NoisyBlue-Rule
 

サイコフローラ
  

獲得精神状態種類変化

獲得

■ 基本 ■

 精神的影響を受けてフローラに対する想いが歪んでしまった者、およびその者が唯一大事にする存在のことを、サイコフローラといいます。


▼制限
 キャラクター作成時にサイコフローラを獲得することは出来ません。また、サイコフローラとなってしまったPCは、NPCとしてキーパーに接収されてしまうことになります。


▼種類
 サイコフローラに分類されるものには、マイナスフローラ、パニッシュフローラ、デザイアフローラ、セイクリッドフローラ、セレスチャルフローラ、ガーディアンフローラ、ドライフローラ、ギルティフローラ、ボイドフローラ、ブラインドフローラ、ゼロフローラの11種類が存在します。
 このうちゼロフローラは、ブレイクスルーチェック(部分侵蝕の解除判定)の結果によって自動的に決まる、非常に特殊な状態となりますので注意して下さい。


■ 設定 ■

▼完全侵蝕(バースト)
 部分侵蝕の解除に失敗して完全侵蝕に陥った場合、そのキャラクターはサイコフローラの状態へと変化してしまうことになります。

 
◇意識
 汚染対象に完全に侵蝕されてしまったキャラクターの意識は、汚染源となった思念や自己の歪んだ想念との融合を果たしてしまいます。この時に生まれた人格は悪意など歪んだ感情に支配されてしまっており、犯罪やその他の問題を引き起こす可能性が非常に高くなります。

◇フローラの選択
 キーパーは1つのフローラを選択して、それをPCのサイコフローラとして設定することが出来ます。この時に選ぶことが出来る対象は、自身が保持しているフローラか、もしくは接触した思念(ブレイクスルーの引き金、もしくは侵蝕状態の原因)の持ち主のフローラとなります。

◇シード
 PCの保持するフローラのうち、サイコフローラとして選択されなかったものは、全てシード(後述)として保持されることになります。

◇変化
 サイコフローラの状態が解除されるまでは、新たなフローラやシードを持つことは出来ません。

◇記録
 サイコフローラの状態が解除された場合、それまで保持していたフローラは全て元の状態に戻ります。ですから、それまでのレベルと内容については、キャラクターシートに記録したままにしておいて下さい。


▼サイコフローラの設定

◇種類
 サイコフローラの種類(マイナスフローラなど)はキーパーが任意に決定して構いませんが、最後に接触した思念がサイコフローラの持ち主であった場合、だいたいは接触対象と同じものへと変化します。ただし、ゼロフローラだけは自由に選ぶことは出来ません。

◇内容
 内容は、すでに設定してあるものが維持されます。他者のフローラを自己のものとして取り込む場合でも、相手が保持していた時の内容をそのまま複写することになります。

◇フローラレベル
 サイコフローラとなった場合は、現在の値よりもフローラレベルが上昇します。PCの場合は1D3レベル上がりますが、NPCの上昇値についてはキーパーが任意に決定して構いません。ただし、レベルの上限は3となりますので、それより数値が大きくなることはありません。


▼ゼロフローラ
 ブレイクスルーチェックで致命的失敗を出してしまった場合は、ゼロフローラと呼ばれる特殊なサイコフローラへと変化します。

 
◇内容
 ゼロフローラの持ち主は大事なものを何も持たない存在であるため、フローラの内容は設定されません。

◇フローラレベル
 その他のフローラとは異なり、ゼロフローラにはフローラレベルが設定されません。そのため、彼らはサイコフローラでありながら、その思念はいかなる精神汚染も引き起こさないという特徴があります。


■ シード ■

 シード(種)というのは、サイコフローラの状態にある者が持つ、非常に特殊な状態のフローラです。


▼獲得
 サイコフローラになってしまった場合、サイコフローラとして選択された1つのフローラ以外は、全てシードに変化することになります。


▼内容
 サイコフローラ以外のフローラは、侵蝕状態が解除されるまでシードとして扱われ、クラックと呼ばれる心の隙間(無意識の領域)に隠されることになります。シードとなったフローラにはレベルが設定されず、対象について特別な感情を抱くことはなくなってしまいます。


▼幻視
 シードは無意識の領域に置かれているため、異能の力でこれを見ることは出来ません。


■ 能動的異能力 ■

 サイコフローラの持ち主は、能動的異能力を身につける可能性があります。


▼獲得
 能動的異能力を獲得するかどうかは、サイコフローラとなった直後に選択しなければなりません。獲得する場合は、初期状態で受動的異能力を得る時と全く同じチェックを行って下さい。ただし、もともと《霊視》の異能力を持っている場合は、すぐに1レベルのチェックから行うことが出来ます。


▼特殊異能力
 これらは特定の種類のサイコフローラの持ち主しか獲得できないので注意して下さい。


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精神状態

■ 基本 ■

 サイコフローラの持ち主は社会的に見て異常者であり、犯罪行為も平気で行なうことが出来る危険人物です。目的を達成するためには手段を選ばず、大罪を犯しても何ら罪悪感を抱くことはありません。
 彼らは他者と自分の違いを認識できても、自分の精神や行為を異常だとは考えていないのが普通です。他者にそれを指摘されたとしても、考えを改めることは殆どないでしょう。ただし、心理学的な治療が正しく施されれば、元に戻る可能性もあります。
 彼らは異常な行動やその片鱗を表に出すこともあれば、隠したまま生活している場合もあります。また、特にフローラに関連する出来事に触れなければ、表向きは常人と全く区別がつかないことも珍しくはありません。そのため、外見だけからサイコフローラの存在を特定することは、非常に困難であるといえます。


■ 精神影響 ■

▼サイコフローラ
 ゼロフローラを除いたサイコフローラの持ち主は、精神的な影響に対して以下のような反応を示します。
 
◇ブルーライン
 サイコフローラの状態に陥った場合は、最後にダメージを受けた時点の数値でラインが固定されてしまいます。

◇ノイズチェック
 サイコフローラの持ち主は、ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありません。彼らはノイズダメージによってラインが下降することはありませんし、一時的汚染も起こらなくなります。

◇衝動
 サイコフローラの持ち主は、フローラやそれに関連する事柄に関して、周囲から何か精神的な刺激を受けた場合に、簡単に精神状態が不安定になってしまいます。ただし、【自我】を基準としたクリアチェックに成功すれば、一時的に衝動や悪意を抑え込むことが出来ます。


▼ゼロフローラ
 ゼロフローラの状態に陥った者は、精神が完全に凍結されてしまうために、殆どの精神影響を受け付けなくなります。
 
◇ブルーライン
 ゼロフローラになった場合、その時点の値にかかわらずブルーラインは0で固定されてしまいます。

◇影響
 彼らの精神に影響を与える手段は、異能力もしくは心理学的なアプローチのみに限られます。ノイズダメージを受けるような事態に遭遇しても、ノイズチェックを行う必要はありませんし、衝動に突き動かされることも一切ありません。


▼解除
 サイコフローラとなったキャラクターは、心理学的な治療に成功しなければ、完全侵蝕の状態を解除することは出来ません。


■ 維持手段 ■

 サイコフローラの持ち主の中には、特定の維持手段に依存することで精神の安定を図る者もいます。この場合、維持手段に頼っていられる間は、自動的に衝動を抑制することが出来ます。


▼例外
 以下のような条件のもとでは、維持手段に頼っている状態でもクリアチェックを要求されることがあります。
 
◇強い刺激
 通常であればノイズチェックが必要となるような刺激を受けた場合、維持手段のみで影響を防ぐことは不可能となります。

◇致命的失敗
 維持手段に頼っている状態でも、クリアチェックで致命的失敗が出た場合に限っては、衝動に突き動かされる可能性があります。ですから、キーパーが必要と考えるのであれば、いつでもクリアチェックを行って構いません。

◇反動効果
 維持手段を設定した場合は、それに依存して過ごさなければなりません。維持手段は精神を安定させる機能を持ちますが、逆に依存状態が保てなくなった時は反動効果が生じ、強い不安や衝動が呼び起こされます。このため、維持手段から離れて長く経った場合は、衝動を抑えるためのクリアチェックを行わなければなりません。


▼種類
 維持手段には以下のような種類があります。これらは例示であり、別の維持手段を設定しても構いません。
 
◇薬物依存
 酒や麻薬に依存することで精神を安定させます。しかし、いずれは薬物中毒になって、医師の世話になることでしょう。

◇他者依存
 他人から慰められたり肌に触れるなど、他者に依存しなければ強い不安に襲われることになります。

◇行動依存
 特定の行動を繰り返したり潔癖性になるなど、何らかの事柄を達成することに神経を傾けるようになります。

◇物品依存/状態依存
 人形を抱えたり特定の匂いを感じていなければならないなど、何らかの物品や状態に依存しなければ精神を安定させることが出来ません。逆に特定の対象や状況を嫌い、周辺から徹底的に排除することで、平静な状態を維持することもあります。

◇人格の解離
 一般に多重人格と呼ばれている症状に陥ってしまいます。人格を切り替えることで特定の刺激や状況から逃れ、精神の安定を図ろうとします。


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種類

 サイコフローラに分類されるものには、マイナスフローラ、パニッシュフローラ、デザイアフローラ、セイクリッドフローラ、セレスチャルフローラ、ガーディアンフローラ、ドライフローラ、ギルティフローラ、ボイドフローラ、ブラインドフローラ、ゼロフローラの11種類が存在します。


▼分類
 サイコフローラは大きく3つに分類することが出来ます。
 
◇基本/マイナスフローラ
 基本として設定されているサイコフローラは、マイナスフローラと呼ばれているものです。シナリオを構成する上で、その他のサイコフローラに設定する理由が特にない場合は、これを選択しておけば問題ないでしょう。

◇特殊/ゼロフローラ
 ブレイクスルーチェックで致命的失敗を出してしまった場合に陥る、極めて特殊な状態のサイコフローラです。彼らは大事なものを何も持たない存在であるため、フローラの内容は設定されません。彼らが登場するシナリオの内容も独特のものとなるでしょう。

◇特殊/その他
 フローラに対して特定の感情を抱くようになった者であり、パニッシュフローラ、デザイアフローラ、セイクリッドフローラ、セレスチャルフローラ、ガーディアンフローラ、ドライフローラ、ギルティフローラ、ボイドフローラ、ブラインドフローラの9種類があります。
 彼らの特別な心理状態や犯罪傾向を示して、犯人像や事件の解決方法について推理しやすいようにしたり、特定の能動的異能力を用いたシナリオを作成したい場合は、これらを選択すればよいでしょう。


▼自作
 シナリオの都合に応じて、上記以外の種類をキーパーが自由に作成しても構いません。


■ マイナスフローラ ■

 フローラに対して歪んだ愛情を持つようになった人間を、マイナスフローラあるいはマイナスフローラの持ち主と呼びます。


▼クリムゾンローズ
 マイナスフローラの持ち主を異能力で見ると、鮮やかな真紅の薔薇が見えるといいます。


▼状態
 バーストが起こった時は、フローラに対する感情に大きな歪みが生じます。そして、フローラやそれに関係するものに対して、歪んだ愛情や激しい憎悪などの感情を抱くことになります。
 マイナスフローラの持ち主は、将来的に犯罪に手を出す可能性が高くなります。彼らの犯行の動機はフローラに対する歪んだ愛であり、異常とも思えるような残忍な手口や、常軌を逸した手法で犯行を遂げます。彼らはフローラ自体を傷つけるとは限らず、それを手に入れる、独占する、相手を守るといった目的のために、犯罪的手段を行使する場合もあります。この場合、邪魔をする者は間違いなく彼らの標的となるでしょう。


■ パニッシュフローラ ■

 フローラやそれに関連する出来事が原因で、激しい怒りや敵意を抱くようになった者を、パニッシュフローラあるいはパニッシュフローラの持ち主と呼びます。


▼ブラッディローズ
 パニッシュフローラの持ち主を異能力で見ると、ダークレッドの薔薇が見えるといいます。


▼状態
 パニッシュフローラの持ち主は、激しい憎悪や復讐心に燃えています。そして、敵と見なした対象に攻撃を加えたり、残虐な復讐を実行するのです。彼らはその行為を当然行なうべきものと考えており、自己を正当化する傾向が非常に強くなります。
 攻撃対象となるのは、フローラ自身であることもあれば、フローラに危害を加えた相手、あるいはそれらに関連するものが含まれる場合があります。人物が標的になることが大半となりますが、特定の対象のみが該当するとは限らず、サイコフローラに陥る原因に関わった人々や、それを生む原因となった状況や社会構造に対しても、激しい憎悪の念を抱く可能性があります。


■ デザイアフローラ ■

 フローラおよびそれに関連する出来事によって、激しい欲望に支配されてしまった人間のことを、デザイアフローラあるいはデザイアフローラの持ち主と呼びます。


▼スイートローズ
 デザイアフローラの持ち主を異能力で見ると、ピンク色の薔薇が見えるといいます。


▼状態
 デザイアフローラの持ち主が抱く欲望には様々なものがあります。物欲、食欲、金銭欲などをはじめとして、愛情や快楽を際限なく求めるようになったり、出世、支配、独占といった願望を満たそうとする者もいます。また、夢をかなえたり特定の状態を維持することに執着する場合もあるでしょう。
 彼らは自身の願望を達成するためには手段を選びません。そのために障害となる存在があれば、危害を加えてでも排除しようとすることでしょう。また、誰かから目的のものを奪わなければならない場合は、相手を傷つけたり殺害してしまう可能性さえあります。
 彼らの情熱は特定の何かに全て傾けられ、常人からはその執着心は異常に見えます。ただし、その独占欲も常軌を逸しているため、集めた品などが他人に奪われることを恐れ、自身の欲望を一切表には見せずに生活している場合も珍しくはありません。逆に、自分の望みが至上のものであると考え、手段を選ばずそれを他人に強要したり、理解や賞賛の声を求めるようになることもあるようです。


■ セイクリッドフローラ ■

 フローラを神聖化してしまった場合には、セイクリッドフローラと呼ばれる状態になります。セイクリッドフローラは、単に対象を理想の存在として認識するだけではなく、自らが理想として想い描いた姿を相手に重ねてしまう場合もあります。


▼ホワイトローズ
 セイクリッドフローラの持ち主を異能の力で見れば、穢れのない純白の薔薇が見えるといいます。


▼状態
 セイクリッドフローラの持ち主は、フローラが汚されるのを許すことが出来ません。ただし、これはフローラに抱くイメージによって反応が異なります。たとえば、フローラの実体が自身の理想とする姿と違った場合は、無理やり理想の姿に変えてしまおうとするかもしれませんし、相手が年老いてゆくことに我慢できずに、殺して変化を止めてしまうなどする可能性もあります。


■ セレスチャルフローラ■

 存在しない理想のことをセレスチャルフローラと呼びます。セレスチャルフローラの持ち主は、実体のない理想を求め欲している状態にあります。しかし、その理想は常識で考えれば実現不可能なもので、セレスチャルフローラの棘は周囲のみならず自らをも傷つけ、やがて破滅へと導こうとします。


▼ゴールドローズ
 セレスチャルフローラの持ち主を異能の力で見た場合、黄金色に光輝く薔薇が見えるといいます。


▼状態
 セレスチャルフローラは現実には存在しない幻想で、特別な理想を求める心が創りあげるものです。彼らの中には、自分のことを天使やムーの転生戦士などと思い込んでいる者も多くいます。また、理想実現のためにテロ活動を行ったり、宗教を興したりする場合もあるようです。彼らは自己の理想を実現するために邪魔する者を排除したり、自らに過酷な試練を与えたりすることで、社会から少しずつ離反してゆくことになります。


■ ガーディアンフローラ ■

 フローラやそれに関係する出来事が原因で、何かを守ろうとすることに異常な執着心を抱くようになった者のことを、ガーディアンフローラあるいはガーディアンフローラの持ち主と呼びます。


▼シルバーローズ
 ガーディアンフローラの持ち主を異能力で見ると、鋭い棘を持つ銀色の薔薇が見えるといいます。


▼状態
 ガーディアンフローラの持ち主は、何かを失ったり傷つけられることを過剰に恐れています。そのため、それを防ごうとして異常な行動を取ったり、いかなるものを犠牲にしてでも対象を守り抜こうとします。なお、周囲からの攻撃とみなされるのは物理的影響だけでなく、精神的な圧力も害悪として認識されます。
 彼らが守ろうとする対象は、フローラやそれに関連するものとなります。守るといってもその行動は様々で、自らの身を呈してでもフローラを守り抜こうとすることもあれば、対象を他者から隔離してなるべく危害が及ばないようにする場合もあります。また、攻撃者やそれに転じる可能性のある相手を、物理的あるいは社会的に葬り去ることで、守護対象の安全を確保することも珍しくはありません。誰かを騙したり心理的に追い詰めるといったことはもちろん、他者を操って誰かを攻撃させるなどして、敵を排除しようとすることもあるでしょう。


■ ドライフローラ ■

 ドライフローラの持ち主は、フローラに対して不安や強い疑いの心を抱いています。そして、その疑念を払拭するため、彼らは犯罪行為に走ることになるのです。


▼デザートローズ
 ドライフローラの状態にある者を異能の力で見れば、砂を固めてつくったような薔薇が映ります。


▼状態
 彼らの頭の中は、フローラに対する不安や疑いの心で満たされており、それを払拭するためにもがき苦しんでいます。そして、不安を解消するための行動に執着したり、他人に解決を求めることになります。しかし、そもそもフローラに対する認識が歪んでいる上に、全ての原因を自分以外の存在に求めるため、その行動が周囲から理解されることはありません。
 フローラが自身に関するものである場合は、歪んだ自己像を達成するための行動に固執したり、被害妄想的な状態に陥ることになります。この時は自らを守ることが最優先されるため、他者に対して攻撃的な行動を取る可能性もあります。
 フローラが他者に関するものである場合、最終的にはストーカーになる傾向が強く、対象を徹底的に監視したり、自分だけが独占できる状態に置いたりします。また、自分への愛を試すために対象を監禁してみたり、試練を与えるといった行動を取ることもあります。場合によっては、対象を永遠に自分のものにするため、壊したり殺害することもあるようです。しかし、当然のことながら、彼らの心がそれで満たされることはなく、フローラがこの世から消えてもなお、その潔白や正当性を示す証拠を探し求めようとするのです。


■ ギルティフローラ ■

 彼らは罪悪感や罪を憎む心に支配されており、それらの原因を打ち消すことに執着します。ただし、その反応には様々なものがあり、復讐や粛正といった積極的な行動に出る場合もあれば、逆に自分の殻に閉じこもることで心を守ろうとする者もいます。


▼グレイローズ
 ギルティフローラの持ち主を異能の力で見れば、くすんだ灰色の薔薇が見えるのだといいます。


▼状態
 ギルティフローラの持ち主は、過ちの記憶にきつく縛り上げられています。そのため、自分が失敗することを異常なほど恐れたり、その間違いを2度と起こさないために、必要以上に他人に厳しく当たったりします。また、彼らは自分が憎んでいる罪と類似の行為を犯した者を許せなく思う傾向が高く、その想いに従って誰かを傷つけたり、罪を裁こうとする可能性があります。
 これとは逆に、悔恨の念ゆえに大事なものを持とうとせず、わざと他人を遠ざけるように振る舞ったり、なるべく周囲に関心を持たないよう心掛ける者もいます。彼らの多くは、平穏な状態を乱されることを激しく嫌うため、積極的に近づいてくる人間を邪魔に思い、時には異常な手段をもって排除することがあります。


■ ボイドフローラ ■

 ボイドフローラの状態に陥った場合は、それまでのフローラに対する思いが、絶望や疑いといったものに変化します。それによって彼らの心は虚しさに満ち、やがて破滅願望に支配されることになるのです。


▼ダークローズ
 ボイドフローラの状態にある者を異能の力で見れば、漆黒の花弁を持つ薔薇が映るのだといいます。


▼状態
 ボイドフローラの持ち主の心は空虚で、孤独や絶望といった感情に支配されています。彼らは破滅的な思考に取りつかれており、自分の身をかえりみず危険なことを平気でしたり、周囲の全てを道連れにしようと考えたりします。なお、彼らは負の感情だけを抱いているとは限らず、破滅そのものが喜びとなる場合もあります。
 彼らの行動の前提にあるものが、フローラやそれに繋がる出来事であることは間違いありません。しかし、その攻撃の標的となるのは、必ずしもフローラに関係する存在であるとは限らず、無関係の対象が無差別に標的に設定されたり、すべての存在を消し去ることが目的となることもあります。
 彼らの中には、他人の成功を邪魔したり、人々を絶望へと導くことに全力を傾けるといった、暗い目的に喜びを見い出す者もいます。また、思想や概念的なものを否定したり、滅びの美学を世の中に示すといったことが、第一の目標とされる場合もあります。このような特殊なサイコフローラであるため、被害者の人間関係や犯行状況を分析しても、犯人の動機や目的がなかなか特定できない可能性があります。


■ ブラインドフローラ ■

 ブラインドフローラの持ち主は、フローラに対する思いを見失っていたり、存在するはずのフローラを忘れている状態にあります。彼らの目的は、自らの拠り所であるフローラを探し出すことですが、フローラを渇望する心によって犯罪が引き起される可能性があります。


▼グラスローズ
 ブラインドフローラの状態にある者を異能の力で見れば、透き通ったガラスのような薔薇が映るのだといいます。


▼状態
 ブラインドフローラの持ち主は、フローラやそれに対する想いを探すことを、第一の目的としています。彼らは自身が何かを求めているのは理解していますが、その対象が何であるかについては非常に曖昧な認識しかありません。そのため、様々なものを手に入れ、それが自分が本当に必要としているものなのかを確かめようとします。
 多くの場合、それは他人が大事にしているものを奪う形で行なわれるもので、特に他人のフローラを狙う傾向が高くなります。そして、手に入れたものが自分にとってどんな意味を持つ存在なのかを、常人にとっては理解しがたい方法で確かめようとするのです。たとえば、命を理解するために人間を生きたまま解剖したり、あるいは守るべきものを敢えて壊すことで、その価値を理解しようとしたりします。しかし、いかなる試行錯誤も、彼らが心に抱える闇を照らすことは出来ず、かつてのフローラを取り戻すために異常な行動を繰り返すことになるのです。


■ ゼロフローラ ■

 大事なものを全く持たない人間もまれに存在します。このような状態にある人間をゼロフローラといいます。


▼原因
 ゼロフローラというのは、部分侵蝕を解除するために行うブレイクスルーチェックで、致命的失敗を出した時のみ生まれる特異な存在です。その他の要因によってサイコフローラとなった場合、ゼロフローラを選択することは出来ませんので注意して下さい。


▼設定
 ゼロフローラの持ち主は大事なものを何も持たない存在であるため、フローラの内容は設定されません。また、フローラレベルも存在しないため、サイコフローラでありながら、彼らの思念はいかなる精神汚染も引き起こさないという特徴を持ちます。


▼アイスローズ
 ゼロフローラの状態にある人間を異能の力で見れば、氷の薔薇として認識されます。


▼状態
 ゼロフローラの人間は精神が完全に凍結されており、何かを大事だと思うことがありません。それ以外の事柄に関する判断については、これまでと大きく変わることはありませんが、そのたった1つの違いによって、常人とは全く異なる存在となってしまうのです。
 
◇感情
 他人の心が殆ど理解できないことから、非常に冷酷、あるいは周囲に無関心な人間だと思われることが多いでしょう。

◇倫理・制約
 彼らにとって禁忌や制約となるものは存在しないため、法や倫理といったものに全くとらわれずに行動してしまいます。そのため、残虐な犯罪でさえ簡単に犯してしまう可能性があります。

◇生活
 特に理由がなければ、それまでの習慣に従って、以前と全く同じように生活を続けます。ただし、彼らは他人の評価を気にすることもありませんし、理想や目的のために熱意をもって生きることもないため、ただ空虚に毎日を過ごすことになります。

◇保身
 生物的な本能は備えているため、以前と同じように反射的に身を守ったりします。しかし、当然のことながら、彼らにとっては自分も大事なものには含まれません。そのため、特に身を守る理由が存在しなければ、自分の不利なることでもそのまま放置したり、無謀と思える行動を平気で取ることもあります。

◇頼み
 損得について気にすることがないため、他者の頼みを安請け合いしてしまう傾向が高くなります。その際には、与えられた条件を満たした上で、効率よく目的を達成しようとするため、結果的に最適の手段を模索して実行します。

◇疑問
 彼らは感情に根ざした他人の行動を理解できないため、常に疑問を抱いて生きています。その疑問を解消することを大事だとは思いませんが、自分が周囲とは異なっていることは理解しています。


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サイコフローラの変化

■ 基本 ■

 サイコフローラの状態にある者は、バースト時に精神状態が固定されてしまっています。そのため、この状態が解除されるまでは、フローラレベルが変動したりシードの開花が起こることは、基本的にありえないものであると認識しておいて下さい。
 その上で、シナリオの都合などによって、どうしてもサイコフローラの状態を変化させたい場合は、特別にこれらの処理を行っても構いません。この条件に該当するのは、シナリオの進行に応じてフローラが消滅したり、その思いがわずかでも揺らぐ可能性があったり、あるいはプレイヤー側から強く要望があった場合(PCによる説得の適用など)となります。


▼変化の可能性
 以下の変化が起こるかどうかは、キーパーの判断に全て任されます。しかし、その可能性があるかどうかや、いつ起こるのかをランダムに決定したいと思った場合は、現在のブルーラインを基準に判定して、成功した時にのみ精神的な影響が及ぶものとすればよいでしょう。


■ フローラレベルの変化 ■

 シナリオの都合で調整が必要となったり、フローラへの想いが急激に変化するようなイベントが発生した時は、フローラレベルを変動させても構わないでしょう。ただし、彼らのフローラに対する執着は並大抵のものではないため、思いが深まってレベルが上昇する可能性は高くても、萎縮によってレベルが下がることは殆どありえません。


■ 種類の変更 ■

 シナリオの都合で必要とされる場合は、特別にサイコフローラの種類を変更してもよいでしょう。なお、特殊異能力を獲得している場合は、改めて獲得し直して下さい。


■ フローラの昇華 ■

 フローラへの想いを維持することが完全に不可能となった時は、フローラの昇華を試みることが可能となります。これは強制的に引き起こされる、特殊なフローライレースとして扱われます。


▼条件
 PCたちの努力によってフローラへの想いが間違いだと気づいたり、何らかのイベントによってフローラ自体が消滅するなどした場合、昇華判定に挑戦することが出来ます。ピュアフローラでいえば、フローラブレイクやロストフローラが発生する時の条件となりますが、よほど決定的な出来事がなければ昇華が引き起こされることはありません。


▼昇華判定
 昇華判定の基準となるのは【自我】の値で、これに成功すれば悪意や苦痛の念を昇華できたことになります。


▼結果

◇昇華の成功
 昇華判定に成功した場合、そのフローラは自動的に消滅することになります。その時は、虹色のバラがはらはらと散ってゆくイメージが頭に浮かびます。このバラは自己の歪んだ感情を理解した証で、オーロラローズといいます。

◇サイコフローラの解除
 1つのフローラを昇華することが出来たとしても、サイコフローラの状態そのものが解除されるわけではありません。サイコフローラの状態から完全に脱するためには、心理学的な治療を施す必要があります。

◇シードの開花
 昇華の成否にかかわらず、フローラへの想いを維持できない状態となった場合は、新たなシードが開花する可能性があります。この時は1つのフローラを指定して、通常と同じように開花判定を行って下さい。その際にサイコフローラの状態が解除されていなければ、シードの開花によって新たなサイコフローラが花咲くことになります。


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獲得精神状態種類変化

 

NoisyBlue-Rule