額入絵の撮影法

 展示されている額入の絵を撮影すると、額のガラス・アクリル板に照明や撮影者が 映り込んでしまい、額からはずさねば絵は撮れないと言われます。
 そこをなんとかしたいと、一つの試みを行いました。

 今回は、私のよく撮る実例、F4サイズの水彩画を四切額に入れた場合で行いました。

(1)映り込みを遮蔽する暗幕

 3枚の黒いフェルト布を100円ショップで購入。
縫い合わせて暗幕を作りました。カメラのレンズが出るところは縫わないでおきます。

その後、カメラレンズ周りをキッチリ覆うメリヤス編みの布を追加しました。


(2)暗幕を広げるビームを三脚に固定

・暗幕を広げるために上の隅二箇所でビームに止めます。
・そのビームをV字型に保持するため5mm厚ベニヤにネジ釘で固定。
・これを三脚の雲台に止めるためにL型アルミを使いました。
・プラスチック・ビームは長さを調節できるよう継ぎ足し輪ゴムで止めました。

・その後、展示会場で試用の結果、このビームは弱すぎることが分かり、細角材に置き換えました。
 
 雲台側からみると



(3)カメラを取り付けて‥‥

雲台を上から見ると。
・雲台にカメラを取り付けたところです。
・暗幕とカメラの間の隙間を洗濯ばさみで閉じています。

・額縁に暗幕付きカメラを対向させて撮影します。
・実際に撮るときより角度を開いてお見せしています。




(4)この装置で撮った画像

 今回は特殊な照明を用いず、室内に元からあった照明の光だけで撮影してみました。

・デジカメで撮ると映り込みがほぼ無く、Good!。 ・この装置なしで撮ると映り込みが多くてNG。

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・デジカメ画像から切り出した絵。右のスキャナー画像と比べて遜色ありません。
・原画をスキャナーで取り込んだ画像


(5)照明

・照明にLEDライトを使ってみました。100円ショップで購入
・裏蓋を開けて単4電池3本を入れます。


・LEDライトは支柱をクリップで暗幕ごと挟み固定しました。


・暗幕の裏側からみると


・LED照明そのままでは、額縁を均等に照らすことができていません。
 そこでトレーシングペーパーをかぶせて均等化を試みました。 すると光量がかなり不足する感じです。

 照明装置部分が不十分なまま、試みに教室展で撮影を行いました。

 そこは額を掛けている展示パネルの裏側からも光が来るという特殊な 状況もあり、絵にあたる光が均等ではなく、明暗の斑の多い写真しか とれませんでした。

 やむなく、レタッチソフトで簡単な明暗・歪み調節だけ行い、 ホームページ に掲載してあります。

 その後、レタッチソフトの「覆い焼き」テクニックを知り、これを用いれば かなり改善できると思いましたが、まだ修正作業は行うに至っておりません。




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