・この作品はアニメ&漫画「らき☆すた」の世界及びキャラクターを借りて創作されています。
アイコン劇場のテキストだけ抜き出したものです。時間のある方はアイコン劇場の方をご覧ください。








らき☆すた二次創作『距離と綱引き』

こなた「ふう…」
みゆき「泉さん、元気がありませんね。どうかされましたか?」
こなた「んー、ちょっと人間関係で悩んでて」
みゆき「そうですか。ネットゲームの世界というのも大変なんですね」
こなた「いや、リアル世界の話なんだけどね…」
みゆき「すすすみませんっ。い、いえ決して泉さんはそういう事で悩まなさそうとか、思っていたわけではなくてですねっ」
こなた「おたおたするみゆきさん萌え」
みゆき「あ、あの、もし良ければ話していただけませんか? 私でも何かお力になれるかもしれませんし」
こなた「いやまあ、そんな大したことじゃないだけど…。かがみとつかさがね…」


こなた「かがみんは弁護士になるんだよね」
かがみ「まあね。なれるって決まったわけじゃないけどさ」
こなた「やっぱアレだよね。『異議あり!』とか『くらえ!』とか言うんだよね」
つかさ「???」
かがみ「あんたねぇ…」
こなた「ゴドー検事VSかがみんかー。なんか燃える展開だねー」
つかさ「?????」
かがみ「はぁ…」
こなた「おっと、そろそろアニメの時間じゃん。帰って実況しなくちゃ」
こなた「んじゃまた明日」
つかさ「うん、バイバイ〜」
かがみ「………」


こなた「あ…今日はスポーツ特番で休みなんだっけ」
こなた「あーあ、スポーツのない世界に行きたいよ…。しょーがない、もうちょっと喋ってこっかな」

かがみ「ねえつかさ、こなたの言ってること理解できた?」
つかさ「え? あ、あはは、よく分からなかったかも…」
つかさ「でも、いつものことでしょ?」
かがみ「そうだけどさ…」
かがみ「…あいつにとって、私たちって一体なんなんだろ」
こなた「………!」
つかさ「お、お姉ちゃん?」
かがみ「だって、こっちが理解しようがしまいがお構いなしに、自分の言いたいこと言ってるだけじゃない。そんなの、壁に向かって話してるのと一緒じゃない」
かがみ「要するにあいつの視界に私たちなんて入ってないのよ。あいつにとって大事なのは二次元だけで、私たちなんて暇潰し程度の存在なのよ」
つかさ「い、言い過ぎだよ。そりゃあこなちゃんの話は半分以上理解できないけど。私が理解できてるかどうかなんて、全然気にしてくれないけど…」
つかさ「でもでも、私はこなちゃんを大切なお友達って思ってるし、こなちゃんだってそう思って…くれてる、よね? たぶん…」
かがみ「つかさ…」
かがみ「ま…まあ、別にいいんだけどね、こなたなんて! どうせ卒業したら、二度と会うこともないんだろうし!」
つかさ「お、お姉ちゃん待ってぇ〜」
こなた「………」
こなた「………」

こなた「というわけさ」
みゆき「そうですか…。確かに正直に言ってしまうと、泉さんのその方面のお話は九割方理解できません。お恥ずかしいのですが」
こなた(そこまで通じてなかったとわ…)
みゆき「どうして私たちと話をするのに、わざわざアニメやゲームの話題へ持っていくのでしょうか?」
こなた「いやそれはもうオタクの習性というか…ネ? ほんとスイマセン…」
みゆき「い、いえ、別にいいんです。かがみさんだって、そこまで怒っているわけではないと思いますよ」
みゆき「いつものように体重が増えて、機嫌が悪かったのかもしれませんし」
こなた(みゆきさん…フォローのつもりで何気にヒドイこと言ってるよ)
こなた「でも、この前もさー」

こなた『宿題見せてもらうけどいいよね? 答えは聞いてない!』

こなた「って言ったら、マジでムッとされちゃったよ…。みんなリュウタロスが悪いんだ…」
みゆき「ええと…それは普通の人は怒ると思います」
こなた「んで、考えたんだけど」
こなた「三人がオタクに染まってくれれば、万事解決なんだよね」
みゆき「そ、そういう方向に進んでしまうんですか?」
こなた「そ。ねー、みゆきさんもこっちの世界においでよ。人生バラ色になるよ〜」
みゆき「お誘いは嬉しいのですけど、ちょっと私の趣味とは…」
こなた「え〜、いいじゃん友達でしょ? ここは友の趣味に付き合おうよ」
みゆき「え、ええと。泉さんが私の趣味に付き合ってくださるなら、考えてもいいですよ」
こなた「ぐはあ! この私に、みゆきさんが読んでるような分厚い本を読めと」
みゆき「面白いですよ? 太宰治全集なんてどうでしょう。人生がバラ色になります」
こなた「なんか灰色の人生しか見えないんですけど」
みゆき「それではブリタニカ百科事典などはいかがですか? 毎日寝る前に10ページ読めば、きっと泉さんも物知りに…」
こなた「わ、私これからバイトだから。そんじゃ〜!」
みゆき「あ…」


こなた「うーむ、オタクと一般人の間の壁がこんなに高かったとは。今まで気にしなさすぎたかのう」
かがみ『あいつにとって、私たちって一体なんなんだろ』
こなた「改めてそう言われちゃうと…」
こなた「………」
こなた「どうしよ」
 みんなをオタクに引き込む
 こちらから一般人に歩み寄る
 ま、いっか

 5日経過
 かがみとの距離が0
 つかさとの距離が0
 みゆきとの距離が0





こなた「ま、いっかー」
こなた「人に合わせるのも、人に合わせてもらうのも嫌だし。来るもの拒まず、去る者追わずってね」
こなた「帰ってネトゲでもしよーっと」
 END





こなた「うむ、やっぱりそれしかない」
こなた「かがみんは既に半分オタクだから、結構楽そうだよね。でもなかなか一線越えてくれないんだよなー」
こなた「つかさは濃い世界とは無縁の典型的一般人だけど、まあ素直だから洗脳しやすいかもしんない」
こなた「問題はみゆきさんだ、藤崎詩織並に攻略が難しい気がする…。でも優しいから何とかなるかな?」
こなた「どの世界に引き込もうかな?」
 アニメ
 ゲーム
 漫画
 萌え





 かがみ
 つかさ
 みゆき





 かがみ
 つかさ
 みゆき





 かがみ
 つかさ
 みゆき





 かがみ
 つかさ
 みゆき





こなた「やっぱり、それしかないのカナー」
こなた「まあ普段だってオタク話しかしないわけじゃないし、普通の話すればいっか」
こなた「何の話をしようかな?」
 夕ご飯
 呼び方
 男子
 埼玉






こなた「フルメタふもっふのDVD買ったよー!」
こなた「一緒に見よーよ、かがみん」
かがみ「えー? いいわよ、一度テレビで見てるし」
こなた「いやいや、テレビ放映分などはお試し版にすぎない。DVDこそが本当の作品なのだよ」
こなた「DVDの画質に慣れちゃうと、もうテレビなんか我慢できなくなるね」
かがみ「ということは、DVDなんか見ない方がいいんじゃないの?」
こなた「………」
かがみ「………」
こなた「ちぇー、かがみんと一緒に見ようと思って買ったのに…」
かがみ「べ、別に頼んでないでしょっ」
こなた「はいはい、いいですよ。一人で寂しく視聴しますよ」
かがみ「な、なによっ…あーもう、仕方ないわねっ!」


かがみ「で、どの話を見るのよ」
こなた「女神の来日(温泉編)」
かがみ「セクハラかよっ!」
こなた「いーじゃん、面白かったじゃん。パンツ割れとか」
かがみ「そりゃ笑ったけどさ…。なにも女子高生二人で、女の子の裸が出てくるアニメを見ることはないでしょ」
こなた「男の裸も出てくるよ」
かがみ「余計に不健康だっつーの」
こなた「まーいーからいーから」
『それが愛でしょう〜』
こなた「やっぱOPいいよね〜」
かがみ「まーね」
こなた「他のアニメだと温泉回とか水着回に限って作画が悪かったりするんだけど、さすが京アニはそんなことないよね。でもって武本演出がうんたらかんたら」
かがみ「分かる話をしなさい」
こなた「むう…。じゃあ、かなめとテッサどっちがいい?」
かがみ「そりゃまあ、かなめかな? 何だかんだでメインヒロインだしね」
こなた「ほうほう、自分と同じ強気キャラが好き、と」
かがみ「じ、自分は関係ないでしょっ!」
こなた「いやー、でもメインヒロインかは分からんよ。宗介テッサENDの目もないわけではナイ」
かがみ「はあ? ないない、今からそれはないって。大体…」
 ・・・・・
かがみ「くっ…ついカップリングについて熱く語ってしまった…」
こなた「ニヤニヤ」
かがみ「何よその『これでかがみもオタクだね』みたいな顔は! ちょっと乗せられただけよっ」
こなた「まーまー。あんま画面に集中できなかったしさ、また最初から見よーよ」
かがみ「またあ?」
こなた「ダメ?」
かがみ「…ま、誰かとあーだこーだ言いながらアニメを見るのも、たまにならいいかもね」
こなた「だよね!」
かがみ「な、何よもう、嬉しそうな顔して…」
 かがみとの距離が縮まった!
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こなた「つかさも少しはアニメ見るんでしょ?」
つかさ「ケロロは見てるよ〜。あとちびまる子ちゃんとか」
こなた「相変わらず高校生とは思えない回答デスネ」
つかさ「うう…。だって最近のアニメって、動きが速かったり話が複雑だったりで、ついていけないよ」
こなた「いやいや。そんなキミのために、まったりアニメを用意しよーじゃないか」
つかさ「え、何? サザエさん?」
こなた「アニメ好きの私も、さすがにサザエさんを録画はしないな…。とにかくウチに寄っておいでよ」
つかさ「う、うん。いいよ」


『あ〜の〜あ〜の〜どんな色が〜』
つかさ「『ひだまりスケッチ』? 初めて聞く名前だよ〜」
こなた「やっぱきらら系はマイナーなのか…。でも面白いよ」
 ・・・・・・
宮子『ゆのっちゆのっちー!』
つかさ「女の子の四人組って、なんだか親近感がわくね」
こなた「言われてみれば似てるかもねー」
こなた「かがみんはツッコミ役だから沙英さんで、みゆきさんは優しいからヒロさん」
つかさ「じゃあ私たちは、ゆのちゃんと宮子ちゃんかな?」
こなた「かもねー」
 ・・・・・・
宮子『きっとゆのっちの夢は、どこかで見つけてもらうのをずっと待ってるよ』
ゆの『ありがとう…』
こなた「イイハナシダナー」
つかさ「…ねえ、こなちゃん」
こなた「ん?」
つかさ「私たちも、こんな風にいい友達になれるかな?」
こなた「え゛」
こなた(ぐお、現実とアニメを比べるとは…。これだから一般人は怖いよぉ…)
つかさ「あ、あははは、ごめんね変なこと言って。私、ゆのちゃんほどいい子じゃないよね」
こなた「いやー、つかさとゆのっちはいい勝負だと思うよ。私こそ、宮子ほど人間できてないしナー」
つかさ「そんなことないよ! こなちゃんて何があってもマイペースだし、何だか頼りになるよ」
こなた「そ、そお?」
つかさ「うんっ」
 ・・・・・・

つかさ「今日は楽しかったよ。じゃあね〜」
こなた(なんだかアニメとは別方向に行ってしまった…。ま、いいか)
 つかさとの距離が縮まった!
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こなた「みゆきさん。日本の文化を語る上で、アニメは外せないと思うんだ」
みゆき「そうですね。政府の知財戦略本部がまとめた知的財産推進計画2007によると…」
こなた「ゴメンナサイ、そういう話がしたいんじゃないデス…。というわけで、みゆきさんもアニメを見ようよ!」
みゆき「え、ええと。母がたまにジブリのアニメを借りてきますので、付き合って見ることはありますよ」
こなた「ジブリかぁー」
こなた「最近、落ち目だよね」
みゆき「………。そ、そうですか」
こなた「やっぱ外国の賞とか取り出した時点で、アニオタ的には駄目になりだしたよね」
みゆき「は、はあ…」
かがみ「あんたねー。そんなだからオタクは空気読めないって言われるのよ」
こなた「違うよ、オタクが空気読めないわけじゃないよ。私が空気読めないだけだよ」
かがみ「分かってんなら直せぼけっ! みゆきも黙ってないで、なんとか言ってやりなさいよ」
みゆき「い、いえ、泉さんに悪気はないと思いますし。アニメの知識に乏しい私に、善意で教えてくださったのかもしれませんし」
かがみ「あんたは相変わらずねー。聖人君子も結構だけど、そういう性格って世間じゃ損するのよ」
みゆき「そ、そうでしょうか…」
かがみ「そ。最初に会った頃もそうだったよね。委員全員の仕事だったのに、人がいいもんだから押し付けられちゃってさ」
みゆき「でも、見かねて手伝ってくださったのが、かがみさんでしたよね」
かがみ「うっ…。そ、そうだっけ?」
みゆき「はい。今もこうして私を心配してくださってますし、一番人が好いのはかがみさんだと思いますよ」
かがみ「ふ、普通よ普通! あーもう、ホントみゆきと話してると調子狂うわ」
みゆき「うふふ」
こなた「………」
こなた「やっぱ千と千尋の赤いDVDは許せないよね」
かがみ「空気読め!」
こなた「あい…」
 かがみとの距離が広がった!
 みゆきとの距離が広がった!
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こなた「ギャルゲーやろうZE!」
かがみ「帰れ」
こなた「待ってよぉ。やらず嫌いは良くないよ?」
(ゲーム−つかさを見ている場合)
 こなた「まあまあ、つかさもハマったんだし」
 かがみ「あんたがハメたんでしょっ!」
かがみ「何が悲しくて、女が女を攻略しなくちゃいけないのよ…。普通は美形の男とかを攻略するもんでしょ」
こなた「ほほう、かがみんは乙女ゲーに興味があると」
かがみ「き、興味があるなんて言ってないわよっ。まだそっちの方がマシってだけよ」
こなた「まーまー。そういう事なら中古屋寄ってこ」


かがみ「ホントに買っちゃうし…」
こなた「〜〜♪」
 名前を入力してください。
こなた「柊、か、が、み、と…」
かがみ「くぉらあ!」
こなた「気にしない気にしない」
柊かがみ『今日から私も高校生! 勉強に部活に…それから恋、に頑張らなくちゃ!』
こなた「うわー、なんて素直なかがみだ」
かがみ「なんかムカつくわね…」
 ドンッ
柊かがみ『きゃっ』
男『大丈夫か? 前を見てないからだぜ…。ほら、つかまれよ』
柊かがみ『あ、ありがとう…(わ…カッコイイ人…)』
かがみ「ベタすぎるだろ…」
こなた「まあ、ゲームなんだしさ…」
 ・・・・・
友人A『かがみちゃん、これから仲良くしようね!』
友人B『よろしく、柊さん』
かがみ「あれ、女の子も出るんだ」
こなた「んー、最近の乙女ゲーは大抵いるよね。友人キャラ」
かがみ「でもこの女も、さっきの男を狙ってるんでしょ? 仲良くなんて言われても白々しいわよねー」
こなた「もう片方の子は男には手を出さないで、ひたすら主人公を応援してくれるよん」
かがみ「それはそれで都合よすぎるわよねー」
こなた「どないせーっちゅーねん…」
 ・・・・・
男『俺、お前のことが…べ、別に何でもねーよ!』
柊かがみ『○○くん?(顔が赤いわ。風邪でも引いたのかな?)』
かがみ「鈍感にもほどがあるでしょこの女…」
こなた「主人公が鈍感なのはお約束お約束」
 ・・・・・
柊かがみ『ちょっと手を繋いでみようカナ?』
かがみ「うわっ、前言撤回! この主人公、絶対分かってて男を誘ってるわ! 悪魔よ、悪魔!」
こなた「あのさあ、かがみん…」
こなた「さっきから、女の子の話しかしてないよ?」
かがみ「うあっ! …ち、違っ! ほ、ほら、男ってよく分からないから、自然と女キャラの方にツッコミをね!?」
こなた「ほー、へー。そこまで女の子が好きなら、素直にギャルゲーをさあ」
かがみ「だから違うってばーっ! ほらっ、この男なんて良くない!? スポーツマンだしさ!」
こなた「ふーむ、スポーツマンか。反応が素直だから選択肢は簡単そうだよね。でも攻略が楽すぎるのも物足りないかな」
かがみ「乙女心のカケラもないな!」
かがみ「はぁ…。もういいわよ」
こなた「かがみん?」
かがみ「どうせ私たちには、永久に春なんて来ないのよ。こんなゲームやっても空しいじゃない…」
こなた「『たち』って私も入ってるんだネ…。まあ、現実とは分けて、ゲームとして楽しもーよ」
かがみ「見てるから、適当に進めてよ…」
 ・・・・・・
柊かがみ『今日で卒業か…。結局、誰とも結ばれなかったなぁ』
かがみ「あれだけ時間かけてバッドエンドかい」
こなた「初回プレイのお約束お約束」
友人キャラA『かがみちゃん、一緒に帰ろう』
柊かがみ『そうね。どこか寄って帰ろうか』
友人キャラB『これで最後だと思うと、なんだか寂しいわね』
柊かがみ『うん…。でも私たちは、ずっと友達だよね』
かがみ「ぐすっ…」
こなた「かがみん?」
かがみ「あ、ち、ちょっと目にゴミが入っちゃって」
かがみ「そ、それにしてもやっぱバッドエンドよね。音楽もしょぼいし」
こなた「いやー、ちゃんと好感度上げてれば、友達との専用EDもあるらしいよ」
かがみ「ふーん、そうなんだ…」
かがみ「…ねえ、そのソフト借りてっていい?」
こなた「いいけど」
かがみ「悪いわね。買ったばっかなのに」
こなた「いやいや、他に積んでるゲームがたくさんあるから」
かがみ「ん…。それじゃこなた、また明日ね」
こなた「うん、また明日〜」
こなた(かがみん…)
 かがみとの距離が縮まった!
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こなた「このゲームにつかさが出ている!」
つかさ「え、何? 『To Heart』…? そんなに似てるかなぁ」
こなた「いやもう同一人物と言っても過言ではないよね。これはプレイしろという天のお告げだよ」
つかさ「で、でもそれって男の子向けのゲームだよね? 私にはちょっと…」
こなた「いやいや、今は男女平等の時代だから。ということでとりあえずプレーイ」
つかさ「ええええ!?」


『偶然が〜 い〜くつも〜』
つかさ「あのぅ…え、えっちなゲームじゃないよね?」
こなた「うん? そっちの方が良かった?」
つかさ「ちちち違うよっ」
こなた「まあつかさにエロゲーなんてやらせたら、かがみに殺されそうだしね。ちゃんと全年齢版だよん」
つかさ「そ、そうなんだ…」
こなた「おやー? がっかりしたのカナー?」
つかさ「も、もう、こなちゃんの意地悪〜!」
こなた「まあ良質の小説だと思ってやってみたまへ」
つかさ「う、うん…。このボタンで進むんだよね」
あかり『おはよう、浩之ちゃん』
つかさ「…私と似てないよ?」
こなた「あー、最初は髪型違うから。気にしない気にしない」
つかさ「そ、そうなんだ…(天のお告げじゃなかったのかなぁ…)」
 ・・・・・・
つかさ「〜〜♪」
こなた(思ったよりすんなり熱中してますな。まあノベルゲーだしね)
つかさ「今日の下校はどこにしようかな〜」
こなた(むむ。このまま普通に進めさせたいところだが、それではバッドエンドは必至…。ギャルゲーの世界に引き込むためにも、最初は良エンディングに誘導せねばー)
こなた「マルチだよ! つかさ、マルチを選ぶんだ〜」
つかさ「え、マルチちゃん? うん、わかったよ」
 ・・・・・・
マルチ『わたし、ロボットですから。ロボットだから、平気なんです。ロボットには、もともと本当の心はありませんから』
つかさ「ううっ、可哀想だよぉ〜。こなちゃん、何とかならないの?」
こなた「まあ先に進めんさい」
 ・・・・・・
マルチ『…あ、会えた。また、会えました…。浩之さあああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ん!』
つかさ「えぐえぐ…。良かったね、良かったね、マルチちゃん!」
こなた(ここまでハマるとは…)
つかさ「こなちゃん、マルチちゃんはいつ発売されるの?」
こなた「さ、さあ、百年後くらいかな?」
つかさ「そっかぁ、先は長いね…。ねえ、お姉ちゃんとゆきちゃんにも、このゲームは勧めるべきだよ!」
こなた「いやー、みゆきさんはともかく、かがみには怒られそうだヨ…」
つかさ「えー、そんな事ないよ。さっそく今夜お姉ちゃんに話してみるね」
こなた「マジですか」


 翌日
かがみ「こ〜〜な〜〜た〜〜!」
こなた「ほら怒った…」
かがみ「人の妹をギャルゲーマニアにするなバカーーッ!! ゆうべからマルチがどうとか葵ちゃんがどうとか、そんな話ばっかりしてるのよ!」
つかさ「お姉ちゃん、偏見は良くないよ。とっても感動的なストーリーなんだよ」
こなた「うんうん、次は鍵系いってみよっか」
かがみ「つ、つかさが、私のつかさがぁぁ〜〜!!」
みゆき「かがみさん、趣味に貴賤はありませんよ」
かがみ「こんな時にあんたの正論なんて聞きたくないわっ!」
つかさ「………」
こなた「ん、何?」
つかさ「こなちゃん。髪切って『はわわ〜』って言ってくれないカナ?」
こなた「もしもし、つかささん…?」
 つかさとの距離がすごく縮まった!
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こなた「みゆきさん、ゲームやろうよ〜」
こなた「いや確かにマインスイーパも面白いかもしれないよ? でもそれはゲーム界の氷山の一角であって」
みゆき「うふふ」
こなた「み、みゆきさん?」
みゆき「実は昨日、ニンテンドーDSを買ってしまいました」
こなた「おおー!!」
こなた「やったやった、これでみゆきさんもオタクの仲間入りだね」
みゆき「そ、それはどうか分かりませんけど、泉さんの影響なのは確かですよ」
こなた「で、で、ソフトは何買ったの? やっぱ知育系?」
みゆき「『レイトン教授と不思議な町』というクイズゲームです。多湖輝教授の本は以前から愛読してましたから」
こなた「おー、レイトン! 私も買ったよー。一日でクリアしちゃったけど、面白かったよね」
みゆき「そうでしたか! 最後の問題が難しかったですよね」
みゆき(良かった、これで泉さんと共通の話ができます…)
こなた「能登が萌えるよね」
みゆき「…はい?」
こなた「能登かわいいよ能登」
みゆき「え、えーと、ノトというのは?」
こなた「ん? 謎の少女の声やってる人」
みゆき「そ、そうですか。すみません、声優さんまでは確認していなくて」
こなた「でもレイトン教授ってロリコンだよね。美女は助けるものだ、とか言ってるしさ、英国紳士としてはね!」
みゆき「………」
こなた「ん、ショタの方が良かった? ルークきゅんハアハア?」
みゆき「泉さん…」
こなた「あい」
みゆき「やっぱりあなたは、遠い人だったみたいです」
こなた「ちょ、みゆきさーん!?」
 みゆきとの距離が広がった!
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こなた「小説ばっか読んでないで、たまには漫画も読みなさい!」
かがみ「普通逆でしょ…」
こなた「ネウロ面白いよー。HAL編だけでもいーから。神展開だから」
かがみ「えーい、うるさいうるさい。受験生に漫画なんか薦めるんじゃない」
こなた「受験生にも息抜きは必要だって。ほらほらー」
かがみ「やめてよ! 私には時間が足りないのよ!」
こなた「かがみん…?」
かがみ「………」
かがみ「受験生なのに、今までのペースで小説買ったもんだから…。積みラノベが山のように…」
こなた「あるある」
こなた「こうなったら、もう削るしかないよ……勉強時間を」
かがみ「おーい、どこかの誰かと一緒にするなー」
かがみ「というわけだから、これ以上誘惑を増やさないでっ!」
こなた「か、かがみーん!」
 かがみとの距離が広がった!
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こなた「つかさは結構漫画読んでるけどさー」
つかさ「えへへ、お姉ちゃんに少しは控えろって言われちゃったよ…」
こなた「たまには可愛い女の子が一杯出てくる漫画とか、必殺技で敵が吹っ飛ぶ漫画も読むべきだよね」
つかさ「どんだけー」
こなた(言葉の意味はよく分からんが、とにかく拒否されたらしい)
こなた「んじゃ社会派漫画とかどう? ほややんとしてるから、そういうの読んで現実の厳しさを知った方がいいよ」
つかさ「そ、そうかな。何かお勧めはある?」
こなた「………」
こなた「闇金ウシジマく…」
かがみ「このアホがぁぁぁぁぁっ!!」
 べしっ
こなた「イタイ…」
かがみ「純真な女の子に何を読ませようとしてんのよ何をっ!」
こなた「ちぇー、わかったよ。カイジにしとくよ。ハイコレ」
かがみ「同じだっ! ってもう読んでるし!」
つかさ「えっとー。Fuck you・・・ ぶち殺すぞ・・・ゴミめら・・・」
かがみ「やめろぉぉぉぉっ! つかさがグレたらこなたのせいよ!」
こなた「過保護すぎ。おまいは小十乃に対するヨシュアか」
つかさ「勝たなきゃゴミ…勝たなければ…勝たなければ…!」
かがみ「あんたはこういうつかさの方がいいわけ!?」
こなた「面白いかと思ってやった。今は反省している」
 かがみとの距離が広がった!
 つかさとの距離が広がった!
 次へ


こなた「みゆきさん、漫画は全然読まないの?」
みゆき「そうですねぇ。紙の中に文字が詰まっていないと、ものを読んだという気がしないんですよ」
こなた(やっぱり、私とは住む世界が違いすぎる…)
こなた「でも、一冊くらいは読むでしょ? 日本に住んでるんだしさー」
つかさ「こなちゃん、無理やりすぎるよぉ」
みゆき「そ、そうですね。子供の頃は多少は読みましたよ。『星の瞳のシルエット』がお気に入りでした」
こなた(2百万乙女の恋のバイブルデスカ!)
つかさ「私は知らないなぁ〜。こなちゃんは知ってる?」
こなた「耳すまの作者なのは知ってるけど、読んだことはないや。長いし…」
みゆき「私たちが生まれる前の作品ですからね。1985年から1989年に『りぼん』に掲載されたと記憶しています」
つかさ「わあ、私りぼんっ子だったよ〜。今でも取っておいてあるよ〜」
つかさ「こなちゃんはりぼん派? なかよし派? ちゃお派?」
こなた「全部読んでたよ。お父さんが買ってたから」
つかさ「そ、そうなんだ…」
みゆき「でも、今の私では色々なことを考えすぎてしまって、ああいうピュアな世界は入り込めないかもしれませんね」
こなた「みゆきさんはピュアな方じゃん。私なんて魂が汚れきってますから」
つかさ「そ、そんなことないと思うな。そうだ、放課後うちにおいでよ。お勧めの少女漫画がいっぱいあるんだー」
こなた「おー。たまにはいいかもね」
みゆき「あのぅ…私たちは受験生…」
こなた「勉強しなくちゃいけない気がしたが別にそんなことはなかったぜ!」
みゆき「わ、わかりました…。少しだけですよ?」


つかさ「はい、これとこれとこれ。あとこれもいいよー」
こなた「んじゃ遠慮なく」
みゆき「読ませていただきますね」
つかさ(わくわく)
 一時間経過
みゆき「ふふっ」
こなた「みゆきさん?」
みゆき「あ、すみません。こういう漫画の主人公って、つかささんの様なタイプが多いなと思いまして」
つかさ「そ、そうかなあ?」
こなた「あー、結構そういう主人公多いよね」
こなた「逆にみゆきさんは主人公にならないよね。完璧超人すぎて」
みゆき「そ、そんなことはないと思いますよ。その…自分では、つかささんと似たタイプだと思うのですけど」
つかさ「ええっ!?」
こなた「まあ、優しくておっとりって方向性は似てるかもね。てゆーか、つかさを何もかもレベルアップさせたのがみゆきさんだよね」
つかさ「あ、あはは…そうかも」
みゆき「でも私は結構ドジですし…」
こなた「いやいや、それはドジっ子っぷりがレベルアップしたって事だよ」
みゆき「それはアップと言うのでしょうか」
つかさ「うう…でもそう考えると、レベルの低い私は落ち込んじゃうよー」
みゆき「で、ですけど、主人公になるのはつかささんですよ。私などはせいぜい友人キャラクターですから」
こなた「おー、確かに美人系友人キャラだ。んで私はトラブルメーカー系の友人キャラ」
つかさ「そ、そういうものかな?」
みゆき「はい。つかささんの様な素直で可愛い女の子が、ヒロインには相応しいということですよ。きっとつかささんは幸せになれます」
つかさ「ううっ、ありがとうゆきちゃん…。生きる気力が湧いてきたよ!」
こなた(相変わらずみゆきさんのフォロー力はスゴス…)


みゆき「それでは、お邪魔しました」
つかさ「うん、また読みに来てねー」
こなた「んじゃねー」

みゆき「つかささんは、本当に可愛らしい方ですよね」
こなた「そうだけど、お勧めの漫画はさー…。つかさには悪いけど、背中がむず痒くなる世界だったよ」
みゆき「そ、それは、私も正直なところ、心理描写が物足りない面がありましたが…」
みゆき「――でも、私と泉さんが一緒に読める本って、他にないじゃないですか」
こなた「…それもそっか」
こなた「それじゃ、つかさに感謝しないとね」
みゆき「はい、そう思います。またいつかお願いして、少女漫画を読ませてもらいましょうね」
こなた「そだねー」
こなた「みゆきさん、受験のこと頭から消えたね」
みゆき「はうっ!」
 みゆきとの距離が縮まった!
 次へ


こなた「どうしてかがみんはツンデレって言うと怒るんだろー」
みゆき「そうですねぇ…。マニア的な表現への拒否感と、自分はツンデレではないという意識があるためではないでしょうか」
こなた「えー。だってツンデレじゃん」
みゆき「私から見る限り、ツンツンもデレデレもしていないと思いますよ」
こなた「それは元々の意味でしょ。素直じゃなかったり照れ屋だったりも今はツンデレと呼ぶ、ってことにしとこうよー」
みゆき「確かに、元の語源から意味が離れていくことはよくあるようですね。私が調べた範囲ですと、例えばやおい」
こなた「い、いいから! そんな単語解説しなくていいから!」
みゆき「? そうですか?」
こなた(みゆきさんって時々恐ろしいよね…。さすが天然)
みゆき「でも、かがみさんは嫌がっているようですし…」
みゆき「表現の問題であるなら、『ツンデレ萌え』というのを『照れ屋さん可愛い』と言い換えてはいかがでしょうか」
こなた「…………」
みゆき「だ、ダメですか?」
こなた「そういうことを言ってしまうみゆきさんが一番可愛いっス」


こなた「というわけで、かがみんのことは『照れ屋さん可愛い』と言うことになったから」
かがみ「何が『というわけ』よっ! なんなのよみゆきまで一緒になって!」
みゆき「こ、この呼称でもいけませんか? 照れ屋さんで可愛いのは事実ではと…」
かがみ「うっ…うるさーい! 私なんてどうせ可愛くないんだから、みゆきにそんなこと言われても嫌味なだけよっ」
みゆき「そんなことはないですよ。文系を選んだ理由を聞いて、ああ、可愛らしい方だなぁと思いました」
かがみ「う…。あうぅ…」
こなた「そそそ、照れ屋さん可愛いよね。あーもう長くて言いにくいや。テレカワだよね」
かがみ「何そのワニ皮みたいな略称!」
みゆき「何にせよ誉め言葉なのですから、そこまで拒絶する理由はないのではないでしょうか」
かがみ「ううう…反論できない…」
こなた「みゆきさんグッジョブ! いやー、かがみんはホント照れ屋さん可愛いなー」
みゆき「泉さんも、面白半分に言うのではなくて、真心を込めて言わなくてはいけませんよ」
こなた「そ、そーゆーものデスカ…。あー…えへんえへん、照れ屋なところが可愛いでござる」
かがみ「もう好きにして…」
 かがみとの距離が縮まった!
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こなた「そろそろ付き合いも長いし、つかさも萌えが分かってきたんじゃない?」
つかさ「うーん、要するにすごく可愛いってことなのかな?」
こなた「近いけど微妙に違うんだなー。例えばみゆきさんが看板に頭をぶつけたらどう思う?」
つかさ「痛そう、可哀想〜って思うよ」
こなた「ううむ、感覚が違いすぎる…。しかしつかさの方が人として正しい気がしないでもない…」
つかさ「な、なんだか別に分からなくてもいい気がしてきたよ」
こなた「そんなこと言わないでよ〜。これからの時代は萌えだよ。萌え市場は888億円と言われてるんだよ」
つかさ「888億円!? り、理解しなくちゃいけない気がしてきたよ」
こなた(将来騙されて壷とか買いそうだよね、つかさ…)
かがみ「何を変なこと教えてるのよ」
つかさ「お姉ちゃん。でも888億円だよ?」
かがみ「それが具体的にどう凄いのか説明できるわけ?」
つかさ「え、ええと…。あはは」
かがみ「大体こなたが萌え萌え言ってるのって、ほとんどみゆきじゃない。範囲が狭いのよね」
こなた「仕方ないじゃん、歩く萌え要素なんだからさー」
つかさ「うん、ゆきちゃんは可愛いと思うよ」
かがみ「そうじゃなくて、他に…! いい、なんでもない」
こなた「ん? かがみんにも萌えてるよ? ツンデレ萌えー」
(萌え−かがみを見ている場合)
 こなた「ん? かがみんにも萌えてるよ? 照れ屋さん可愛いー」
かがみ「そーゆーことじゃなくてっ! …やっぱりいい」
つかさ「お姉ちゃん? 友達同士なんだから、言いたいことは何でも言おうよ」
かがみ「…そう。言ってもいいのね?」
こなた「どぞどぞ」
かがみ「じゃあ言わせてもらうけど…」
かがみ「つかさが一番可愛いんだから、萌えるならつかさに萌えなさいよーーっ!!」
かがみ「ぜえぜえ…」
つかさ「お、おおおおおお姉ちゃん!?」
こなた「なんという姉バカ…。この女は間違いなくシスコン」
かがみ「うるさいっ。だっておかしいじゃない。女の子として普通に可愛いのはつかさでしょ?」
つかさ「そ、そんなことないよぉ。私なんて何の取り柄もないし、こなちゃんが萌えなくても仕方ないよ…えへへ」
かがみ「くっ、なんていじらしい子なの…。こなた、何とか言いなさいよ!」
こなた「んー、やっぱ可愛いと萌えは違うとゆーかね? 微妙に私の萌えポイントとは違うんだよね。眼鏡とかツンデレがないと」
かがみ「このマニアめ…。他にもあるでしょーよ、駄目っ子萌えとか」
つかさ(そんなの全然嬉しくないよぉ…)
こなた「まあ、かがみんが妹萌えならそれでいいじゃん。実妹ハァハァなキャラって最近多いし」
かがみ「誰がハァハァしとるか!」
つかさ「もういいよ、お姉ちゃん…」
かがみ「つかさ…?」
つかさ「確かに私はみんなとは違う。お姉ちゃんみたいにしっかりしてないし、ゆきちゃんみたいに美人でもない…」
こなた(微妙に一人スルーされてるのは気のせいデスカ)
つかさ「でも、お姉ちゃんが愛してくれてるんだもん。私にはそれで十分だよ…!」
かがみ「つかさ…」
つかさ「お姉ちゃん…」
かがみ「つかさ…」
つかさ「お姉ちゃん…」
こなた「なんか疎外されてるよーな…」
みゆき「美しい姉妹愛です…。萌えというのも、結局は愛に帰結するのかもしれませんね」
こなた「いきなり出てきて一方的にまとめられたー!」
 つかさとの距離が広がった!
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こなた「どうもみゆきさんは、オタクの間では人気薄みたいなんだよ…」
みゆき「急にメタな話ですね」
こなた「信じられないよね。天然なのに、眼鏡なのに、巨乳なのに!」
みゆき「よく分かりませんけど、泉さんが好いてくださるだけで、私としては十分ですよ」
こなた「うあー、どこまでいい人なんだ。だからこそ私は悔しいんだ。みゆきさんにもっと人気が出てほしいよー」
こなた「やっぱり、キャラが薄いのが問題なのかな…。少しは腹黒な部分を出したらどうカナ?」
みゆき「腹黒ですか…? あの、今までの泉さんの話では、『萌え』とは人に好かれる部分と解釈していたのですが、腹黒いことは該当するのでしょうか?」
こなた「言われてみれば、腹黒に萌える理由って何なんだろう…」
こなた「まあ理屈はともかく萌えるんだから、とりあえずやってみようよ」
みゆき「ええー!?」
こなた「さあっ」
みゆき「そ、そう言われましてもですね」
こなた「みゆきさんの人気のためなんだよっ」
::「うるさいよ、お前らオタク間の人気なんてどうでもいいよ! 勝ち組人生歩いてる私にとっちゃ、んなもん産廃以下の価値しかないんだよ!」
こなた「………」
こなた「嫌やー! 自分で頼んでおいてなんだけど、やっぱりみゆきさんは天使がええんやー!」
ななこ「何やねん、根性のないやっちゃ。そんなんで腹黒萌えとか千年早いで」
みゆき「先生…。私の声色で変なことを言うのはやめてください」
こなた「あー、びっくりした。みゆきさんがそんなこと言うわけないよね」
ななこ「いーや、人間誰しも汚い部分はあるもんや。高良はそれを押さえ込んでるんやろ。たまには発散した方がええで」
みゆき「べ、別に何も押さえ込んでなんていないですよ〜」
こなた「みゆきさんは萌えキャラだから、汚い部分なんてないよ。トイレにも行かないよ」
みゆき「さすがにそれはちょっと…」
ななこ「高良……ええ加減キレてもええんやで?」
みゆき「いえ、きっと泉さんなりの冗談なのでしょう。かがみさんのような面白い反応を返せなかった自分を、恥ずかしいと思います」
こなた「わーい、聖人君子萌えー」
ななこ「けっ、どこまで真面目キャラやねん。いい子すぎてあかんわ」
こなた「みゆきさんは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ! そのみゆきさんを騙った貴様に言えたことか!」
ななこ「お母さん!? 高良が!? …うわあっ!」
こなた「平和より自由より正しさより〜」
みゆき本気(私の母ですか…。やはり、お母さんがいないのは寂しいのでしょうか…)
みゆき「わ、分かりました。母親の経験はありませんが、頑張ってやってみますね」
こなた「え? いや、さっきのは単なる逆シャア…」
みゆき「こ、こなたちゃん。ちゃんと勉強しないとめっ、ですよ」
こなた「………」
みゆき「………」
みゆき「すみません…。忘れてください…」
こなた「萌☆えーー!!」
みゆき「きゃあっ」
こなた「とりあえずみゆきさんは私の嫁ということで!」
みゆき「は、母の次は嫁ですか? もう一体どうしたらいいのやら…」
こなた「笑えばいいと思うよ」
みゆき「は、はいっ」
こなた(たとえ世間の評価がどうだろうと――私はみゆきさんに萌え続ける!)
 みゆきとの距離が縮まった!
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こなた「はぁ…今日の夕ご飯は何にしよ」
みゆき「そういえば泉さんは、お父様と交代で食事当番をされているのですよね」
かがみ「ま、あんたのそういう所は、素直に立派だと思うわよ」
つかさ「最近はどんなの作ってるの?」
こなた「おとついはラーメンで、その前は焼きそばダタヨー」
かがみ「あんたね…」
つかさ「だ、駄目だよこなちゃん。そんなんじゃ栄養が偏っちゃうよ」
こなた「分かってるけどさー。真面目に作ると、どうしても時間がかかっちゃうんだよ」
みゆき「そうですよね。家事をやりながら他のこともとなると、かなり大変ですよね」
こなた「うん、今佳境だから。暁の団メインでクリアしようと思ったらノイスが死にまくりで」
かがみ「ってゲームかよ!」
みゆき「そ、それでも私たちよりは大変と思いますけど…。お父様は不満は言われないのですか?」
こなた「あー、平気平気。お父さんも別のゲームにハマってて、出てくる料理も似たようなもんだから」
つかさ「ダメー!」
こなた「うおっ」
つかさ「一日30品目食べなきゃダメだよ! 緑黄色野菜は120g以上! 繊維やミネラルもちゃんと取ること!」
みゆき「お料理のことになると人が変わりますねぇ」
こなた「でも掃除や洗濯だってあるんだよ〜。あーあ、誰かがご飯作りに来てくれないかな」
かがみ「またそんなギャルゲーみたいな妄想を」
つかさ「しょうがないなぁ〜。今度、私が作りに行ってあげるよ」
こなた「おおう、イベント発生キターー!」
こなた「ホントにいいの? 遠慮せず頼んじゃうよ?」
つかさ「うんっ、お料理大好きだから大丈夫だよ〜」
みゆき「つかささんほどの腕前はありませんが、私も良かったら作りますよ」
こなた「まるでハーレムのような展開が!」
こなた「いやー、なんか催促したみたいで悪いねぇ」
かがみ「みたいじゃなくて、してんじゃない…」
かがみ「………」
こなた「ん?」
こなた「んん?」
こなた「何? かがみも作ってくれるの?」
かがみ「ばっ…」
かがみ「馬鹿言わないでよ、私が家事苦手なの知ってんでしょっ! ど、どーせ不味いものしか作れないわよ」
こなた「いやいや、おいしくないパターンもよくあるシチュだよ」
みゆき「泉さんを想う気持ちがあれば、多少の技術はカバーできると思いますよ」
つかさ「そうだよ、料理は愛情が大事なんだよ――まあ相手に不味い料理を食べさせてる時点で、愛情が足りてないんだけどね?」
かがみ「あんたホント人変わりすぎ!」
かがみ「ま、まあ、味に文句を言わないなら、作ってやらないでもないわよ」
こなた「いやっほーう、かがみん最高ー!」
こなた「………」
こなた「…みんな、本当にありがとう。持つべきは友達だよね」
つかさ「こなちゃん…」
かがみ「な、何よ急に真面目になって。調子狂うわね」
こなた「いやー、それくらい言わないと悪いかなって」
みゆき「泉さんは、他の人より苦労しているのですから…。その分は、周りに甘えていいと思いますよ」
こなた「ん…」
 私も、そのうちみんなに何か作ってあげよう。
 ――今やってるゲームをクリアしたらね。
 つかさとの距離が縮まった!
 みゆきとの距離が縮まった!
 かがみとの距離が縮まった!
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かがみ「おーっす、お昼にするわよ」
 ダダダダダダ
みさお「ちくしょー! 覚えてろよー!」
かがみ「く、日下部?」
こなた「はっはっはっ」
かがみ「何かあったの?」
つかさ「うーん。こなちゃんと日下部さんで、例によってお姉ちゃんの取り合いをしてたんだけどね」
こなた「『私はかがみんに下の名前で呼ばれてるけど、チミは?』って言ったら、泣いて逃げ帰ったよ。にはは」
かがみ「アホらしい…。呼び方なんてどうでもいいでしょーよ」
つかさ「でも確かに、日下部さんや峰岸さんのことは苗字で呼んでるよね。こなちゃんやゆきちゃんは名前なのに」
かがみ「うっ…。そ、それはぁ…」
こなた「勝ったー!!」
かがみ「何を競ってんのよっ! べ、別に深い意味はないわよ。何となくよ、何となく」
かがみ「あれ、みゆきは?」
つかさ「他の人に取られちゃったよ〜」
こなた「みゆきさんは私たちと違って、他にも友達がいるからねえ」
かがみ「そうよね…」
かがみ「…って、私『たち』って何よ! 私だってクラスに友達くらいいるわよ!」
こなた「あー、苗字で呼ぶ疎遠な友達?」
かがみ「殴るぞ」
つかさ「ま、まあまあ」
つかさ「でも呼び方で言うと、ゆきちゃんとはちょっと距離あるのかなぁ。知り合ってからずいぶん経つのに、まだ敬語だし」
こなた「私なんて苗字で呼ばれてるよ」
かがみ「私たちだって、二人いるから名前で呼ばれてるだけでしょ。一人ならたぶん『柊さん』よ」
かがみ「ま、仕方ないじゃない? みゆきの性格だし」
こなた「みゆきさんにはヤケに淡泊だね」
かがみ「だって呼び方がどうあれ、みゆきが私たちを大事にしてるのは分かってるもん」
つかさ「そ、そうだよね。ゆきちゃんはそういう人だよね」
こなた(なら私のも分かってくれよー)
かがみ「こなたこそ、どうしてみゆきだけ『さん』付けなのよ」
こなた「んー、キャラ的に『さん』って感じがしない? アリシアさんには必ずさんを付けるようなもんだよ」
かがみ&つかさ『……』
かがみ&つかさ『………』
こなた「アリシアさんとゆーのはね? ARIAという漫画に出てくるお姉さんキャラで水の三大妖精であらあらうふふ…」
かがみ「誰も説明なんぞ求めてないわっ!」
こなた「理解できなければ文句を言い、説明すれば文句を言う…。ホントかがみは厄介な女だよ」
かがみ「なんで恋愛に疲れた彼氏みたいな発言になってんのよっ!」


つかさ「っていうような話をしてたんだよー」
こなた(つかさってホント口軽いな)
みゆき「そ、そうですか。すみません、敬語の方が話しやすいものですから…。でもそのせいで、皆さんに不快な思いをさせていたなんて…!」
つかさ「そ、そそそんなことないよっ! 別にそんなの気にしないよっ!」
こなた「そうそう、敬語キャラ萌え」
みゆき「お恥ずかしながら、自分の親にも敬語なんです…」
こなた&つかさ『そりゃあ敵わないや!』
みゆき「やはり、もう少しフランクになるよう努力すべきでしょうか?」
こなた「別に無理することはないけど、フランクなみゆきさんも少し見てみたいね」
つかさ「うんうん、ちょっとだけやってみてよ〜」
みゆき「わ、分かりました。それでは…」
みゆき「ヘーイ、こなた&つかさ! HAHAHAHA!」
こなた&つかさ『それフランクと違うし!』
みゆき「ど、どうでしょうかっ」
こなた「あー…みゆきさんはいつも通りが一番だと思うよ」
つかさ「うん、そんなゆきちゃんが好きだよ」
みゆき「泉さん、つかささん…。こんな私を許容してくださるなんて、お二人はまるで天使です」
こなた(いや天使はアナタですって)
 みゆきとの距離が縮まった!
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こなた「私も現役女子高生だった気がしないでもないし、やっぱクラスの男子の話とかした方がいいのかな〜」
こなた(クラスの男子…)
こなた(ヤバい…。一人も思い出せない…)
みのる「WAWAWA忘れ物〜」
こなた「おおう、彼がいたではないか」


こなた「ねーねー、白石くんってどう思う」
つかさ「!!?」
みゆき「そうですねぇ。基本的に誠実で真面目な方と思いますが、敢えて言えば時々調子に乗ってしまうのが玉に瑕でしょうか。でも良い人ですよ」
かがみ「そこ、冷静に論評しない! ど、どうしたのよ、こなたが三次元の男に興味を持つなんて」
こなた「いやー、実はラジオに出てるんだよね、彼」
つかさ「ラジオ?」
こなた「たまたま聞いてた番組で、『白石みのるでっす』とか言っててさ。どこかで聞いた名前だと思ったら、クラスメイトだたよ」
みゆき「同姓同名の別人ではないのですか?」
こなた「いやいや、私のダメ絶対音感は間違いない」
つかさ「でもすごいねー、身近にラジオ出てる人がいるなんて。どういう番組なの?」
こなた「なんか腹黒い中学生アイドルに虐げられてた」
かがみ「何じゃそりゃ…」
こなた「ちょうどいいや、本人に聞いてみよっか」
かがみ「あ、ちょっとっ?」
こなた「もしもし、白石くんや」
みのる「え? あー、泉さん?」
こなた「この前らっきー☆ちゃんねる聞いたよー」
みのる「おわあッ!? そ、その事はご内密に」
こなた「本名で出といて内密も何もないよ。ついでに聞きたいんだけど、あきら様のアレって脚本通りなの? それとも地なの?」
みのる「ひ、ひぃぃぃぃ! ぼ、僕の口からは言えまっしぇーーん!」
みゆき「泉さん、そういうのは守秘義務があるのでしょうし…」
こなた「それもそだね」
みのる「あ、ども。いやー、さすがみゆきさ…高良さんは優しいなあ」
こなた「ほほう(キュピーン)。さては白石くん、みゆきさんラブだね?」
みのる「え!? いや、ちょっ」
かがみ&つかさ『そ、そうなの!?』
みゆき「い、泉さん。変なことを言うと白石さんに迷惑ですよ」
みのる「いやまあその、何というか」
かがみ「あーもうハッキリしないわね。みゆきが好きなら、きっぱり告白しなさいよ」
みゆき「か、かがみさんまで。白石さん、気になさらないでくださいね」
みのる「は、はあ…。じゃ僕はこれで」
かがみ「このヘタレ」
みのる「ぐさあっ」
つかさ「お姉ちゃん、言い過ぎだよぉ…」
こなた「まあかがみんには、純情少年の心の機微なんて分からないよね」
かがみ「な、なによっ。えーえー、どうせ男にモテるのは、みゆきやつかさみたいな女の子ですよ」
こなた「いやー、私たちみたいのも需要はあると思うよー二次元なら」
かがみ「二次元じゃ意味ないでしょっ!」
みゆき「も、もうこのお話はやめにしましょう。ほら、お昼休みが終わってしまいますよ」
こなた「へーい」
つかさ(恋愛かぁ…)

 この想い、彼に届けたい…。でも、どうしたら勇気を出せるの…。
みゆき「つかささん。虎穴に入らずんば虎児を得ずと言いますよ」
つかさ「ゆきちゃん…」
こなた「彼の好みはデータを集めておいたよ〜。あとは攻略するだけだよ」
かがみ「つかさなら大丈夫よ……私の妹なんだから」
つかさ「こなちゃん、お姉ちゃん…」
 ありがとう、ありがとうみんな…。柊つかさ、彼に告白します!

つかさ(なんて漫画みたいなこと、現実にはないよね。えへへ…)
こなた(恋愛かぁ…)

つかさ『○○くんのお世話をするのが、私の生き甲斐だから。○○君が幸せならそれでいいの』
こなた『はっ…!(鍋が空…)』
かがみ『おっじゃまっしまーす』
つかさ『帰って…帰って、帰って帰って帰って! ○○君を返して! あんたなんか死んじゃえばいいんだ!』
かがみ『つかさ…(バタリ)』

こなた(なんてShuffle!みたいなこと、現実にはないよね。あってもフォローに困るけどな!)
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こなた「県内でどっか面白いとこない?」
かがみ「はいはい、何が希望? アニメショップ? ゲームセンター?」
こなた「いや、そういうのは聞くまでもないけど」
こなた「あと瀬戸嫁が所沢とか、おお振りが浦和とか、日向小次郎も埼玉県民とか言わずもがなだけど」
かがみ「知らんわっ!」
こなた「もっと一般的な観光地で、何かないかなーって」
かがみ「こ、こなた!?」
つかさ「ど、どうしたの!? 何か悪いものでも食べたの!?」
こなた「えらい言われようだ…。だって卒業したら、埼玉に残るかどうか分かんないしさ」
みゆき「郷土愛は大事ですよね。私は都民ですけど、埼玉は良いところだと思いますよ」
かがみ(なんか嫌味に聞こえるのは、私の偏見のせいなんだろうなぁ…)
つかさ「糖武動物公園は何度も行ったし…。やっぱ製武園か、森林公園あたりかな?」
みゆき「観るなら川越、長瀞、秩父…それに吉見百穴、行田の古墳群、越生梅林といったあたりでしょうか。大宮の盆栽村も良いですよ」
こなた「みゆきさんの渋さは天才的」
つかさ「川越は遠足で行ったよ〜。蔵があるところだよね?」
みゆき「はい、蔵造り資料館というものもありますね。喜多院の五百羅漢も、独特の雰囲気があって好きです」
みゆき「長瀞は舟下りに宝登山の蝋梅。秩父は春なら羊山公園の芝桜、秋なら奥秩父の紅葉でしょうか。秩父三十三観音の霊場巡りも有名ですね」
こなた(秩父三十三観音…!)
こなた「『なんとか三十三将軍』みたいでカッコイイよね」
かがみ「仏罰が下るぞ」
みゆき「そうだ、秋になったら、皆さんで奥秩父に行きませんか? 三峯神社も数年前に塗り替えられたようですし」
こなた「いーねー。奥って付くと、なんか秘境って感じがするよ」
つかさ「うん、私も行きたーい」
かがみ「ちょっとちょっと。秩父なんて、ここからだと埼玉の端から端じゃない。まだ筑波の方が近いわよ」
こなた「分かってないなー。茨城じゃなくて埼玉に行きたいんだよ」
かがみ「だいたい秋って言ったら、受験の追い込みの時期でしょーが」
こなた「んー、じゃあかがみんは不参加か」
かがみ「え?」
みゆき「そうですね、無理強いするわけにはいきませんし…」
つかさ「お姉ちゃん、昔から真面目だったもんね」
かがみ「え? え?」
かがみ「そ、そう…。分かったわよ、三人でどこへでも行けばいいでしょ…」
みゆき「あ…で、でも、まだ先の話ですし」
みゆき「その時の成績状態を見て、余裕があるようなら行くというのはどうでしょう?」
かがみ「そ、そーね! 余裕があるんだったら行ってもいいかな!」
こなた「みゆきさんがいてくれて良かったねーかがみん」
かがみ「うるさいっ!」


こなた「みゆきさん、さっきはナイスフォロー」
みゆき「い、いえ、旅行を言い出したのは私ですし…。かがみさんの言うとおり、受験生なのに浅はかでしたね」
こなた「まーいーじゃん、一日くらい」
みゆき「泉さんも、本当に良かったのですか? 奥秩父にはアニメグッズも同人誌もありませんけど」
こなた(そんなのあったら逆に怖いよ!)
こなた「まー確かに私はインドア派だけど、みんなと一緒ならいーよ。去年行った海も楽しかったし」
みゆき「泉さん…。はい、楽しみにしています」
 みゆきとの距離が縮まった!
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こなた「一週間経ったかぁ…」
こなた「あー、なんかもういいや面倒くさい」
こなた「だいたい私が他人を気にするなんてらしくないよね。それが私のアイデンティティなんだよね」
こなた「………」
こなた「一人だと、『なんて嫌なアイデンティティだ』って突っ込んでくれる人もいないんだ…」
ひより「大丈夫っス! 先輩は一人じゃないっス!」
こなた「うおっ、ひよりん」
ひより「しょせん私たちオタクは、オタク同士でコミュニティ作ってりゃいいんですよ」
こなた「キミにも確か一般人の友達がいなかったかね」
ひより「二人をネタに百合同人誌描いてたのがバレて、気まずい雰囲気っス…」
こなた「絶交されなかっただけマシだと思いなよ…」
パティ「まあヒヨリの言うとおりネ。オタクとピープルの間には、相互に理解不可能な壁があるのデス」
こなた「そう…かもしれないね…」
こなた「ま、いいよね。オタク同士なら、大魔王なのはさんのスゴさをいくらでも語れるわけだし」
ひより「はあ!? 何言ってるっスか3期は最悪っスよ! リリなのはA’sまでしか存在しないっス」
パティ「私に言わせれば2期からShitでシターヨ。D.Cといいローゼンといい、続編ものにはロクな思い出がありまセーン」
こなた「ま…まあ今期はsolaが一番だよね。腐っても久弥だよね」
ひより「主人公が腹立つから却下っス。それよりエロ☆澄さんが最高っスよ! 国語辞典にも仁侠と書いてにんぎょと読むと追加すべきっス!」
パティ「オーノー、なんで日本人はヤクザみたいな不法集団を賞賛シマスカー? 今期はグレンラガン>>>>その他デショ」
ひより「グレラガ〜? カミナ死亡といいシモン復活といい、なんか予定通りの展開って感じなんスよねぇ〜。もうちょっと工夫はできないんスかねぇ〜」
パティ「何を言うかアンチ!!」
ひより「引っ込め信者!!」
こなた涙(オタク同士なら分かり合えると思った私がバカだった…)
 BAD END



こなた「んー、かがみとの心の距離がだいぶ近づいた気がする」
こなた「もう少しふざけても大丈夫だよね」

こなた「おーい、かがみタン」
かがみ「………」
こなた「アルェー? 好感度上がったはずなのに。バグじゃないのかコレ」
かがみ「こなた…」
こなた「えっと…あの、冗談だよ?」
かがみ「ちょっとそこに正座しなさい」
こなた「床なんですけど…」
かがみ「いいから」
こなた「あい…」
かがみ「あんたねぇ…人を一体何だと思ってるわけ?」
こなた「何とおっしゃられましても…」
かがみ「私はゲームのキャラじゃないの。血の通った人間なわけよ。それをやれツンデレだフラグだ…友達として扱ってないでしょ」
こなた「あ、扱ってるよぉ〜。軽い冗談というか、ネタじゃん…」
かがみ「あんたが言うと冗談に聞こえないのよっ!!」
こなた「かがみん…どしたの?」
かがみ「な、何がよ」
こなた「そりゃ私も悪かったけど、今まではツッコミ入れて終わりだったじゃん。なんか最近焦ってるというか…何かあったの?」
かがみ「べ、別に何もないけど…」
かがみ「ただ…そろそろ卒業が近づいてきたなって」
こなた「え〜、まだ先でしょ? そんな遠い未来のこと気にするのよそうよ」
かがみ「高三の5月になって、んなこと言ってるのはお前だけだっ!」
かがみ「どうせ大学も別だろうし…。あんたのことだから、手紙書いても返事なんて絶対よこさないんだろうなって…」
こなた「あ〜…見えるね。出そう出そうと思って、結局めんどくさくなって放置する光景が」
かがみ「あんたってそーいう奴よねっ! よーく分かったわよ、やっぱりこなたにとって、私たちなんてその程度の存在なのよ! もういいっ!」
こなた「よーするに、お別れのことを考えると寂しくて、なのに私はこんなだからツンツンしてたわけだ」
かがみ「だ、だからそーいうんじゃなくてっ…!」
こなた「んー」
こなた「かがみん、大学は東京?」
かがみ「え? まだ本決まりじゃないけど、多分そうなるかな」
こなた「そんじゃさ、一緒に住もうよ」
かがみ「なあっ!?」
こなた「みゆきさんとつかさも誘って、四人で暮らそうよ。そうすりゃかがみも寂しくないでしょ」
かがみ「ちょ、待っ…」
こなた「きっと、毎日楽しいよ」
かがみ「………」
かがみ「…うん、すごく楽しいだろうね。でも、ダメだよ」
こなた「どして?」
かがみ「そんなの、高校生活からいつまでも抜け出せないだけじゃない。モラトリアムに漬かったままの毎日なんて、許されるわけないじゃない…」
こなた「いーじゃん死ぬまでモラトリアムで。サイコーじゃん!」
かがみ「あんたのその潔さは、ある意味尊敬に値するわ」
こなた「ダメ?」
かがみ「ダメとは言ってないけど…」
かがみ「………」
かがみ「まあ…そんな未来も、夢としてはいいかもね」
こなた(こんなことが夢になっちゃうなんて、いじらしいというか何というか…)
かがみ「ね、放課後時間ある? 本屋に行くから、たまには付き合いなさいよ」
こなた「いーよー。私もほしい漫画あるし」
こなた「あー、でも来年からは、一緒に秋葉原とか行けるのか〜」
かがみ「ちょっ、だから、まだ一緒に住むなんて言ってないでしょ」
こなた「え? 私の中ではもう確定だけど?」
かがみ「こ、こなたぁ〜〜!」
 おしまい



つかさ「こなちゃん、最近私に気を使ってくれてるよね」
こなた「そ、そかな」
つかさ「うん…えっと、もし違ったら許してね」
つかさ「もしかして、この前お姉ちゃんと話してたこと、聞いてた?」
こなた「うっ、立ち聞きするつもりはなかったんだけど…ってゆーか、こんなベタな台詞を自分で言うことになるとは」
つかさ「ご、ごめんねっ! あんなこと言われたら誰だって気にするよね。ごめんねっ!」
こなた「いやいや。私もつかさを置いてけぼりにしてたみたいで、ほんとスマン」
つかさ「こなちゃんは悪くないよっ。私だって、料理の話をするときは、みんなを置いてきぼりにしてるかもしれないし!」
こなた「あー、そんじゃま、お互い気にしないってことで」
つかさ「そ、そうだね。えへへ…」
つかさ「…ねえ、こなちゃん」
こなた「ん?」
つかさ「私たち、ずーっと仲良しでいようね。おばさんになっても、おばあさんになっても、いつまでも親友でいようね」
こなた「………」
つかさ「ダ、ダメかな?」
こなた「いや、決してダメじゃないけど…。キミのその素直さは眩しすぎるよ…」
つかさ(しょぼーん)
こなた「う…分かった」
こなた「あんまり柄じゃないけど、一回だけ言うね」
つかさ「? うん」
こなた「つかさのこと好きだし、親友だと思ってる」
こなた「私にとって、つかさは初めての非オタの友達だったからさ。つかさに会えたおかげで、世界が広がったと思うんだ」
つかさ「こなちゃん…」
こなた「だから…これからも、ずっと仲良くしてほしいよ」
こなた「バ力同士として」
つかさ「無理にオチをつけなくていいよぉ…」
つかさ「でも…ありがとう。すっごくすっごく嬉しいよ」
こなた「いやー、似合わないことをしてしまったなー」
つかさ「そんなことないよっ。今の話、お姉ちゃんとゆきちゃんにもしていい?」
こなた「そ、そりはちょっと勘弁して…」
つかさ「なんでー? 感動したのに。あ、もしかして照れてる?」
こなた「か、かがみんじゃあるまいし。照れてなどいないデスヨ?」
つかさ「やっぱり照れてるんだ。こなちゃん可愛いいなー」
 くそう、つかさに主導権握られるとは…。あんなこと二度と言うもんかー!
 おしまい



こなた「おっ、みゆきさん。おーい…」
生徒A「やっぱりこの偏差値だと△△大かしら」
みゆき「そうですね。その分野では高名な囗囗教授がいらっしゃいますし」
生徒B「高良さんは○○大狙いでしょう? すごいなぁ」
みゆき「べ、別に志望するだけは誰でもできますから。受かるかどうかが問題ですよ」
こなた(うわ、優等生集団だ…。声かけづら)
生徒B「…でも、高良さん、本当に大丈夫?」
みゆき「え、何がでしょうか?」
生徒B「さ…最近、泉さんたちと遊んでばかりでしょう?」
みゆき「そ、そうでしょうか?」
生徒B「あの人、ちょっと問題よね。高校生にもなってアニメとかゲームとか、もっと大人になるべきだと思うんだけど…」
みゆき「………」
みゆき「クラスメートをそういう風に言うのは、少々いかがなものかと思いますよ?」
生徒B「あ…」
みゆき「どんな趣味を持とうが個人の自由ですし、読書や音楽鑑賞は良くて、アニメやゲームは駄目というものでもないでしょう?」
生徒B「ご、ごめんなさい、私…」
みゆき「い…いえ、すみません! 私も変に強く言ってしまって」
生徒A「まあ、許してやってよ。最近の高良さん、泉さんたちとつるむことが多いから、この子も寂しがってんのよ」
みゆき「そ、そうなんですか?」
生徒B「そ、それは…」
生徒B「し…仕方ないよね! 私といるより、泉さんの方が楽しそうだもんね!」
みゆき「あ…」
生徒A「どーも受験のプレッシャーで過敏になってるみたいねー。適当にフォローしとくから、あんまり気にしないでね」
みゆき「は、はい…。私は大丈夫ですので、彼女のところへ行ってあげてください…」
  
みゆき「はぁ…世の中、ままならないものですね」
こなた「現実だと、一回セーブして別ルートにってわけにもいかないしねー」
みゆき「い、泉さん? いつからそこに」
こなた「はっはっは。細かいことは気にしない」
こなた「…みゆきさん。私、遠慮なんかしないよ」
みゆき「――はい」
こなた「みゆきさんが嫌がらない限り、遊びに誘うのも友達でいるのも止めたりしないよ。これからも振り回しちゃうよ」
みゆき「はいっ、それでこそ泉さんです。思う存分振り回してください」
こなた「なはは。私ってどう思われてるのカナー」
こなた「えっとね…一応感謝はしてるんだよ? 趣味も住む世界も全然違うのに、私みたいなのに付き合ってくれて」
みゆき「そんなの、お互い様ですよ」
みゆき「一年生の頃の泉さんは、あまりクラスメートとは話さなくて…。拒絶しているわけではないけど、興味もない様子で」
みゆき「ずっと気になっていたのに、話しかけるきっかけを持てませんでした」
こなた(あー、つかさと会うまではそんな感じだったかも…。人間関係はネトゲで十分だと思ってたし…)
みゆき「ですから、こうして外の世界へ出てきてくれたことに、本当に感謝しています。交わらないと思っていた関係が、交わることができたんですから」
こなた「みゆきさん…」
こなた「んじゃ、友好の証に握手」
みゆき「はいっ」
こなた「…このまま、手を繋いでていい?」
みゆき「はい、もちろんです」
 みゆきさんは友達だけど、つかさやかがみとは少し違う。
 ただの友達じゃなくて、何ていうか…
こなた「もしもし、物知りのみゆきさんや」
みゆき「はい、何でも聞いてくださいね」
こなた「相手のことが好きで、けどそれだけじゃなくて…」
こなた「少しだけ、尊敬――してるような感じって、何て言うのかなあ?」
みゆき「そうですねぇ…」
みゆき「『敬愛』――でしょうか」
こなた「そっかー」
みゆき「えっと、それが何か?」
こなた「んーん、何でもない」
 繋いだみゆきさんの手は、柔らかくて、暖かくて――どんな遠い距離も、簡単に縮めちゃう気がした。
 …なんてね、恥ずかしい台詞禁止!
 おしまい







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