サリュンティル市/概要

基本情報文化・生活


 

基本情報


 サリュンティル市はペトラーシャの南東に位置する中都市で、観光を主体として発展してきました。ここはユークレイ、カスティルーン、ペトラーシャを結ぶ三国鉄道の南の終着駅もあり、数多くの観光客が訪れます。
 サリュンティル市は「天使の降りる街」とも呼ばれており、観光名所として有名な「天使の広場」は、奇跡が起きることでよく知られています。この広場に吹くつむじ風に包まれると、体の悪い箇所が治ったりするため、多くの観光客や巡礼者が祈りを捧げに来ます。街の人々はこの風のことを、「癒しの風」あるいは「天使の口づけ」などと呼んでいます。


○位置/区分

 サリュンティルはティルノーブリア地方(=州)の中央に位置しており、行政区としてはベルアジュール県に属する都市となります。県内で最も大きい都市であり、県庁が置かれています。


○規模

 近郊に住む者も合わせると、サリュンティルの人口は20万人弱となります。


○誕生

 サリュンティル市のある場所は、かつてはレオリア砦と小さな農村があるだけの土地でした。ここに街が誕生するのは、エリンプラッフ王国時代の聖歴300年代のことで、レヴァンス伯爵家が治めるベルアジュール領の中心地として、北西にあるレオリアの丘に城塞が建てられます。しかし、聖歴435年の終わりにペトラーシャ連合王国に支配され、聖歴436年からはウィレット伯爵家が領主となります。正式にサリュンティル市となるのは、人民革命が終結して新たな政治制度が施行される聖歴659年のことで、この時にベルアジュール県の県庁所在地となりました。


○住民

 主要民族は、古くからこの地方に住んでいるマイリール人となります。その次に高い割合を占めるのがナヴァール人で、他にも南部にあるルワール大公国に多いカリスト人や、カイテイン由来のスレイラール人といった民族が住んでいます。
 この辺りは気候が良くて住みやすいことから、他の都市や国外から移住する人々も多くいます。また、法教会を信奉していることや、のんびりしていて気のいい人が多いせいか、街にはわずかですが亜人も住んでいます。


▼マイリール人(白人)
 古くからペトラーシャの中部以南に住んでいる金髪碧眼の白人です。

▼ナヴァール人(白人)
 漆黒の髪と瞳の白人で、白雪色の透けるような肌を持ちます。

▼カリスト人(白人)
 赤い巻毛に鳶色の瞳をもつ白人です。幼い頃はそばかすが多いのも、この民族の特徴です。

▼スレイラール人(白人)
 プラチナブロンドの髪に碧眼の白人で、背はそれほど高くありません。


○経済・産業

▼都市
 サリュンティルは観光都市として栄えてきた街で、奇跡が起こるという「天使の広場」があることで有名です。その他にも、サナラーラ市に継ぐ芸術都市としても知られておりますし、工業生産も盛んな地域です。

▼農産物
 一帯にはランスオール平原が広がっており、農業や畜産が盛んに行なわれています。トウモロコシや麦類の他、グラスベリーやブドウも栽培されており、お菓子や酒類も盛んにつくられています。

▼交易
 サリュンティルは国境のすぐ近くに位置しているので、南のルワール大公国やエリスファリア王国、東のカイテイン帝国などとの交易があります。


○宗教

 ペトラーシャは法教会を信奉する国家で、国教として定められています。国政にも深く関与しており、警察・司法組織に所属する聖職者も存在します。これは法教会がかつての人民革命に貢献したことが関係しており、人々は今でも聖職者たちを厚く信頼しています。


▼中心教会
 サリュンティル市の信仰の中心となるのは「カタリナ正教会」で、ここには聖堂騎士団である「聖騎士」も所属しています。


○変異現象

 天使の広場に吹く「癒しの風」は変異現象によるものですが、人々には奇跡として認識されています。ここは観光の名所ともなっており、広場の中央に位置する天使像とともに、街の象徴として他国にも広く知られています。


▼効果
 そう頻繁に起こるものではありませんが、ここで吹くつむじ風に包まれると、体の悪い箇所が癒されることがあります。
 
◇限定情報
 この風は体を癒すだけでなく、全く違う効果をランダムに引き起こすことがあります。そのため、サリュンティルでは様々な奇妙な事件が起こりますが、このことは人々には全く知られておりません。


▼地域
 変異現象による影響は都市全体で起こりうるものですが、特に頻繁に影響を受けるのが東部地域にある不思議坂の周辺です。ここでは数々の奇妙な事件が頻発しており、その影響で地価もだいぶ低いものとなります。また、無限坂や階段街の辺りでも、幾つか不思議な現象が起きる場所が存在します。


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文化・生活


○住民

 気候が良いせいか、全体にのんびりとした雰囲気が漂っている街です。


▼気質
 サリュンティルの住民は穏やかでおおらかな気質の持ち主が多く、揉め事があってもあまり後に引きずることはありません。しかし、同時に非常に大雑把なところがあり、それが原因で事件や騒動が引き起こされる場合もあります。

▼好奇心
 サリュンティルは国境近くに位置しているため、他国から大勢の人々が訪れ、様々な新しいものが入ってきます。そのためか、昔から好奇心旺盛な人々が多く、新しい技術や珍しい品に対して惹き付けられる傾向があります。三国鉄道を敷設する時も、反対意見が全く出なかった珍しい都市としても知られています。

▼刺激
 全体にゆったりした空気の街であることから、空想の世界の中に刺激を求める人々も多く、ロンデニア王国の探偵である「ラングリット=バイター」氏の推理小説や、ルクレイドやエストルークの革命話を取り扱った舞台などが人気です。

▼日光浴
 この街の人々はみんなひなたぼっこが好きです。午後のティータイムには、テラスで太陽の光をいっぱいに浴びながら、ゆっくりとお茶を飲んだりお菓子をつまんだりしています。


○芸術

 この街は音楽、絵画、文芸といった文化的な方面に力を入れており、国内ではサナラーラ市に次ぐ文化都市として知られています。舞台俳優や画家になることを夢見る若者が大勢住んでおり、有名な音楽堂の他にも多くの小劇場やホールがあります。また、街角で似顔絵描きをしたり、音楽を演奏している者もよく見かけられます。


▼緋焼き陶器
 ティルノーブリア地方南部に古くから伝わる淡い緋色地の焼き物で、伝統工芸の1つとして広く知られています。


○特産/グラスベリー

 サリュンティルの特産品として有名なのがグラスベリーという果物です。


▼グラスベリー
 大人の腰丈ぐらいの高さの潅木で、春に五弁の小さな白い花を咲かせます。初夏にキイチゴほどの大きさの実をつけますが、この実はガラスのように透き通っており、皮を透かして向こう側の景色がはっきりと見えます。このことからグラスベリーという名がつきました。
 実は少し酸味のあるマスカットのような味がします。水分を多く含むため保存性は悪く、ペトラーシャではこの実をジャムにしたり、ジュースや果実酒に加工しています。

▼グラスベリー祭
 毎年5月30日には、グラスベリーの収穫を祝って「グラスベリー祭」が開かれます。これは市外のグラスベリーフィールドに、初めてグラスベリーの苗木を植えたとされる、聖人「ルイーズ=アシェリア」を讃える祭でもあります。この日は街をあげての大騒ぎとなり、至るところでグラスベリー酒やグラスベリーパイがふるまわれます。

▼伝承
 グラスベリーを一緒に摘みにゆけば、その2人はこれから1年のあいだ、決して別れずにいられるという言い伝えがあります。また、サリュンティルには、「僕たちの間には、グラスベリーの花が咲いてるよ」という、愛する人に贈る言葉が伝わっていますが、これは「ずっと一緒にいようね」という意味で使われているようです。


○食べ物

▼グラスベリー
 サリュンティルといえばグラスベリーが特に有名で、グラスベリーパイは昔から定番のお菓子となります。また、ジャムやジュース、酒などの加工食品も人気です。

▼ノルティ焼き
 最近の流行といえばノルティ焼きで、屋台などでよく売られています。これは薄く焼いた小麦粉に果物の蜂蜜づけをはさんだお菓子で、歩きながらでも手軽に食べることが出来ます。現在は新発売の三色ノルティが話題となっており、店の前では学生やカップルが列をつくって並んでいます。

▼リムロック・パイ
 シロップ漬けのリンゴやベリーをスポンジに乗せ、それをパイ皮でつつんで卵黄を塗ってオーブンで焼く、リムロック風のパイも最近は人気があります。


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