財務分析について

財務分析について

仕事がら、時々中小企業の財務分析にからむことがあります。

 

財務分析とは、貸借対照表や損益計算書の特定の数字を抜き出してその割合や伸び率などからその会社の収益性や安全性など係数化したり、さらに業界標準値や同業他社等と比較分析することをいいます。(情報源:http://fsreading.net/

 

「収益性や安全性などを係数化したり」「業界標準値」「同業他社等と比較分析」をするわけですから、これは様々な指標が使われるわけです。

収益性分析の指標 - ROA(総資本利益率)/ROE(自己資本利益率)/売上高利益率/総資産回転率/財務レバレッジ/損益分岐点

安全性分析の指標 - 流動比率/当座比率/現預金月商比率/自己資本比率/固定長期適合率/固定比率/有利子負債月商比率

資金繰り分析の指標 - 売上債権回転期間/在庫回転期間/インタレスト・カバレッジ

その他の指標 - 売上債権回転率/在庫回転率/実効税率/配当性向/PBR/PER/EPS

 

例えばこれでも一部な位で、それこそ比較分析のために様々な指標が使われます。

まあこういった指標を最初に考えた人はすごいなと思うわけですが・・・・・それはさておき。

 

私個人的には、こうした分析指標について、ほとんど理解する気がありません。

何故かと言うと、こうした数値をいくら出しても、使わないからです。

使わないというか、理解してもらえません。

中小企業の経営者は、別に学力が高くてなるものでもありませんし、数学的分析が出来るからなっているのでもありません。

ところが、税理士や一部の中小企業診断士や一部の経営コンサルタント、一部の銀行員の方々は、こうした財務分析数値をそれこそ20個も30個も出して、「それみたことか!」と言わんばかりの資料を出してくることがあります。

財務分析数値を出すことについては、実は簡単というか、会計帳簿や決算書から数字を拾ってきて入力すれば、出るもんですので、資料を作る方としては、色々あった方が働いている気がして、それこそ「これ見よがし」にこうした数字を出してきます。

しかし、前述の通り、中小企業の経営者にそういった数字を羅列的に数十個も出した所で、理解できません。

というか理解する気にもなりません。

これは実は中小企業の経営者が馬鹿なのではなく、意味がないと考えているからです。

その原因はいくつかあります。

 

①無駄な数字が多い。

 

財務指標はそれこそ、色々な企業に当てはめて使います。

ところが企業は様々な事業をしています。

ということは、単純に考えても、とある企業では使える財務指標が、他の会社では何の意味も持たないということが、多々あります。

また財務指標は分析をするための補助ですから、分析をした結果、特に意味を持たないといったことが多々あります。

上記の2つについて、健康診断の結果を例にとるとよく分かります。

前者については、乳がんの診断項目については女性は関係あるかもしれませんが、男性は全く関係ありません。

後者については、血液検査について項目がいくつも並んでいても、平均以内という結果については、特にチェックする必要もありません。

 

健康診断を例にとりましたが、財務分析指標がたちが悪いのは、健康診断の数値については、体のどこの問題ということがはっきりしていますが、財務分析指標は、その数字の異常値をもって、会社のどこが悪いということに、直結していません。

例えば、「売上高利益率が悪い」と言われても、それだけでは会社のどこが悪いのか、分からないのです。

 

こうした理由で、財務分析指標はただ漠然と、様々な数字を出しました!的に、羅列しておいても、何の意味も持たない数字が多数ある状況では、その資料を見る気もしなくなってしまいます。

 

②間違っている数値がある。

 

更に問題なのは、特に中小企業では、基礎となる会計データがいい加減に集計されていることが多いため、そのいい加減に集計されているデータを、単純に当てはめて計算しても、結果に意味がない場合があります。

例えば有名な「損益分岐点」については、経費を固定費と変動費に分けなければなりません。

ところが中小企業の経理の現場では、勘定科目による集計はしていても、それが固定費なのか変動費なのかと言った視点では、集計されていません。

人件費は、とある企業では固定費でも、とある会社では変動費かもしれません。

そうした企業毎の内情をきちんと理解して、数字を当てはめていれば問題ありませんが、えてしてそういったことを理解しないで、単純に決算書から数字を拾ってきて、さも分析しましたみたいな感じで、財務分析指標を計算する人が実際にはいるのです。

 

結局は、財務分析は分析なのですから、その分析をする人の判断によってしまう部分があります。

ですから、その企業の内情をきちんと理解していない人に財務分析をされた日には・・・・・

となるわけです。

なんだかなあ。

 

一応、中小企業特性という言葉はあるようですが、結局、これも判断の問題ですから・・・・・