樫(カシ)

プナ科コナラ属−カシ− 常緑高木

Quercus myrsinaeflia など

 「手工具は職人の命」

 日本の木の文化の底辺を支えてぎた木

 カシは照葉樹で、日本の暖かい所の、平野や低い山に多い木です。カシにはいろいろな種類があり、いわば照葉樹の生態系の豊かさを象徴しているような木です。シラカシ・アカガシ・アラカシ・イチイガシ・オキナワウラジロガシ・シリブカガシ、それにウバメガシなどいろいろあります。中でもイチイガシは落棄樹林のブナとよく似た位置にいます。
 照葉樹の生態系が進んでくるとイチイガシが森の中で一番優位を占めるのです。カシは確かにたくさん種類がありますが、材の特長としては堅くて重くてねばりがあるという共通点があり、そのため用途も似ています。カシの最大の用途は、いろいろな道具の柄になるということでしょう。スコッブやツルハシ・クワの柄の他に木工の工具としては玄能や鏨の柄や鉋の台などが代表的です。
 また、変わった所では織機のシャトルなどにも使われます。なにしろ使い込んだカシの鉋の中には、色つやもよく美術工芸品に近いものもあります。

自然観察の目次へ  Homeへ