基本情報
○解説
市の北西にある、旧市街へと繋がる通りです。周辺には貧民街が広がっており、全体に狭い通路が複雑に交差しています。
付近には荒れ果てた建物が多く、狭い部屋で貧しい人々が身を寄せ合うように生活しています。路上生活者も多く、建物の隙間や橋の下を住処にしたり、下水の入り口を縄張りにしている者などが、通りのあちこちで見られます。このように雨露をしのぐ術もなく、ただ道の端に寝転がっているだけの人間もおり、寒い冬には凍死体が転がっているのが、この近辺では当たり前の光景となっています。
この街は非常に建物が混雑している上に、目印も少なく景観があまり変わらないため、歩き馴れていない者には非常に把握しにくい構造になっています。半ば崩れてしまっている廃虚も多く、廃材を集めて作った小屋などもそこかしこにあるため、たとえ地図があったとしても役には立たないでしょう。
▼危険
このような場所ですから、外来者が訪れた時はとにかく迷わないよう周囲に目を配る必要があります。しかし、何より気を付けなければならないのが犯罪で、表通りでさえ決して安心できる場所とはいえません。それでも市の貧民区の中ではましな方で、路地裏に迷い込んでもせいぜいスリや恐喝程度で済むことが多いのですが、態度次第では身ぐるみ剥がされて川に投げ込まれたりすることもあります。
しかし、このような地区で何かが起こったとしても、警察がまともに対応してくれることはまれでしょう。彼らはお互いをかばい合うためまともな証言は得られませんし、何よりこのような地域に足を踏み入れる方が悪いと、誰もが思うからです。
▼昼と夜
物乞いや子供たちが稼ぎに出るため、昼間は非常に静かな地域となります。しかし、夕方頃から人々が戻りはじめ、夜には誰もいなかった部屋が足の踏み場もないほど窮屈になります。
▼分類
・種別:
主に住宅地(下層〜最下層)
・交通:
やや少ない
・治安:
悪い
・警察:
環外北警察署
▼浮浪児通り
どぶ板通りとエルザ運河の間は、都市浮浪児たちが多く集まる地域であり、浮浪児通りという呼ばれ方をすることもあります。朝はお腹を空かせた子供たちが方々へ散って仕事を探し、夜にわずかな収入で得たささやかな食事を抱えて戻って来ます。
子供たちは身を守るためにチームを組んで生活していることが多く、それぞれ縄張りをもっているようです。こういった子供たちの間では、仕事を争って頻繁に喧嘩が起こるため、より大勢の仲間を集めて縄張りを維持しようとする傾向があります。しかし、少し離れた場所に住むグループ同士は、相互に情報のやり取りを行なったり、ギャング相手の対策手段を教えあったりしているようです。
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人物・集団
▼ドレッド・ウルフ
粗暴な子供たちが集まっているチームで、恐喝や盗みといった手段で生計を立てています。他の都市浮浪児たちの稼ぎを巻き上げたりすることもあるため、その他のチームにとっては甚だ迷惑な存在です。現在はストリートギャングたちに対抗するため、周囲に住む子供たちを暴力で屈服させ、勢力を拡大しようとしています。
▼バッド・ベイビーズ
生活維持のために協力しているチームで、運河沿いに長い間放置されている長屋に住み着いています。探偵の手伝いなどをしているはしっこい連中で、地下ネットワークの一員でもあります。彼らは特に縄張りの拡大などを行なっておらず、他のチームと手を組んで町の秩序を守ろうとしています。
▼縞コウモリ
スリや盗みを生業としている盗人集団で、強い者に媚びへつらうことで生き延びています。利があれば他のチームと協力することもありますが、基本的には周囲を出し抜くことをいつも考えています。
▼濡れアナグマ
地下ネットワークの一員であり、情報の仲介連絡役を担っています。とても夜目が利くようで、ほんの小さな火種だけで闇を見通すことが出来ます。・関連:地下ネットワーク
▼シャドウ・ハウンド
主にネズミ捕りを専門の仕事としている集団で、都市のかなり広い範囲で働いているようです。聖母教会からお金を貰って仕事をしているため、他のグループたちのやっかみの対象となっています。
▼ミュール=メリック
種族:白人 性別:男 年齢:15 職業:都市浮浪児
居住:どぶ板通り 出身:アイリストール市解説:病気の弟のためにストリートギャングのベルモット団に入った少年で、下っ端として雑用係をしています。薬を買うために仕方なく汚れ仕事を引き受けていますが、麻薬の密売をさせられるようになってからは、どうしても迷いを払拭できなくなり、弟を連れてどこか違う街へ逃げようかと考えはじめています。
一言:「正義なんて……どこにもないよ」
・関連:ベルモット団
▼猫足トムリィ
種族:白人 性別:男 年齢:14 職業:都市浮浪児/盗人
居住:どぶ板通り 出身:アイリストール市解説:はしっこさにかけては随一の少年で、その身軽さを活かして盗みを働いて暮らしています。まったく足音を立てずに歩くため、いつしか猫足トムリィと呼ばれるようになりました。とても気のいい少年であり、都市浮浪児たちの間で彼のことを悪く言うものは殆どおりません。1人で暮らしていますが、年下の子供たちに稼ぎの一部を分け与えることもあるようです。
一言:「へへ〜ん、このトムリィ様をつかまえるのは、100年早いってなもんだ」
▼光のセインティナ
種族:白人 性別:女 年齢:29 職業:術法師/魔法屋
居住:どぶ板通り 出身:アイリストール市解説:光系の術法を習得している協会術法師です。彼女の家の前は、いつも術法による灯りで煌々と照らされているため、深夜でも犯罪が起こったためしがなく、安心して通れる場所となっています。何かの実験と称して、よく夜中に方々の危険地域へと出かけているようですが、その詳細については詳しく語りたがらないようです。どぶ板通りに居を構えている理由も不明で、こういった秘密主義のところが誤解される原因なのか、根本的には常識人ですが世間では変人扱いされています。
一言:「入り口、入り口……この辺かしらねっと(ピカッ!)」
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