変異現象/基本要素

概要舞台シナリオその他


 

概要


 アンバランスド・ワールドにおける最大の災厄、変異現象による問題を扱うシナリオです。


○目的

 変異現象を取り扱うシナリオは、それが原因となって起こる問題を解決することを第一目的とします。変異現象そのものを解決するのではないことに注意して下さい。変異現象は結果そのものを術法で治すことも不可能ではありませんが、治らないものも数多く存在するのです。
 また、変異現象の影響で肉体的・精神的な歪みを抱えてしまった者は、変異体として一般社会から忌避されることになります。このような事態を避けることが、シナリオの目的となる場合もあります。ですから、このような不遇な人々を積極的に迫害することは、多くの場合はシナリオの目的に反することになるでしょう。たとえ治らないにしても、精神的に癒されることによって救われる場合もある、ということを覚えておいて下さい。キャラクター自身や社会の認識とうまく折り合いをつけて、シナリオ解決への道を模索することこそが、巧いプレイとして評価するべきでしょう。


○楽しみ

▼非日常
 変異現象は非日常的な出来事であり、その内容も非常に多岐に渡っています。そういった不測の事態に遭遇する驚きや解決方法の試行錯誤といったものが、変異シナリオにおける楽しみの1つとして挙げられるでしょう。

▼葛藤
 変異現象の影響を受けた者は、普通はそのことを隠し通そうとするでしょうし、心理的な葛藤にも悩まされることになるはずです。また、もし他人に知られてしまった場合は、一般社会の偏見の目と戦わなければなりません。これはキャラクターがそういった人々に出会った時にも、必ずつきまとう問題です。

▼追求
 変異現象が起こる原因を解き明かすのも、変異シナリオの楽しみとなるでしょう。より深く追求したい場合は、シークレットパートに書かれている裏設定を利用することもできます。


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舞台


○基本舞台

 変異現象は場所はもとより、その対象も何もかもを選ばず無差別に起こるものです。よって、町や都市など人の集まる場所から、海洋や山奥などあらゆる舞台で扱うことができます。シナリオの題材としては非常に広範であるため、実際にはPCに向いた変異現象を1つ設定し、それが効果的に発揮できる舞台を用意するのがよいでしょう。同一の地域では比較的同じ変異現象が起こりやすい傾向があるため、専門家が力を合わせて問題に取り組むこともできます。
 その国家や都市で起こる代表的な変異現象は国家のパートに示してありますので、それを題材としたシナリオで遊んでもいいでしょう。職業術法師の多くは、特定の国家にいるのが普通です。たとえば、ルワール大公国の鏡界士やルクレイドにいる夢使いなどがそうです。
 なお、ユナスフィール教国やカーカバート、それからロンデニア領であるファイン=ファウンドは、ほとんど変異現象が起こらない地域なので、このタイプのシナリオを行うには不適当です。


○閉鎖空間

 変異現象によって閉鎖空間が作り出されてしまうことがあります。これらに取り込まれてしまった場合は、結界や異次元に入り込んでしまった場合と同じように、容易には元に戻ることができなくなってしまいます。シナリオによっては、閉鎖空間から脱出することが目的となることもあるでしょうし、内部で起こる問題を解決しない限り、外に出られないという事態になることもあり得ます。霊や人々の強い思いが、このような現象を引き起こすことが多いようです。


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シナリオ


○タイプ

▼過去
 過去に起こった事件や出来事が、変異現象が起こる原因となる場合もあります。このようなシナリオでは、過去に何があったのかを探り当て、根本となる原因を解決する必要があります。

▼精神
 変異現象には、人間の心理が強く作用している場合があります。このようなシナリオでは心理的な要因を探り、問題を解決することが目的となります。

▼障害
 変異現象が物理的な障害として機能することがあります。それを回避することが、シナリオの目的となります。

▼騒動
 変異現象が起こすトラブルを解決するものです。変異現象そのものではなく、それによって生まれた物質や、影響を受けた生物などがシナリオの核となる場合もあるでしょう。コミカルなシナリオを遊ぶこともできます。

▼秘匿
 変異現象が原因で逃亡せざるを得なくなったり、それを助けたりするシナリオになります。世間への体面のために変異体となった家族を隠す、あるいは有名人や権力者が変異現象の影響を受けた場合など、様々なパターンが考えられるでしょう。

▼誤解
 変異現象ではなく、科学的に解明されていなかったり、あるいは迷信や誤解によってトラブルに巻き込まれるシナリオです。


○注意点

 聖職者や職業術法師は変異現象に対するスペシャリストです。しかし、それ以外の職業人をキャラクターとする場合は、これらの専門家に任せてしまって、それでシナリオが終わってしまうような状況をつくるべきではありません。
 そのための対策の1つに、場所を限定するという方法があります。人里離れた場所や、船や島などの孤立した環境では、専門家を頼ることはできません。変異現象そのものが、キャラクターのいる場所を外界から隔離するものだったり、あるいは異世界を構築することもあります。
 それから、専門家自身が変異現象の影響を受けることもあるでしょうし、広域で起こっている問題に対しては、専門家といえども順番に対処してゆくしかありません。人手が圧倒的に不足している状況にあれば、キャラクターは自分で動くことを余儀なくされます。
 また、被害者やその親族から秘密裏に解決を頼まれることもあります。変異現象に侵されるということは恥であり、社会から異端扱いされるということなのです。ましてや、キャラクター自身がそのような立場にあれば、誰にも知らせずに解決することを望むことでしょう。


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その他


○判定

▼技能
 変異現象を取り扱うシナリオでは、特に必須とされる技能は存在しません。というのは、この現象は千差万別の効果を示すので、個々の内容によってシナリオの展開が変わるためです。

▼術法
 術法があれば変異現象そのものには対処しやすくなるでしょうが、シナリオを解決するということに関していえば、特に有利になるとはいえません。また、術法を1度使えば解決するような問題を、シナリオの中心に据えるのも迂闊といえるでしょう。解決すべきは変異現象が起こす問題であり、表向きの現象ではないということに注意して下さい。


○関連ルール

 この世界には、変異を起こす源となる場所や物品といったものが存在します。この変異源となるものに近づく度に、キャラクターたちは肉体や精神に何らかの影響を被ることになります。もしゲームマスターが必要だと考えるならば、シークレットパート:限定情報に書かれているルールを導入しても構いません。


○物品

 変異現象の影響を受けた物品が、常識では考えられない不思議な力を持つことがあります。こういった品々もシナリオのネタとなるものです。これらは術法データを参考に作製するとよいでしょう。


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