概要
エルモア地方の最南端に存在する島国で、アリアナ海の南方に位置しています。大きくは北のエリンシャ島と南のコルヴィナ島に分かれており、南北間の海峡上にあるラヴァール島、東のリーツェン諸島、南海に浮かぶベルジュ島を合わせて、セルセティアを構成しています。
国家を構成する民族は、北のセル人と南のセティア人に大きく分かれますが、両民族は古くから分裂と統合を繰り返す複雑な歴史を歩んできました。現在も両民族は争っており、南北に分裂してそれぞれ独自の政体をつくりあげています。南島のセルセティア連邦はセティア人を主要構成員とし、近代的な政党政治を行っています。セル人を主体とする北島のラハト連合(北方同盟の中心)は、時代に逆行する政教一致の政体を形成し、セルセティア連邦から独立する形で戦いを仕掛けています。
▼ラハト連合
政治:全体/制度上は近代国家だが、実質はマイエル教ラハト派が三権を掌握
:地方/自治体/方式は全国で統一/連邦制だが州権は弱い
代表:連合代表(ラハト派の大神官)
貴族:名誉階級(称号のみ)
軍隊:ラハト連合が統括/常備軍
警察:ラハト連合が統括/通常形態
司法:ラハト連合が統括
宗教:マイエル教ラハト派/高
教育:低
科学:中
術法:中
▼セルセティア連邦
政治:全体/民主主義/三権分立/近代的な政治制度
:地方/自治体/方式は全国で統一/連邦制
代表:連邦主席
貴族:名誉階級(称号のみ)
軍隊:国家が統括/近代的な常備軍
警察:国家が統括/通常形態
司法:国家が統括
宗教:聖母教会/中、マイエル教/低
教育:低〜中
科学:中
術法:中
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基本情報
エルモア地方の最南端に存在する島国で、アリアナ海の南方に位置しています。大きくは北のエリンシャ島と南のコルヴィナ島に分かれており、南北間の海峡上にあるラヴァール島、東のリーツェン諸島、南海に浮かぶベルジュ島を合わせて、セルセティアを構成しています。
国家を構成する民族は大きく北のセル人と南のセティア人に分かれますが、両民族は古くから分裂と統合を繰り返す複雑な歴史を歩んできました。現在も両民族は争っており、南北に分裂してそれぞれ独自の政体をつくりあげています。南島のセルセティア連邦はセティア人を主要構成員とし、近代的な政党政治を行っています。セル人を主体とする北島の北方同盟は、時代に逆行する政教一致の政体を形成し、セルセティア連邦から独立する形で戦いを仕掛けています。
○現況
南北間の戦乱が激化しています。民族問題も深刻ですが、何よりも宗教上の問題は特に溝が深く、聖母教会の介入が事態をより混乱させています。
セル人はセティア人に比べて人口が少ないため、この内戦は早いうちに終結すると思われていたのですが、人々の思惑を外れて今まで長引いています。これはラハト派の巫女の中に、聖者の再来とも呼ばれるリュミル=カレルレンが登場したことによります。彼女はまだ15歳という若さでありながら、北方同盟軍の先頭に立ち、その象徴として戦っています。神の啓示を受けたという彼女の活躍は目をみはるものがあり、幾度も無謀とも呼べる作戦を成功させています。実際に彼女が奇跡を行なったところを見たという人もおり、そのカリスマ性は高まるばかりで、最近では光巫女、神聖光女などとも呼ばれているようです。しかし、同盟軍の将や連邦軍たちは彼女の活躍を疎み、魔女として疑いの目で見ております。友軍の中でも陰謀を目論む者がおり、その無事が懸念されるところでもあります。
○民族
▼セル人(黄人)
黒髪、黒い瞳の黄人です。黄人の中では肌の色が白い方で、きめ細かな肌をしています。北島に多く住んでおり、全人口の30%程度を占めています。▼セティア人(白人)
やや浅黒い肌をもち、瞳や髪は茶系統の白人です。目が吊り上がっている者が多く、精悍な印象を与えます。南島に多く住んでおり、全人口の40%程度を占めています。▼グラズム人(混血:黄色+白人)
セル人とセティア人の混血で、全人口の25%ほどを占めています。このうちの80%近くは南島に住んでいます。▼その他
上の他にも、ロンデニア、ソファイア、エリスファリアなどの主要民族や、彼らとセル人やセティア人との混血民などが存在します。
○宗教
セル人が多く住む北島では、黄人の間で信仰が深いマイエル教を信奉しています。南島では聖母教会が中心となりますが、その教義はマイエル教の影響を強く受けており、エルモア地方でも非常に特異なものに変化しています。
○科学・教育
先進国家との接触が多かったため、もとより教育水準は低い国家ではありませんでしたが、制度改革による混乱と内戦の影響で教育事情は最悪の状態にあります。南部の都市では比較的ましな状況にありますが、それでも都市部を離れると学校が存在しない地域も多くなります。
○産物
▼農産物
水稲、陸稲、泡米、柑橘類、サトウキビ、サツマイモ、綿花、バナナ、トウモロコシ、豆類、タバコ、ココナッツ、紅茶▼鉱産物
石炭、鉄、石油、亜鉛、銅、スズ、宝石、大理石、石灰石▼その他
魚、砂糖、天然ゴム、木材、ラム酒、竹、オリーブ油、べっ甲細工
○交易
海上の要衝に位置しており、古くからアリアナ海貿易やペルソニア貿易の中継港として発展してきました。しかし、その立地条件から常に他国から狙われる立場にあり、沿岸部の都市が植民地化された経験もあります。
○交通
主な交通手段は馬車や牛車であり、鉄道も山間部などで資材運搬用に使用される程度となります。船は頻繁に利用されており、特に南島では乾期の水量を確保するための灌漑用水路が張り巡らされているため、重要な輸送手段の1つとなっています。
▼船
セルセティアでは他の地域では見られない特徴的な船が幾つか利用されています。たとえば牛の皮でつくった牛皮船というものがあり、渡し船として河川で利用されています。これは非常に軽いもので、頭の上に乗せて持ち運びすることが出来ます。それから中部域では葦束でつくった丸太のような船や、竹製の巨大筏などがつくられています。この他にも南部では、安定性を増すためにカヌーを横に繋いだ三胴船や、安定性や速度を増すためのアウトリガーカヌーといったものが古くから利用されています。
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国土
○概要
エルモア地方の最南端に存在する島国で、アリアナ海の出口となっています。大きくは北のエリンシャ島と南のコルヴィナ島に分かれており、南北間の海峡にあるラヴァール島、東のリーツェン諸島、南海に浮かぶベルジュ島を合わせて、セルセティアを構成しています。
全体として年間を通じて温暖で降雨量も多いため、植物の生育には非常に都合のよい気候となります。国土は自然が豊かで、珍しい植物やこの島にしか生息しない鳥類などが数多く見られます。
▼北島(エリンシャ島)
北島は中央部に山地と高原を持ち、沿岸部には平野が広がっています。気候はアリアナ海型であり、夏期に高温乾燥、冬季は温暖湿潤となります。気温は年間を通じて温暖で、四季はあまりはっきりしません。
▼南島(コルヴィナ島)
コルヴィナ島の中央には大河ヤハトが流れており、この流域には豊かな穀倉地帯がひらけています。ここから南部へゆくほどヤシなどの熱帯の植物が目立つようになり、南端部の海岸域ではマングローブ林や珊瑚礁が見られます。
コルヴィナ島南部は亜熱帯に含まれ、中央部を横切るクエーニョ山脈以南は、乾期と雨期がはっきりと分かれています。5〜10月までが雨季で、この期間は毎日のように夕方にスコールが降ります。日中の気温が35度を超える事もしばしばあり、暑く湿度の高い夏となります。12月に入ると乾期となり、雲も少なく雨もあまり降らない、湿度の低い冬が3月末まで続きます。冬でも日中の平均気温は20度前後となり、温暖で過ごしやすい気候となります。
○地図
○要所
▼ヤハト川
南島の中央を流れる大河で、飲料水、交易、農業、工業のすべてを支える重要な役割を担っています。川砂は建築材料としても利用されており、これを集める業者も存在します。
ヤハトとはマイエル神の天神マハトの妹であり、この川は彼女が降臨して水浴びをした場所だといわれています。人々はヤハト川を母なる流れと呼び、信仰の対象として神聖視しています。ヤハト川は春に一度だけ、海から水が逆流する不思議な現象が起こります。この日は祭が開かれ、その年の作物の豊穣が祈願されます。
▼ベルン海峡
北島(エリンシャ島)と南島(コルヴィナ島)の間にまたがる海峡で、流れはそれほど速くありません。現在はこの海を挟んで南北で争っており、多くの軍船が海岸沿いに停泊しています。
▼クォニーズ山脈
南島の中央を縦断する山脈で、平均高度は3000mほどです。最高峰であるソルング山は4500mにも及び、中腹の鉱山街にはマイエル教ミスク派を信奉する人々が今も住んでいます。
▼マングローブ林
南島の南端部やベルジュ島の河口付近の低地には、マングローブ林が広がる地域があります。潮が満ちるとまるで海に浮かぶ森のように見えるため、海の森とも呼ばれています。
▼珊瑚礁
国家の南沖には珊瑚礁が広がっており、マリンブルーの美しい海が遙か先まで続いています。この付近では色鮮やかな魚たちが泳ぎ回り、多種多様の海洋生物を見ることが出来ます。一部には水深1000mの場所から積み重なったサンゴによる環礁も存在します。
▼砂島
セルセティアの周辺には、珊瑚のかけらが珊瑚礁の上に堆積して出来た小島が幾つも存在します。島の海岸は細かい砂で埋め尽くされていますが、中央部には珊瑚だった石灰岩が隆起してできた奇岩地帯が見られる場合もあります。
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変異現象
○海魔現象
海の水が形をもって船を襲うというもので、霊獣の1種とも考えられています。かつて海魔が広域で出現し、陸上にまで被害が及んだ時には、1つの都市が壊滅してしまいました。
○重力変異
陸海に共通する変異としては重力変異があります。その名の通り、重力に異常をきたすというもので、ひどい時には家が宙に浮いたり、コップに押しつぶされて身動きがとれなくなったりということがあります。
○海洋流星群
珊瑚礁地帯で夜に時々見られる現象で、海の中に青白い光の群があらわれて、流星のように通り過ぎてゆくというものです。特に被害を及ぼすものではないことから、周辺の漁民は幸運の印として受け止めています。また、一般には未発見の海洋生物の仕業だという説が有力で、変異現象とは考えられておりません。
○ひねくれ風
山地でよく起こる現象で、発した声や音が遠くに行くに従って全く違ったものに変わってしまうというものです。これに惑わされたために遭難したという話しも各地に残っています。
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文化・生活
セルセティアの文化は、エルモア地方の中でも一風変わっています。これは亜熱帯の気候風土やマイエル教の影響によるものです。北島と南島では少し文化が異なっており、北島はマイエル教の影響が強く出ています。
○全体
▼衣装
温暖な地方であることから、この国の人々は薄いシャツの上に、着物のように前が開いた服を帯で巻いて身につけています。袖にもゆとりがあって、風通しをよくしてあります。暑い夏の昼休みには、木陰でハンモックを吊して寝る習慣があります。
▼昼休み
夏の暑さの厳しい時間帯は昼寝をするなどして過ごし、朝夕の涼しい時間帯に働く習慣があります。
○北島
北島の住民たちの多くはマイエル教の教義に従っており、日々の生活の様々な場面で自然物に感謝を捧げる習慣があります。たとえば狩りをしていて獲物がとれたら山の神に祈りを捧げ、日照りが続けば天に雨を請うといった具合です。
▼武闘家
マイエル教では心身を強く鍛えることを奨励しています。このため、武闘家と呼ばれる素手で戦う戦士が大勢おり、セル軍の大きな戦力となっています。もともとは暑い地域であり、厚手の鎧を長い時間着ることが出来ないことからはじまったものですが、現在では様々な流派が存在します。
秋には闘技祭と呼ばれる祭も開かれ、武術大会が催されたりします。祭の最初と最後には、マイエル教の武闘家が剣舞や型を披露する儀式が行われます。
▼お香
マイエル教の儀式など(特に舞い)でお香はよく使われるのですが、それが民間にも広まって、今では各家庭に1つは香炉が置いてあります。また、祈りの際に線香を焚いたり、匂い袋を持ち歩く習慣などがあります。
▼鈴飾り
マイエル教では鈴をお守りとしているため、人々は呪いを払う魔除けとして家に飾ったり、アクセサリーとして用いたりしています。
▼祭舞い
マイエル教の巫女は、神に捧げる踊りを踊ることから舞姫と呼ばれています。これが一般に伝わり、民族舞踊へと変化したものが各地に残っており、祭の時に嫁入り前の娘だけが踊ることが出来る舞踊も存在します。このような祭舞いを踊る選ばれた娘たちは、聖職者である舞姫と区別して舞華と呼ばれています。彼女たちは特別につくられたあでやかな民族衣装を身にまとい、祭に彩りを添えてくれます。
▼建築物
北部の夏は乾燥しているため、なるべく日陰をつくり日光を遮断するような設計がなされています。全体に窓は小さくつくられており、必ず庇がつけられます。壁は太陽の熱が伝わらないように白く塗られ、路地は日陰を作るために狭く区画されています。
中層階級の建築物は形式がおよそ決まっており、まず入り口に来客に対応するための小部屋が設けられており、次に中庭を兼ねる廊下があって、奥に母屋が置かれています。中庭は石畳の部分だけに屋根が設けられており、両側には観葉植物が植えられています。これらの植物に水をやると同時に、石畳にも暑さをしのぐための打ち水をよく行います。
大きな家の場合は家を四角く囲って作り、その囲いの中に中庭を設置します。中庭は空気を冷やすためのもので、中庭と建物の間にも幅の広い回廊を設け、さらに空気を冷やして居住区画に導き入れる仕掛けとなっています。また、大きな家では中庭に井戸や池が置かれていたり、資産家の家に至ってはプールや噴水が設置されていることもあります。
○南島
南島は大河ヤハトを中心に発展した文化を持ちます。交通の要ともなるこの河にはたくさんの船が浮かんでおり、船を家として生活する人々も大勢います。彼らは何かと「母なる川に感謝を!」という言葉を口にしますが、これは聖母教徒の口癖である「我らが母に感謝を」という言葉からきたものでしょう。
▼建築物
北部と同様、建築には暑さ対策が欠かせません。南へ行くほど木材建築が増えてゆき、地方の村では高床式の家も見られるようになります。金持ちの家の中には、ブロック状に切り取ったサンゴで壁を作ったものもあります。サンゴには小さな穴がたくさん開いているため、放熱効果をもたらしてくれるのです。
この他、川の上に家を建てたり、窓を遮蔽するために葦や竹製のすだれを用いたり、天井を高くするなどの工夫もよく見られます。なお、夏は蚊が多いので、河岸に住む者は夜は蚊帳をつって寝ます。
▼竹
南島には竹林が多いことから、生活のあらゆる場面で竹が見かけられます。食事に関しては、春にはタケノコ料理がよく食べられますし、竹筒を水筒や弁当箱にしたりします。また、細い竹を二つに割って先をまるくした竹匙というスプーンでご飯を食べることが多いようです。
南方には竹でつくられた家に住む部族もおり、竹を繊維になるまで細くしてロープ状に編んだ竹ロープや、竹釘で建築物を補強しています。また、竹を組んで建築時の足場とすることもあり、数十mもの高さに組み上げる場合があります。
他にも竹で編んだ篭や竹製の筏がよく使われておりますし、竹製の楽器を見ることがあります。また、線香の芯に竹が使われたり、竹の繊維でつくった紙なども存在しますし、薄く削った竹に絵や模様をくり抜き、下に紙を敷いて色を落としてゆく型塗りという芸術もあります。
▼海亀
海亀の甲羅でつくったべっ甲細工の装飾品は、南部の名産の1つとして知られています。海亀の肉も食べられています。
○食べ物
▼米
食べ物もこの土地独特のものが多く、蒸したご飯や米麺を主食としています。また、ライスペーパーという米を粉にして薄くのばしたものに、エビや挽き肉を包んで揚げるという技法もあります。
米そのものも特徴的で、泡米という中に気泡をいくつも含んだ米が好んで食べられています。これは普通に食べてもおいしいのですが、そのまま焼くとポップコーンのようにはじけて膨らみ、サクサクした歯ごたえのおやつになります。また、この米を蒸したものをお茶に入れて混ぜ合わせると、泡がたくさんでてきて味がまろやかになります。こうして飲むお茶を泡茶といい、特に北島で好まれています。
▼サツマイモ
この島ではサツマイモが非常によく食べられています。蒸かしたり、煮物に入れたりといった普通の食べ方の他に、つぶしたサツマイモと小麦粉を混ぜて衣にしたり、カステラにしたり、あるいは細切りにして揚げて砂糖をまぶして食べたりと、様々な調理法があります。サツマイモからつくられたスイートスピリッツという蒸留酒もよく飲まれています。
▼調味料
暑い地域であるため、唐辛子などの香辛料のきいた食べ物がよく出されます。また、汗をよくかくことから、塩気の多い食べ物が好まれる傾向にあります。
▼飲み物
北部は天然の発砲水にライムの果汁を入れたライム水やオレンジジュースなど、柑橘類の飲み物が多くなります。この他に、半分発酵させたお茶に薬草をまぜて飲む宿場茶というものがよく出されます。これは旅人(托鉢巡礼者)の疲れを癒すために出されていたのが、民間にも広く伝わったものです。
南島のラフィド地方は紅茶の産地として知られており、良質の品は国外へも出荷されています。この地方では紅茶は飲み物として以外にも、料理や染め物にも利用されています。また、国家南端部ではコーヒーやカカオ豆の栽培も行われており、徐々に一般にも普及し始めています。
▼コウモリ
南島には大型のコウモリが生息しており、これも食材としてよく見かけられます。一般には野菜と一緒に煮込んだスープやシチューに入れて出されます。これらは果実や木の実を常食としており、その肉はあっさりとしています。
▼その他
特に南部の方では、バナナ、ヤシ、ココナッツミルクといった食材がよく使われています。フライドバナナなどは、子供たちのおやつとしても人気があります。また、古くにはヤシの繊維を濾してデンプンを取って主食としていたこともあるため、現在でもこれを常食とする地域が存在します。
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人物・集団
○組織・集団
▼川の民
ヤハト川に船を浮かべて生活している集団で、川渡しをしたり交易品の輸送を行ったり、あるいは漁をして暮らしています。船を家としており、ほとんど陸に上がることはありません。▼チェイサーズ
セルセティア連邦側に荷担しているセル人の戦士たちで、ラハト派から異端扱いされた人々の集まりです。その恥辱を晴らすために、自らを復讐の戦士と名乗って戦っています。▼博愛医療協会
セルセティア全域で活動を行っている医療団体で、戦乱で負傷した者を所属を問わず無償で治療しています。これはセル人やセティア人といった民族の垣根を越えた慈善活動で、いずれの派閥にも属さない独立した集団となります。
この活動には医師だけでなく、呪医、看護士、医者の卵といった者や、戦争に反対する聖職者なども参加しています。また、数名ですが海外の医師も協力しておりますし、不定期ですが他国の慈善団体から医薬品が提供されることもあります。▼トルバ村
セルキシュ市の近くに位置する村なのですが、彼らには所有という意識が皆無で、非常に変わった社会を形成しています。他の家に勝手に入っても咎められることはありませんし、誰の家でご飯を食べても一向にかまいません。陽気な集団で、余所から旅人が来ると輪の宴という祝宴を開き、村をあげて歓迎します。
○人物
▼グレン=グラブドゥ(男/57歳)
マイエル教ラハト派の大神官であり、北島の実権のほとんどを握っています。非常に厳格な人物で、戒律を何より大事なものとしています。政治家としての手腕にも定評があり、人身掌握術にも長けています。現政府の中でも一番のやり手で、駆け引きのうまさでは右に出る者はいないと言われています。▼リュミル=カレルレン(女/15歳)
セティア人の血が濃く流れるグラズム人の少女で、マイエル教ラハト派の巫女の1人です。「神聖光女」と呼ばれており、北方同盟の英雄として先頭に立って戦っています。まだ年若い少女でありながら聡明で、巫女としても非常に優秀です。神の啓示を受けたと主張していますが、ラハト派の上層部はその点に関しては一言も言及していません。▼エクル=ヴェル(男/24歳)
「路傍のエメラルド」と称される稀代の用兵家で、リュミル=カレルレンの補佐をしています。もともとはただの農夫だったのですが、リュミルに見出されて前線の指揮をとることになりました。▼白き鎧サイファム(男/27歳)
常にリュミルの側にいる武人で、彼女に絶対の忠誠を誓っています。その剣技には定評があり、遠くからでも見えるその純白の鎧は、戦場における恐怖の象徴となっています。▼ブラッディルージュ(女/27歳)
化粧系の術法を使う傭兵戦士です。ラハト派と何か因縁があるらしく、セティア人勢力の側に立って戦っています。かつて彼女には息子がいたのですが、その死とラハト派が何か関係しているようです。▼マジャリ=ロイ(女/36歳)
女性の地位向上を唱えるセル人女性で、ペントラハル市を中心として活動しています。マイエル教は聖母教会とは異なり男女の地位に差があります。そのため、マイエル教と対立することが多く、セル人の中には彼女を敵軍のスパイではないかと勘ぐる者もいます。
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