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シナリオの途中で、PCは世界の禁忌や怪物といった存在に遭遇します。その時は正気度の値を基準とした正気度判定を行わなければならず、結果によっては狂気に陥る場合があります。
▼基本
・最大値
キャラクター作成時における正気度の最大値は[自我+5]となります。
・現在値の変動
正気度は恐怖などの要因によって減少する場合があり、現在値は最大値〜0までの範囲で変動します。
・上限値の変動
キャラクター作成時における正気度の上限値は20ですが、何らかの要因によってこの数値が[自我+5]より低く抑えられる場合もあります。この時、最大値は上限値以下に設定しなければなりません。
▼正気度判定
・判定方法
正気度判定は精神にショックを与えるような何かに遭遇した時に行います。これはその時点の正気度を基準に1D20で判定を行い、ダイスの目が正気度以下であれば成功となります。
・減少
正気度の現在値は、正気度判定の結果によって幾らか変動する可能性があります。そして、それ以降に正気度判定を行う際には、変動後の値を基準として判定を行わなければなりません。減少した分の正気度がシナリオの途中で回復することはありませんが、ゲーム終了後に幾らか回復する可能性があります。
▼正気度ダメージ
正気度に与える影響の大きさは、正気度ダメージと呼ばれる数値で表現されます。何らかの恐怖に遭遇した時には、正気度ダメージの分だけ正気度の現在値が減少する可能性があります。
・基準値
恐怖対象や衝撃的事実の内容と正気度ダメージの関係は以下のようになっています。
正気度ダメージの基準値は怪物や怪奇現象ごとに設定されています。これは1/0という具合に表記されており、左が正気度判定に失敗した場合に減少する数値、右側は成功した場合の数値となります。
数値 | 目安 |
---|---|
0/0 |
小さな動揺や不安を与える程度の軽い恐怖 |
1/0 |
死体や切断された体の一部などを見る |
2/0 |
激しく損傷した死体に遭遇する |
2/1 |
恐ろしい魔道書の中身を理解する |
3/1 |
見た目が醜悪な怪物を目撃する |
3/2 |
想像を絶する怪異に遭遇する |
4/2 |
精神に異常をきたすほどのショックに遭遇する |
・致命的失敗
正気度判定で致命的失敗が出た場合、正気度ダメージは通常の失敗時より1大きくなります。
・異なる刺激
接触や包囲など異なる刺激を受けた場合、基準のものより正気度ダメージを大きくしても構いません。また、恐ろしい怪物でも一部しか見えない場合には、ダメージを減少させるなどの調整を行って下さい。
▼ショックダメージ
恐怖対象に遭遇した時は、それがPCの精神にどれだけの影響を与えるかを判断しなければなりません。その基準となる数値がショックダメージで、この値が大きくなるほど精神に強い衝撃を受けることになります。
・正気度判定の結果
ショックダメージは正気度判定に失敗した場合にのみ適用されるもので、正気度判定に成功している場合は、正気度が減少してもショックダメージを受けることはありません。この場合は全く影響が無かったということになります。
・ダメージの決定
ショックダメージは、その時に受けた正気度ダメージの数だけD6を振って決定します。
正気度ダメージが0の場合は、ショックダメージも0として扱います。ただし、0ダメージは無影響とは区別されますので注意して下さい。
・正気度の消費
霊能力などによって正気度を消費した場合は、ショックダメージを受けることはありません。
▼恐怖への慣れ
1時間、あるいは1日など、一定の期間のうちに同じ恐怖にさらされた場合、刺激になれてしまうことがあります。この場合、キーパーの判断によって与える正気度ダメージを緩和したり、ダメージを全く受けないことにしても構いません。どのくらいの期間が適切かは、シナリオや状況に応じて任意に決定して下さい。
・正気度判定
特定の刺激に慣れたと考えられる場合でも、正気度判定は行わなければなりません。この時、正気度は減少しなくても、ショックダメージによる結果は適用されます。
・異なる刺激
特定の恐怖対象に慣れた後でも、接触などの異なる刺激が与えられた場合は、別の恐怖として取り扱っても構いません。
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一時的症状には動揺状態、混乱状態、恐慌状態の3種類があり、後ろのものほど被害が大きくなります。これは1回の判定で受けるショックダメージの大小によって決まるもので、いきなり恐慌状態に陥る場合もあります。
・基準
動揺状態:ショックダメージが自我の値以下だった場合、PCは動揺状態に陥ります。
混乱状態:ショックダメージが自我の値を超えた場合、PCは混乱状態に陥ります。
恐慌状態:ショックダメージが正気度の最大値を超えた場合、PCは恐慌状態に陥ります。
▼回復判定
ショックダメージによる一時的症状の場合は、回復判定に成功すれば症状が改善されます。
・判定方法
回復判定の基準値はその時点の正気度で、通常と同じように1D20で判定を行います。なお、回復判定に失敗しても正気度が減少することはありません。
・決定的成功
決定的成功を出した時は症状が完全に解消され、すぐに通常と同じように行動することが可能となります。
・致命的失敗
回復判定で致命的失敗を出した場合、継続期間の残りが2倍となってしまいます。
・判定の機会
通常、回復判定は一定の期間ごとに試みることが出来ます。また、攻撃や痛み、新たなる精神的ショック、仲間の叱咤など、外部から何らかの影響を受けた時に回復判定を認めてあげても構いません。
▼動揺状態
ショックダメージが自我の値以下だった場合、PCは一時的に動揺状態に陥ります。
・基本時間
ショックダメージを受けた場合、恐怖対象を認識したラウンドの間は動揺状態に陥ります。これはダメージが0の場合でも起こるので注意して下さい。
・継続期間
ショックダメージが1以上の場合、遭遇ラウンド以降も動揺状態が継続します。継続期間は[ショックダメージ×1]ラウンドとなります。
・症状
動揺したPCは慌てふためき、その場でおろおろしてしまいます。場合によっては思わず悲鳴を上げたり、床にへたりこんだりすることもあるでしょう。どのような態度を示すのかは、キーパーが個々の状況に合わせて描写して下さい。
この間、PCは能動行動を取ることが出来なくなりますが、回避判定などの受動的行動や逃亡を試みることは可能です。
・回復判定
恐怖対象に遭遇したラウンドの間は完全な動揺状態に置かれますが、それが過ぎた後は1ラウンドごとに回復判定を行うことが出来ます。
・症状の緩和
回復判定に1度でも判定に成功すれば、以降は通常と同じように動くことが可能となります。
▼混乱状態
1度に受けたショックダメージが自我の値を超えた場合、そのPCは混乱状態に陥ります。
・基本時間
恐怖対象を認識したラウンドの間は完全な混乱状態に陥ります。
・継続期間
混乱状態は基本時間が過ぎても[ショックダメージ×1]ラウンドのあいだ継続します。
・症状
PCは全く状況判断を行うことが出来なくなり、半ば硬直した状態に陥ります。この間は意味のある行動だけでなく、まともな意思疎通さえ不可能となってしまいます。
混乱状態にあるPCは能動行動を取ることが出来なくなり、受動行動の判定にも−1D3修正が与えられます。ただし、抵抗判定のように思考や身動きをする必要のない判定には、この修正は科されません。
・回復判定
恐怖対象に遭遇したラウンドの間は完全な混乱状態に置かれますが、それが過ぎた後は1ラウンドごとに回復判定を行うことが出来ます。
・症状の緩和
回復判定に1度でも成功するか継続時間が過ぎれば、症状を動揺状態まで回復させることが出来ます。この時の動揺状態は継続時間が過ぎても解除されず、恐怖対象から逃れるか再び回復判定に成功するまで続きます。
▼恐慌状態
1度に受けたショックダメージが正気度の最大値を超えた場合、そのPCは恐慌状態に陥ります。
・基本時間
恐怖対象を認識してから1D6分の間は完全な恐慌状態に陥ります。
・継続期間
恐慌状態は[ショックダメージ×基本時間]分の間続きます。
・症状
PCの頭の中は混乱の極みに達し、パニック状態に陥ります。この間はただ頭を抱えて震えていたり、目を見開いて立ちつくしたり、言葉にならない声を発して後ずさるといった具合です。
キーパーは恐怖の内容に見合った症状を指定し、それをプレイヤーに演じさせて下さい。状況によっては気絶したり逃亡したり、あるいは恐怖を忘れるために一時的に恐怖対象と同化しようとすることもあるでしょう。これらの症状はたとえ回復した後でも、恐怖としてPCの精神にうっすらと刻み込まれたままとなります。
・NPC化
この間、プレイヤーはPCを自由に行動させることはできず、キーパーの指示に従わなければなりません。ただし、生贄判定とシナリオアクションはプレイヤーの意思で行うことが可能です。
・回復判定
基本時間が過ぎた後は、基本時間ごとに回復判定を行うことが可能となります。
・症状の緩和
回復判定に1度でも成功するか継続時間が過ぎれば、症状を動揺状態まで回復させることが出来ます。この時の動揺状態は継続時間が過ぎても解除されず、恐怖対象から逃れるか再び回復判定に成功するまで続きます。
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正気度が失われてゆくと、PCの精神は徐々に狂気へと近づいてゆきます。これには絶望状態、発狂状態、精神崩壊の3つの段階があります。
▼絶望状態
PCの正気度が0になるか、1度に自我の値を超える正気度ダメージを受けたキャラクターは、即座に絶望状態に陥ることになります。絶望状態下にあるキャラクターは全くの無能となってしまいます。
・継続期間
精神科医などの治療によって回復するまで、この効果は延々と続くことになります。
・症状
絶望状態に陥ったキャラクターは、もはや恐怖から逃れることすら諦めて呆然と立ちつくしたり、延々とその場にへたり込むだけとなります。ただし、他のPCが手を引くなどすれば、とりあえずそれに従う可能性はあります。
・NPC化
この間、PCはプレイヤーのもとから離れ、NPCとしてキーパーの管轄下に置かれることになります。
・正気度の上限値
絶望状態に1回陥る度に、正気度の上限値は1つずつ下がってゆきます。
▼発狂状態
絶望状態に陥ったキャラクターが更なる恐怖に遭遇した時は、発狂判定を行う必要があります。
・発狂判定
発狂判定は正気度の最大値を基準として行い、失敗した場合は即座に発狂状態へと陥ります。この判定には、その時に受けた正気度ダメージをマイナス修正として加えなければなりません。
・症状
症状はキーパーが状況に応じて決定して下さい。もしも迷うようであれば、狂気表に従って1D20でランダムに決定することも出来ます。
・継続期間
精神科医などの治療によって回復するまで、この効果は延々と続くことになります。
・後遺症
治療によって症状が回復したとしても、狂気はPCの精神に深く刻み込まれたままとなります。PCを発狂状態に陥れたものと同じ体験や、似たような恐怖対象に遭遇した場合は、その原因が取り除かれるまでの間、恐怖によって影響を受ける全ての判定に−1D6修正が与えられます。
▼精神崩壊
発狂判定で致命的失敗を出したキャラクターは、精神崩壊の状態へと陥ることになります。
・症状
精神崩壊は殆ど回復する見込みのない症状であり、正気度は0で固定されたままとなります。このような人間はもはや恐怖することはありませんが、その精神は完全に狂気に侵されており、常人とはどこか違っています。
精神崩壊の症状はキーパーが自由に決めて下さい。彼らは表向きは普通の人間と区別がつかない場合もありますが、狂信者であったり想像もつかない妄想に取り憑かれていたりします。
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▼基本
恐怖による正気度ダメージを一時的に封印することで、発狂するまでの時間を引き延ばすことが可能となります。
封印は選択ルールとなりますので、使用するかどうかはキーパーの判断に任されます。単発のセッションでは封印することで緊迫感がなくなると感じる場合もありますし、連続したキャンペーンシナリオや恐怖対象が頻繁に出現するセッションでは封印ルールが役に立つ可能性が高くなります。キーパーはどのようなシナリオになるのかを想定して、このルールを導入するかどうかを決めるとよいでしょう。
・誤認
封印は恐怖対象を正しく認識できなかったことによって為されるものです。どのように認識したのかは、キーパーとプレイヤーの相談によって決めて下さい。
・封印のタイミング
封印はプレイヤーの判断で自由に行うことが出来ますが、封印するかどうかの選択は正気度判定に失敗した直後にしなければなりません。既にショックダメージを決定してしまった場合は、封印を行うことは出来なくなります。
・認識判定
封印を行う場合は、知力を基準とした認識判定に失敗しなければなりません。判定に成功してしまった場合には、恐怖の対象を正しく認識できたことになり、正気度ダメージを封印することは出来なくなります。
・記録内容
封印対象は同じ傾向の恐怖対象ごとに別個に扱われることになります。保存時には、恐怖対象、封印ダメージ、維持手段について記録しておく必要があります。また、同時に封印ダメージの合計もメモしておいて下さい。
▼例外
・恐怖以外のダメージ
霊能力によるダメージなど、封印できない種類の正気度ダメージも存在します。
・消費
正気度を消費する必要のある霊能力を用いる場合も、減少分を封印することは出来ません。
▼封印ダメージ
封印に成功した場合は、本来は受けるはずだった正気度ダメージを、封印ダメージとして保持しておくことが可能となります。
保持するダメージはプレイヤーが任意に決定することが出来ます。全部で4ポイントの正気度ダメージを受けた場合には、1〜4ポイントのうちから自由に封印するダメージを決めて構いません。ダメージを全て封印しなかった場合は、余った分だけ通常と同じように正気度が減少することになります。
・ダメージの累積
同じ種類の恐怖について封印する場合は、ダメージは封印を行う度に累積してゆきます。
・封印ダメージの上限
全ての封印ダメージの合計は正気度の最大値以下でなければなりません。合計ダメージがこれを超えた場合は、自動的に全種類の封印が解けることになり、絶望状態へと陥ってしまいます。
・動揺
1度に受けた正気度ダメージを全て封印した場合でも、正気度判定に失敗していれば0ダメージとして扱われ、恐怖対象に遭遇したラウンドの間は自動的に動揺状態に陥ります。
・治療
封印されたままの正気度ダメージは、そのままの状態では心理学的な治療による回復は一切できません。治療を行うには一時的に封印を解く必要があります。
▼封印の維持
封印後に何も処置を施していない場合、封印はやがて解除されることになります。封印が解けないようにするためには、特定の維持手段を継続的に施さなければなりません。
・維持手段の選択
封印を維持する手段には以下のような種類があります。手段の選択はキーパーに一任されます。認めたくない種類の封印手段は採用しなくて構いません。
薬物/他者依存/物品依存/行動依存/妄想/忌避/記憶喪失/情報遮断/人格の解離...etc.
・依存の度合い
封印を行った場合は、維持手段に依存して過ごさなければなりません。依存の程度については、キーパーが任意に判断して決定して下さい。基本的には、ゲームの進行が妨げられるほど強い依存状態をつくるべきではありません。あくまでもゲーム上のアクセントとして、あるいは判断時におけるジレンマとなるような使い方をするべきでしょう。
・例外的手段
麻痺や記憶喪失などによってダメージを封印する場合は、恐怖を受けた瞬間に意識がとんでしまいます。ただし、恐慌状態よりはずっと期間が短く、せいぜい[正気度ダメージ×1]分ほどで通常の状態に戻ります。キーパーは状況に応じて適切に描写を行って下さい。
▼維持手段
・薬物
酒や麻薬に依存することで、一時的に影響を回避することができます。しかし、いずれ薬物中毒になって、医者の世話になることでしょう。
・他者依存
他人から慰められたり肌を交えるなど、誰かに依存していなければ強い不安に襲われることになります。1人でいる時間が長くなると、解除判定を行わなければなりません。
・物品依存
人形を抱えたり特定の匂いを感じていなければならないなど、何らかの物品に依存しなければ精神を安定させることが出来ません。
・行動依存
特定の行動を繰り返したり潔癖性になるなど、何らかの事柄を達成することに神経を傾けます。それが達成できない状態に置かれた場合、解除判定を行わなければならなくなります。
・妄想
自分が見た恐怖対象を他のものだと信じ込んだり、まったく仮想の存在に置き換えることで封印を維持します。この場合、他者に説得されてしまった時や、正しい認識を得た場合に解除判定を行う必要が生じます。
・忌避
封印対象を思い起こさせるような物品や状況を徹底的に嫌い、排除するようになります。忌避している対象と接触したり、長くその状態に置かれた場合には解除判定を行わなくてはなりません。
・記憶喪失
恐怖に触れた事実を忘れてしまうことで、自分の心を守ることが出来ます。これによってダメージを封印した場合は、対象のことを意識的に思い出すことは出来ません。しかし、何か記憶を蘇らせるような事実に出会った場合は、解除判定を行わなければならなくなります。
・情報遮断
気絶や感覚遮断などによって一時的に外界からの情報を遮断し、恐怖対象の認識時間を最小限にすることで心を守ります。これは自分の作用による外界からの遮断なので、心理学的治療によって取り戻されます。失われた記憶を取り戻した場合は、解除判定を行わなければならなくなります。
・人格の解離
一般に多重人格と呼ばれている症状に陥ってしまいます。人格の切り替え条件については、キーパーとプレイヤーが相談して行って下さい。
▼干渉
維持手段から長いあいだ離れていても、すぐに封印が解けてしまうとは限りません。多くの場合は、少しずつPCの精神にその徴候があらわれるようになります。
・幻視
維持手段から離れてしばらく経つと、悪夢や幻覚に悩まされるようになります。これらはぼんやりとしたものから、徐々に明確なイメージへと姿を変えてゆきます。
・自我を超える封印ダメージ
自我の値を上回るダメージを封じている封印対象は、封印が維持できていてもPCの精神に何らかの悪影響を与える可能性があります。
▼封印の解除
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正気度にダメージを受けたPCは、心理学的な治療を行うことによって正気度を回復したり、一時的に落ち着きを取り戻すことができます。
▼沈静化
心理学の判定に成功すれば、症状を沈静化することが出来ます。
・一時的症状
心理学の判定に成功すれば、一時的症状による影響を解除することが出来ます。治療を行うことができるのは1つのシーンにつき1度だけで、最初に行った人の結果だけが適用されます。また、治療には数分の時間をかける必要があります。
・長期的症状
心理学の判定に成功すれば、絶望状態および発狂状態に陥っている者を、一時的に正気にとどめておくことができます。ただし、この安定状態は1D3時間ほどしか保ちませんし、まず治療を施す前に相手をおとなしくさせるのに苦労することでしょう。
治療には1時間程度の時間が必要となります。判定を行うことができるのは1つのシーンにつき1度だけで、最初に行った人の結果だけが適用されます。
なお、沈静化に成功しても、表向き症状が改善されたように見えるだけに過ぎません。正気の時と同じように行動できますが、実際には精神に深いダメージを受けたままであり、時間が過ぎれば再び元の症状に戻ってしまいます。
▼正気度の回復
医師による正式な治療を受けた場合、減少した正気度を回復させることが可能となります。
・判定
心理学の判定に成功すれば、1ヶ月に正気度ダメージを1D3ポイント回復することができます。しかし、致命的失敗を出した場合は、逆に1ポイントの正気度を失います。
▼長期的症状の治療
絶望/発狂状態に陥ってしまったPCは、自宅療養や精神病院に入院するなどして、時間をかけて癒さなければなりません。周囲から刺激を受けるような場所に置かれた場合は、いつまで経っても回復することはありません。
・治療期間
絶望状態の治療は、だいたい1D3ヶ月ほどの時間を要します。発狂状態の場合は1D3+3ヶ月となります。ただし、これはあくまでも基準であり、期間はキーパーが任意に設定しても構いません。
・自宅療養
自宅の落ち着いた環境でカウンセリングを受けながら治療を行えば、少しずつ正気を取り戻すようになるでしょう。
・精神病院
きちんとした設備のある病院に入院した場合、自宅と同様に落ち着いて治療を行うことが出来ます。
・判定
1ヶ月毎に心理学の判定を行い、これに成功すれば次の治療段階へと進むことができます。そして、最初に決定した治療期間を充たせば、絶望/発狂状態から回復できたことになります。
判定に失敗した月は治療期間には含まれませんので、失敗し続ければ治療はどこまでも長引く可能性があります。また、致命的失敗を出した場合は、治療期間がさらに1か月延長されます。
・刺激
治療期間中に正気度ダメージを失った場合、治療は最初に決定した期間より長引くことになります。どの程度継続しなければならないかは、キーパーが任意に決定して下さい。
・問題行動
治療期間中に周囲から刺激を受けた場合は、暴れたり自殺を試みたりするなど、何か問題を起こしてしまう可能性があります。このような問題行動は刺激を受けた直後に行われるとは限らず、人目につかない場所で試みることもあるでしょう。
▼精神崩壊者の治療
精神崩壊を起こしたPCの治療は、すべてキーパーの裁定に任されます。ただし、回復するにしても数年の時間が必要となるでしょう。
▼封印ダメージの治療
封印ダメージは正気度に与えられているダメージとは別個に扱うもので、異なる過程を経て治療を行います。
・封印ダメージの認識
封印ダメージの存在は、行動依存や物品依存といった表に見える影響によって発覚するものです。封印の存在が判明するまで治療を行うことは出来ませんので注意して下さい。
・治療の間隔
1ヶ月につき1度の治療を試みることが出来ます。
・封印の一時的解除
心理学の判定に成功すれば封印が一時的に解除された状態となり、1D3時間だけ患者の精神は安定したままとなります。この間は封印が解けても正気度にダメージが戻ることはなく、狂気にとらわれることもありません。また、安定期間内であれば、診察者は任意の時に再び封印を元に戻すことが可能です。
致命的失敗を出した場合は、精神状態を安定化させることが出来ないまま封印が解けてしまいます。この時は知力を基準とした解除判定を即座に試みなければなりません。
・治療
封印が一時的に解除されている状態であれば、通常の精神治療と同じように封印ダメージを癒すことが可能となります。この時、心理学の判定に再び成功すれば、封印ダメージは1D3ポイント回復します。これによって封印ダメージが0になれば、封印対象を破棄できたことになります。しかし、致命的失敗を出した場合は、1ポイントのダメージが封印ダメージに蓄積されます。
・刺激
封印の一時的解除に成功していれば、周囲から何らかの刺激を受けても封印ダメージが解放されることはありません。ただし、正気度判定を行うような恐怖や、封印対象に関連する強い刺激を受けた場合は、知力を基準とした解除判定を試みなければなりません。
解除判定に成功した場合は、封印が完全に解けてしまうことになります。また、ダイスを振って決めた安定期間が過ぎた後は、強い恐怖を伴わない刺激を精神に受けた時でも、解除判定を行う必要があります。
・再封印
安定期間が過ぎてしまったり、一時的解除の間に強い刺激を受けて解除判定を行った場合、封印を再び維持するためには心理学の技能による再封印に成功しなければなりません。
心理学の判定に成功すれば封印を完全な状態に戻すことが出来ますが、判定を行った側がすぐにその成否を判断することは不可能です。その後の症状を観察したり、治療時に心理学の判定に成功して、初めて封印状態を把握することが可能となります。
・維持手段の交換
封印ダメージが0になるまでは維持手段への依存は継続されており、これを止めれば封印はいずれ解除されることになります。しかし、心理学と薬学の知識がある者は、依存している対象を正式な治療薬に置き換え、それで封印を維持することが可能となります。
ただし、置き換えを行うためには一時的解除の間に心理学の判定に成功し、依存対象から患者を解き放つ必要があります。説得できなかった場合は、薬物を与え続けるだけでは維持することは出来なくなります。
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SacrificeSyndrome-Rule