筆界未定の話

筆界未定の話

筆界未定とは、土地の「地籍調査」が行われた際に、境界(筆界)を確認できなかったため、筆界が未定のまま処理されてしまった状態を言います。

通常、土地は、法務局に、どこどこは誰の土地と図面でも登記(登録)されています。
ところが当然ながら、昔は、測量の精度も高くなく、GPSなんて無かったわけですから、誤差や人為的ミスがたくさんあったわけです。

で、国も馬鹿じゃないので、予算ができれば、人を手配して、図面の確認と修正を行っています。
これが「地籍調査」です。

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この時に、昔の図面はこうで、ちゃんと測量したらこうなんだ、というズレが当然出ますので、土地の所有権者に確認を取って、じゃあ今後はこの図面で、という作業をしています。

さて、この時にその土地の境界の確認が出来なかったとします。

境界を確認できない理由としては、筆界について所有者間に紛争があったり、現地で調査を行った際に土地所有者に立ち合ってもらえない場合等があります。

もし、全ての境界が決定するまで地籍調査を終了できないとしたら、地籍調査そのものが進まなくなってしまいます。
そのような事態を避けるために、確認出来ない土地は、図面上一緒にしてしまって、筆界未定ということで、図面の作成を一旦終了してしまいます。

 

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例えば、上の図面で行くと、101・102・103の土地は、それぞれ土地の所有権者が別だった場合、どこからどこまでが自分の土地かということをはっきり他人に示せません。

この状態を筆界未定、その土地を筆界未定地といいます。

さて、この筆界未定で困るのは、土地の所有権者です。
例えば誰かに売ろうとしても、土地の境界がはっきりしませんから、売ることも出来ません。
この土地を担保にお金を借りようにも、境界のはっきりしない土地では、担保としての価値も下がります。

そこで筆界未定地の筆界を確定しなければなりません。

当然、上の図面で行くと、101・102・103の土地の所有権者が、合意した図面を作って、法務局に登記しなければならないわけです。

そこで、更に問題になります。
こうした土地は、そもそもが境界がはっきりしないような土地ですから、他の人に売れず、担保としての価値も低いので、往々にして長期間放置されている土地が多いのです。

長期間放置されているということは、その土地の所有権者が、どこに行ったかわからなくなることが多いのです。
登記上の住所を変更しないで引越したり、死んでしまったけれども相続登記をせずに放置されているといったことが多発します。

個人情報保護法がなかった時代には、こうした人の住民票や戸籍を取れたのですが、最近はこうした筆界未定地を所有していて、なんとかしたいという依頼者から頼まれても、住民票や戸籍を取ることに、面倒な手続きが増え、弁護士や司法書士といった国家資格を持った先生方も、困っているそうです。
本末転倒ですよね。
「なんだかなあ」です。