一ノ倉沢/一ノ倉尾根

ARIアルパインクラブ/宮川良成、木元康晴、JECC/廣川健太郎


<山行日> 1999年3月6日(土) <記録> 廣川健太郎


 廣川@JECCです。

   少々長いです。適宜飛ばしてお読み下さい。

   週末は日曜出勤の必要もあり、土曜日、日帰りで一の倉尾根に
   行って参りました。
   当初、山野井家に一時養子のプランもあったのですが、風邪に睡
   眠不足では、山野井家の敷居は非常に高く、結局,ARI一族に
   一時編入させて頂きました。

 3月6日(土)廣川(JECC)、木元、宮川(ARI)
   水上ICを降りると雨が降っている。深夜24時半頃ロープウェ
  イ乗り場近辺着。ここまで来ると非常に風が強い。床暖房付きのマ
  ルヒの場所で寝るが、もう一度外の天候を確認にでると小雪がまって
  いる。微妙な状況だ。2時間ほど、3時まで仮眠。寝袋に入っていた
  ら下半身をびっしょり寝汗をかいてしまった。

   眠いをこすりこすり起床。外を見に行くと風は強いが雨、雪はやみ、
  強風のせいか路面は乾いている。荷物を用意する。木元さん、宮川さん
  は当初1泊2日で計画していたが、ここ数日の天候の状況からみて
  間違いなく雪はしまっているので、日帰り可能である旨説明。念のため
  ヴィバーク用ツエルト、シュラカバ、コンロ、若干食料持参の軽量化を
  図り、速攻で行くことにする。

  さて出発。しかし、また雪が降ってきている。今一つ先が読めない。
  予報では朝方まで雨が残るが日中は曇り一時晴れ。日帰りで行くならば
  この予報を信じ、とりあえず一の倉出合いまで行って様子を見るしかな
  い。センターで登山届けを出していると、山野井、長尾ペアが戻って来
  た。降りが激しいので今日は止めて、明日登るとのこと。

  4時20分センターを出る。
  出合いまでの間で、滝沢リッジへ向かう2人パーティを抜かし、3スラ
  へ単独で行く境町山の会の方がヘッドランプの調子が悪く一緒に行く。
  5時20分頃出合い避難小屋着。相変わらずの風雪。雪は大したことは
  ないが、ともかく風が強い。こんなに風が強いのでは登りもしんどい。
  しばし仮眠し様子をみることにする。
  6時過ぎまで寝る。薄明るくなってくる。風も弱まってきたようだ。
  二度寝したせいか、すこしは頭がすっきりする。

  雪面はかなりクラストしているので、登攀具をつけ、アイゼンをつけて
  一の倉沢へ向かう。
  デブリはでているが、おもったより全体にブロックが小さく、登りにくく
  ない。日帰りのため、尾根は末端からではなく、衝立前沢から入り、
  第一岩峰左のルンゼを詰めあげる。
  雪はきっちりしまっておりペースが上がる。氷化した雪にアイゼンが小気
  味良く効く。アックスは軽くバランスの保持にダガーポジションで使う。
  尾根に出るあたりからちょっと雪が不安定になり、足場が潜るようになる。
  尾根は所々のラッセルとブッシュ登りで部分的に不安定なところがあるが、
  かすかにガスっていて、あまり高度感を感じない。
  雪の付きかたが違うせいか、前回来たときよりも簡単に感じる。前回も今
  回もだが、7mの懸垂というのもナイフリッジを慎重にトラバースすれば
  その必要は感じない。いずれにしても、第一岩峰からアンザイレンするよ
  うだと、日帰りは難しい。

  リッジを縫うように登り、あっさりと核心部の岩場にでる。前回朽ちたハ
  ーケンに乗って落ちたところだ。
  今回は1P目は宮川君がリード。登り込んでいるのですいすい行く。上段
  まで支点の状態は非常に良く、最上部で支点が抜けているところは最上部
  のハーケンからスリングが何本もつなげて有り、結び目のところにアブミ
  をかけていけば簡単に登れる(少々老朽化しているのでその都度、要チェ
  ック)。約20m、安定したレッジで短かく切ってビレー。
  次のピッチは左に凹角に回り込んでいく。木元さんが行くが、草付が落ち
  たのか、こちらのピッチの方が悪かった。凹角直上の後、草付を左に一段
  上がり、40mほどでビレー。
  更に、廣川、宮川がそのまま登り、左にトラバース一つ先の凹角に一旦入
  ってから草付の雪面を直上し、露岩のピトンと草付にうちこんだピッケル
  でビレーし、木元さんを迎える。
  ここでビレーをとく。正味、110mほどアンザイレンした勘定だ。

  リッジ上は部分的にちょっとした岩があるが、易しく問題ない。αルンゼ
  上部、岩峰が連続するあたりは最初は左側を巻く。11時30分過ぎ頃だ
  ったか、風がよけられる安定した窪でのんびり休んで食事を取る。
  頂上までさあて、ひとがんばり。尾根を右に越え、幽の沢3ルンゼ上部の
  斜面に入る。景色は良いが、登り自体は特徴のない淡々とした斜面。尾根
  の右側をひたすら登る。
  足元の幽の沢もあまり傾斜はなく、クライムダウンしていけそうにもみえる。
  次第に雲が引き、白毛門方面の展望が開けてくる。予報通り、天候が回復
  してきた。

  先頭を行く木元さんの頭越し、流れるガスの間にところどころ青空が見え
  てくる。岩峰と朝日方面をバックに宮川君がポーズを決めたところを写真
  に撮る。
  雪はところどころ吹き溜まっているが、足首程度のキックステップで快適
  に登れる。
  5ルンゼの頭の先で再び尾根に出る。ここまで来ると、幽の沢側も一の倉
  沢側もあまり傾斜はなく、緊張感からは開放され、ひたすら登る。
  一の倉岳頂上へは雪庇もなくひょこりと出る。13時20分。

  天候が今一つ読めなかったが、雪質も申し分なく、気迷いせず取付いて正
  解であった。予報で回復が見込まれる時でも、指導センターで待機して状
  況を見極めようとすれば出遅れて、日帰りは厳しくなる。判断を決めかね
  る時は、面倒臭がらず、まず出合いまで行くことだろう。

  一の倉岳から谷川本峰までは疲れがでてきて皆少々よれ気味。オキの耳、
  トマの耳でそれぞれ記念撮影。
  肩の小屋でヴィバーク用に持ってきた五目御飯、おにぎり(ヴィバーク時
  にはオジヤに変身する)を料理、お茶を沸かしてのんびり休む。せっかく
  持って上がったものをそのまま降ろすのは勿体無い。
  ロング缶の1本か焼酎180mlの1本でもあれば言うことはなかったが、
  今回は酒抜き。
  天神を下るか、西黒を下るか意見がちょっと分かれたが、雪も締っている
  ので西黒を降りることにする。16時過ぎに下降を始め、17時半頃いは
  センター着。

  この晩、土合駅で鍋宴会。翌朝、某所でただ風呂に入り帰京しましたが、土合
  駅はJCCの方、V字左へ行く龍鳳の浦山・西沢組、ニの沢右壁単独を狙うY
  CC吉田氏、吉田氏をピックアップにYCC松本氏が現れたりと盛況でした。

  浦山・西沢組はセンターまで車が入るにもかかわらず、土合駅に車を置いて
  歩いて行かれ、アルピニストのあるべき姿を見、心を洗われる思いでした。
 (宮川君は駐車場代を時間に置き換えただけではないかと言っていましたが、
   そうであれば、センター前駐車可能とアドヴァイスすべきでしたね)。
  ホゲ氏や私のとことん、車の性能と路面が許す限り、またゲートをこっそり
  あけてでも、歩く距離を減らそうという姿とは・・、何たる違い。

  本日はおそらく、午後2時か3時位からみぞれでも降っているものと思います
  が、かなり早出をしていたので大丈夫と思いますが、皆さま無事をお祈り
  しております。

  ホゲ風邪は喉の痛さはとれましたが、治り際で咳がかなりでて辛いですが、も
  う少しで完治しそうです。

   本日午後より出勤。仕事も終わりましたので、そろそろ失礼させて頂きます。

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