楠(クスノキ)

クスノキ科クスノキ属ークスー常緑高木

Cinnamomum camphora

 「クスの香りは異次元の香り」

 工芸だけでなく、樟脳としても活躍した木

 クスは照葉材の中でも、もっとも人きな木に属し、高さ30メートル、直径が5メートルくらいになることもあります。枝も太く大きな樹冠をつくり濃い灰褐也の樹皮を持ち、木全体がいかにも雄々しい木です。関東以南の比較的暖かい平野に多く、並木道や公園にも多く植えられ、時には神社の御神木にもなっている木です。また天然記念物になっているクスは全国に30本くらいあるそうです。
 「楠(クス)」は「樟(クス)」と書くほうが正しいという意見もあるように、昔は樟脳の採集のために植栽されました。クスは樹皮や幹からとれる精油が独特の強い香りをはなち、それに防虫効果があったのです。また、最近ガンの抑制効果がありそうだということも注目ざれています。用途としては、家具はもちろん、内装材にも使われますが、中でも彫刻用の材として評価が高く、富山県の井波の構間が特に有名です。
 また現代彫刻にも使われることがあります。ナラやケヤキ同様、大径木になるので、一枚板のテーブルにもなります。

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