○歪曲王

 インターミッションって感じでした(^^;
 懐かしキャラのその後で十分楽しめはしましたが、単体として見るとどうも薄いですね。新キャラも健太郎以外記憶に残ってないっス。歪曲王も正体が彼だって事以外は特に感慨なし。ああいうやり方で自分の精神と向かい合わせるのは安易な気がするなぁ…。

 あ、寺月恭一郎の目的は意表を突かれたし納得もできた。最期もいい。
 シリーズ通しての謎に対する情報もちらほら出てたし、今まで同様考える材料は豊富ですね。でも『歪曲』って、「これが歪曲だ」と言えるものがあまりに幅広すぎて考えようがない。

 絵はブギーが可愛くなくなったのがショックです。1巻2巻の表紙と同一人物とは思えない(T T)

 今のところ私的最高傑作は『and Others』です。特に第1話。
 あの話が「竹田君にとっては完結している」のに妙に感動しました。つまりは――現実の我々も、あらゆる『物語』における登場人物も結局は竹田君である可能性がある。今まで見てきた物語は実はより大きな物語の単なる一片で、とんでもない勘違いの上で納得していただけなのかもしれないということだ――竹田君のように。
 だから何と言われると困るが(^^;(…まあいいじゃん)


○宮下藤花のこと

 重要人物でありながら、一人称も内面描写も全然ないのでどうも謎なお方。普通の女子高生と思ってましたが最近怪しくなってきた…

・ブギーポップの誕生(電撃hp)
 スケアクロウ氏お亡くなり前の場面
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「しかし、死にかけているんじゃないの」
「まあね」
「怖くないの」
「――そりゃぁ、な」
「それなら‥‥‥‥‥――それならなんでそんなに落ち着いているんだい」
 なにか、声のトーンが途中で急に変わった。どことなく機械じみた、自動的な物言いのそれになった。
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 って、トーンが変わる前のセリフは誰が喋ってるんだい!
 藤花しかいないんですけど、12、3歳の『普通の』女の子が死にかけの男を前に言うセリフじゃないですね。ブギーが自動的に出てくる前に既に「筒が伸びてるよう」な格好してるし。実は藤花、”大したもの”なのでは?

・歪曲王

早乙女正美 → 人を喰うもの(未発動)
水乃星透子 → イマジネーター
田中志郎  → 歪曲王

 この方たちはすべて「本体」に「意志」があって現れました。そしてブギーポップは歪曲王と同類。(非対称の表情等) なのに藤花だけ「意志」がないというのも何となく不自然。
 いやもちろん1巻で「宮下藤花の可能性ではない、世界の可能性だ」って言い切られてはいるんですが(^^; ブギーも気づかなかった藤花の意志とか、あるいは2人で口裏合わせて竹田先輩を騙してたとか(爆)(デートのこと覚えてたしなぁ…)

 ブギーポップを生み出す意志ってあるとしたらどんなんでしょうね。やはり『正義の味方』願望でしょうか。凪が本体だったら何ら謎はなかったんですが。(案外本当に凪が生み出したもので、たまたま近くにいた藤花が体だけ使われたんだったりして(^^;)

 もっともブギーポップって『正義の味方』じゃないですね。『正』はあっても『義』はない。そのへんが実は好きな所です。


○そういえば

 今回の霧間語録はホームズからでしょうか?
「人間の発明したものなら、人間に解けないはずはありません」(コナン・ドイル『踊る人形』より)



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