呪装仮面/秘法仮面

基本機能遺失技術


 

基本機能


○概要

 始原ペルソニア文明の人々が用いていた呪装仮面のことを、現代の仮面とは区別して『秘法仮面』と呼びます。現在使われている呪装仮面に比べると、複雑な霊的回路を構成しているものが多く、その効果も極めて大きいものでした。


▼起源
 呪装仮面の技術を開発したのは人間ではなく、『始祖神』と呼ばれる者たちです。伝承によれば、彼らは大断崖の上からやってきた神であり、半人半獣の姿を持っていたといいます。
 彼らの正体はわかっておりませんが、壁画などには牡牛の角を持つ神(大角の始祖)、獅子の鬣をなびかせる神(鬣の始祖)、蛇の牙と鱗を持つ神(鱗の始祖)、そして背中に純白の翼を背負う神(翼の始祖)の4体の異形の姿が描かれており、その全ての者が純白の仮面を被っています。


○作製方法

 基本的な作製手法については、通常の呪法仮面と殆ど異なる部分はありません。


○仮面レベル

 秘法仮面の仮面レベルは3〜5の値を取ります。


○発動

 基本的な発動方法については、通常の呪法仮面と殆ど異なる部分はありません。


▼群体結晶(コロニー・クリスタル)
 秘法仮面の中には、額にくぼみがあったり蓋が取り付けられているものも存在します。これは砂孔蟲が大増殖を行なった後に残る水晶のような透き通った結晶石のことで、『群体結晶』(コロニー・クリスタル)と呼ばれるものです。現在のペルソニアでは『デザート・クリスタル』という呼び方をされており、砂漠でごくまれに見つかることがあります。
 群体結晶は砂孔蟲が集合して結晶化したもので、自我は持ちませんが霊魂を宿しています。そのため、これ自体が【精神値】を持つ生命体であり、呪装仮面のエネルギー源として利用することが出来ます。始原ペルソニアの人々はそのことを知っており、これを装着する部位を設けた仮面を作製することがありました。
 
◇精神値
 群体結晶には小石くらいのものから拳大のものまであり、1〜10点の範囲で【精神値】を蓄えています。群体結晶の【精神値】は0までしか減少せず、その後は休眠状態に入ってしまいます。
 【精神値】を消費してしまっても、砂孔蟲は接触した生物や霊子物質から霊子を吸収して回復することが出来ます。吸魂に対して【精神抵抗】を行なう場合、その時点で減少している【精神値】が難易度となります。


○効果

 秘法仮面には以下のような機能を持つものが存在します。


▼支配/従属
 仮面を被せた相手を奴隷とし、使役することが出来ます。

▼霊魂憑依
 仮面に霊魂を憑依させることが出来ます。また、装着者の肉体に憑依した霊魂を宿らせる仮面も存在します。

▼知識継承
 仮面に1つの知識を蓄え、装着者にそれを伝承することが出来ます。

▼精神制御
 装着者の精神に影響を与えます。刑罰の意味合いで、永遠の恐怖を与えるような仮面も存在します。

▼苦痛の排除
 装着者に一切の苦痛を感じなくさせます。

▼狂戦士
 装着者を死ぬまで戦う狂戦士に変えてしまいます。

▼不眠不休
 装着者は休みを取らなくても普段と同じように活動できるようになります。

▼休眠/封印
 装着者を仮死状態に置いたり、精神活動を停止させることが出来ます。

▼治癒
 装着者の病や毒を治癒することが出来ます。


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遺失技術


 秘法仮面の中には、現在では失われている技術で作製されたものが多くあります。


○霊的回路

▼刻印パーツ
 主に仮面の起動制御を行うためのものですが、自動的な機能発現を押さえるために、刻印を施した仮面の一部が外れるようになっていたり、霊刻済みの導霊物質をくぼみにはめ込んで起動するタイプの仮面が存在します。
 この技術を応用したもので、追加で組み込む刻印パーツを取り替えることによって、霊的効果を変化させるタイプの呪装仮面も、後期のプシュケシュ王国では開発されています。また、単に技巧を競っただけなのかもしれませんが、2つの仮面を組み合わせたり、口の部分を開閉することで霊的機能を変化させるものや、仮面そのものがジグソーパズルのようになっていて、正しく組み立てることで機能するものもあったようです。


▼立体回路
 高度な機能を持たせる仮面に用いられる技術で、多層型の立体回路を構築します。作製には熟練の技術を要し、極限まで薄く作った仮面に刻印を施し、その上に再び素材を重ねて焼き上げるという、手間のかかる工程を繰り返します。焼き上げ時の収縮によって回路形状が変化するため、それを逆算して刻印しなければなりませんし、完成するかどうかは運に左右される部分も多く、非常に稀少な品となります。なお、刻印パーツと同じ理屈で、薄い仮面を重ねることで立体回路を連結する仮面も作製されておりましたが、そのような構成で回路を形成する目的はよくわかっておりません。


○可動機構

 奴隷を支配したり刑罰を与える場合に用いられる仮面の中には、効果を発動させると同時に骨芯が飛び出して、装着者から外れないようにする機構を組み込んだものもあったようです。


○精神支配

 支配下に置いた相手を、意思のない奴隷として利用するために作製された仮面が存在します。このために作製される仮面には2つの種類があります。1つは支配者の仮面(マスター・マスク)と呼ばれる制御用の仮面で、もう1つは使役する奴隷に被せる下僕の仮面(スレイブ・マスク)です。


▼仮面

◇支配者の仮面(マスター・マスク)
 奴隷を使役する目的で作製された仮面で、下僕の仮面を装着した者を自由に操ることが出来ます。

◇下僕の仮面(スレイブ・マスク)
 精神制御用の霊刻が施された仮面で、支配者の仮面を被った者の奴隷となって働くことになります。このようにして生み出された奴隷のことを、仮面奴隷と呼んでいたようです。
 これは非常に珍しい装着形態を取るもので、起動させると仮面が皮膚や骨と結合して、取り外すことが出来なくなってしまいます。解除用の刻印パーツが取り付けられている場合は、それを起動させることで外すことが可能となりますが、組み込まれていない場合が多いようです。


▼結属刻印
 これは仮面同士の関係を結ぶためのもので、支配者の仮面と同じ霊的刻印を施した下僕の仮面にのみ、精神支配の機能が働きます。通常、結属刻印は紋章のように仮面の額に刻まれています。


▼利用
 支配者の仮面を被った者は、下僕の仮面をつけた奴隷を遠隔地から自由に動かすことが出来ます。ただし、個別に操ることは出来ず、集団をまとめて制御するだけとなります。


▼無我の仮面
 実際に奴隷を使役する前の処置に使われる、無我の仮面というものが存在します。この無貌の白仮面には自我を持たない霊魂が宿っており、装着者と意識を共有化する作用があります。これによって奴隷たちの自我は少しずつ薄れてゆき、最終的には本能で動くだけの存在となります。このような意思を持たない使役奴隷のことを、プシュケシュ王国の人たちは『仮面人形』と呼んでいました。


○石人仮面

 始原ペルソニア文明では石人形や石巨人を従え、労役や戦争に使っていたと伝えられています。この伝承は事実であり、導霊物質でつくられた特殊な石像に刻印を刻み込み、これを自由に操っていたと考えられています。この技術は後期のプシュケシュ文明で開発されたもので、呪法石人、石兵、石奴隷などと呼ばれていました。これらは仮面ほど大量に製造されたわけではありませんが、現在も遺跡で眠りについているものも存在します。
 呪法石人は呪装仮面と同様の手法でつくられたもので、全身に魔道回路が刻み込まれています。複雑な命令をこなすためには、専用の回路を刻んでおく必要があるため、その多くは人間よりも大きくつくられており、体中に霊刻が施されておりました。兵士として利用する際には、表面の刻印を守るための鎧を装備させていたようです。
 石人を制御するために作製されたのが、『石人仮面』と呼ばれる専用の仮面で、装着していない呪法石人は機動させることが出来ません、また、対になる制御用の仮面も存在し、これを用いることで仮面奴隷と同じように石人をコントロールしておりました。


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