事件・犯罪/基本要素

概要舞台シナリオその他


 

概要


 盗難や殺人など、推理モノや捜査活動を行う場合のシナリオです。


○目的

 このタイプのシナリオは、犯罪事件の解決を目的とするものです。その際には、被害をなるべく押さえることが目標となりますし、犯罪を未然に防ぐことができれば、なおさらよいことは言うまでもありません。
 勘違いしてはいけないのは、目的は犯人を検挙することでもなければ、裁くことでもありません。問題の解決が最も上位に来る目標となり、そのために最もよいと思われる手段を模索するのがゲームの目的となります。犯罪者であっても相手を傷つけてよいわけではありませんし、努力を怠ってわざと戦闘などを行った場合は、評価は低くなるということを覚えておいて下さい。


○楽しみ方

▼探索
 一般に、犯罪シナリオの中心となるのは調査活動です。様々な技能を使って証拠を見つけたり、犯人の居場所を突き止めることが、ゲームの楽しみの1つとなるでしょう。

▼心理
 精神問題を重視するシナリオでは、犯罪が起こるための経緯や事情などを調査することが必要となるでしょう。プレイヤーはその過程において、犯人との心理戦などの駆け引きを楽しむことができます。

▼アクション
 シナリオによっては、銃撃戦や捕り物などが繰り広げられることもあるでしょう。

▼推理
 推理を主体としたシナリオでは、様々なトリックを解き明かすことが楽しみの1つとなるでしょう。


先頭へ

 

舞台


○全体

 犯罪を取り扱うシナリオは、どの国家を舞台にしても遊ぶことができます。特に理由がなければ、町中のように人の多い場所の方が、シナリオの展開が多彩になるでしょう。逆に推理モノのように筋道がある程度決まっているようなシナリオでは、プレイヤーを無用に迷わせる要素が少ない閉鎖された舞台(人里離れた村、屋敷など)の方が向いているかもしれません。なお、同じキャラクターを連続して扱うような場合は、犯罪の起こりやすいカーカバートやロンデニアのような場所で遊ぶとよいでしょう。


○地域社会

 田舎などの地域社会を舞台とする時は、地域性というものを念頭に置いておく必要があります。田舎ではよそ者に対して警戒心が強く、簡単にうち解けてはくれません。そのため情報収集に余計な手間がかかる場合があります。
 また、犯罪に対する地域の概念は都市とは異なっており、ある種の異世界を構成している場合があります。たとえば、時には町ぐるみで犯罪を隠したりすることもありますし、余所者に私刑を加えたり、強行的な手段で追い出したりする場合もあります。特に領主自身が犯罪に加担している場合は、法的に裁くことができないこともあるのです。場合によっては、こちらが犯罪者扱いされかねません。
 こうした事情は、逆にシナリオのネタとなるものです。地域社会独特の問題を交えたシナリオを扱ってみるのも面白いかもしれません。


○中心舞台

 シナリオで中心的に扱う舞台は、ある程度狭めておいたほうがよいでしょう。大都市など広域の舞台をつぶさに調べるようなシナリオや、舞台そのものを探し出さなければならないシナリオもありますが、その場合でも中心となる舞台はある程度決めておくべきです。
 調査シナリオで舞台をあまり広げすぎると、展開が散漫になりがちですし、プレイヤーの集中力も持続しません。どこで何を調査すればいいのかは、ある程度は予測できる状態にしておくべきですし、全く見当がつかなくてもルートは提示しておくべきです。常識程度の判断ができないプレイヤーを甘やかす必要はありませんが、どこで何を調べてよいのかさっぱりわからない状態では、幾ら熟練のプレイヤーでも手こずることになるでしょう。特に、エルモア地方に馴染んでいない場合は尚更です。
 予め舞台を特定しておけば、調査にあまり慣れていなくても、調べるべきポイントや人物を特定できます。また、シナリオに複数の舞台が登場するにせよ、一度に関わる舞台を限定しておけば、プレイヤーもそれほど情報に惑わされることはないでしょう。


○閉鎖空間

 調査シナリオで有効な舞台設定の1つに、閉鎖空間というものがあります。たとえば、人里離れた屋敷や航海途中の船、または自然災害で閉じこめられた家や村といった具合です。調査するポイントが少なく、容疑者を最初からある程度絞り込めるという利点があり、不必要な調査で時間をとられずに済みます。特に密室は犯罪シナリオ特有といっていいほどの、顕著なものでしょう。


先頭へ

 

シナリオ


○タイプ 

▼犯罪捜査
 純粋な犯罪捜査を主体とするもので、詐欺、盗難、暴行、強盗など、様々な種類を取り扱います。

▼捜索
 物品や人物の捜索や追跡を主体とするシナリオです。もちろん、捜索対象は何らかの犯罪や事件に関係するものでなければなりません。

▼犯罪組織
 ギャングや裏組合など、犯罪組織を相手にするシナリオです。大規模な盗難や麻薬、密輸といった犯罪絡みの事件や、勢力争いなどを取り扱います。組織内部の問題をネタにしてもよいでしょう。

▼軽犯罪
 軽犯罪を下敷きにして、それに絡む問題を課題とするシナリオです。犯罪そのものではなく、それをきっかけとして別の問題を浮上させたり、それを行わざるを得なくなった理由を解決することを、シナリオの課題とすればよいでしょう。

▼捕り物
 アクションを想定した、犯人逮捕を主体とするシナリオです。怪盗や強盗を捕まえたり、乗り物を使った追跡劇などが展開されます。戦闘が絡む場合もあります。

▼推理
 トリックなどを主体とした推理シナリオです。GMは周到な準備が必要となりますし、プレイヤーも高度な判断力や推理力を要するでしょう。本格的なトリックよりは、ごく簡単なトリックを仕掛けて犯人を特定する手がかりとしたり、その職業にしかわからないような謎を仕掛けて、キャラクターの存在意義を強調するような謎を用意した方がよいでしょう。

▼脅迫
 
脅迫されている側というのは、事件を表には出したくないものです。場合によっては、脅迫の事実を探るところからシナリオを始める場合もあるでしょう。

▼警備
 要人や物品を守ることを目的とするシナリオです。受け身になることが多く、アクションも含まれる可能性が高いでしょう。列車強盗や予告犯罪に備える場合なども、このタイプのシナリオに含まれます。

▼取り引き
 汚職、金融、密輸といった裏取り引きが絡むシナリオです。地味な捜査活動が主体となるでしょう。

▼逃亡
 何らかの理由で逃亡している者を追跡したり、あるいは保護するシナリオです。キャラクター自身が逃亡しなければならない場合もあります。

▼誘拐
 誘拐事件は、誘拐された者の身の安全を確保しながら、犯人を逮捕しなければなりません。非常に慎重な捜査を要求されるでしょう。

▼過去
 過去に起こった犯罪や事件を調査するものです。このタイプのシナリオは捜査のルートを特定するのが難しく、それなりに頭をつかわなければならないでしょう。しかし、逆にGMの側からすれば、ルートを限定して設定できるので、シナリオのコントロールはしやすいかもしれません。

▼冤罪
 濡れ衣を晴らすために事件を調査するシナリオです。キャラクター自身が犯罪者として扱われる場合は、高度な判断力を必要とされるでしょう。

▼秘匿
 事件が起こっているのは確かですが、何らかの事情で事件その存在や関係者を秘匿しておかなければなりません。様々な交渉や駆け引きが絡む可能性が高いでしょう。

▼潜入調査
 身分を偽って犯罪組織などの内部に入り込み、犯罪の証拠を押さえたり、情報を流す役目を負います。探偵が企業内部に社員として潜入して、内部の不正を調査するようなシナリオなども考えられるでしょう。


先頭へ

 

その他


○捜査権と逮捕権

 警察機構に所属する刑事や、税務調査を行う権限を持った調査員などは、自治体や為政者から捜査権や逮捕権を保証されています。しかし、それ以外の者は、正式な捜査権を持っていません。そのため、調査のやり方によっては、それ自体が犯罪となってしまうこともあります。また、現行犯以外での一般市民の逮捕は、不当拘束として罪に問われることもあるのです。その点には十分注意しなければならないでしょう。
 しかし、口頭で誰かから情報を引き出したり、正当な手段で調査を行うことが禁じられているわけではありません。企業書類でも経営者の許可があれば調べることができますし、警察の記録でも公にされているものであれば、きちんとした手続きさえ取れば教えてもらえることもあります。また、探偵という職業は社会的にも認知されておりますし、他にも情報を取り扱うことを生業とする職業は幾つか存在します。それから、保安官待遇で一時的に逮捕権や調査権を得ることも不可能ではないので、参加するキャラクターが警察官である必要はありません。
 逆に、命令がなければ、事件がなければ警察官は動けません。それらに縛られないということも、調査においては利点となりうるものです。


○判定

▼能力値
 事件捜査を主体としたシナリオでは、情報の入手と分析が重要となります。そのため、【判断】【記憶】【感応】といった能力値が高い方が有利です。

▼技能/一般分野
 手がかりを発見するための《観察力》や、聞き込みに用いる《会話技術》などが役に立つでしょう。また、相手の精神状態を見抜くための《精神知識》なども、使用頻度の高い技能となります。

▼技能/専門分野
 裏社会に含まれる犯罪知識は、どのような犯罪捜査においても有効となります。この他、得られた情報が何であるかを分析するための専門知識(薬品知識、医学知識など)も、幾つか習得しておいた方がよいと思われます。


○コネクション

 犯罪捜査においては、コネクション(コネ)が非常に役に立つことがあります。裏のルートを通じての情報収集や、専門家への調査の依頼など、通常の手続きを通していては得られなかったり、あるいは非常に時間がかかるような情報を得ることは、犯罪を素早く解決することに繋がります。


○物品

 これがなければ犯罪シナリオができないという物品はありませんが、犯罪トリックに道具を用いたり、捜査のために虫眼鏡をつかったりすることはよくあります。
 また、追い詰められた犯罪者が逆上して襲ってくる可能性もありますし、場合によっては裏組合やギャングなどを相手にすることも考えられます。そのため、何らかの武器を装備しておいた方がよいこともあります。


先頭へ

 


概要舞台シナリオその他