楽しい植物画 FAQ 若松 倫夫
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 植物画が趣味だとか、関心がある方に向けてこれを書いています。
 あっ、関心のない方にも、お読みいただきたいです。「誰でも描ける植物画」が私のモットーですから。
 職場のお昼休みの植物画サークルの講座から始め、東京老人ホームでのボランティア、 そして今は3カ所で開講していて、よく受ける質問があります。
 いわゆるFAQ ( Frequently Asked Questions )ですね。それらを職場の月刊同人誌に、 1999年3月号まで25回にわたり連載ました。

 そのときからもう10年過ぎたので、その後の経験も織込みながら、書き直してみました。
 お読みいただき、ご意見をいただいて、さらに改善したいと思います。
        質問リストはこちら

参考書

Q1:簡単な花のスケッチ(鉛筆+簡単な着色)をしたいけど、 カルチャーセンターなどでは、油絵とか水彩画とか大げさなのしかなくて、 誰かポイントを教えてくれないかしら。季節の花を描いた葉書を友人に出す というのをやってみたいの。

お勧めの本は?
A1:「水彩画・花と実の混色手帖」若松倫夫著 日貿出版社 \1800 をお奨めします。 ‥‥混色の実例集を中心にしながら、著者(私です、笑)の独特のノウハウを含む植物画の描き方をていねいに説明。 一冊買うならこの本がお奨め。 A5版 160ページ  2007年7月20日発行 ISBN978-4-8170-3581-3
 この本は、植物画の基本に沿いながら、約2時間で描き上げるように簡略化した描き方を説明して います。

 植物画の技法書や教室の多くは、伝統的なボタニカルアートの技法に従い、時間をかけ、 専門的な技術手順をふみ、細部を念入りに仕上げていきます。気軽に描きたくて始めたのに 「疲れて挫折した」という話も聞きます。
 私の教室には主婦が多く、教室の外に描く時間をなかなかとれません。みなさんが前進できるやりかたは? といろいろ考え、2時間で描けるように簡略化しようと決めました。もちろん、植物の美しさを伝えるために必要な点は、 しっかり押さえます。そうして力がついたら、たっぷり時間をかけた作品にも挑んでいこうという進め方です。

【参考文献】 「入門 植物画の描き方」 西村俊雄著 主婦と生活社刊 3000円
 著者は国立科学博物館主催の植物画コンクールの審査員。水彩の手法の説明が的確、ていねい。



用具 

Q2:水彩ではなく色鉛筆で済ませてしまうかもしれないので、 水彩色鉛筆など扱いやすいようですが、どんなもんでしょう?

A2:色鉛筆は一番簡単に始められる画材ですが、24色くらいのセットでも 実際に植物を目の前にして見ると似た色がなくて、2〜3種類の鉛筆を塗り重ねて作り出すということになります。 この方法で思う色を出すのはなかなか難しいと思います。色鉛筆は使い方によっては素晴しい作品のできる、 奥の深い画材のようですが‥‥。

 つぎに水に溶ける水彩色鉛筆ですが、実は私も「これは簡単そうだ」と飛びつきました。 でも意外に難しいです。描いた紙の上で水で溶かして均一に塗上げる、このコントロールはかなり微妙です。 パレットの上で色を混ぜて思う色になってから紙の上に置いていく水彩絵の具の方がはるかに楽です。

 このタイプは普通の色鉛筆に比べて、色があせるのも早いし、発色も劣りますから、 初めての方にはお奨めできません。偶然に面白い絵ができるという画材ではあるかもしれません。




Q5:鉛筆はどんな硬さを使えばいいの? 2B?

A5:2種類の硬さの鉛筆を使い分けるのが良いようです。まず大まかに描く位置を決めるために 軟らかい鉛筆(2B以上)を使い、次にこの線を目安に、硬い鉛筆で力を入れて描いていきます。 それが終わったら目安の線は消します。ですから、容易に消せるように軟らかい鉛筆で軽く描きます。 硬い鉛筆はH以上のものを使います。先を尖らせて、シャープな途切れない線で描くと、 きれいな仕上がりになります。




Q6:ペン画の場合、明暗をどうあらわすの?


A6:陰影を細い斜線を並べて(ハッチングで)表現します。ただ作品を縮小コピーして使うなら、 そういう細い線は消えてしまいます。かといって細くない線を使いすぎるとその部分が目立ち、 絵全体の雰囲気が黒ずんでしまいます。
 花の明るい色と葉の比較的暗い(濃い)色を区別して表現するには、葉には葉脈があるので、 それを書き込むことも一つの方法です。 もう一つの方法として陰になる部分の境目の線をわずかに太く描くことでも改善されます。(バラの絵で見比べて下さい)




Q20:植物画を描くとき、紙はどう選べばよいですか?

A20:荒目の(表面の凹凸が大きい)紙を使うと繊細な線が描きにくくなるので避けます。 普通の水彩にも使えるスケッチブックでよいのですが、紙があまり薄いと水彩をつけたときにベコベコになります。
 私は、西村俊雄著「入門 植物画の描き方」の奨めているMaruman ACID FREE ARTIST DRAWING(S5)シリーズを 使ってきました。安価で、どこの画材店にも並んでいて便利だったのですが、最近、製造中止になりました。 いまはそれに代えて、Maruman Art spiral(S314)シリーズを使っています。muse社のDRAWINGシリーズもほぼ同じです。
 お店ではMaruman社のやや高価なCOTMANシリーズを奨められることがありますが、これは紙の厚さはよいのですが、 絵の具がややのりにくく、時間がかかるので、私は使いません。

Q25:色鉛筆で描くのに適した紙は?

A25:BBケント紙が色鉛筆用にもやはり良いと思います。
 この紙は植物画のいくつかの本を見ても、「少し高価だが最適」と推奨されているものです。最近この紙に 色鉛筆を使って描く機会があったので、この紙の良さを確認できました。紙の表面に細かい突起がたくさんあ るので、色鉛筆を軽くこすりつけると、そこに色がひっかかって紙に色がつきます。つまり色のノリがいいの で、軽い力で描けます。
 これと比べて普通の画用紙では、強い筆圧で描くと鉛筆がめり込み、紙に凹んだ跡が残って描きにくいので す。BBケント紙ではそういうことがありません。紙が硬く作られているからでしょう。硬い紙といえば他にケ ント紙があります。これはBBケント紙とは全く別のもので、表面が滑らかすぎて、ひっかかりがありませんか ら、色のノリが悪く、色を濃く塗ることができません。
 私が買ったものは、ホルべイン製B.B.KENT PAPER BA-FA 175g・24枚綴じ F4(B4より僅か小さい)版のスケ ッチブックです。定価1800円でした。



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