ペトラーシャ/全体情報

概要基本情報国土変異現象文化・生活人物・集団


 

概要


 エルモア地方でも有数の先進国家で、豊かな国土と鉱産資源、そして進んだ科学技術を兼ね備えています。現政体は革命によってもたらされたもので、象徴的王制や三権分立といった、この時代では先進的な政冶制度をとる民主国家です。
 7か国と国境を接する内陸の国で、古くから交通の要衝として栄えてきました。主要国家の中央に位置するため、大陸の十字路と呼ばれることもあります。


 政治:全体/民主主義/三権分立/近代的な政治制度
   :地方/自治体/方式は全国で統一
 代表:国王(象徴的存在)/首相
 貴族
:名誉階級(称号のみ)
 軍隊
:国家が統括/近代的な常備軍
 警察
:国家が統括/通常形態
 司法
:国家が統括/法教会が管理
 宗教
:法教会/高
 教育
:高
 科学
:高
 術法
:中


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基本情報


 エルモア地方でも有数の先進国家で、豊かな国土と鉱産資源、そして進んだ科学技術を兼ね備えています。現政体は革命によってもたらされたもので、象徴的王制や三権分立といった、この時代では先進的な政冶制度をとる民主国家です。
 7か国と国境を接する内陸の国で、古くから交通の要衝として栄えてきました。主要国家の中央に位置するため、大陸の十字路と呼ばれることもあります。


▼国号
 正式名称もペトラーシャとなります。

▼国旗
 上下が平和と平等をあらわす緑と赤で二分され、旗の左辺と一辺を同じくする純白の三角形が左側に描かれています。

▼貴族
 称号は廃止されておりませんが諸特権は既に失われており、領主という地位も存在しません。一部の貴族は地主や政治家として生き残っておりますが、財産を失って没落した家系も数多くあります。

▼首都
 リューザンツ地方にあるペトルラーン市で、学問都市として国外にも名が知られています。


○現況

 ペトルラーン市での研究により、試作段階ではありますが様々な機械が開発されています。それに対して各国の密偵などが入り込んで、都市は混沌とした様相を呈しています。


○民族

▼マイリール人(白人)
 古くから中部以南に住んでいる金髪碧眼の白人で、全人口における割合は50%です。

▼ナヴァール人(白人)
 漆黒の髪と瞳の白人で、白雪色の透けるような肌を持ちます。建国当初からこの地に住む民族で、全人口の40%以上を占めます。

▼その他
 西部にはライヒスデール由来のヴァルネル人やフレイディオン由来のセナイア人が住む土地があります。また、北部にはカイテイン由来のスレイラール人が住んでいますが、これらの民族は全体の10%にも満たない少数派となります。


○宗教

 法教会は国教として定められており、国政にも深く干渉しています。警察・司法組織に所属する聖職者も存在します。これは法教会がかつての人民革命に貢献したことが関係しており、今でも人々は聖職者たちを深く信頼しています。聖堂騎士団としては聖騎士が所属します。


○科学・教育

 エルモアでも最も高い教育水準を誇る国家で、初等学校は全て授業料無料で教育を受けることが出来ます。大学校や研究機関の数はエルモア随一を誇り、有名な都市の殆どに総合大学が存在します。学問院を中心に神聖同盟3国で協力して技術開発を推進しており、科学技術においてもトップクラスとなります。


○産物

▼農産物
 小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、リンゴ、ナシ、クリ、グラスベリー

▼鉱産物
 鉄、霊石、霊水、雷石(サンディ・ロック)、石炭、ニッケル、銅、亜鉛 

▼その他
 製鉄、機械、絹織物、亜麻織物、木材、ワイン、ビール、乳製品


○交易

 大陸の中央に位置し、古くから交易における重要拠点として繁栄してきました。現在、同盟国家であるユークレイと交戦中のライヒスデールとは交易はなく、その同盟国であるフレイディオンとの輸出入にも規制がかかっておりますが、その他の国家とは頻繁に取り引きが行われています。


○交通

 他国と同様に主な交通手段は馬車ですが、三国鉄道の開設以前から鉄道の敷設が進められており、主要な都市間は殆ど鉄道で結ばれています。また、殆どが資産家に限られますが、霊子自動車なども普及し始めています。


○亜人

▼ドラゴニアン
 リエーラ地方のカスティルーンとの国境付近の森の中に住んでいます。竜のような鱗と翼をもち、顔は完全に竜とかわりません。


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国土


○概要

 7か国と国境を接する内陸の国です。中央部には大平原が広がり、水量豊かな河川が耕作地を潤しています。大平原に数多くみられる湖沼は、ここ数十年ほどに実施された大規模な治水工事によって形成された、やや水深の浅い人工湖であり、芦原の広がる景色がよく見られます。国土の南方にはルーエンス山脈が走り、南の裾が自然国境となっています。
 国土は温帯に属しており、四季の変化が大きいのが特徴です。年間平均気温は10℃ほどになりますが、地域によっては夏の最も暑い時期には30℃近くまで気温が上がり、逆に冬の最も寒い時には平均気温が零下を下回ります。


▼北部
 西部にはパドカニア山地があり、ライヒスデールとの接触を阻んでおります。その東側には小平原が広がり、果樹や小麦の栽培が行われています。
 温帯に属していますが、北端の一帯は比較的冷涼な気候となり、一部では針葉樹林が目立ちます。これはカスティルーン南部で起こる変異現象が関係しています。
 雨は晩秋から初冬にかけて多く降り、やがて雪へと変わってゆきます。北部の秋は短く、冬は急速に訪れます。しかし、積雪量はそれほど多くはなく、風も穏やかで気温のわりには過ごしやすい地域となります。


▼中部
 中央部は大平原が広がり、その中央をアーネス川が東西に貫流します。この付近では小麦の栽培が盛んで、エルモアの穀倉地帯の1つでもあります。また、南西部ではブドウの栽培が盛んで、ワインの名産地として知られるメルセン市などがあります。気候は比較的乾燥しており、雨は5〜7月頃にやや多くなります。


▼南部
 ルーエンス山脈が東西に広がり、盆地が見られるようになります。盆地は夏暑く冬には寒い日が続き、降雪量も多い地域です。山脈付近の低地では特に冬期の寒さが厳しくなりますが、逆に山の上の方では下よりも気温が高くなります。山脈は起伏に富んでおり、南西部では特に丘陵地、渓谷、森林、湖、高原など、地勢に大きな変化が見られます。


○地図


 


○要所

▼ルーエンス山脈
 その別名を雷雲山脈といい、雷石の産地として国外にも知られています。山脈は起伏に富んでおり、平野部に近い側では緩やかな地形が多いのですが、奥地には深く穿たれた峡谷や急斜面が見られるようになります。中央山脈帯と呼ばれる部分が最も高く、4000m近い山々が幾つも立ち並びます。


▼アーネス川
 国家の中央を東西に流れる大幹川で、中部の穀倉地帯を支えています。


▼竜人の森
 北部に広がる照葉樹林で、竜人たちの集落が点在しています。


▼叫哭谷
 北西部のパドカニア山地にある谷で、通り過ぎて行く風のために叫び声のような音が聞こえることから、このような名前がつきました。


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変異現象


 ルーエンス山脈の雷石とサリュンティル市の癒しの風と呼ばれる現象が有名です。しかし、どちらも変異現象とは認識されておりません。


○雷石(サンディ・ロック)

 ルーエンス山脈から特に多く産出される鉛色の鉱石です。天然の手榴弾とも呼べるこの石は、強い衝撃を与えると爆発する性質があり、大きいものはダイナマイトのように使用され、小さいものは銃弾などに利用されています。
 この国では冬と春の狭間に、ルーエンス山脈から遠雷のような音が聞こえてきます。これは雪解けの際に雪とともに雷石が滑り落ち、それが岩にぶつかって爆発するために起こる現象です。人々は春の訪れを告げるこの音を待ちわびながら冬を過ごします。辺境の村ではこの音を神のお告げと考えており、割れた石の形で1年の状況を占う地域もあるようです。


○癒しの風

 南方の都市サリュンティルの広場で起こる現象です。そう頻繁に起こるわけではありませんが、体具合の悪いものが時折ここで吹くつむじ風に包まれると、悪い箇所が癒されるというものです。観光の名所ともなっており、広場の中央に位置する天使像とともに、街の象徴として他国にも広く知られています。


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文化・生活


 ペトラーシャ人は古くから交易を通じて他国の文化に触れてきたため、開放的な気風が全土に漂っています。新しいものを自国に取り入れる術も心得ており、それが産業発展に反映されております。


○治安

 雷石を多量に産出するため、ペトラーシャでは他国に比べて銃の携帯率が高いようです。とはいえ、この国は治安は比較的良く、銃はあくまでも変異体などから身を守る手段としてのみ使用されています。


○芸術

 この国は文化的な発展期にあり、新しい芸術が次々と生み出されています。国家もこれを奨励し、資産家も芸術家たちを保護することをステータスとしているため、芸術で身をたてようという貧しい者も大勢います。こういった風潮があるため、抽象画や前衛的音楽といった試みもなされるようになり、都市は新たな賑わいみせつつあります。


▼音楽
 ペトラーシャは北方のカルネアと並んで高名な音楽家を多数輩出している国です。特にサナラーラ市は芸術が盛んな街で、有名な音楽学校や楽器の製作学校などが存在します。


○食べ物

▼ワイン
 ペトラーシャはワインでも有名であり、メルセン地方でつくられるメルセンワインはフレイディオンのウィルクワインとともに最高級にランクづけされています。メルセンでは秋に紫祭というブドウの収穫祭が開かれ、この日に限って昔ながらの足踏みでの果汁絞りが行われます。街一番の大樽にたくさんの人々が入って一斉に足踏みする姿は壮観で、祭が終わる頃には体じゅうが紫色に染まってしまいます。この日につくったワインは次の年に振る舞われます。


▼お茶
 この国ではティーハウスが非常に多く、紅茶文化と呼ばれるほどのお茶好きです。ティーハウスには新聞や本が並んでおり、様々な情報を得ることができます。午後の休みにはティーハウスで談笑する人々の姿があちこちで見られ、こういった余裕が現在のこの国を象徴しているようにも思われます。
 紅茶にはジャムや蜂蜜を入れたりして甘くすることが多いようです。また、ハーブティーもよく飲まれており、庭先にはよくハーブが植えられています。


▼お菓子
 お茶が多く飲まれていることから、お茶に合うお菓子がたくさん考え出され、パンプキンプリンやスライスしたリンゴをあげたアプレットというお菓子などがあります。
 また、ブドウジュースにシロップと小麦粉を混ぜて煮たものを、アーモンドのまわりにつけて乾燥させるシュガットという保存菓子が古くから作られており、今でも祭の時などに振る舞われています。


▼リンゴ
 北部を中心に有名なリンゴの産地があるため、この国では料理やお菓子に頻繁に使われています。おやつとしてアップルパイや焼きリンゴはよく出されますし、アップルティーやシードルといった飲み物、そしてジャムなどの加工品は国外にも輸出されています。また、北部ではリンゴの皮むきで行うまじないがあり、リンゴ1個を途中で切れないように皮をむき、その皮を呪文を唱えながら燃やすことで願いが叶うと信じられています。


▼メイプルシロップ
 北部ではサトウカエデが栽培されており、4月頃になると樹液を集めて、国内向けのシロップを作り始めます。


○その他

▼三国科学博覧会
 神聖同盟三国では4年に1度、科学博覧会が持ち回りで開催されます。次回は来年(聖歴790年)、ぺトラーシャで行なわれる予定です。このため多くの政治家、企業、科学者、建築家たちが、忙しく準備に取りかかっています。


▼民衆小劇
 この国では大道芸としての民衆劇が盛んで、街角などで道化や芸人が喜劇や風刺劇を演じている姿をよく見かけます。これは人民革命時からの文化で、戦いに疲れた人々の心を癒したり政治状況をわかりやすく伝えるために、このような手法が取られてきたのです。現在、大劇場などで演じられている歌劇の中にも、これらの中から発展したものが幾つも存在します。


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人物・集団


○組織・集団

▼鋼鉄師団(フルメタルフォース)
 陸軍の一部隊であり、試験的に開発された新兵器のテストを行っています。そのため隊員たちは、機械の取り扱いに関しては技師なみの技術を持っています。

▼エルモア正史会
 現在の歴史について疑いをもっている人々の集まりです。歴史や神話の不整合な点を整理し、その隙間を推測によって補填しているわけですが、非公式の会合であるため学会からは全く相手にされていません。

▼七色の駿馬
 現在の国政を左右する有力な七人の政治家をさして言います。

▼パールホワイトバレエ団
 国際バレエ劇団として名高く、各国の劇場から公演の誘いがきます。ペトラーシャの少女たちにとってこのバレエ団は憧れの的で、プリマドンナの写真や絵が非常によく売れています。

▼国立芸術アカデミー
 芸術活動の保護・育成のために設立されたアカデミーです。古くは王立アカデミーとして存在していた幾つかの機関を統合した組織で、現在は文部省の特別機関となります。
 芸術家の育成活動として、国立の音楽学校や美術学校などを設立しており、才能が認められた者は子供の頃から高い専門教育を受けることが出来ます。また、発表の場として幾つもの展示会を開いておりますし、これらにおいて優れた成績を残したものには補助金や奨学金を与えるなど、芸術家の保護・育成に大きく貢献しています。

▼ティアル音楽学校
 サナラーラにある有名な音楽学校で、初等学校を兼ねています。12歳までは普通教育と音楽の両方を学びますが、それ以後の3年間は音楽のレッスンだけを受けることとなります。生徒たちの実力はプロ級であり、卒業する以前から方々の劇団からスカウトされるほどの腕前です。

▼ペトラーシャ科学技術開発振興協会
 その名の通り、科学技術の向上を目的に設立された組織で、様々な科学分野の学会・調査団体が参加しています。もともとは三国科学博覧会の準備委員会として非常設の機関だったのですが、各学術機関の横の繋がりを維持する目的と、博覧会の規模拡大に従って準備の前倒しが必要となったために、常設の機関へと運営形態を変えました。
 現在は、次回の科学博が来年(聖歴790年)、ぺトラーシャで行なわれる予定になっているため、その準備で大忙しとなっています。なお、科学博で展示した品を集めた、産業技術歴史博物館の管理もこの団体が行っています。

▼蒸気旅団
 車体後部を生活空間に改造した蒸気自動車を駆って、ペトラーシャ国内を旅している隠居老人の集団です。彼らの自動車は無限軌道(キャタピラ)式となっており、街道のみならず様々な場所を走ることが出来ます。資金を提供しているのは製鉄会社の社長、大手貿易会社の経営者、ベストセラー作家、ホテル王といった経歴を持つ4名で、全部で3台の蒸気式キャンピングカーを並べて、国内を縦横無尽に駆け回っています。
 この旅には友人である機械技師、医師、料理人、音楽家なども同行しておりますし、行く先々で知り合った人間を乗せて小旅行に出かける場合もあります。また、彼らは護衛と称してマルチワーカーなどを雇い入れておりますが、その目的は旅の安全を確保するというより、冒険譚を聞きたいというのが本当の理由のようです。

▼グランド・レインボー架橋会社
 南部にある渓谷鉄道の建設に携わった会社で、架橋工事に関しては国内トップの実力を誇ります。この会社の母体となったのは、前王朝の時代から水道橋建設などに携わってきた石工組合で、当時より精度の高い工事を行っておりました。現在は、聖歴790年に開催される三国科学博覧会の目玉の1つである、高架鉄道の建設に全社をあげて取り組んでいます。


○人物

▼国王アルシオーネ(男/45歳)
 象徴的な存在であり、国家に対する権限は一切持っていません。良くも悪くも凡庸な人物で、与えられた公務だけを着実にこなしています。

▼シルマリエーユ=リンツ(男/34歳)
 ペトラーシャの至宝とも呼ばれる詩人で、「夜光杯」や「鎖十字」といった詩集は発売されたと同時に完売となりました。

▼ミナ=ティップトン(男/23歳)
 トランウェリア市に住んでいる若く美しい神官です。しかし、その正体は宗教家に扮した密偵で、空軍基地の情報を得るために影で奔走しています。

▼デューイ=マシール(男/12歳)
 弱冠12歳でありながら博士号をとった天才少年で、昨年から学問院の非常勤講師の職についています。専攻は機械工学で、その将来が期待されています。

▼アルベート=エリオット(男/52歳)
 天才彫刻家として高名な人物で、作品としてはペトルラーン正門の彫像がよく知られています。

▼暗殺者ナイトシルファ(男/21歳)
 ストリートのギャングに扮している少年ですが、実はペトルラーンの暗殺ギルドに属する暗殺者です。幼い頃からこの世界で仕事をしており、政府要人の暗殺を請け負ったこともあります。

▼イヴニル(性別?/年齢?)
 人間ではなく、笛竜という非常に珍しい種族の一員です。いつの頃からか、サナラーラの音楽堂に住み着いています。音楽を好む穏和な性格で、自分が認めた音楽家の前には姿を現わすこともあるそうです。


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概要基本情報国土変異現象文化・生活人物・集団