太田市場で起きてること
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インターネット取り引きの実感
先日、取り引き委員会の席で、FAJによるインターネットシステムの説明があ
りました。
その中で、従来の電話ファックスにより相対取り引きをインターネットでやる
だけ、それほどの違いはない、という話しがありました。
ネット取り引きが始まる前の相対取り引きとは、
売買権を持ってる人が、<電話やファックスで当日の5時までに申し込む>
というシステムのことです。
時代の流れで電話媒体が現状に合わずで経費もかかり過ぎる、というのが大き
な理由だそうです。
たしかに、インターネットは一般化し、近頃では、すぐ隣のデスクにいる同僚
にe-mailで連絡する、という会社もあります。
だから、 ネットを使わない手はないのは当然で反対はしません。
しかし、ネット情報は一部の人にしか公開されません。
まず、ネット情報を公開し、それをe-mailで申し込む
もしくは、それの発展系で、サイト上でクリックする、というのなら分りま
す。
問題は
ネット取り引きを別枠として募集し、
ネット取り引きの権利を別契約させ、
情報を別契約してない一般売買人に非公開にして、
今迄と同じ枠で入って来た花をセリ前に分配する
というシステムでありながら
今までより便利になった、と言ってることです。
結果として、市場から花が消える
太田花きは、このシステムを受発注システムと呼んでいます。
取り引きじゃない、と言ってるわけです。
名前を変えたからと言って、実質的に花が売買されてるのには違いなく
競りに入って来る花が減るのは同じです。
減る、というのはマイルドな表現であり
ある種類の花はなくなる、ということです。
生産量が多いものであっても、ネットで需要があれば、なくなるのです。
これは予想されたことで、最初の取り決めとして、セリに20%残すという約
束がありました。
1000本のビビアンが入ってきたら、200本はセリにかける、ということ
です。
現在の市場の言い分は
バラ全体(日によって違いますが600種類くらい)の20%を残すのが原則
ということです。
つまり、
セリ前に赤いバラが全部で出てしまったとしても黄色が残ればいい、
レモンリーフが売れて売れて、でもセリにはアイビーがあるから大丈夫
と言ってるのと同じなのです。
花屋さんの店先を想像してみて下さい。
黄色いバラとアイビーのアレンメントばかりが並んでいる。
さすがに、グロリオーサとか目立つ花がなくなると、なくなること自体が目立
つので、沢山のクレームがつきます。
グロリオーサ事件が現実に起きたりもしました。
噂によると、市場に200ケースものグロリオーサがあるので、セリに出たの
は1ケースだった、、、、、
さて
東京都の立場です。
ルールというのは決め事です。
決め事には抜け道があります。
法律は、がちがちに決めるのではなく運用で適切に行うように遊びの部分を作
る、という精神があるようです。
現在の東京都がやろうとしてることは
<今、やってることは決め事に違反してる疑いが極めて高いので、ちゃんと体
裁を整えなさい>
つまり
<うまく抜けなさい>
と指導してる印象があります。
何故なら
インターネット画面の顔つきが変ったとしても、競りに花が来ないという状況
は変らないのですから。
何度も言うようですが
ネット売買が始まる時に、これが一番心配されたことでした。
これが予想通りになってきた。
その状態で、ここまで来てるのに
また新たなシステムを立ち上げようとしてる。
売買人は、面倒な手続きとお金を払って、権利を取得してきたのです。
大部分の花屋さんが、
今、起きてる現状を把握することもなく
今日は、赤いバラが少なかった、とか、
中卸しにたくさ出てる、ゲーブランドキフトは
近頃、競りに出て来ないな〜
とか思ってるわけです。
3へ続く
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