半分の財産はグエンの妻子が受け継いだのですが、彼らはそれをペルソニアの冒険者組合の設立のために使い、現在も彼の孫であるパヴェル=オーリィが組合長を務めています。


▼メナナ高地(C-9/C-11)
 緩やかな起伏が続く標高1000m以下の高地です。北側の斜面はむき出しの岩山となっており、その上にわずかに植物が生えているの見えます。これらは乾燥に強い種類のもので、あまり高さのない潅木や雑草が主となります。
 エスファ川の源流となる辺りには幾つかの水場があり、麓からは見えませんが植物が豊富に生えています。これを食料とするヤギなどの動物も生息しておりますし、幾つかの部族が放牧や農業を行なって生活しています。


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