基本情報
○解説
観光名所として有名な天使の広場と、旧領主であるウィレット伯爵家の人々が暮らしていた城館のある地域です。これらの土地は全て伯爵家の所有するものでしたが、現在では市の財産となっています。
▼分類
・天使の広場:
公共施設(広場、観光地)
宗教施設
・旧領主邸:
公共施設(観光地)
・伯爵通り:
観光地
住宅地(上層〜中上層)
▼伯爵通り
天使の広場と旧領主邸の間にある大通りのことで、もともとはウィレット伯爵家の所有地だった場所です。広場にある聖天使教会は、この通りに面して建てられています。
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施設・名所
○種類
▼公共
天使の広場、天使の泉、聖天使教会、旧領主邸、伯爵庭園、郷土史資料館、ウィレット資料図書館
○天使の広場
奇跡が起こることで知られている、サリュンティルで最も有名な場所です。舗装された道と緑色の芝地が広がる美しい公園で、周辺には多くの木々が植えられています。国内外から大勢の観光客が訪れる場所であると同時に、市民の憩いの場として親しまれており、芝生でピクニックをしたり木陰でくつろぐ人々の姿が見られます。
◇天使の泉
広場の中央にある半径3mほどの泉です。その中に建てられた円柱の上には、彫刻家「レニー=サリントン」の手による聖天使像が置かれています。
◇聖天使教会
天使広場の敷地内にある教会で、伯爵通り沿いに建てられています。多くの巡礼者が訪れる有名な教会で、優秀な施療師が勤めていることでも知られています。
◇小天使像
広場の東側にある小天使通り沿いには、ラッパを吹く子供の天使像が2体置かれています。
◇噴水池
フルーレ川から引いた水が満たされている池であり、霊子機関による噴水が仕掛けられています。
▼由来
もともとこの土地には、ウィレット伯爵家が所有する城館の離れと庭園があったのですが、聖歴672年に市に売却されました。それからしばらくの間、ここは美術館や資料館として利用されていたのですが、聖歴685年に発生した大火によって、建物や庭園の殆どが失われてしまいます。
その後、建物の復元は行なわず、新しい広場を建設することが決定されるのですが、離れのあった場所を整地している途中、作業員が過去には存在しなかった小さな泉が湧いていることに気付きます。そして、泉が姿を現わしてから「癒しの風」と呼ばれる奇跡の風が吹くようになり、この場所は天使が降りる場所と噂されるようになるのです。このことから、ここは「天使の広場」と名付けられ、泉の真ん中には平和の象徴である天使像が建てられました。
やがて、たくさんの街路樹に囲まれたこの美しい広場には、数多くの巡礼者が訪れるようになります。そして、聖歴770年に三国鉄道が開通すると、それまで以上に人々が集まるようになり、サリュンティルは観光都市としても大きな発展を遂げることになるのです。
▼天使の奇跡
天使の泉の中央に建てられている聖天使像に祈りを捧げると、天使が奇跡を授けてくれると言われています。これは実際に起こる現象で、広場に時おり吹くつむじ風に包まれると体が暖かくなり、それまで患っていた病気や怪我が治ったりするのです。街の人々はこの風のことを、「癒しの風」あるいは「天使の口づけ」などと呼んでいます。これは法教会が正式に奇跡として認定しているもので、多くの巡礼者がここに祈りを捧げに訪れます。
なお、天使像の置かれている泉にも奇跡の力が宿っていると言われており、この水を汲んで帰る人々も大勢います。近くの土産物屋の中には、観光客用に空の小瓶を売っている店もあります。市民の間では、ここの泉の水で体を洗うと肌がツルツルになるという話や、ハゲや痣が治るという噂が古くから伝わっており、休みの日に樽で水を汲みに来る者もいるようです。
○旧領主邸/ウィレット伯爵邸
ここは人民革命が起こる前にサリュンティル一帯(ベルアジュール領)を治めていた、ウィレット伯爵の邸宅として使われていた城館で、現在は資料館として一般公開されています。
格調高い重厚な造りのこの建物は、歴史的に有名な建築家「ジョエル=ロインズラック」氏が設計したもので、市ではカタリナ正教会に次いで2番目に大きい建物となります。もともと、伯爵の居城は市の北西にあるレオリアの丘に建てられていたのですが、聖歴524年に起こった地震によって、建物の約3分の2が土砂崩れによって崩落してしまいます。その後、城は現在の場所に移転することになりますが、この時代にはベルアジュール領が戦乱に巻き込まれることはなく、ウィレット伯爵は城の建築よりも経済に発展に力を入れたため、最低限の防御機能を備えた城館として建設されました。外観も含めて邸宅と呼ぶに相応しい建物であるため、一般に城と呼ばれることは殆どなく、旧領主邸あるいは旧伯爵邸として知られています。
なお、古い貴族統治時代の象徴であるこの建物に長く住み続けることは、新時代の到来に相応しくないと考えた伯爵家は、聖歴672年に土地も含めて建物を市に売却します。そして、その資金を新しい生活と、ロディア=ウィレット療養院の建設に充てています。
◇伯爵庭園
ウィレット伯爵邸の裏にある広大な庭園です。建物と庭との間にはフルーレ川があり、白大理石で造られた美しいアーチの「白鷺橋」が架かっています。ここはエリスファリア風のアートツリー・ガーデンとなっており、植えられている樹木は動物や船など、様々な形に刈り込まれています。庭園の中にはオレンジ温室や迷路園などがあり、中央には涼しげな音を響かせる噴水池と、落ち着いた雰囲気の東屋が置かれています。
◇「天空の三姉妹」像
伯爵庭園の噴水池の中には、彫刻家「ルファード=サンスロー」の手による、「天空の三姉妹」と名付けられた像があります。これは太陽を頭上に頂く長女ティア、三日月を腕に抱く次女ルナー、星を両手ですくいあげる三女ステラの像で、それぞれ美しい微笑みを水面に投げかけています。
◇郷土史資料館
サリュンティルの郷土史に関する資料館で、祝祭日を除いて年中無休となっています。中には歴史資料等の文書の他に、考古学的な発掘品、郷土芸術に関する美術工芸、古い時代の家具・衣装・装飾品、郷土伝承や生活文化に関する民俗資料、伝統的な民具など、様々な展示物が並んでいます。・入館:大人300エラン、子供100エラン
◇ウィレット資料図書館
市民図書館の1つで、もともとはウィレット家が市に寄贈した図書を、広く市民が利用できるよう開放したものです。また、ウィレット家が所有していた、博物コレクションの展示も行なわれています。・入館:無料
▼噂/幽霊騒動
つい最近のことですが、この敷地内で幽霊が出たという噂が広まっています。目撃したのは夜間警備員の「パグ=クレイスト」ですが、彼の証言によれば「白いぼうっと光る塊がふわふわと階段を登っていって、突然ふっと消えてしまった」ということです。なお、消える直前に、像がどうこうという声が聞こえたそうですが、それが指し示す内容については全くわかっておりません。
なお、旧領主邸の中には、庭園にある「天空の三姉妹」像の他にも、水の出る瓶を抱えた女性像「エヴァンスの乙女」や、騎馬に乗って剣を高く掲げる騎士像など、彫像や銅像が幾つも置かれています。また、展示品の中にある小さな像まで含むと、到底検討もつかないほどの数となってしまうため、どの像のことを言っているのかも不明のままです。
ちなみに、この屋敷では以前にも幽霊騒ぎが起こっています。といっても、ずいぶん古い時代のことになりますが、「ユーン=ウィレット」伯爵の娘である「オレアーナ」が病死した直後に、敷地内で白い影が頻繁に目撃されていたそうです。その後に屋敷内で幾つかの事故が起こったことから、今回も何か悪いことが起こるのではないかと心配する者もおりますが、今のところこれといった出来事は特に起こっておりません。
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人物・集団
○人物
▼ネコじい
種族:白人 性別:男 年齢:不明 職業:無職
居住:不明 出身:不明解説:天使の広場のベンチでひなたぼっこをしたり、不思議坂の周辺を散歩している老人です。以前、居眠りしている間に、子供たちが顔にインクでヒゲを悪戯書きしたことがあって、それから猫じいと呼ばれるようになりました。彼は街の動物の情報に詳しく、ぼーっとしている時も鳥や犬や猫の様子を、つぶさに観察しているようです。
一言:「うむ、猫たちは夜中、その道を1つ曲がったところにある空き地でのう……」
▼ローラ=バトラー
種族:白人 性別:女 年齢:33 職業:オルガン奏者
居住:小天使通り 出身:サナラーラ市解説:サナラーラの音楽学校を優秀な成績で卒業した有名なオルガニストで、聖天使教会でパイプオルガンを引いています。まるで歌うように奏でられる美しい演奏は、著明な音楽家たちからも至高の芸術と絶賛されており、彼女を目当てに教会を訪れる者も珍しくはありません。現在、彼女はサリュンティルでしか演奏活動を行なっておらず、音楽堂で彼女の演奏会がある時は市外からも大勢の人が訪れるため、チケットを取るのは非常に苦労するようです。
一言:「美しい音楽は、人々の心を優しくしてくれるのです」
▼ルース=ネイトリー
種族:白人 性別:男 年齢:44 職業:神官長/法教会
居住:天使の広場/聖天使教会 出身:サン・アルル解説:聖天使教会の教会長を務める人物で、とても穏やかな人格者として知られています。彼は医術・薬学に詳しい施療師でもあり、暇な時間を見つけては後身の指導を行なっております。もともとは医師として別の街で開業していたのですが、過去に遭遇した事件によって信仰の道に目覚め、一時は修行のために放浪の旅にも出ておりました。しかし、その事件について彼に尋ねても、少し淋し気な目をして首を横に振るばかりで、詳しく語ってくれることはないそうです。
一言:「祈りましょう、人々の長き幸せのために」
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