悠久影的評価

悠久幻想曲1のレビューです。




Last update 9/22

(PS版を元にしています)
(好きなキャラがけなされるのに耐えられない方はお引き返しください)
 ネタバレ注意!



・プレイ日記

1stプレイ:エル、アレフ、クリス
アレフ&クリスにはわりと期待していたのでこの布陣(笑) とりあえず「最初は心のまま」の法則に則り、素直な気持ちでプレイする。結果それぞれのテーマ別イベント1と2のうち片方ずつを間違えた。この時点でリカルドEDが決定していたなど誰が予想しただろうか(怒)
進めていってもキャラの何かが見えてはこない。テーマ別の3と4が起こらないのだから当たり前だ。
そしてリカルドED。相性は最高、重要そうなイベントを失敗した記憶もない。何が悪かったかわからなかった。

2ndプレイ:シーラ、パティ、シェリルの萌えそうな布陣(笑)
ネット上で全イベント成功がED条件と聞き、セーブ&ロードプレイ。
正直このゲームは「セーブ&ロードプレイ」を前提にしているとしか思えない。これをしない限りEDにはとても到達できない。しかし正直言って面倒極まりない上に、ゲーム世界への感情移入を大幅に妨げる。実際の人生ではやり直しなど効かないのだ!ちなみにときメモラーにとってはリセットは女の子への裏切りであり邪道プレイであります。(ああなんてことを)
確認プレイの結果選択肢の理不尽さを知る。特にパティイベント。解けるか!
そしてシーラの「神のお告げ」、成功したと思ってそのまま進めていて、後で確認したら失敗になってた。この分かりにくさも問題。データは残っておらず、もう嫌になってそのまま進める。この時点でシーラEDが消える。
攻略本購入。作業プレイに入る…
この頃からイベントの内容のなさ&長さにだんだん嫌になってくる。
時間がないので1つのデータで2人のEDを見た。

パティシナリオ:パティ自身は好きです、感情ハッキリしてるし。でも確かに結果的に店を壊したけど、こっちはさくら亭を守るため喧嘩を止めに入ったのになんであそこまでいつまでも「許したわけじゃないからね」とか言われにゃならないわけ?ケンカしてたからって言っても納得いかねー。そして4つ目のイベント「SHADOW」、名前もパティと無関係だが中身もどうでもいい。正直マリアのイベントと言った方がいい。なんで最終イベントがこんなのなんだ…。

シェリルシナリオ:確かにいいことはいいです。初めて小説が雑誌に載った幸せ。しかしいざ原稿依頼が来ると書けない。焦る、プレッシャー…。書く楽しさを思い出すんだ。これが某ママレの誰かのように「彼の薦めで初めて小説に挑戦してみたら大きな賞を取ってばんばんざい」みたいな話だったら怒ってたでしょうが、彼女はこつこつと書いてきた努力家っぽいので良し。
しかし正直「ありきたりな話」という感は否めない。いいんだけどそれだけっていうか…。これはイベント4「信じて欲しいこと…」での押しが足りなかったからかもしれない。このイベント創作にはほとんど関係ない。また私は「信じる」という単語が嫌いなので勝手にトリーシャとの仲を誤解して「もう何も信じられない!」と叫ぶ彼女に「じゃあ信じるな」と思った。よしんば主人公がトリーシャと付き合ったってあなたが文句言う筋合いはないでしょーが。
「アナザー・フェイス」「宴会、大暴走!」は面白かったけど、面白いのはシェリルでなくてトリーシャだった。トリーシャが目立ちすぎなのもシェリルが目立たない一因だと思う。

3rdプレイ:リサ、マリア、ピート。
さて今まで文句ばかり出ていたシナリオだが、ここで見方が一変する。リサ・メッカーノ。この人のシナリオがとにかく良かった。憎しみをあらわにするリサに緊張感は高まり、カッセル老人の言葉にうなり、盲目の少女に考えさせられ、そして生きる目的であった憎しみを捨てて一種呆然とした姿とまたそこから主人公や仲間たちと新たな人生を歩き始める彼女に心打たれ、EDの歌を聞きながら涙ぐんでいた(マジ)。剣と盾の誓いと相棒、「恋愛というより仲間」という悠久幻想曲の基本を貫いたEDと言えるだろう。なんだーちゃんとこういうのもあるんじゃないですか。(他のキャラもこのレベルなら良かったのだが…)実際最後までやって「悠久プレイして良かった」と思ったのはこの人が初めて。残念なのは主人公とテディ以外の仲間が全然関わってこなかった点だが、他のキャラも出してうまくまとめるというのはかなり難儀かもしれない。
メイン以外にも「煩悩もんすたー」「ピザ・ファイト」「一日ママ」など良いものが多い,覆面女戦士マスク・ド・ピザーーー!(ガビーン)

マリアシナリオ:全然反省しないのがメリッサなら口先しか反省しないのがマリアだろうか。どっちが悪いってどっちも悪いとしか言いようがないが「もうしませ〜〜ん」と言った直後にまた同じ事されるとかなり裏切られた気分になる。またメリッサの行動は基本的にギャグで済むがマリアはやってることがシャレにならない。自らの恋のために人を騙して魔導書を盗み出させるなど悪質としか言いようがない。声と表情は好きなんですがメインイベントは好きになれません。子供として見られたくなければ大人の行動を取りましょう。休日「心の痛み」は良かった。

ピートシナリオ:ん〜悪くないんだけど肝心のピートが変身してばかりで普段の明るく元気なキャラクターが全然目立ってない…。特に最後の「月明かりの下で」アレフ目立ちすぎっす(面白いんだけど)。
「狼男」「お母さん」とも伏線がバレバレで先が読めるし。


4thプレイ:メロディ、エル、シーラ
攻略本の通りなので苦労はなし。

エルシナリオ:
 告白の語りは全編で1、2を争うほどに良かった。
 語りだけが良くて浮いてたという気もするが(笑)
 リサシナリオが内容は良かったものの仲間が関係なかったのに比べ、エルの告白は彼女が一歩みんなの輪の中に入っていけたという印象深い結末である。本当はみんなのことが大好きで、みんなもエルのことが大好き。まさに仲間の数だけHAPPYがある。私が悠久に期待していたのはこれである。マリアも「本当はエルが好き」とか言ってくれたら良かったのだが。
 しつこくWHネタだが、エルに関してはアドバンスドジャネットだと思った。仲間との繋がりをネタにSSを書くならエルが一番書きやすいと思う。
 だから最後の一枚絵は仲間たちとピクニックに出かけて笑ってるエルとかそういうのにしてほしかった。主人公とチェスしたからなんだっつーねん!
 イベントに関しては邪竜関連のご都合主義さはもうこのゲームのシナリオに慣れてきたのでなんともないが(笑)、「はみ出し者」「みんなから拒絶される」という絶望感は心に訴えるものがあった。ただそういうものを表したければ他にいくらでもやり方はあったと思うが。「レスキュー・ワーク」は「不良っぽいけど動物には優しい」というお約束ながら彼女の心情がよく出ていた。あとはミイラのイベントがPSにあれば…。
 ところでエルにとって「魔法」というのは結局何だったのだろうか。邪竜が封印されて魔法が使えるようになっても、告白やEDではその話はまったくない…。


シーラシナリオ:
 潔癖性でなかなか他人と打ち解けられない姿に某藤崎詩織を重ねた私だが(私のしおりんはそういうイメージ)、特に例のローラの方が目立ってる一枚絵に「羽目を外せない」彼女の性格を見る思いであった。彼女がどう仲間たちの間に溶け込んでいくのか。
 しかし話が先に行くにしたがって進路という完全個人的な方向へ行ってしまい仲間うんぬんは関係なし。最終イベントの舞台はハイソなお屋敷の中。ついでに選択肢の基準が不明な上に事故のドタバタのうちに決断が下されるのでだったら最初から相談する必要あったのかとも思える。しょせん別世界の人の感じが中途半端に残ったまま終わったお方である。
 ジュディが好きな人には申し訳ないがシーラ←→ジョートショップのみんな、という図式を考えるならジュディの存在は邪魔な気がする。シーラはまったく独りぼっちか、あるいはメイドといってもシーラをお嬢様としてしか扱ってくれず友達だなんてとんでもない、というキャラの方が望ましい。(後者ならそれと「仲間」を対比できる) 実際ジュディは未だに大辞典に項がないレベルのキャラであり、中途半端にこういうキャラを入れるあたりが悠久を中途半端にしている一因である。
 「ピアノが好きだから自分のために弾いていきたい」とかいう話はそれはもうあちこちの作品でゴマンと使われている展開で新鮮味がない上にかなり淡々と描写されていて盛り上がりがない。私はキャプテン翼メキシコユース戦の方がよっぽど感動した。
 そういえばシーラの曲が悪魔を滅ぼすとかアークエンジェルが出てくるとかいう話があるそうなので楽しみにしていたのだが、これまたSS版イベントだったらしい。(PS版イベントは…もうどんなだったか忘れた)


メロディシナリオ:
 シナリオというような大したものはないので、サザエさんからさらに年齢を下げて絵本的な世界と思えば良いのだろうか。とにかくあの喋りと西原さんの声に心の中でなでなでしてるのが正しい付き合い方なのだろう。
 実は頭がいいのは意表を突かれた設定だった。
 人口生命体うんぬんは果たして2で明らかにされるのだろうか?どうも全体に漂う説明不足の雰囲気は単に制作者が「バレバレだからいいじゃん」と思ってるだけのような気がする。
 なお個人的なことだが、「よくわからないけど誰それを見てるとドキがムネムネする。これは病気?」とかいう話は恋愛を生理的現象として見ているようであまり好きではない。


 なんだかんだで全員クリアはしてしまいそうである。
 EMは未だに全EDを見てない(爆)ことを考えると、やはり気軽にできるというのは評価できることなのかもしれない。



・評価

告白条件:
告白のための条件は「テーマ別イベントを4つすべてクリアすること」。乱暴な計算だが1つのイベントをクリアする確率を1/2とする。4つとも成功するのは1/16。3人いたとしても3/16。つまりは16回中13回はリカルドEDとなる計算。いくら仲間や友情がメインたってその先にあるのがおっさんと剣の修行じゃちょっと報われないスよプレイヤーとしては…。
さらに最初の1、2を失敗すると3、4は起こりすらしないので、キャラの魅力も知ることないまま終わる。

選択肢の理不尽さ:
告白条件はEMもそうではあったがイベント自体が簡単だった。DarkBloodをわざとでなしに失敗した者は皆無だろう。しかし悠久は違う。「難しい」?難しいというのは深く考えれば解ることを言う。あれは難しいんじゃなくて単に「理不尽」と言うのだ。何しろ「選択肢と結果の間に関係がない」。考えて選んでもプレイヤーの意志とは無関係なやり取りが起きて成功したり失敗する。(全部じゃないが)
怒りを覚えたのがシェリルの「教えて欲しいの」で、「リカルドをぶん殴る」という選択肢を選ぶとシェリルが必死で止めるので結果殴らずに成功。「ぐっとこらえる」を選ぶと「特に何も起きないので」失敗。これはどーゆーことなのだろうか?つまり「正しい行動をとると成功」なのではなく(もしそうならリカルドを殴るのが正しいことになるはず)、「たまたま話的に盛り上がる方向ならば成功」となっているのである。これでは考えて解るわけがない。まるっきり書いてる側の都合でしかなくゲームのイベントとして不適である。

イベント内容:
全部じゃないですけど。
まず冗長。前フリが長い。本題に入る前にどうでもいい話が延々と続く。中身も世間では面白い面白いと言われているけど私はそれほどとは思えなかった。つまらなくはないし、中には面白いものもあるのだが、正直大半はどうでもいいような話。そのうちイベントが起きるのが億劫になってくる。具体的に、例えばアレフなら「ナンパ・ウォーズ」「ギャンブル大作戦」「カラス大襲来」「へべれけ・れでぃ」「バラ館の謎」「きれいが一番」などは別に面白いとは思えない。キャラクターの内面が見えるとかいうこともないし、長さも手伝って何度も見返したいとは思わない。スナック菓子を一袋食べるの(WH)は別になんでもないが、十袋食べるの(悠久)は難儀なのである。私はSS書く際はなるべく無駄な部分は削ってその分中身を濃くすることにしている。このイベント群ももう少し濃縮して、その分すべてに声がつけば万々歳なのだが。
展開自体も強引なものがちょくちょく出てくる。「アクセサリーの助けがないと魔法の使えないエルフでなければ解けない封印」って何やねん!いきなりアリサさんが出てきて丸く収めたりとか…。
イベントは量より質だ。

キャラクタの絡み:
一方シナリオ面で改善されたといえばここ。WH、EMではほとんどなかったが「仲間にしなくても知り合いは知り合い」という設定のおかげで誰かのイベントに他のキャラがバンバン入ってくるようになった。
またメインイベント等「仲間になったキャラが喋る」部分も前作はフィリーとの会話の間におまけ程度にちょこっと入ってくるだけだったのが、今回は量が増えている。ただしL+Rで飛ばしていると読めないという点はあるが…。
物足りないと言えばアレフ−クリス間とエル−マリア間以外は「だいたいなんとなく仲がいい」というだけに終わっており、たとえば「シーラはパティのことをどう思っているのか」とかいうことは全然見えてこなかった。どうせやるならもうちょっと深めてほしかったとも思う。

メインシナリオ:
冤罪事件−
あちこちでやり玉に上げられていたのを事前に見ていたせいか、冤罪という要素を軽く扱っていることはあまり気にはならなかった(本来なら私はこういうのはかなり気にする方なのですが)。アルベルトやリカルドとなんだかんだで馴れ合っていたせいだろう。正直「花瓶を割ったのはお前だろ!」「俺じゃねえーー!」程度のレベルにしか見えない。どうでもよい。
しかしながらプラス的要素でないのだけは確か。主人公が頑張るのにも仲間をメインにするにも他に明るい動機づけがいくらでもあるはずで、ジョートショップを繁盛させよう!とか、「頑張らないと不幸が待つ」よりも「頑張れば幸福が来る」方がやってる方としては気分がいいはずなのだが。
重くするのか軽くするのか。全体を通して一貫した方針が見えない。このゲームが「中途半端」という印象を受ける一因である。
Good News−
つまらなくはないけど…別に印象に残る話でもない。
トラブルバースディ−
あの程度で「魔物と人間の共存」とか言われてもとってつけたような感じしか受けない。フサの横暴に怒り。なおメインシナリオと言うよりトリーシャのイベントと言った方が正確である。
エンフィールド大武闘会−
論外。あちこちで言われているので長々とは書かないが、正々堂々としているとイベントが失敗するあたりこのゲームの選択肢の理不尽さを如実に現しているであろう。「ズルをして優勝するのは良いことだ」と主張したいのだろうか。
ただしこのイベントがヒロイックゲージというものの馬鹿らしさを主張しているのなら納得がいく。なるほど主人公に必要なのはうまく民衆の支持を受けることであって道理を通すことではない(どっかの政治家のようだ)。ケビンと戦って負けたりするとエンフィールドの連中の本質がよく理解できる。
ほとばしる悪意の果てに−
仲間との絆を描いた作品のわりに最後は仲間と協力して事に当たるわけではなく、実質主人公一人で解決している。全部主人公の手柄になり仲間たちも彼を褒める光景に実に納得いかないものを感じる。
ローラの体探しが一緒になってるのも問題、というかそっちの方が大事な気がした(笑) 体取り戻した後のローラの会話は可愛かったなぁ…。

メインキャラ:
発表時から穏健でおとなしい設定だなぁという印象であった。前作(影の民、人間不信、うさぎ、マッド考古学者等)前々作(戦うセンパイ、不幸なマスター、さすらいのギャンブラー、実は女等)が濃すぎたのかもしれないが、インパクトはかなり落ちている。もっともこれは故意にそういう方針にした気もする。
さて設定だけでキャラができるわけではない。大事なのはシナリオである。これがリサさん以外は上記の通りだったので…そういうことです。「広く薄く」というゲームらしいが結果誰かに深く思い入れることはない。正直「主人公以外はみんなサブキャラ」な感じだった。
さてマリア・ショート=メリッサ・イスキア(ウィザーズハーモニー)の二番煎じ。私は以前「そんなにキャラ作りのネタに乏しいのか!」と文句を言っていたが、実際のところ…上記のようにマリアシナリオはあまり好きにはなれないが、WHの時にアレだった声とないに等しかったシナリオが大幅に充実したことで、設定は同じでも中身は進歩している。(ゲーム自体が進歩しているのだから当たり前だが) はりまんぼうさんは悠久をアドバンスドWHと評していたが、マリアはアドバンスドメリッサだろうか。
シェリルも「本の話になると饒舌」というのが出たときミュリエルじゃねぇか!と思ったものだがこちらもアドバンスドミュリエルとも言える。(逆に言うならWHの追加シナリオがあったとしてシェリルの話のまんまミュリエルに追加されても別に違和感はない)つまりは「WHできちんとできなかったことに悠久で再挑戦した」と言えるのかもしれない…。

サブキャラ:
サブキャラは2種類に分かれる。
(1) トリーシャとローラ
実質メインキャラ。ただし声とEDがない。由羅さんはこっちかもしれないが私にとってはサポート的な人に思えるので(2)に入れる。
「なんでEDがないんだぁ〜」と文句の出まくった女の子。実際かなり力を入れて描かれているのだから当たり前である。メインキャラで薄くなった萌え要素がこっちに流れてきたとしか思えない。「大切な人」だの「お兄ちゃん」だの…反則だ!(笑) 結果メインキャラへ行くはずの情もこっちへ移り、メインキャラの印象が薄くなる。要するに「サブキャラに食われている」。そしてプレイヤーには「EDと声がない」と不満が生じる。
この不満は悠久2の発表で解消はされたが、悠久1を評価する際に2は関係ない。やはりサブキャラをメインキャラより魅力的に描くのは歌手よりもバックダンサーが目立つようなものである。こういうキャラは最初からメインキャラで出してほしい…。

(2)「きちんとした」サブキャラ
つまり脇に立って盛り上げている人。アリサ、テディ、リカルド、由羅、イヴ、トーヤ、カッセル、マーシャル、紅月、マンボー占い師、etc. こちらはWHのデイルやEMのロクサーヌ、フィリーと比べてもまったく遜色ない。特にシェリルでのイヴやリサでのカッセル、ピートでのトーヤなどは見事にその役割を果たしていた。あとはメインキャラがもうちょっと頑張ってくれてたら。
あの占い師のセリフを考えた人は天才だと思う。
盲目の少女やスミレ草、トラヴィスに魔術師組合のじいさんも良い。

ちなみにプレイ前に私が一押ししていた由羅さんですが(笑)、時折見せる大人の視点とそれでいて軽妙な態度、ハードそうな過去など実際魅力的なお方でありました。本当に時折しか見せてくれないのが難点でしょうか。なおクリスEDはまだ見てませんがなんとなく内容は知ってしまいました。どういうことだー!(泣)

ライバルキャラ:
レミット、カイルに比べると大幅ランクダウンである。
アルベルトはまあギャグキャラだと思えばいいのかもしれないが、人をさんざん犯人扱いしておいてわびの一言もないのだからやっぱりやな奴だ。一応最終戦でシャドウに負けたりするといいとこも見られるのだが…。ハメットは問題外。
アルベルト以外、特にハメット軍団がぶさいくなのは前作で「女の子を攻撃するのは嫌だ!」という声が多かったため殴りやすく(笑)したのであろう。私は前作では女の子とバトることになっても「やられたときの表情や声のパターンが見られて嬉しい」とか思ってた非道人間なので今回美的にキツいのだが、前作でこの点に不満だった方の評価はどうなのだろうか。
自警団員Bはマサルさんの親父に見える(笑)

シャドウ:
単にひとつのキャラクターとして見た場合はそのコスチュームといい喋りといい最大級にインパクトのあるキャラクターである。しかしその扱いは…
「自分の影の部分が別の人格を持った」というのはレイアースを始め他の作品でも良くあるフィーチャーだが、それに対して「憐れみを持つ」などというのは聞いたことがない。自分自身に「憐れなヤツだよ、お前は」などと言っている奴がいたら単なる馬鹿としか思えないだろう。
そして戦いに勝つと主人公はシャドウが自分の分身であることなど綺麗さっぱり忘れ、「盗難事件はやっぱりシャドウの仕業だった」などと人ごとのような態度。結局シャドウというキャラクターを使って何をやりたかったのかまったく見えてこない。話の展開のため適当に設定したとしか思えない。

テーマ:
このゲーム友情や仲間をテーマにしているとうたっている。そのわりに友のために命を賭けるヤツもいなければ「仲間ってなんだろう」と考えさせるイベントもない。リサの最終イベントで少し見えたくらいだ。これからエルのEDを見れば出てくるのだろうがそれでも大部分は「単に仲間とわいわい騒ぐだけ」である。これで「仲間をテーマにしている」とは言い難い。
もちろん重いテーマがない作品は駄目な作品ということは全然ないが、あのCM打っておいてこれは納得行かない。仲間に裏切られるイベントも男と女の友情が話題になるイベントもない。JAR○に電話するぞ!(笑) 男と女の友情はあったが、私が期待してたのは「恋愛か友情か」「成立するかしないか」等の「その問題を扱った話」だったのだが…。

告白〜ED:
薄い。「友情をテーマにしているからだ」と言われそうだが別に友情をテーマにしたところで濃いものはできるはずだ。というか「心に残らない」。実際もうどんなのだったか忘れ始めている。

達成感:
主人公の努力と関係なく無罪は証明された。しかもご丁寧に主人公が「この1年間てなんだったんだろう」などと言ってくれる。いくらアリサさんが「素晴らしい仲間ができたじゃない」と言ってもその仲間たちは前から仲良かった連中だから「できた」ってほどのことじゃないと思う。それともゲーム開始以前はうわべだけの付き合いだったのだろうか?
これはEMで誰が魔宝を集めても最終的には関係なく、「それじゃ今までの勝負は意味なかったのか」「いえいえ、皆さんが競ったからこそ集まったのですよ」と苦しい解釈をしてくださるのと変わってない。実際にはEDに影響を与えたがそんなの攻略本見ないとわからない。悠久にいたってはそれまでの行動が関わるのはヒロイックゲージが8割越えたか越えてないかというそれだけである。
なぜ「1年間冒険者になるべく頑張りました。1年後それが認められて冒険者になれました」みたいにスッキリした設定にしてくれないのか…。

世界観:
前作のゲーセンも嫌だったが、どうしてこうコンピューターウィルスなんてものを出してくるのか。「X’はクリスマスからmasを取ったからクリス」ってあの世界にクリスマスあるのか?あの世界の野球ルールはマジックアイテム使い放題ですか?
マリアの魔法がやたら規模が大きいのもいただけない。本職の魔導士でもない人間ですらこんな簡単に街をヨーグルトで埋め尽くせるようでは治安など成り立たない。トリーシャのカード入れ替えも実質物質転移であって通常のファンタジーではかなり高度なはずである。
ギャグ話で「なんでもあり」ならまだしも、普段からこうだとファンタジー世界の意味もなく世界自体が薄っぺらである。(とはEMでも狐鉄丸さんが言っていた…)

エンフィールド:
このゲームかなり「エンフィールド」を前面に押し出している。「ようこそエンフィールドへ」で始まり、建物や店なども多々設定されている。杜王町という「街」をテーマにしたジョジョの奇妙な冒険第4部と比べてみると興味深い。
しかしその一方で私の中のエンフィールドは○○市○○町○丁目の「町」程度のスケールしか感じられない。住民との関わりも町内会のお付き合い程度に思える。どうも主人公に既知の場所ばかりで「街」としての広がりが見えないことと、「ほとばしる悪意の果てで」において数名程度の住民が全住民の象徴のように描かれていること、さらに住民の生活感が大して感じられないこと。あるのは「イベント」という名の日常の「騒動」。もちろん文字通りの日常を(朝起きて仕事して夜寝ましたとか)わざわざ描いても無意味なのだがその匂いもしてこない。大きな図書館や劇場や災害対策センターなんてものまであるわりに、市場通りや本屋や井戸端があるわけではない。さくら亭でも一般市民の生活はあまり見えない。結果エンフィールドには「作られた箱庭」という感が否めない。
それに輪をかけているのが「ちょいキャラCGの使い回し」である。何度も何度も同じ顔の人が出てくる。CG足らないなら別に顔は出さないで文章だけにしても良かったと思うのだが…。エンフィールドの人口が何人かは知らないが500人以上いるとは感じられない。(いや12〜13世紀のヨーロッパなら人口500未満の都市はかなりあったらしいですけどエンフィールドは近代に近そうですし。ましてあの豪華な施設群)


操作面:
今回一番の改良と言われるLR同時押しだが(笑)、いやまったくこれがなかったらメインシナリオは何度もやってられなかったであろう。ああエタメロもこれさえあれば、これさえあればッッ!
難を言うと両手が必要なので場合によっては難儀。攻略本読みながらとか(笑)

処理速度:
これはもうパーフェクツ。エタメロでキャラが切り替わる際の「消えて、出る」というイライラもない。サターンに比べて仕事画面での動きが遅いそうだが、いつもL+R使ってるので問題なし。アクセスも大して気にならない。ついこの間までプレイしてたときメモドラマシリーズ「虹色の青春」がやたらアクセスが遅かっただけに、「コ○ミに勝ったじゃん!」と思ってしまった。

スゴロク:
EMのようにコントローラー叩きつけたくなるようなことがなくなったのは大きな進歩である。
しかしだからと言って面白くなったかというと正直作業に近くて、マイナスがゼロになっただけという印象がある。まるっきり存在しなくてもゲーム的につまらなくなるとも思えない。簡単にはなったが、目押しはやはり失敗することもある。ケンカなら余裕で勝つはずのハメット軍団に出目で負けて先にゴールされたときは悔しかった…。
そういえばなぜスゴロクが必要なのかと言えば「戦闘が必要だから」で、その理由は「育てた結果を試す場が必要」だからであろう。(WHでは育てる意味がほとんどなかったから)ということは戦闘さえあればスゴロクは要らないはずなのだ、が。
スゴロクに関しては公式ネタバレ伝でかなり話が出ていた。

戦闘:
今回は「魔法で一網打尽」というすっきり爽やかな勝ち方がメインで気分が良い。だいたい1ターンで終わるのはシナリオ重視の私には有り難かった。が、育成ゲーマーの人にはどうだっただろうか。RPGなら「戦闘は3ターン程度」が基本ではあるが…。
ただし魔法を育てた場合のみで、その他のスキルを育てたところで奥義を覚えた頃にはゲームが終わってる。

ステータス異常:
しつこいようだけど私はシナリオ見られればそれでいいからほとんどなくなって良かった。
きちんと理由と対処法が示されていれば多少あってもいい気もするが。

育成:
こちらもまあそれなりに楽しかったと思う。不得意な項目を育成しようとすると仕事の成功率が下がるという二律背反、といってもそれほど深刻でもなく適度なもの。わりとさくさく上がるレベル。一応EDに関わってくる。等良い点であろう。
ただし育成ゲームとして見た場合はやはり魔法・戦闘以外のスキルに使い道がない&EDが3種類しかないというのは不十分で、特に後者は攻略本見ない限り条件(ある特定の2つのスキルの合計が8以上)などまずわからない。純粋にパラメータを育てることにのみ意義を見いだす人にはいいかもしれないが、やはり結果が返ってこないのでは…。
結局ここも「マイナスはないけど、大きなプラスもない」評価。

難易度:
難しすぎるとやる気なくすし、ヌルすぎるとただの作業となる要素。
思うにEMもやり方が分かればそう難しくもないのだから、ゲーム中にヒントが出れば良かったと思う。フィリーが「スゴロクは目押しが必要よ!」「みんなで同じコマンドを実行するとケンカが起きないのよ!」とか。
育成の方は私はあのくらいで良かったかな…。

音声:
声優さんは合っている。最初アレフが少し違和感を感じたが(早乙女好雄を想像していたので)もう慣れた。さすが皆さん上手い。
しかし声のない部分が多すぎる。一週間の仕事が終わった部分などは喋ってほしかった。(大した量でないわりに何度も聞くんだし)
またWHのメガ郎やEMのマイクに比べ、音声がONかOFFかわかりづらい。画面右の上側の窓がそうだと気づくのにしばらくかかった。
虹色の青春やってつくづく思ったのだが、「スタートボタンで音声ONOFFが切り替えられる」というのはWH〜悠久シリーズの大きな長所である。これによって普段は音声切ってアクセスを軽くし、好きなキャラが出たときだけ声を聞く、ということもできる。だからこそマニュアルに書くなりもっと宣伝した方が良いと思う。

音楽:
について語れるほどの音感がない。
リサのテーマソングは良かった。

グラフィック:
EMと特に変わっているとは思えない。切り替えは早くなったが。
モンスターに愛嬌がなくなった。

マニュアル:
4コマなんとかしてくれ!

OPアニメ:
ときメモPS版のOPに慣れた私に多少のデザインの違いは気にならない(笑) しかしエルとマリアが交差するときに2人ともあさっての方向を向いているのは問題である。ここは一瞬視線を交差させるのが常道だ。攻撃もマリアの魔法シーンがあるのだからエルもかめはめ波か何か放つべき(おい)
歌と画面はSS版(AVIに変換して見た)の方が合っている。というかPS版は後から無理矢理編集した印象を受ける。
シェリルの空想がPSとSSで違うのは何か意味があるのだろうか…。

PSとSS:
なんかSSのイベントの方が面白そう〜(笑) 「その名は風月」ってどんな話だったんだろう…。とか書いたらとこなさんが教えてくれた。絶っっ対SS版の方が面白そうだ。エルもPSのはヘボ(個人的に)だったがSSのは胸を打つ話らしい。というか今まで見たPSイベントにロクなのがない。まあまあ面白かったのはピートの「モデルはつらいよ」くらいか。悠久の小箱といい(いやこれはどうでもいいんだけど(爆))、PSユーザーに対する差別だ。いわれなき迫害だぁ!((c)アレフ)

EM→悠久:
改善された点でまだ出てきてないものというとEMでは育てに失敗したときラストダンジョンでライバルに全く勝てずそれまでのデータを破棄するしかないということがあったが、悠久ではまずこういうことはなくなった。そういえばスゴロクで「罠を張る」というのがなくなったが、代わりが遠隔魔法なのだろうか。(もっとも罠があったとしてもまず使わずに勝てるだろう)
結局もっとも改善されたのがスゴロクなのだが…
その結果「今度はヌルすぎ」という声がかなり出ている。都築とこなさんが言うように「EMと悠久を足して割ったらちょうどいい」と言うのは確かにそう思う。ユーザーの声を聞くのは素晴らしいことだが過敏に聞きすぎなのかもしれない(単にバランス取り損ねただけかもしれないが)。問題点が消えるだけでなくてその結果「ゲームが面白く」ならなくては意味がない。
改善点に追加。「○○さんが、悪いんです」など主人公の名前の読み。EMは「が、悪いんです」と不自然に切れてたのが悠久は「悪いんです」と聞いてて違和感がなくなった。

その他気になったこと:
・タイトル画面で「START」がデフォなのは退化。いくら1ゲーム短くたって「LOAD」の方が良く使います。
・会話画面左端のパラメータ上下表示は攻略本見ないと意味不明な上に邪魔。
・EMはプロフィール全て埋めないとおまけボイスが聞けないのでやる価値もあったが、今回埋めても何も起こらず(だよね?まだ埋めてないけど)達成感なし。

総括:
ギャルゲーとしても育成ゲームとしても「仲間と友情」もどれも「そこそこ」止まり。「このゲームでこれがやりたかったんだ!」というのが見えてこない。

フォロー:
EMの方がハマったって人多いですね。
私としてもED薄いしイベントも日常のどうでもいい騒動ばかりで…。EMの影を引きずっているのだろうか。
ジョートショップの日常のどうでもいい騒動。
そうか!悠久はサザエさんだ!
(真面目に書いてます)
サザエさんに大ハマリして毎週ビデオに録ってますという人はあまり聞かない。カツオが友情について真剣に語ったら不気味である。話の多少の矛盾は気にならない。EDなんて薄くて当たり前だ。しかしだからといってサザエさんが作品として劣っているということはない。逆に国民的な名作であり、求めるものが違うだけである。
するとあのイベント群も「さて次回の悠久幻想曲は!『アレフカラスに襲われる』『クリス蛇口に指を突っ込む』『マリア走り幅跳び』の3本です。また見てくださいね!んがっんぐっ」みたいなノリで考えればいいのかもしれない。寝食忘れて熱中するよりは、お茶でも飲みながら気楽にプレイするのがいいのかもしれない。
もちろん私がそうだってだけで熱中する人が間違ってると言う気はないですが、「どうにもハマれない」という方は無理にハマろうと思わずてきとーに力を抜いてプレイしてみるのも一興ではないでしょうか。
といっても私がサザエさん的と解釈できるのは多くて7割くらいで残りはやはり冤罪とかシャドウとかなんで、中途半端というのは変わりません。2では何かを徹底して極めてほしいと思っています。(おわり)


「どうだい勝手なこと言ってやがっただろ?ここは俺様の支配するページだから当然なのさ!フォローとやらも全然フォローになってないゼ!!ヒャーーッハハハハ!」




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