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キーパーはゲームの審判役を担う存在となります。実際にセッションを進める上では、以下のようなルールや指針に従って下さい。
▼前提条件
ゲームの準備やプレイを円滑に行うために、キーパーは幾つかの権限を持ちます。ただし、この権限はキーパーが正しくルールを適用し、公平にプレイヤーを扱う上で認められるものとなります。
■ 適用と解釈 ■ |
▼ルール
TRPGのシステムは、キャラクターが行うことが出来る全ての行動を、ルールとしてカバーしているわけではありません。プレイヤーが想定外の行動を取ったり、ルールの解釈に関して迷ったりすることは多々あります。このような事態に遭遇した時、ルールをどのように適用するかの最終的な決定権は、キーパーが持つことになります。
▼選択・変更
選択ルールを採用するかといったことについては、キーパーに決定権があります。また、一部のルールを変更したり、使用しないことを選択することも出来ます。ただし、どのルールを用いるのかや、どういった変更を行ったかについては、ゲームを行う前に予めプレイヤーに説明し、了承を得ておく必要があります。
■ 判定 ■ |
▼技能/能力の指示
判定はキーパーが指定した技能や能力を基準として行って下さい。この際、もし他に相応しい技能があると考えられる場合、プレイヤーはキーパーにそのことを提言しても構いません。ただし、最終的な決断を下す権限はキーパーにあります。
▼許可
判定はキーパーの指示によって行われます。プレイヤーがキーパーに無断で判定を行った場合、キーパーはその結果を無視することが出来ます。
▼基準の変更
1つのセッション内では、1度決めた基準を変更しないよう心がけなければなりません。判定の基準は判断の基準でもあります。それがキーパーの気紛れで頻繁に変更されるようだと、プレイヤーは強い不満を抱くことになります。
■ やり直し ■ |
やり直すことが可能な行為であれば、キーパーは繰り返し判定を行わせても構いません。しかし、無制限にやり直しが可能であるということは、よほど不可能に近い行為でなければいつかは成功するわけですから、ゲーム的には行動自体を無意味なものにしてしまいます。失敗したことに対するデメリットはあってしかるべきでしょう。
▼不利益
通常、行為をやり直した場合は、余分な時間、金銭、資材などを費やすことになります。また、失敗を繰り返すことによって、対人関係をどんどん悪くしてゆくかもしれません。このように、失敗の程度によって不利な状況を作り出すのも、キーパーの役目の1つとなります。
▼再判定の却下
物理的に可能であっても、シナリオの展開上、再度の判定を認められない行為も存在します。たとえば、犯行現場から証拠を見つけだすような判定は、何度も繰り返して行わせる類のものではありません。
こういった判定の場合は、キーパーの判断で判定のやり直しを却下することが出来ます。ただし、状況に変化が起こったり、何か工夫を凝らして行為に臨む場合には、特別に判定を許可してもよいでしょう。
■ 隠蔽 ■ |
判定の結果が必ずしもPCやプレイヤーにわかるとは限りません。判定に失敗したことから事実が類推でき、それによって緊迫感が薄れるなどの問題が生じると感じた場合、キーパーは判定の結果を隠蔽したりすることが出来ます。特に霊的な探知や発見に関する判定で行われることになるでしょう。
▼技能
必要があれば、技能を指定することなく判定を行わせても構いません。
▼修正値
PCが感知できないような制限が存在する場合、キーパーはプレイヤーに修正値を教える必要はありません。普通に判定を行わせて、キーパーがその結果を判断して下さい。判定の成否をプレイヤーに教える必要もありません。
▼判定の代理
必要があれば、キーパーはプレイヤーの代わりに判定を行っても構いません。
■ ミス ■ |
ルールの運用や伝える情報に間違いがあった場合は、セッションの継続に問題が起こる場合があります。また、そのことが原因で論争が起こり、進行が完全に止まってしまうことも考えられます。このような場合、キーパーは以下のように問題を処理して下さい。
▼その場のミス
ミスに気づいた場合は素直に間違い認めて、可能であれば速やかに訂正を行って下さい。その時点では訂正が間に合わなくても、次の判定から正しいルールを適用するようにしましょう。
もし、ルールの変更にプレイヤーが納得していない場合は、最初に行った方法のままプレイを継続してもよいでしょう。こうすればルールの処理としては過ちであっても、不公平ではなくなります。
▼過去のミス
基本的には、何シーンも前に起こったミスに対しては、再び判定をやり直したりするのは避けるべきです。完全なルール適用のミスである場合は、素直にプレイヤーに過ちを詫びた上で、セッションの進行に協力してもらうよう話して下さい。
▼議論
問題となるのは、ミスやルールの解釈の違いによってプレイヤーが不満を抱いたり、議論になってセッションの進行が止まってしまうことです。これはセッションを停滞させることになるので、なるべく避けるよう努めて下さい。こういった問題が起こった場合、プレイヤーにはセッションの進行が第一であることを理解してもらって、議論はセッション終了後に行うのが理想的です。
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■ 基本 ■ |
セッションを円滑に進めるために用いるルールです。キーパーはプレイヤーとの意見の食い違いによってセッションの進行が妨げられると感じたら、以下のルールを適用することが出来ます。
ただし、話し合いで決着できればそれが一番良い解決法ですので、なるべくこのような手段を取らずに済ませた方がよいでしょう。キーパーとPCは敵対するものではありませんので、よく相談して円滑にゲームを進行させるよう努力して下さい。
■ 影響力 ■ |
キーパーはセッション制御のルールを1回適用するごとに、自身が持つ影響力を1ポイント消費する必要があります。
▼数値
ゲームの開始時のキーパーの影響力は、[プレイヤー人数+PCの影響力]です。たとえば、参加者が4人で、各PCに7点の影響力が与えられた場合、キーパーの影響力は4+7=11点ということになります。
■ 条件設定 ■ |
キーパーとプレイヤーの常識や知識が必ずしも一致するとは限りません。特にホラーRPGの場合は、科学的な解析が通用するとは限りませんし、キーパーもそのような知識がない場合の方が多いでしょう。また、調査活動を行うにしても、実際の現場で働いたことがなければ、細かい部分はわらかなくて当然です。
こういった問題で意見が食い違って時間を無駄に費やしたり、調査がうまくゆかなくなることもあるでしょう。この時、キーパーは自らが設定した常識を提示し、プレイを円滑に進行させることが出来ます。
なお、当然のことながら、ゲームの設定として予め用意されているもの(異能力や霊魂の存在など)については、一般常識や事実からどれほどかけ離れていても、キーパーが行う条件設定には含まれません。
▼有効範囲
1度設定した常識については、同じキーパーが運営する1連のセッション(キャンペーンなどのシリーズ)では、常に前提条件として設定されることになります。ただし、別のシリーズとしてゲームを行う場合には、この条件は適用されません。
▼制限
これらは基本的にプレイヤーに対して明らかにする必要があるもので、キーパーの秘匿情報としておくことは出来ません。設定・改変された条件は、その情報が推理や思考の前提条件として必要であったり、情報収集などによって明らかにされる機会が訪れた時に、公の情報としてプレイヤーに伝えて下さい。
ただし、一般的に知られていない事実など、詳しく調査しなければ分からない情報については、常識や事実と異なっていてもキーパーの側から情報を提示する必要はありません。
▼種類
条件設定のルールによって設定できるのは以下のものに限られます。
◇科学的考証の停止/延期
キーパーは詳細な科学的考証について、解答を停止/延期しても構いません。ゲーム内では、調査に時間がかかる、あるいは全く解析不能と設定することができます。参加者としては、調査をしても意味がないことであると認識して下さい。
◇常識の改変
常識に対する認識の違いでセッションの進行が滞った場合、キーパーは一時的に常識を改変することができます。実際の常識とは多少異なっていても、キーパーの決定を常識としてゲームを続けて下さい。
◇例外設定
新しい常識、あるいは科学的事実、技術などを提示することが出来ます。
■ その他 ■ |
キーパーは条件設定の他にも、以下のようなルールを利用することが出来ます。
▼シナリオアクションの却下
シナリオの都合などの特別な理由によって、キーパーがPCのシナリオアクションを拒否したい場面もあることでしょう。このような時、キーパーは自身に与えられた影響力を消費することによって、自発判定を却下することが出来ます。ただし、既に判定してしまった結果を無かったことには出来ません。
なお、これは個人に対して適用されるものでなく、そのシーンにおいて指定したアクション自体を却下するものです。そのため、1つのシーンが継続している間は、別のキャラクターが同様の判定を試みることも不可能となります。
▼NPCのアクション
NPCにシナリオアクションやサポートアクションを行わせる場合は、キーパーの影響力を消費することになります。ただし、PC側のサポート役として参加させているNPCの場合は、完全にPCと同じ扱いにしても構いません。
▼独占シーン
演出シーンとしてNPCの出現や口上などを描写する場合に、それを独占シーンとして設定することが出来ます。この間にPCが行動を宣言しても、それを停止してNPCを自由に動かすことが出来ます。
◇会話
NPCはPCの行動を制して、独白を続けることが出来ます。
◇行動
能動行動を選択した場合は、1ラウンドだけ先行して行動することが可能です。ただし、PCに直接的に危害を加えるなど、誰かに影響を与えるようなことは出来ません。
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