チンネ左稜線・八峰Y峰/D&Aフェース

日程
2004年8月7日(土)〜11日(水)
メンバー
(韮崎)杉山、他6名
記録
(韮崎)杉山
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


杉山@韮崎です。
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2004年8月7日〜11日 剣岳・チンネ左稜線、八峰Y峰D&Aフェース   
        

1概要
会の夏合宿に参加して3日間の剣岳アルパインクライミングを楽しんだ。
天候にも恵まれ、各ルートも空いていて、快適な岩は120%満足できた。  
<日時>2004年8月7日(土)〜11日(水)
<山域>北ア北部 剣岳
<メンバー>、Tさん(ぶなの会)、MHさん(同)、Yやん(同)
Kくん(同)、Oくん(同)、杉山(同)
<時間,天候>
8日晴れ:6時30分チンネ左稜線 12時30分終了
9日晴れ:7時八峰Y峰Dフェース(富山大) 11時終了
10日小雨のち晴れ:6時Aフェース(中大) 7時1ピッチで雨撤退

2詳細
8日は暗いうちにヘッデンとアイゼン装着して長次郎雪渓右俣を池ノ谷乗越まで登
る。
上部雪渓は傾斜もありクレバスも深く慎重に登る。
ガレ谷を下って明るい三ノ窓に到着。アイゼンをつけてチンネ基部を横断し
て左稜線の取り付きへ。朝日がまぶしくて素晴らしい天候に恵まれた。
三ノ窓にキャンプした4人のガイドPがすでに取り付き、2人Pが順番待ち
の状態だった。我々はYやんーKくん、杉山―MHさん、TさんーOくんの
オーダーで6人3パーテイーである。2ピッチ目から取り付く。
6時30分、我々の順番が廻ってきた。“さーて行きますか・・・”。
2ピッチW20m:杉リードでクラックを直上、テラスで30分渋滞、暑い・・。
3〜4ピッチW45m:MHリードでフェースを2ピッチ一気に行く。
5ピッチV30m:杉リードでルンゼを迂回してコル状の日陰で一休み。
6ピッチV20m:MHリードでピンの少ないフェースを登り尾根上へ。
7ピッチT40m:尾根状のリッジを歩いて、左稜線の核心部へ
8ピッチU40m:MHリードでフェースを40m、ここでも30分渋滞。
9ピッチV40m:杉リードで快適なフェースを楽しむ、視界も最高。
10ピッチW50m:MHリードでピナクルのリッジを水平に核心の基部まで。
11ピッチX35m:杉リードでリッジとハングの核心部をフリーで超える。
12ピッチV+20m:MHリードでフェース、最初の10mはランナウト。
13ピッチV+25m:杉リードでリッジからフェースへ。
14ピッチV+25m:MHリードでリッジからピナクルのフェースを登る。
15ピッチV25m:杉リードでリッジを登る。
16ピッチU40m:HMリードで傾斜の落ちてきたリッジを行く。
17ピッチU30m:杉リードでリッジを歩いてチンネの頂。“ふー長かった” 
時刻は12時半、絶景を眺めながら大休止、順番待ちもあり6時間かかった。
チンネ山頂からはコルまでクライムダウンして池ノ谷側を少し下った場所か
ら懸垂でガレ場に降り乗越から急な雪渓を下ってベースに戻った。
  
9日は八ツ峰Y峰に行く。TさんーMHさんと、杉山―Yやんの4人は
Dフェース富山大ルートへ、KくんーOくんはCフェースとAフェース継続である。
人気の高いCフェースと比べてDフェースはこの日は我々4人の貸切だった。
“それだけルーファイ含めて難しいってことでしょう”
最初にTさんリードで取り付くがルートミスして懸垂で降りて仕切りなおし。
1ピッチW+20m:杉リードでハングを左から巻きフェース上部が核心。
2ピッチV30m:Yリードで右側の久留米大ルートへミス、途中から戻る。
3ピッチX-40m:杉リードで凹角ルンゼを登り右のフェースからテラスへ。
4ピッチW30m:Yリードでバンドを左上へ、確保支点が古くて怖い。
5ピッチW30m:杉リードで高度感満点のリッジ〜スラブからテラスへ。
6ピッチV30m:Yリードでリッジを直上。
7ピッチU20m:杉リードでやさしい岩稜をDフェース山頂へ。
11時登攀終了、歩いてCフェース頭の脇を通って懸垂2回でXYの
コルに降り立ちベースに戻る。
   
10日、若者3人は八ツ峰上部の縦走と剣本峰をめざして出発した。我々
おじさん、おばさん3人はAフェースの中大ルートに行くことにした。
1ピッチW+40m:杉リードでクラック〜フェース〜チムニーと多彩な
クライミングを楽しめた。ギアが足りなくなり怖かったけど・・
後続二人が同時に登っているときに、とうとうポツポツと降りだした。
1ピッチ目の終了点から懸垂で撤退してテントに戻った。

11日、下山の日。内蔵助谷から黒部川へ下る路が崩落して通行禁止とのこと。
登ってきたパーテイーは10時間以上もかかったとの情報。我々も時間がかかる
ことも考慮して朝の5時過ぎに出発した。途中の登山道は崩落して数箇所は
巻いたが登ってくる登山者とも出合い情報を交換して黒部川下の廊下の分岐
に降り立つ。川に沿って水平歩道を歩き、ダムの上まで急坂を上がって
トロリーバスのターミナル駅へ到着、ビールが旨い。
扇沢からは薬師の湯へ直行して汗を流して、いつもの蕎麦屋へ。
ここで解散して午後4時すぎに自宅に戻った。

3感想    
この合宿を目標にして6月以降はメンバーと小川山や三つ峠などで練習してきたし、
アプローチは25kgを超える重荷になるので、前週に北方稜線を縦走して体を絞り
万全の体調で合宿本番に臨むことができた。日ごろフリークライミングで鍛えてきた
成果もあり、全員が全ルート全ピッチ余裕を持ってフリーで登ることができた。
                                   以上

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