動物/哺乳類


 


▼黄金鹿
 黄金の角を持つ鹿で、その毛皮も美しい金色に輝いているといいます。目撃例はあるものの実際に捕獲されたことはなく、生態についての情報は殆ど報告されておりません。その角は本当の黄金で出来ているという噂もありますが、当然のことながら真偽のほどは不明のままとなっております。

・不明度:7
・生息地:絶対変異地帯周辺


▼クアトラ
 ネズミの亜種ですが、ウサギのように耳が長いのが特徴です。非常に大人しく人懐っこいのですが、基本的に群れで暮らす動物であるためか、淋しがりやで飼い主から離れたがりません。家に置いて出かけようとすると、裾に噛みついて離さなかったり、後ろをついて来たりします。また、単独でいると不安がつのるのか、動くものをどこまでも追ってゆこうとします。こうした習性から、放し飼いにしていると行方不明になることが多く、カゴで飼われることが殆どです。

・不明度:2
・生息地:全域/草原、森林など


▼角鯨
 体長20〜30mにも及ぶ巨大なヒゲクジラで、額から5m以上ある角が1本生えています。そのヒゲは細く丈夫で、楽器の弦などに利用されています。北方の赤人たちの中には、このクジラを狩ることで生計を立てている者たちがおり、肉、脂肪、皮、角、骨、ヒゲなど、全てを余すところなく利用します。
 角は雌雄のいずれにも生えていますが、メスの場合は2〜3mほどの長さにしかなりません。これは繁殖期の争いのために用いられ、角を水上まで振り上げて高さを競うことで、直接傷つけあうことなく優劣を決めます。また、海棲の肉食動物からの防御にも使われるようで、大型の船に対してこれを突き立てる例もあります。角は硬いうえに非常に鋭く、船腹に穴を開けられてしまうこともあるため、角鯨を発見した場合は即座に舵を切るのが普通です。当然のことながら、これを狩る場合は文字通り命懸けとなります。

・不明度:5
・生息地:全域/海洋


▼ツノネズミ(角鼠)
 アルマジロに似た姿を持つ体長20〜30cmほどのネズミで、背面を鱗状の硬い甲で覆われています。何より特徴的なのはカブトムシのような角を持つことで、これで器用に地面を掘り起こして、地中の根菜、球根、ミミズ、昆虫などを食べて生活します。こういった性質を持つことから畑を荒らされることも多く、農家には害獣として嫌われています。

・不明度:4
・生息地:全域/草原、森林など


▼テブクロネコ
 体長40〜50cmほどの草原に住むネコの亜種で、主に黄褐色〜茶褐色の毛皮を持ちます。ネコ科の大型獣の子供に似ていて、体の大きさのわりに足が太くがっしりとしています。全体に丸みを帯びた愛らしい姿をしておりますが、動物の骨を噛み砕くほど顎の力が強く、不用意に近づくと怪我をする恐れもあります。

・不明度:3
・生息地:全域/草原など


▼トビネズミ
 後ろ足がカンガルーのように発達した、30cmほどの大きさのネズミです。彼らの前足は殆ど退化しており、後ろ足で飛び跳ねて移動します。全身の毛は灰色、茶褐色、黄褐色、茶色などで、目が大きく非常に可愛らしい姿をしています。尻尾は体と同じくらい長く、先がふさふさとしており、これでバランスを取りながら移動します。
 トビネズミは求愛行動のユニークさで知られており、草原などで見られる可愛らしいダンスを目当てに、ピクニックに出かける者もいるほどです。

・不明度:2
・生息地:全域/平原、荒野など


▼トライホーン/命を紡ぐ者
 穢れのない純白の体をもつ馬で、ヘラジカのような2つの角と額に1本のまっすぐな角をもちます。馬よりも1回りほど大きく、細身で引き締まった体型をしています。
 角に癒しの魔力をもつため、命を紡ぐ者とも呼ばれています。殆ど伝説上の存在で、どのような存在なのか全く判っておりません。ただ、民間で語り継がれている伝承によれば、かなり高い知能を持っているようで、癒しの奇跡を与える者を自ら選ぶといわれています。彼らの角は死してもなお効果を発揮するらしく、死者を蘇らせたという記録も残っています。聖母教会には聖物として何本かの角が保管されているといいますが、一般に公開されていないため真偽のほどは不明です。

・不明度:10
・生息地:不明


▼猫目狼/森盗賊
 その名の通り猫のような目をした小さな狼で、成獣でも体長は40〜60cmほどにしかなりません。犬と猫の中間のような姿をしており、やや鼻先の尖った長い顔に小さな耳を持ち、全体的に手足は短く可愛らしい姿をしています。植物が密生した場所を住処としており、森林の下薮や草原の茂みの間を素早く動き回り、十数頭の群れで小動物を狩って生活しています。木登りも得意なようで、枝から枝を渡り歩いて移動することもあります。
 彼らを森盗賊と呼ぶようになったのは、人間による影響で彼らの生息域が狭まり、人里から近い場所に出没するようになってからのことです。肉食性の強い雑食性で、ニワトリを襲ったり畑を荒らしたり、場合によっては家の中にまで入り込んで食料を盗むこともあります。最近では街中に住み着いている例もあり、その身軽さを活かして屋根裏などに巣をつくり、鳥を襲ったり生ゴミをあさるなどして暮らしているようです。

・不明度:3
・生息地:全域/主に森林、草原など


▼ヒオウギザル
 黄褐色をした体長40cm程度の小型のサルで、オスの額の部分が扇状に皮膚が露出しており、繁殖期に真っ赤になることから名付けられました。このサルは非常に動きが鈍く、日中にゆったりとした動きで樹上を徘徊しながら、木の実や葉っぱなどを食べて暮らしています。
 普段は水場の近い森林を生活の場としていますが、あまり警戒心のない動物で、手が届く範囲にいる時は容易に捕らえることが出来ます。また、非常に好奇心が強く、自分たちから人間に寄って来ることもあるようです。彼らは何でも口に入れて確かめようとしますが、食べられないとわかるとすぐに吐き出してしまいます。こういった習性があるため、昔の探検家の中には未開の地を訪れる際に彼らを連れてゆき、食べられる植物かどうかを見分けていたこともあるそうです。

・不明度:7
・生息地:セルセティア、ペルソニア/森林


▼ヒカリコウモリ
 ペルソニアに棲む黒褐色をした大型のコウモリですが、額に目のような形状の器官があり、その部位を青白く光らせることが出来ます。これで虫を呼び寄せて捕食しているらしく、あまり飛び回ることをしません。不思議なのは、この発光器官は死後も能力を失わず、暗闇で淡く輝き続けることです。そのため、青瞳石と呼ばれるこのガラス状の器官は、現地ではお守りにされたり宗教的な儀式に用いられています。

・不明度:8
・生息地:ペルソニア/森林、洞窟など


▼ブラッド・ビースト/野獣の王
 漆黒の獅子のような姿をもつ巨大な肉食獣です。野獣の王とも呼ばれるこの生物は、生態のほとんどが不明でありながら、その存在は人々によく知られています。殆ど伝説のような形でしか残っていない話ですが、この生き物の瞳には様々な魔力が宿っており、その力に魅入られて破滅した王族の話や、悪魔へと変化した男の伝承などが各地に残っています。

・不明度:3
・生息地:不明


▼モグリネズミ
 モグラのように自由に地中を移動する大型のネズミで、畑を荒らす害獣として知られています。餌が地中になければ地表に顔を出して、植物の茎などを囓ります。
 何か別の生物の気配を察知した時は、素早く地中に潜り込んでしまいます。それが間に合わない場合は、悪臭を放つ液を分泌することで敵から身を守ります。この悪臭のもととなる化学物質は揮発性で、目や鼻の粘膜に刺激を受けて苦しむことになります。

・不明度:4
・生息地:全域/主に地中(林縁部、草原、畑など)


▼ヤセオオカミ/プアーウルフ
 狩りが下手なため、主に死肉をあさって生活するオオカミで、他の肉食動物の食べ残しなどを狙います。嗅覚が非常に優れており、血の臭いを嗅ぎつきて寄ってきますが、子連れのメス以外は単独生活を送っているので、大型の肉食動物から餌を奪い取ることは出来ません。体格も中型のイヌ程度で、臆病な性格をしているため夜間にしか活動せず、日中は体の半分くらいが埋まる穴の上で寝ています。
 彼らの中には都市での生活に適応したものがおり、夜に町中を徘徊してゴミをあさって暮らしているようです。問題は貯食する習性があることで、縄張りのあちこちに食べきれなかった餌を隠すため、周辺住民にはひどく嫌われています。

・不明度:3
・生息地:全域


▼レヴィ/海竜王
 体長200mにも及ぶという巨大生物で、西海を航行する船を無差別に攻撃することで知られています。大きな波を起こして船を沈めてしまうようで、かつて西海の果てを目指した船の殆どが戻って来なかったのは、彼らに襲われたからだと信じられています。非常に有名な存在でありながら、その生態については殆ど判っておりません。魚類という説もありますが、顔は蛇や竜によく似ているという報告が多く、海竜の1種ではないかという説が有力です。

・不明度:3
・生息地:海洋(西海)


▼渡りコウモリ/テール・バット
 非常に長い尾を持つコウモリで、渡り鳥のように季節に応じて長い距離を移動をします。天変地異を予知すると言われており、渡りの季節でもないのに彼らが巣穴を移す場合は、何か大きな事態が発生する可能性があります。

・不明度:4
・生息地:全域/森林、山地、洞窟など


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