漆(ウルシ)

ウルシ科ウルシ属 −ウルシ− 落葉高木

Rhus verniciflua

 「漆の樹液ば地球のア−トだ」

 今でも日本の工芸の代表格として親しまれる木

 ウルシは、東北地方から、九州まで分布し、山間の谷などの適潤な所を好み、大きさは、直径30センチ、高さ9メ一トルに達します。漆はウルシの材からとれる樹液です。樹皮に傷を付け、そこにしみ出てくる樹液をかき取ります。これは木が傷いたところを治そうとする反応です。徳川時代には「産業の四木」の一つとして、各藩で盛んに栽培されていました。
 ウルシの特長は、何といってもその塗科としての質の高さで、その性質は、酸やアルカリ、アルコールやシンナーにも、ぴくともしません。ガラスを溶かす「フッ化水素」や、金を解かす「王水」にも侵されません。もちろん水や熱にも強く、その強度は類を見まぜん。漆によって様々な.工芸作品が生まれ、まさに日本の工芸の代表格と言えるくらいです。歴史も極めて古く、鳥浜貝塚などから、縄文時代の飾り櫛や器が出土しています。縄文人の抜術の高さと漆の優秀さが証明されたと言えるでしょう。

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