未登記建物

未登記建物

未登記建物というものは、読んで字の通り、登記されていない建物のことを言います。

不動産登記の沿革

不動産登記は、戦前においては、不動産の権利関係のみを公示するものであり、不動産の物理的現況を明らかにするものとしては、税務署に、課税台帳としての土地台帳及び家屋台帳が備えられていた(土地台帳法、家屋台帳法)。しかし、戦後、台帳事務は登記事務と密接な関係があることから、台帳が登記所に移管された(昭和25年7月31日法律第227号)。
その後しばらく、登記所において、不動産の権利関係を公示する登記制度と、不動産の現状を明らかにする台帳制度が併存することとなったが、登記簿は申請主義が基本であるのに対し、台帳は登記官の職権によって登録することができたから、両者の間に不一致が生じるなどの問題が生じた。
そこで、1960年(昭和35年)、台帳を廃止して、台帳の現に効力を有する事項を登記簿の表題部に移記する一元化を行うこととなり(昭和35年3月31日法律第14号「不動産登記法の一部を改正する等の法律」)、一元化作業は、1971年(昭和46年)3月31日、全国のすべての登記所について完了した。この結果、登記は「表示の登記」と「権利の登記」の両方を含むこととなった。

現在の登記制度が現行の形になったのは、比較的最近のことで、上記の通り昭和46年だそうです。

土地は、古くは江戸時代から図面が残っていたりしますが、建物は、それが誰のものなのかは、やはり最初に建てた人が、登記しないと未登記のままですね。

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建物が未登記のものが多いのは、少し大きな物置は建物なのか・・・・とか、小さくても基礎部分があれば建物なのか・・・とか、大工だから自分の家を建てちゃったとか、以前は建築基準法についての認識が低いので確認申請を出さなかったとか、色々なパターンがあります。

登記をされていない建物があって何か問題なのか・・・というと、特に普通は問題はありません。
やはりその建物について、何かしたいという時に問題になります。

例えばその建物を担保にお金を借りたい・・・・その時にはその建物が誰のものなのか、登記していないとはっきりしませんから、担保になりません。

 

さて、悪い人がいたとします。
この人は、人からお金を借りましたが、返しません。
貸した人からすれば、持ち家の人だし、まあ大丈夫だろうと思って貸しました。
ところが、その悪い人は、土地は既に競売にかかっていて、家は未登記でした。

貸している人は、悪い人に対して、お金を取り立てようとしますが、その悪い人の財産は、家しか見つかりません。
その家が登記されていれば、競売にかけて、貸したお金を少しでも回収することができるのですが・・・・・

未登記の家を登記するには、その家が、その悪い人の建物であると証明する何かが必要です。

  1. 工事施工業者が建築しましたという書類(新築証明書・請負工事完了証明書)
  2. 固定資産税払ってなかったけど自分の家だよという書類(上申書)
  3. 土地の所有権者として、この土地の上にある家は◯◯の家だよという書類(証明書)
  4. 建物の持ち主の知人だけど、間違いないよという(証明書) 

一般的には1のパターンがほとんどで、4はかなりレアケースとなります。

この例のように、悪い人は、金は返さないし、家も取られたくないので、施工業者も教えませんし、自分からこの家は自分のものだとは言いません。
土地の所有権者も 本人ですから、結局4のパターンしかないことになります。
でもこの悪い人に知人もいなく、近所の人もその悪い人に関わりたくないために、その証明書にサインをすることは、みんな嫌です。

この辺が法律の限界なのかもしれませんが、その家に、その悪い人が住んでいても、その悪い人の家であるという証明にはなりません。
お金の貸し借りは、民事ですから、当然警察を始めとした公権力は、介入して来ません。
その家は誰の家か、悪い人に白状させる方法はないようなのです。

繰り返しになりますが、その悪い人は、その家に住み、借りたお金を返さなくても、その家は、誰にも取られないのです。おかしな話です。 

なんだかなあ・・・

※(追記)
ちなみにこの悪い人の家の固定資産税は、死んだ母親名義です。
市役所は、固定資産税が払われていればいいので、死んだ人の名前のままでも特に問題にしません。
相続人(子供)が4人いたようで、この悪い人はそのうちの1人です。
もちろん相続登記させようにも、全員の承諾がなければ実行出来ませんので、不可能なようです。