○燃料
新大陸エスティリオには、以下のような新しい燃料が存在します。
▼赤銅炭
通常の石炭よりも高い熱量を発する赤銅色の石炭です。純度の高い赤銅炭は、一般的な石炭の2倍以上のエネルギーを含んでいます。また、煤塵や燃焼灰をあまり出さないという特徴もあるため、炭坑が発見されれば人々の注目を集めることは間違いありません。
▼青水石
水と触媒を加えることで特殊な反応を見せる青白色の石で、乾燥地から採掘されます。これは反応が進むに従って揮発してゆき、最終的には消えてなくなってしまいます。
◇熱反応
ある触媒を加えることで青白い炎を発し、高温を放つようになります。これを蒸気機関に用いれば、火室が不要となるため装置をコンパクトにできますし、これまでよりも短い時間で蒸気機関を起動できるようになるでしょう。◇その他
青水石は別の触媒を用いることで、上記のものとは異なる性質を示します。たとえば、添加することで強い光を放つ触媒や、吸熱反応をもたらす触媒なども存在するため、発見されれば多くの科学者が興味を示すことは間違いありません。
○計算機械
航路計算や弾道計算などを目的として、現行のものより計算精度や速度に優れた、新しい計算機械の開発が行なわれています。
▼一般
先進国家の学術機関や学問院では、動力機関を組み合わせた新型の高速計算機械の研究が進められています。また、一部の国家では軍工房に一流の研究者を招聘し、弾道計算機械の開発を行なわせています。▼錬金術師
現在、錬金新派に属する数名の錬金術師によって、階差機関の開発が進められています。また、パンチカード式の織機をヒントに解析機関の着想を得て、基礎概念をまとめている最中の研究者も存在します。・関連:計算機械
○作業機械
ベルトコンベアーや高度な自動工作機械などが開発されれば、産業のオートメーション化が進むことになるでしょう。しかし、生産工程の自動化は労働者の職を奪う結果となるため、失業を恐れる労働者と富裕層との間で階級闘争が勃発する可能性もあります。
とはいえ、新しい機械技術の誕生は、作業速度や精度を向上させるだけではありません。これまで人間が手掛けていた危険作業を機械に代行させたり、水中などの難所にも活動の幅を広げることが出来るのです。これが社会の発展に大きく寄与することは間違いありませんし、便利な技術や設備が一般社会にも広く提供されるようになれば、誰もがこれを受け入れざるを得ない状況になるでしょう。
○霊子機関
▼通信機械
霊子機関の回路を改良することによって、遠隔地に情報を送る通信機械を作製することも不可能ではありません。これを行なうためには、霊子機関の回路を流用して作られた導霊物質の検知器と、霊子機関を組み合わせた装置を開発する必要があります。
出力側には検知器を改良したものを用い、これで送信したい内容を霊子エネルギーの形で送りだします。そして、導霊物質でつくられたラインを通じて、遠隔地に設置した霊子機関に信号を送りだすことで、一定のパターンでピストンを動かすことが可能となります。
信号ラインが1系統の場合は、ピストンの移動距離を測ることで、モールス信号のように情報を伝達することが出来ます。ラインを増やせば信号の組み合わせにバリエーションが生まれ、より複雑な情報を送受信することが可能となるでしょう。また、これにタイプライターや印刷機械を組み合わせれば、誰にでも利用できる通信機が誕生しますし、大量の回路を同時に用いることで、点刻による画像の再現を行なうことも不可能ではないでしょう。
▼魔術機関
霊子機関の回路をベースとして、霊的効果を生み出す装置を開発することは不可能ではありません。実際、錬金術師はこういった機器を既に生み出しておりますし、先進国家の研究機関や学問院などでも研究が進められています。
現在、これらの研究が進展していないのは回路構成の問題だけではなく、霊的回路に応じた導霊物質の選択が正しく行なわれていないという理由もあります。そのため、単に発掘品の回路を模倣しただけでは機能を再現できず、偶発的な発見に頼らざるを得ないという状況にあるわけです。
もちろん、正しく機能する霊的回路が偶然見つかったとしても、人間には認識できない現象が生じる場合もありますし、有用な効果を生み出すとも限りません。ですから、求める機能を備えた魔術機械を開発するためには、膨大な知見の蓄積が必要となるでしょう。
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