基本情報
○解説
やや急な坂道のある地域で、不思議な現象が様々起こることで知られています。周辺は中層市民が暮らす住宅街で、市場街が近いために大きな商店街といったものはありませんが、ところどころに小さな店鋪が並んでおり、買い物に困ることはありません。
▼分類
・ランプ通り:
主に住宅地(中上層〜中下層)
・不思議坂:
主に住宅地(中層〜中下層)
・猫目街:
主に住宅地(中層〜中下層)
・希望通り:
主に住宅地(上層〜中層)
▼ランプ通り
表通りには雑貨屋やレストランといった店がまばらに並んでいますが、基本的には中層市民たちが住む閑静な住宅街となります。北東に向かって緩やかな坂になっているため、その点においては住みやすい場所とは言えませんが、市場街や駅前の繁華街が近いため、地価とのバランスも良く人気のある街です。また、その名の通り、夜はランプが街を照らしているため、治安も良い地域となります。
◇由来
昔、この通りに住んでいたサーク男爵が、夜に明かりが灯らないこの街に、高価なルワール製のランプを大量に寄附したために、このように呼ばれるようになりました。これはあくまでも噂ですが、なんでも男爵は暗所恐怖症だったようで、彼の屋敷は夜でも灯が消えることがなかったいう逸話があります。
▼不思議坂
天使の広場に次ぐサリュンティル第2の謎と呼ばれるのが、この不思議坂と呼ばれる場所です。坂の上の方に物が転がってゆくといったことは序の口で、地図にはない場所に迷い込んでしまったり、空から魚が降ってきたこともありました。
全体にこじんまりとした印象の通りで、裏手は特に道が入り組んでいます。こういった場所ですから地価は驚くほど安く、アパートも1〜2万エランほどで借りることができます。しかし、好んで住み着く人はよほどの変わり者で、結果的にあまり裕福ではない人々が住む地域となり、独身の若者が利用する下宿や安アパートが多く並んでいます。
不思議な事件が頻発することに加えて家賃が安いこともあり、この街には冒険者たちも住み着いています。彼らがたむろする酒場や口入れ屋などもあちこちにあり、その付近は夜になると賑やかになります。なお、特に理由はないようですが、ランプ通りとの間には昔から機械工などが多く住んでおり、近くで時計屋やオルゴール屋などをよく見かけます。
▼猫目街
坂の上の方にある地域で、市場で働く労働者が住む安アパートや、昔からある小さな家屋などが並んでいます。全体に建物が密集しており、裏通りの方は特に小道が入り組んでいます。
この辺りは流れ者がやって来ることが多く、住民の入れ代わりもわりと激しいため、くるくると変わる猫の目にたとえて、猫目街と呼ばれるようになりました。なお、周辺にはノラ猫が多く暮らしているため、それが街の名前の由来だと勘違いしている人も少なくありません。
▼希望通り
中層市民の住む閑静な住宅街で、わりと広めの一軒家や家族向けのアパートがあります。昼間も人通りはそれほど多くありませんが、倉庫街が近いことから夜は特に静かになります。
▼ぽかぽか通り
わりと裕福な中層市民が暮らす住宅地で、ゆったりとした造りの家が多いようです。南からの日射しが差し込むテラスで昼寝をする人々の姿がよく見られ、街全体にのんびりとした空気が漂っています。
▼四葉通り
急坂の下手にある地区で、緩やかな坂道が郊外へと続いています。通りの南側には富裕農民の住む家が多く、やや広い敷地を持つ2階建ての一軒家が並んでいます。少し東へ進むと、見通しの良い草地が広がる開放的な景色となり、この辺りには郊外で働く農家の木造家屋が点在しています。
○イベント
▼星ランプ祭(12月24日)
12月24日には、子供たちの無事な成長を祈願する天恵祭が行なわれます。この日、市の東にあるランプ通りでは、星ランプ祭と呼ばれるイベントが開かれ、星に見立てたランプが一晩中灯されます。この通りにある街灯の中には、色硝子をはめ込むことが出来るように細工されたものもあり、1年のうちでこの1日だけ、色とりどりの光が町を包み込み、幻想的な光景を楽しむことが出来ます。
また、この日は仮装行列が行なわれ、坂の一番下から丘通りの南側にある緑風教会まで、様々な姿に扮した子供が練り歩きます。その途中、子供たちは家々を訪れ、お菓子や小さな人形を受け取ります。イベントの最後に、教会の庭で仮装コンテストとダンスパーティが開かれますが、これは子供だけでなく大人も参加することが出来ます。
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施設・名所
○種類
▼一般
喫茶店「そよかぜとこもれび」、料理店「山の緑の子守歌」、アパート「エルフハイム」、オルゴール店「瑠璃色の音色屋」、口入れ屋「風の通り道」▼公共
釣鐘広場
▼喫茶店「そよかぜとこもれび」
幅広い年齢の人々が訪れる小さな喫茶店で、ハーブティーとポプリが女学生たちに人気です。店主は17歳になったばかりの「アイリス=シャンシール」嬢で、双子の妹レアと力を合わせて頑張っています。・関連:アイリス=シャンシール
▼料理店「山の緑の子守歌」
キノコや山菜などの山の幸をふんだんにつかった郷土料理の店です。木目調の店内は森の中を思い起こさせ、人々を穏やかな気持ちにさせてくれます。
▼アパート「エルフハイム」
その名の通り、エルフなどの亜人たちが住んでいる珍しいアパートで、この街の名物の1つとなります。管理人をつとめるエルフの「リリス=フローラ」は、亜人たちを差別から守る目的のため、冒険で得た稼ぎを全部つぎ込んで、ここを買い取ったそうです。住人たちは宴会好きで、何かと理由をつけては夜通し騒いでいます。・関連:ジュジュ=フェルナンディ
▼オルゴール店「瑠璃色の音色屋」
裏通りにひっそりとたたずむオルゴール店で、ドアをくぐるとまるで異世界に迷い込んでしまったかのような、とても神秘的な空気に包まれます。店主である「イェルミル=ランシェン」のつくったオルゴールには、数々の凝った仕掛けが施されており、踊る人形や羽ばたく小鳥など、音だけではない楽しみに溢れています。
▼口入れ屋「風の通り道」
ここは冒険者組合に加入している口入れ屋で、登録者には優先的に仕事を紹介してくれます。また、色々な情報を集めるのにも便利な店で、周辺の冒険者たちはちょくちょく顔を覗かせます。
▼釣鐘広場
通りの中ほどにある小さな広場で、街路樹に囲まれた静かな憩いの空間です。広場の中央には大きなクルミの木が生えており、枝には小型の釣鐘が1つ取り付けられています。これは何者かが知らぬ間に勝手に吊るしたものらしく、誰の仕業なのかは未だにわかっておりません。また、この鐘の内側には何もぶら下がっておらず、そのままでは音を鳴らすことが出来ないため、何のために取り付けたのかも不明のままでした。
しかし、まもなく人々の間に噂が流れます。それは、この木の下を通った人の耳に、不意に鐘の音が聞こえて来たというものです。そして、その音には2種類あり、澄んだ音色を耳にした者には幸福が訪れ、割れて濁った音が聞こえた人は不幸な目に遭うというのです。その真偽についてはよくわかっておりませんが、信心深い人々は「天啓の鐘」としてその噂を信じているようです。そのため、鐘にクルミの実や小石をぶつけて遊んでいる子供たちが、そういった大人によく説教されています。
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人物・集団
○人物
▼アイリス=シャンシール
種族:白人 性別:女 年齢:17 職業:喫茶店/女主人
居住:ランプ通り 出身:サリュンティル市解説:花のような笑顔を咲かせる明るい少女で、喫茶店「そよかぜとこもれび」を経営しています。冒険者だった父リオンが行方不明となってからは、彼女と母親のリゼル、そして双子の妹レアの3人暮らしとなり、母の経営する喫茶店をずっと手伝ってきました。しかし、一昨年のことですが、母も癌で亡くなり、現在は妹と2人で生活しています。レアは非常に成績がよく、特待生としてクレア女学院に通っています。母の死後、レアは学校をやめて働こうとしたのですが、父の親友であったアリエル=メッシュと2人で彼女を説得し、どうにか学校を続けさせました。レアは学校から帰ると店を手伝っており、よく友人を連れてきて売り上げに貢献しています。
一言:「グラスベリー・パイでもいかが?」
・関連:喫茶店「そよかぜとこもれび」、アリエル=メッシュ、クリムゾン・セレンティア
▼ジュジュ=フェルナンディ
種族:エルフ/変異体 性別:女 年齢:20 職業:傭兵
居住:ランプ通り/エルフハイム 出身:亜人地域解説:もとは普通のエルフだったのですが、変異の影響を受けて肌が漆黒に染まってしまいました。そのため仲間のもとには居づらくなり、傭兵として旅をしながら生活しておりましたが、1年ほど前からエルフハイムの住人となっています。普段は差別を受けることを恐れて耳を隠しており、化粧で肌の色をごまかしています。気性が激しくひねくれていますが、それは身を守るための手段のようであり、自分の居場所を見つけた現在は以前よりずっと穏やかです。
一言:「言っておくけど、あたしは闇エルフじゃないわよ!」
・関連:アパート「エルフハイム」
▼冒険小説家 クラリッサ=アーモルト
種族:白人 性別:女 年齢:23 職業:探検家&小説家
居住:不思議坂 出身:サリュンティル市解説:普段は野暮ったい感じがしますが、磨けば光るといった感じの眼鏡美人です。いつもくしゃくしゃの髪で、窓辺でぼ〜っとしていることが多いようですが、冒険と聞くと急にしゃきっとなり、まるで別人のように変わってしまいます。
一言:「なあに〜、何か言わなきゃ駄目なのぉ? めんどくさいよお〜」
▼レオール=カロン
種族:白人 性別:男 年齢:29 職業:弁護士
居住:希望通り 出身:サリュンティル市解説:いわゆる民間弁護士であり、書類の作成を主な仕事にしています。まだ若い青年ですが、ヒゲのせいで少し年配に見られます。心臓を患っている妻をもち、苦労は耐えないのですが、その笑顔のために頑張って仕事をしています。最近、裏組合がらみの裁判を手掛けているため、組織の圧力を受けているようです。
一言:「ルフィーナ、苦しいかい? 水を持ってこようか?」
▼アリエル=メッシュ
種族:白人 性別:男 年齢:36 職業:設計技士
居住:希望通り 出身:サリュンティル市解説:誠実かつ紳士的な設計技士で、新しく建設されるリオーネ劇場の設計を担当しています。普段はもの静かな大人の男性なのですが、仕事の話になると少年のように目を輝かせます。ランプ通りに住んでいるアイリスとレアの父親とは親友だったため、双子のことは何かと気にかけて面倒をみています。実はアイリスの母親に恋をしていたのですが、そのことはずっと隠したままです。
一言:「あ、計算違ってる……」(←血の気が引いてる)
・関連:リオーネ劇場、アイリス=シャンシール
▼その他
・ロビン=ディアーズ(白人/男/24歳/露店商人・ジュース売り)
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