カスティルーン王国/全体情報

概要基本情報国土文化・生活変異現象人物・集団


 

概要


 カイテイン、ユークレイ、ライヒスデール、ペトラーシャに囲まれている小さな内陸国家です。国王を君主とする立憲君主制国家であり、議会と国王によって政治が運営されます。現在も貴族は存在しており、領主貴族がそれぞれの領地を治めています。
 国全体を囲むように森林が取り巻いており、貿易には不都合な条件をつくりだしています。その一方で、これらの木々は他国の侵攻から国土を守るために役立っており、歴史の上でも周辺国家との戦いを殆ど経験しておりません。
 現在のカスティルーンは王位継承問題で非常に混乱した状態にあります。一昨年に国王が38歳という若さで急逝したため、先王の1人娘であるクリステア(5歳)を中心に、貴族たちの間で様々な勢力争いが続いています。
 国内もそうなのですが、国外にもまた問題を抱えています。神聖同盟の盟主として、ライヒスデールとユークレイ間の国境紛争には援軍を送っているのですが、それが背後のカイテインに対する不安となっています。こういった状況に置かれているため、国民は宮廷問題には冷ややかな視線を送っているのが現状です。


 政治:全体/三権分立/身分制議会/貴族主導の政治
   :地方/自治体/方式は全国で統一
 代表:国王/現在は空位(王女が第一位の継承権を持つ)
 貴族
:支配階級/地方自治体の最高責任者
 騎士
:存在/軍人
 軍隊
:全体/王国軍/近代的な常備軍
   :地方/領主貴族が統括/領邦国家の防衛のみ
 警察
:国家が統括/通常形態
 司法
:国家が統括/法教会が管理
 宗教
:法教会/高
 教育
:高
 科学
:高
 術法
:中〜高


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基本情報


 カイテイン、ユークレイ、ライヒスデール、ペトラーシャに囲まれている小さな内陸国家です。国王を君主とする立憲君主制国家であり、議会と国王によって政治が運営されます。現在も貴族は存在しており、領主貴族がそれぞれの領地を治めています。
 国全体を囲むように森林が取り巻いており、貿易には不都合な条件をつくりだしています。その一方で、これらの木々は他国の侵攻から国土を守るために役立っており、歴史の上でも周辺国家との戦いを殆ど経験しておりません。


▼国号
 正式名称はカスティルーン王国となり、国王が国家君主であると憲法で規定されています。なお、法教会の発祥の地としてのルーン神聖国という呼び方もありますが、これは法教会の信者にのみ通じるもので、正式な用語としては認められておりません。

▼国旗
 地の部分は深い青で、3:10:3の割合で両端が縦に白く塗ら分けられています。中央の部分には4つの星で示された法教会の正十字があり、その中に王家の紋章である白鷺が描かれています。

▼統治
 一昨年に、国王が38歳という若さで死亡しています。第一位の継承権を持つのは先王の一人娘であるクリステアですが、彼女は5歳というあまりにも若すぎる年齢であるため、正式に王位を継承しておりません。成人するまでは先王の弟ユルファシスが後見人となり、政治を行うことになっています。

▼貴族
 支配階級であり、強い権限を持っています。領主貴族は1つの自治体を統括する存在であり、無領地貴族には官僚として働くものと、騎士として領主貴族に仕えるものがいます。

▼首都
 首都はディムルーン地方にあるカステリア市となります。ここには国王と法王の2人の王がいることから、古来より『二重に仕える街』と言われてきました。街の中央には聖セルトラーン教会があり、交易の中心であるとともに、巡礼地としても賑わっています。


○現況

 現在のカスティルーンは非常に混乱した状態にあります。というのは、一昨年に国王が38歳という若さで急逝したことが原因です。第一位の王位継承権を持つのは、先王の一人娘であるクリステアなのですが、彼女は幼王と呼ばれるにふさわしい5歳というあまりにも若すぎる年齢であり、その将来に関して貴族たちの間で様々な勢力争いが続いています。なお、クリステアはまだ王位を継承していないので、その地位は王女のままです。女王もまたクリステアを出産する際に死亡しているので、成人するまでは先王の弟ユルファシスが後見人となって政治を行うことになっています。
 その他に国内で問題となっているのが、鉄道の敷設についてです。この国は工業的には先進国であり、ユークレイ、ペトラーシャと共同でつくられた三国鉄道は、国内の発展に多いに役だっています。現在、新しい路線を拡張する計画があるのですが、その利権間題に絡んだ争いが激化しています。
 国内もそうなのですが、国外にもまた問題を抱えています。神聖同盟の一員として、ライヒスデールとユークレイ間の国境紛争には援軍を送っているのですが、それが背後のカイテインに対する不安となっています。こういった状況に置かれているため、国民は宮廷問題には冷ややかな視線を送っているのが現状です。


○民族

▼ナヴァール人(白人)
 漆黒の髪と瞳の白人で、白雪色の透けるような肌を持ちます。建国当初からこの地に住む民族で、全人口の60%以上を占めます。

▼マイリール人(白人)
 金髪で碧眼の白人で、ナヴァール人に比べると肌は少し焼けています。全人口における割合は25%ほどとなります。

▼スレイラール人(白人)
 プラチナブロンドの髪に碧眼の白人で、背はそれほど高くありません。ユークレイ由来の民族で、人口の10%程度を占めています。

▼その他
 西部にはライヒスデール由来のリミュール人の住む土地があります。その他にも幾つかの少数民族が存在しますが、これらの民族は全て合わせても人口の5%にも満たない少数派となります。


○宗教

 法教会が誕生した土地であり、国民の殆どが熱心な信者です。この国の法教会は特に純粋法教会とも呼ばれており、人民に厳格で公正な指導を行なっています。
 法教会は国教として定められており、国政にも深く干渉しています。法王は聖セルトラーン教会におり、王室顧間もつとめています。聖堂騎士団としてはルーンナイト(法騎士)をもち、変異体の掃討に多大な功績をあげています。


○科学・教育

 エルモアでも有数の機械産業を中心に発展しており、学問院を中心に神聖同盟3国で協力して技術開発を推進しています。霊子機関を発掘・解析したのもこの国の学問院であり、ここではエルモアでも最高水準の教育を受けることが出来ます。国家全体としての教育水準も高く、よほどの辺境でなければ初等学校が整備されており、下級学年までは授業料が無料となります。


▼機械技術
 この国は特に精密機械の作製技術が優れており、オルゴールや時計といった機械が国外から高い評価を受けています。


○産物

▼農産物
 小麦、ジャガイモ、ニンジン、ダイコン、カブ、リンゴ、モモ

▼鉱産物
 石炭、鉄、金、銀、硫黄、振り子石

▼その他
 羊毛(ミール羊)、織物、刺繍、木材、酪農産品、製鉄、オルゴール、時計、機巧人形、コンデンスミルク


○交易

 もともと土地が貧しく、物資の多くを輸入に頼る国家でした。そのため、輸出を大いに奨励して貿易の均衡をはかる必要があり、機械産業や繊維産業が発達するようになったのです。現在でも陸上交易は頻繁に行われていますが、これらは同盟国であるユークレイおよびペトラーシャを通じて行われるもので、ライヒスデールやカイテインとは直接の交易を行ってはおりません。


○交通

 他国と同様に主な交通手段は馬車ですが、三国鉄道の開設以前から鉄道の敷設が進められており、主要な都市間は殆ど鉄道で結ばれています。また、近年では蒸気自動車などもよく利用されるようになっています。


▼三国鉄道
 国家を縦断する長距離鉄道で、ユークレイとペトラーシャにも繋がっています。この鉄道は交易においる重要な役割を果たしており、国家の発展に大きく寄与してきました。なお、新しい路線を拡張する計画があるのですが、その利権間題に絡んだ争いが激化しています。


○亜人

▼雪エルフ
 樹氷の森付近の雪原に住む、細身で背の小さい亜人です。雪のような純白の肌と、藍色の髪と瞳を持ちます。耳の先がとがっており、一目で普通の人間と区別がつきます。


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国土


 エルモア地方の北部に位置する国家で、内陸にあるため海を持ちません。全体は温帯に属しておりますが、比較的冷涼な気候となります。空気は乾燥しており降水量も多くありませんが、年間を通じて一定した水量を確保できます。
 ゆるやかな坂の多い国で、移動に困難な地形となっています。国全体を囲むように森林が取り巻いており、木々が周辺国家との行き来を阻んでおります。特に東部は変異現象も多く、また起伏の激しい高地が存在するため、カイテインとの交通は殆ど不可能な状態です。


▼北部
 北部は低山が連なっており、その付近には炭田があります。北部から続くなだらかな高原での牧畜が主な産業です。ここで飼われているのは、この地方特産のミール羊で、その長く柔らかい羊毛は高額で取り引きされています。


▼南部
 照葉樹林が多く見られるようになりますが、逆に南西部では針葉樹が多く存在します。これは変異現象の影響と考えられており、この付近では緯度に比して気温が低いのが特徴です。内陸部は平野が多くなり、小麦などの主要作物や果樹の栽培が見られます。


▼山地
 国家の四方に山地が存在し、それぞれ鉄や石炭などの鉱産資源が採掘されています。最も標高の高いのは北部のスプリッグ山地で、標高5000m近い山々が軒を連ねています。その他の山岳地帯にある山は高くても3000mほどとなります。


○地図


 


○要所

▼樹氷の森
 フェルブス地方にある魔の森で、普通の人間は決して近づこうとはしません。真夏でも低い気温に包まれており、生物を凍死させてしまうダイヤモンド・ダストが浮遊しています。


▼純白の宮殿
 樹氷の森の奥深くにあり、莫大な財宝が眠っていると噂されていますが、その存在すら定かではありません。


▼雪エルフの集落
 樹氷の森付近の雪原にある、雪エルフたちの集落です。その肌の色はまさに純白の雪のようで、そのため藍色の髪と瞳が印象的に際立っています。いかなる寒さの中でも凍えることはなく、雪をくりぬいて作った家に住んでいます。彼らは狩りを行なって生活していますが、弓などを使うより落とし穴をつくって、そこに獲物を追い込むような狩猟方法を用います。樹氷の森付近は人間が近づかないため、比較的楽に生活できるようです。彼らの性格は気さくで、迷いこんだ旅人がいれば必ず助けてくれるでしょう。その時、街の話などをしてあげれば、あまり人々と接触を持たない彼らは非常に喜びます。


▼振り子の洞窟
 振り子石と呼ばれる不思議な石がとれる場所で、クランベル地方南西部の岩場にあります。この石は紐などで吊しておくと、正確に1秒間に1回往復する性質を持ちます。正しき瞬きの石とも呼ばれており、時計の振り子などに利用されています。


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文化・生活


 東部の人々は根気強く、素朴な人柄が特徴です。また、手先が器用な人が多く、産業にもそれらが反映されています。中部の女性は一般に情熱的であるといわれ、特に恋愛に対して積極的に行動します。南部の男性は褒め言葉がうまく、よく気が利く人が多いようです。


○機巧

 カスティルーンは機械技術に優れた国家で、特に時計やオルゴールなどの精密機械にその技術が結集されています。もともと大都市では組合による制約があったため、これらの技術は東部の山岳地帯で発展したのですが、製品を運び出すコストを削減するために、やがて平地でつくられるようになりました。そして、農作業が出来ない冬に行う家内制手工業の中心となり、国外へと輸出されるようになったのです。特に広く知られているのが機械の街ティアリッツで、ここでつくられるオルゴールや時計は、その精度もさることながらデザインの上でも一流であり、芸術のひとつとして成立しています。
 中でも演奏人形と呼ばれる人型の演奏機械は、人と見紛うばかりの動きをします。人形師のほとんどはこの街の出身で、その技術は各国でもてはやされています。こうした技術は他の機械の開発にも活かされており、この街を中心として次々と新しい機械が生み出されています。また、この国には術法師としての人形使いも数多くおり、一流のものはドールマスター(人形匠)としての称号を持ちます。ドールマスターたちがつくり出す自動人形は、人間と全く区別がつかないといわれています。これら機巧人形の技術は、もともとはカイテイン由来のキタン人から伝えられたものだという話もありますが、真偽のほどは定かではありません。


○繊維

 繊維産業は国内需要を当てに出来るため、昔から北部や東部を中心に発展しておりました。そのため、この国ではどの家庭にも糸紡ぎ機が備え付けられており、大きな農家には織機を置いてあるのが普通でした。古くは毛織物が中心でしたが、時代が経つにつれて需要の高い絹や綿織物へと移行してゆきました。そして現在では紡績機械の発展により、繊維製品は輸出品における大きな割合を占めるようになっています。


▼染料
 繊維産業の発展に伴い、優れた染料を求める要望も強くなってゆきます。これが化学工業の発達を促し、ひいては医薬品等の工業を育てることとなりました。


▼刺繍
 古くから刺繍も盛んに行われており、特に白い木綿地に細密な花模様が描かれたミュッセ地方のものは人気があります。


○食べ物

 この国の料理は、なんでも小さく薄くしたがる傾向があります。たとえば主食のパンも薄切りにするのが普通ですし、クラッカーや一口サイズのマフィンもよく食べられています。あるいは小麦粉とミルクを混ぜた生地を薄く広げて焼いたもので、レタスや薄切りの肉をくるんで食べたり、薄焼き卵で野菜炒めを包んだりといった具合です。また、ミール羊の薄切り肉を煮立ったスープにくぐらせて、それをソースにつけて食べる鍋物などがあります。


▼肉類
 ミール羊がよく食べられています。この羊の肉はくせがなく、どんな調理法にも合うといわれています。豆ブドウと一緒に煮込んだり、細切りにしたジャガイモと一緒に炒めたり、サイコロステーキにして食べたりと、多彩な使われ方をします。


▼魚類
 内陸国家であるため、鮭、鱒、川スズキ、鯰、鯉などの淡水魚を食べることが殆どです。鯉などは揚げ物にすることが多いようです。


▼昆虫
 また、他の国ではそれほど見られませんが、南部の方ではタンパク源として昆虫を食べる習慣があります。イナゴやバッタ、あるいはコオロギといった昆虫が好まれるようであり、煮付けたり油で揚げたりして、おやつがわりにしています。また、昆虫ではありませんが、蜘蛛の唐揚げなども食べられています。


▼デザート
 パイやミルフィーユのような菓子が好まれます。これらの多くはペトラーシャから伝わったもので、特に南部で食べられることが多いようです。


○その他

▼住居
 農村や山岳部にある伝統的な住宅は、切り妻屋根の木造建築です。これらは明かり取りの窓を、法教会の正十字型につくっている場合があります。


▼婚姻
 古くからの風習で、結婚式では互いに鍵を送ります。これは特別にどこの鍵というものではなく、信頼の証として相手に渡すものとなります。


▼樹礼祭
 東部の山岳部で行われる祭で、木への感謝の気持ちをこめて、フェルトを巻いたりワインをかけるなどの捧げものを行います。そのかわりとして枝を一本折り、翌年までのお守りとして家に飾る風習があります。


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変異現象


 樹氷の森と霧氷の詩と呼ばれる変異現象が有名です。これは聖職者や術法師といえども手を出せるものではなく、野放し状態になっています。


○樹氷の森

 樹氷の森は国家南部のペトラーシャとの国境付近に広がっており、夏でも零下10℃を下回る気温です。ここで見られるダイヤモンド・ダストに触れたものは一瞬にして凍死してしまいます。この森の奥深くには純白の宮殿があり、信じられないほどの財宝が眠っているという噂があるのですが、それを確かめた者はいません。というのは、この森には雪の乙女と白の乙女という双子が住んでおり、人々の侵入をかたく拒んでいると言われるからです。この少女たちの正体はわかりませんが、ダイヤモンド・ダストの影響を受けつけないことだけは確かなようです。


▼氷花
 樹氷の森に咲く氷の花で、どんな高熱も一瞬にして下げてしまう薬になると言われています。しかし、実際にその姿を見た者はおらず、民間伝承として語り継がれているだけの存在です。


▼遠見の泉
 森の奥深くにある泉からは、世界のいかなる場所をも覗くことが出来ると言われています。また、見えた場所へと瞬時に移動できるという伝説もありますが、実際にその現場を見た者はおりません。


○霧氷の詩

 霧氷の詩と呼ばれる現象は、各地に点々と出現する突発的な現象で、霧氷が現れるとともに泣くような歌声が聞こえ、人々を眠りにつかせてしまいます。この眠りは永遠に続くわけではありませんが、普通に起こしても目覚めることはありません。いつ目覚めるのかはまったく不明で、死ぬまで眠り続けた例もあります。かつて、ライヒスデールからの移民間題がもとで大きな戦争が起こりましたが、霧氷の詩現象のおかげでこの侵攻を切り抜けています。


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人物・集団


○集団

▼工房「光の翼」
 ルーティック市の郊外にある自動車工房で、発掘エンジンを積んだ車で限界速度を目指しています。社員のそれぞれが軍からスカウトされるほどの技術を持っているのですが、頑としてその誘いを断りつづけています。修理で稼いだ金をすべて新型車の開発につぎ込んでいるため、いつも経営は火の車です。

▼自由学舎
 ある貴族が出資している私立大学で、生徒たちの提案で自由に教室をつくることが可能という、非常に変わったシステムをもっています。教わる側が講義の内容を決めることができ、そのカリキュラムに見合った教師を学校側がスカウトしてきます。貧乏な学生たちにも広く門戸が開かれており、国内外を問わず入学希望者が殺到します。

▼人形戦士団
 国家に所属している人形師たちが作った人形で構成されている部隊です。国民にもその存在を秘匿されている秘密部隊であり、情報収集や戦闘など様々な分野で活躍しています。

▼夢科学クラブ
 一線を退いた教師、大学教授、発明家、機械技師などが道楽で行っている、子供相手の教育活動です。科学実験を手品風に見せたり、機械の玩具をつかって科学の基礎を教えたりしています。


○集団

▼法王ストレイン=ライカルト(男/52歳)
 法教会の最高位にある人物です。歴代の法王の例にもれず非常に厳格な人物で、貴族たちの圧力に対しても徹底的に戦う心づもりでいます。

▼アルフィリス=レールランディ(男/15歳)
 変異の影響で多重人格となってしまった少年で、3人の自分を頭の中に宿しています。1人は天才的頭脳を持つ数学者、もう1人は悪戯好きの子供、そして最後の1人は非常に残酷な性質の女の子です。伯爵家の長男として生まれたのですが、このような事情のために家督相続権はすでに弟に譲り渡されています。親しい人々は彼のことをパンジー(三色すみれ)と呼んでいます。

▼ルナ=シルフィード(女/32歳)
 ティアリッツ市付近に根城を構える山賊団の女首領で、左頬に大きな刀傷があるのが特徴です。もともとは良家の子女だったのですが、旅の途中で強盗団の襲撃を受けて拉致され、長い間慰みものとして過ごしていました。しかし、彼女は黙ってその境遇に甘んじていたわけではなく、その美貌を武器に首領に取り入り、ある程度の地位を確立してから首領を毒殺して、団を乗っ取ることに成功しました。頬の傷はある隊商を襲撃した時に受けたもので、これをきっかけに彼女の屈折した性格は過激さを増し、そのやり口は異常ともいえる残虐なものに変化してしまいました。最近になって法教会の討伐隊が組織されたことを聞きつけたためか、その活動は少しなりをひそめていますが、ほとぼりが冷めた頃には再び隊商たちを恐怖に陥れることでしょう。

▼オルドス=アルディアノ(男/52歳)
 厳格で知られる法教会の聖職者の中でも、最も堅物と呼ばれる司祭です。裁判官の職務についており、ある地方男爵が民間人に暴行を振るった一件で、その男爵に有罪判決を言い渡したことで非常に有名になりました。その相手を選ばない公正さは貴族の不興を買ったようで、彼を裁判官の任から解くように教会へ多数の要請書が提出されていますが、教会側は断固としてこれを拒否しています。このような事態にありながら彼自身はいたって平静で、あくまでも教会の決定に従うつもりでいます。

▼ルミラン=サイアード(男/27歳)
 狂気の発明家として有名な青年で、その常軌を逸脱した行動から学問院を放逐され、現在は首都の郊外で発明品の開発にいそしんでいます。彼が発明を行うとなぜか出火や爆発騒ぎが起こり、かつては学問院の研究棟を一棟炎上させるという事件を起こしています。近所の人は迷惑がっているのですが、本人は周囲の制止もかえりみず、今日も元気に研究に取り組んでいます。

▼カーレル=グリフィス(男/21歳)
 工房「光の翼」の唯一の実験乗組員で、非常に腕のいいドライバーです。今まで何度も危険な目にあっていますが、いずれも軽傷ですんでいます。社長夫妻の娘リコリーといい雰囲気なのですが、非常に照れ屋なためにその仲は全く進展していないようです。

▼スノーホワイトの少女(女/?歳)
 雪の乙女、白の乙女と呼ばれる双子の少女で、樹氷の森に住んでいます。樹氷の森の番人といわれていますが、何を守っているのかは誰も知りません。ただ、侵入者をかたくなに拒み、術法を駆使して相手を追い出そうとすることだけが知られています。その正体は雪エルフではないかとも言われていますが、彼女たちの髪の毛が純白であることから、その噂には否定的な意見が多いようです。


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概要基本情報国土文化・生活変異現象人物・集団