八ヶ岳/天狗尾根

日程
2001年4月14日(土)
メンバー
(白鳳会)杉、(ヤマメ倶楽部)原沢
記録
(白鳳会)杉
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


おはようございます。

昨日の土曜日に、天狗尾根を登ってきました。先週は暖かかったので
八ヶ岳の雪解けも進み、肩透かしを食った山行でしたが、それなりに
充実感はありました。長文ですが、報告します。

杉@韮崎 白鳳会

追伸;今日、日曜日は茅ヶ岳で亡くなった深田久弥を偲ぶ深田祭が
茅ヶ岳の登山口で行われます。ワインやトン汁が無料です。
たまには春のハイキングもいかがですか?

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1概要
 積雪期1泊2日のルートであるが、日が長くなったので、日帰りでやりたいと思っ
ていた。
早朝の雪の締まった時間に深雪の樹林帯を抜け、駐車場から8時間で縦走路に達し
た。
時間短縮のために美濃戸口に下降して12時間弱で八ヶ岳を横断した。

2記録
<日時>4月14日
<メンバー> 原沢さん(ヤマメ倶楽部)、杉(白鳳会)
<山域>八ヶ岳
<参考>日本登山大系(八ヶ岳)、山渓連載・日本のアルパインルート50
<天候>晴れ
<時間>
3時20分韮崎出発 4時15分美濃戸口駐車場(車を1台デポ)
5時 美の森駐車場に駐車。7時出合小屋 10時樹林帯を抜ける
10時30分カニハサミ岩の先から登攀開始 13時縦走路
14時15分行者小屋 16時45分美濃戸口駐車場 
17時30分美の森駐車場 18時韮崎戻り 

3詳細
 4月の樹林帯の雪は、歩く度に太ももまで、ずぼっと落ちるので、著しく体力を消
耗する。日帰りでやるためにこの悪雪対策が課題であった。
そこで、早朝の締まった時間に急斜面を抜けることと、八ヶ岳東面で午後の腐った深
雪に捕まらないように下降を美濃戸として車2台で早朝から行動することとした。 
  
 朝5時、車を回収することを考慮して車は駐車場におき、林道を歩き出した。久し
ぶりの山歩きで気分は壮快である。気温は氷点下数度。地獄谷はまだ雪も多いが、今
朝は雪が締まって快適に歩ける。スノーブリッジが切れていて、沢を渡る個所がある
が、水に濡れた岩が凍って滑る。2時間弱で出合小屋に着いた。
ここから赤岳沢をしばらく上がり、左手に天狗尾根樹林帯の急斜面を上がる。先週
入ったパーティーのトレースが階段状に残っていて、感謝、感謝。
スノーシューを使うことも無く、ストックだけで快適に登った。標高2400mを超
え、日が当たる斜面で雪が柔らかい。ずぼっと腰まで落ちると、身動きが取れない。
それでも計画とおりに10時に樹林帯を抜け、カニのハサミを抜けた地点で登攀装備
を整える。岩稜は雪が溶けて、アイゼン、ピッケル、バイルは必要なさそう。
正面30mの岩壁を右に巻き、ルンゼを上がるピッチで最初にロープを出した。古い
フィックスロープがあるが使わなかった。これが大正解。右ルンゼでロープの固定先
を見たら、細い潅木に繋がってるだけ。テンションをかけたら外れそうである。
ノーアイゼンで行ったら、ルンゼが凍っていて、バイル、ピッケルも背負ったままな
ので、緊張する場面だった。
コンテニュアスで岩稜を進むと、大天狗の岩壁が行く手を阻む。右からブッシュ帯を
巻くルートもあるが、せっかくだから右肩のバンドに登攀することにした。
途中、効いてそうな残置ハーケン2本にプロテクションをとり、2mの垂壁を乗り越
えるのがここの核心である。
この先小天狗の左を巻くと権現岳への縦走路が上部に見える。ここから雪稜になった
ので、アイゼンを、ピッケルを使う。50mほどの急斜面を越えると、一般ルート。
ロープを結んだまま、アイゼンを効かせ快適に文三郎尾根を下り、行者小屋で登攀装
備を解く、雪路を美濃戸まで駆け下った。

4感想
冬場に近場のアイスクライミングに行っていたので、久々の長時間行動だった。雪稜
を登りに行ったのに、天狗尾根は先週からの暖かさで一気に雪解けが進み、バイル、
ピッケルもアイゼンさえもつかわないまま、岩稜帯を通過してしまった。
朝の冷え込みのおかげで、朝の雪は締まってスノーシューは無用の長物だった。肩透
かしを食ったような山行だったが、12時間で、山梨県側の駐車場から長野県側駐車
場まで八ヶ岳を完全横断した。疲れたが、達成感も大きく充実の1日だった。
以上                 

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