桜(ヤマザクラ)

パラ科サクラ属−サクラ− 落葉高木

Prunus jamasakura

 「花は美、材ば良」

 日本の国花として親しまれる木

 サクラは亜種も含めると、じつにたくさんの種類がある木で、北から南まで、各地に生息しています。野生の代表的なものはヤマザクラでしょう。また、有名なソメイヨシノは江戸時代末期に、江戸駒込の染井村の植木商から広まったもので、オオシマザクラとエドヒガンをかけあわせた人工的雑種です。
 材は他の広葉樹と比較して、重厚な部類に属しますがその重さの割には、実に素直で狂いのない良材です。木肌も実になめらかで、色合いも美しく、鴨居や敷居によく使われていました。他には、その「ねぱりがあって狂わない」性質を活かして、昔は浮世絵や書物の版木、額緑や床材、靴の木型や家具、三味線の棹、皮付き床柱、バイオリンの弓と生活の実に様々なところで活躍してきた木です。花だけでなく、材としても日本人と関係の深い木です。

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