市内
○基本
サリュンティルは基本的に治安の良い街であり、大きな犯罪に巻き込まれることは滅多にないでしょう。しかし、北部にある貧民街や歓楽街では、喧嘩騒ぎなどは珍しいものではありませんし、変異現象などによる小さな騒動は頻繁に起こります。
○犯罪・騒動
▼地域
治安の良くない地域としては、北部の歓楽街や貧民街が上げられます。また、ガセット通りや芸座横町、あるいは市場街や船着き場といった人の多く集まる場所でも、ときどき騒動が起こることがあります。
▼裏組合「黒蜘蛛会」
サリュンティルの裏社会を支配しているのは裏組合の「黒蜘蛛会」で、サリュンティル周辺の犯罪者の多くは、この組織に所属しています。昔気質の組織であり、ギャングのように暴力的な組織ではありません。また、組織では詐欺、強盗、暗殺といった犯罪は行なっておりませんので、こういった事件は組織外の人間の犯行となります。
◇本部
組織の本部は歓楽街もしくは貧民街に置かれているという噂ですが、その場所は巧妙に隠されており、いまだにわかっておりません。◇変化
組合は警察組織とも上手く折り合いをつけながら、この一帯の裏社会を支配してきましたが、最近はその状況にだいぶ変化が生じています。これは人口増加や交通手段の発達によるもので、外部から都市に流入してきた貧民による個人犯罪や、外来の犯罪者による通りすがりの犯行も、最近ではずいぶんと多くなっています。もともと、人の出入りの多い街でしたが、聖歴770年に三国鉄道が開通してから、この傾向は顕著なものとなっています。たとえば、列車を乗り継いで仕事をする詐欺師による事件などは、それ以前には決して存在しなかったタイプの犯罪となります。◇逃がし屋
犯罪者の多くは都市の北部に逃げ込み、裏組合にかくまってもらうようです。噂では、いくつかの家屋が地下で繋がっており、それを通じてうまく逃亡を果たすという話ですが、その真偽については確かめられておりません。
・仕事:全般
・関連:組合長トラディア=フィーンズ、故買屋ニーベル=ベント、逃がし屋ウェイロン、情報屋クァート
○変異現象
天使の広場に吹く「癒しの風」は変異現象によるものですが、人々には奇跡として認識されています。ここは観光の名所ともなっており、広場の中央に位置する天使像とともに、街の象徴として他国にも広く知られています。
▼効果
そう頻繁に起こるものではありませんが、ここで吹くつむじ風に包まれると、体の悪い箇所が癒されることがあります。
◇限定情報
この風は体を癒すだけでなく、全く違う効果をランダムに引き起こすことがあります。そのため、サリュンティルでは様々な奇妙な事件が起こりますが、このことは人々には全く知られておりません。
▼地域
変異現象による影響は都市全体で起こりうるものですが、特に頻繁に影響を受けるのが東部地域にある不思議坂の周辺です。ここでは数々の奇妙な事件が頻発しており、その影響で地価もだいぶ低いものとなります。また、無限坂や階段街の辺りでも、幾つか不思議な現象が起きる場所が存在します。
○生物
都市内部に危険な怪物が出没することは滅多にありませんが、変異現象の影響で動物が変化してしまう可能性があります。また、時に異世界とのゲートが開いてしまうためか、妖精や精霊などが町中にあらわれ、騒動を巻き起こすこともあるようです。
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市外
○自然
▼虫食い谷
グラスベリー・フィールドから西に進んだ辺りには、石灰岩が侵食して出来た陥没孔や、そこから繋がる鍾乳洞が存在しています。また、きれいに分かれた地層の見える岩山や、急にせり上がって塔のように地面から生えている石柱群などもあり、不思議な動植物も多く住んでいます。この周辺には伏流水の一部が見える急勾配の谷や、いきなり縦穴があらわれる危険な場所もあるため、地理に不案内な者は注意して歩かなければなりません。
▼ミルナの森
市の南西に広がる静かな森で、オルセル川の東岸を被っています。ここにはブナ、オーク、カバノキ、シナノキ、クリ、カエデ、トネリコ、ナナカマドなど、様々な種類の落葉樹が集まっており、秋には美しい紅葉で彩られます。また、この森にはシカ、ウサギ、キツネ、アライグマ、イタチ、リスといった多くの動物たちが住んでおり、市の郊外に姿をあらわすこともあります。
この森には「ミルナ」という魔女の伝説が残されているのですが、その逸話には様々な内容のものがあり、一貫したイメージで描かれているわけではないようです。たとえば、街を疫病から救った薬師として伝えられる場合もあれば、異端の魔術を使う黒魔女として忌み嫌われていたり、はたまた精霊を使役して悪さをする者をこらしめたという伝承や、森で迷った子供たちに宝物と引き換えに帰り道を教えるといった、童話めいた昔話として語られているものもあります。その容姿も醜い老婆から絶世の美女、あるいは女性に変身した悪魔や、妖精やカラスが姿を変えたものなど、まったく共通点が見られません。
ただ、1つだけ言えるのは、ここは木々が深く生い茂った迷いやすい森であり、用のない者はうかつに足を踏み入れるべきではない、ということです。そのため、魔女ミルナの一連の伝説も、子供たちが森に迷い込まないよう、ばらばらに創作された昔話群だと考える研究者が多いようです。
○生物
街道沿いには、あまりに危険生物はおりませんが、森林にはクマやイノシシなどの野生の動物が生息しておりますし、未開発の場所には変異体が出没することもあります。
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