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日本では経済犯罪の刑が軽いと言われるけれども

公開日: : 法律

ええと、最近経済犯罪についての求刑がなされる裁判に行ったから、思い出したんですが・・・・・

「日本では経済犯罪の刑が軽い」という話があります。

曰く、アメリカでは、こんなに重罪なのに・・・・・とか言った議論です。

これについてググってみましたが、色々な意見があって面白いですね。

軽いという人

2008年5月21日 経済犯罪へのインセンティブ

 インサイダー取引などにかける課徴金が2倍以上に引き上げられる方向である。違反者が不正に得た利益を全額没収できるようにするのが狙いだという。金融商品取引法(金商法)による課徴金制度が導入されたのは2005年4月だが、これまで実際に適用されたのは40件程度であり、その過半が100万円以下の課徴金である。わずか数万円の課徴金が課されるだけだったケースもあるという。インサイダー取引では、ほとんどの場合、違反者の得た不正な利益より課徴金が少ない。これでは違反行為を抑制したいのか、奨励したいのかわからない(梅本剛正「課徴金制度の改正について」、『証研レポート』2008年2月号)。

 

要するに、得た利益より罰金が少なく、経済的には犯罪行為をしたのに、儲かってしまうじゃんという話です。

まあこういう話はありますよね。

でもですね、この人の論理展開というのは、一時が万事的な話なんですね。

この件に限ってはそうですが、必ずしも全ての経済犯罪が、「違反者の得た不正な利益より課徴金が少ない」ということはありません。

例えば、法人税について言えば、

仮に法人税が25.5%だったとして、

1000万円の利益をごまかすと、本来支払うべき法人税は255万円です。

法人が不当に得たのは、255万円です。

しかし、これが見っかれば、本税の他に、重加算税・延滞税、更に裁判にもなれば別途罰金も取られます。

実際に支払う255万円が、1.5倍以上になることも多々あります。

従って、「違反者の得た不正な利益より」確実に多くの者を支払うことになります。

まあ、他にも色々ペナルティーが科せられることもあり、決して、この方の言うような単純なインセンティブにはなりません。

 

 また、経済犯罪は罰金などの刑罰が各国と比べ相対的に軽い場合も多く、国際的な犯罪プロにとって日本は稼ぎやすい市場とみなされている可能性もある。外国人による大量の偽造クレジットカードの持ち込みが成田税関で発覚することがあるが、そうした事件が多発するのも日本における処罰が軽すぎるためかもしれない。

「グローバルスタンダードは結局、米国標準ではないか」として、グローバル標準に反対する向きも少なくない。だが、経済犯罪に対する処罰がグローバルな基準、あるいは大勢より軽いと、日本は外国人の犯罪プロの稼ぎ場となってしまう。

まあ、こっちについては、本当にそのようなことがありそうですから、反論はありませんけど。

米国でのエンロン巨額損失隠し事件、巨額詐欺のマドフ事件などにおいては、首謀者は生きて刑期を終えられない100年を超える実刑をくらっています。

日本は、数年だったり、精々10数年だったりします。この差はどうしてでしょうか?法律、刑法、経済犯罪に詳しい方、是非疑問を解いて下さい。(情報源: お悩みQ「経済犯罪の刑が日本で軽いのはどうしてでしょうか?」 | 趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

まあこういう事例もあるようですし。

 

軽くないという人

総合的に、民事と刑事の両面で犯罪者には刑罰が課せられるので、懲役刑の刑期だけで比較できない部分もでてきます。

ともあれ、日米で刑期の違いが大きくなってしまうのは「量刑方式」の違いに由来するので、経済犯罪だから、とか性犯罪だから、と犯罪類型を強調して論ずることに、あまり意味はないと思います。

(情報源: お悩みQ「経済犯罪の刑が日本で軽いのはどうしてでしょうか?」 | 趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

経済犯罪の場合、日本では、刑事罰として、懲役ないし禁固刑が科せられる他、民事上の責任として損害賠償も求められます。

たとえば、業務上横領などの場合、刑務所で懲役刑に服していれば、支給される作業賞与金からもその一部で支払いを行う必要があります。

出所しても、賠償金の支払い義務は消えません。しかもたいていの場合、分割での支払いですから、金利もかかります。刑務所で服役している期間も金利はかかってきます。
大体この場合、横領した金額の2倍は支払うことになるようです。

身内に資産家でもいて、肩代わりしてもらえる場合以外は、支払いの最中に本人が死亡したり、破産したりして全額を支払える場合はまれです。

また、行政上の処分として、金融関係の人間でしたらその業務に必要な免許も取り消しになりますから、収監される以前の業務に復帰することも不可能です。

ここまで考えると、決して軽いとは言えないのではないでしょうか?

(情報源: お悩みQ「経済犯罪の刑が日本で軽いのはどうしてでしょうか?」 | 趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

 

こうなってくると、単純な比較論の話ではなくなってきますね。

ただ、確かなのは、

不正に得た利益より、支払わされる金額が少ない

のは、だれも納得しないだろうということと、

海外より日本の刑罰が軽いから、日本に犯罪がやってくることについては、問題点がある。

という点については、間違いないようです。

 

タイトルの「日本では経済犯罪の刑が軽いと言われるけれども」というのは、まあ、経済犯って、たいていお金持ちに見えるからというやっかみの部分も多くあるのかなとも思いますが・・・・・

なんだかなあ。

 

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