若松みき江(義姉)著 「約束の夏」





第1回ふるさと自費出版大賞受賞
第2回道新マイブック大賞受賞/第8回日本自費出版文化賞受賞

 戦禍の満州(中国北東部)から命からがら引き揚げる一家五人の逃避行を八歳の少女の目で描いた長編。

 衰弱した一歳の弟を中国人夫妻に託す際、母は「決して捜しにこない」と約束する。その約言 (ユエイエン)を戦後六十年、一家は守り続けた。
「あの戦争がなければ、弟との別れもなかった」。戦争に翻弄された人々のささやかな告発の書だ。

北海道新聞 定価1,524円+税
ISBN4-89453-348-0
C0093 \1524E

悲惨な事実だけでなく人の暖かさや子供たちの明るさも伝わってきました。
いま改憲、戦争をする国への動きのなか、ぜひお読み下さい。(若松倫夫)



自費出版のときの表紙



「約束の夏」へのご感想

 若松みき江著「約束の夏〜約言」に寄せられた感想を、いくつかご紹介していきます。





(1)広島の男性21歳

 私の祖母も満州に一時避難していたことがありますが、直接体験したことは聞くこ とはできませんでした。今まで、「なんとなく」しか分からなかった私は、この本を 読んで、実際はこんなにも悲惨な状況だったということを始めて目の当たりにしまし た。私は現在21歳という、戦争を知らない世代です。

 本で一番印象に残ったのは、正子さんが幸平さんを理さんにあずけたことです。そ そて、そのことに悩み、自分を責めていた正子さんです。正子さんは女性一人で子ど も4人をかかえていた上に、経済的にも苦しかったと思います。正子さんの判断は決 して間違っていないと思います。むしろ、幸平さんのことを考えてのことだと感じて います。子ども第一に考えていらしたと感じました。

 日本兵が中国人に対してやったことや、中国兵が日本人にやったこと、いろいろあ りますが、どちらが悪いということは断言できません。先に宣戦布告すること、敗戦 することでで、一方が悪かったという考えでは、これから戦争はなくならないと思っ ています。そして、戦争に賛成する人は誰もいないと思います。「戦争反対」の向こ う側に真実があると思います。

 この本を読み、みき江さんがどのような体験をし、感じたか、すごく伝わってくる ものがありました。あらためて生きることの大切さや感謝の気持ちなどを感じること ができました。これからの人生、辛いことはたくさんあると思っていますが、みき江 さんの「生きる」ということを心に留めていき、がんばっていこうと思います

(2)札幌の女性60歳代(抜粋)

  この本に書かれたテーマは < ”約言” 幸平を理さん夫妻の手に委ねた時に「幸平はや さしい中国の人間に育てて下さい、そしてもう国どうしの争いは決してしませんよう に> だと思います・・・・・

 どんな時代でも子供はその小さな頭の中に広い広い宇宙をもっていて、親が把握し ているとおもっているのは、ほんのほんの一部でしかない・・・・・  これは自分の心の中にしまっておこう、親に言ったら悲しむだろうとか、叱られる だろうとか考えて黙っていたこと・・・・・
 どんなに悲惨な状況下にあっても、星空を見上げて夢を見たり、涼しい風に爽やか さを感じたり、白いご飯に感動したり、人の優しさに触れて幸せになったり、そんな 本来の子供の持つ逞しさ、素晴らしさ!
 この、かけがえのない世界中の子供達が、お互いに争い、殺し合う時代が来ないよ う、祈りをこめた作品と受けとめました。

 「私も満州からの引き上げなので、この話は人ごととは思えない」等の感想を・・ ・言われましたが、反対に、だから満州ものは難しいのだなと感じました。大陸引き 揚げの悲惨、苛酷体験談なら、単なる身の上ばなしであって、文学ではない。  文学を勉強しているグループの人々にもそのような感想があったのは少々物足りな く感じた合評会でした・・・・・・

   それにしても心温まるよい集いでした。お世話くださった方々によろしくお伝えく ださい・・・・・・

(3)札幌の男性70歳代?(抜粋)

 この本こそ、私の求めていた本。体験に基づく歴史の本であり、生きた民衆の歴史 の教科書です。女性史としても、すぐれた内容を持っています・・・・・・

 幸平は中国人として今、どんな生活をしているのでしょうか。”約束”を守るとい う強い決意のお母さん。この本で”お母さん”の約束は新しい時代に、たしかに引き 継がれました。作者から新しい世代へ、お母さんの思い言葉が、新たな平和の祈りと して、世界に響きわたっています・・・・・・

 作者に質問したいことはいっぱいありますが、読み手が想像力を発揮すべきところ です。

(4)江別の男性60代(抜粋)

 結末はp.374の前6行で突き放した方がよかったのではないでしょうか。やは り、読み手に想像させる余地を残すというところでオーケーと思いました。

 p.271の亜希のおしっこの場面、秀逸です。この場面ひとつだけでも、私は読 んで得をしたと思っております。


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