メノウ通り |
リルカ:「むかしむかしの金持ちが、自分の金持ちぶりを自慢したくて壁にたくさんのメノウを埋め込んだ家をつくったから、メノウ通りって呼ばれています。いわゆる高級住宅街ってところで、見ていて腹が立つような建物ばっかり並んでます。住んでる人も上品そうなすまし顔で歩いてるけど、金持ちなんて裏で何やってるかわかりません。だって、だから金持ちなんでしょ? で、この通りで有名なのが、エルモア初のアーケード街で、平和通りに続く商店街のあたりは、ガラスの天井で覆われています。金持ちって、ほんとに何考えてるかわかりません。世の中が歪んでゆくのも無理ありません」
メノウの壁館 | 壁一面にメノウを埋め込んだお屋敷です。でも、一度も盗まれたことがないのは、つるつるの大理石を使っているのと、メノウと壁を術法でくっつけてあるからだとか。中に入るのはホントに簡単なんですが……でも、無駄遣いもここまでくると、あきれてものも言えなくなります……ホント。 |
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レイニー・ウォーク | アーケード街のことなんですが、なんでこんなふうに呼ばれるかというと、上のガラスについた露が下に降ってくるからです。風の通り抜けがいいように、高さにゆとりをもたせて設計したはずなんですが、どうやら関係なかったみたい。ですから、昔はいつもじめじめしていて、アーケードの下なのに傘をさす人がいっぱいいたようですね。……ホント、世の中ってバカ。それでも、設計した人はあきらめきれなかったようで、後から開閉式のガラス屋根に改造されました。で、水力をつかって開け閉めするために、わざわざ地下に水路を引いてます。バカもつきぬければ英雄ということわざがありますけど、その見本みたいな人たちです。 |
レストラン 銀の鈴音 |
なんかやたらと上品な場所らしくて、ボーイさんを呼ぶときには銀の鈴を振るのだとか。アーケードの下にあるレストランで、うらやましいくらい人が入ってます。 |
ブルーウインド | 新しくできたコーヒーハウスで、新聞とか小説とかが置いてあるんで、いつも満員みたいです。マスターが賭事が好きらしくて、よく適当なネタを見つけては、お客と遊んでるみたいです。店の名前にもなってるブルーウインドっていう豆が美味しいらしいんですが、あんな苦いものの何がいいのかわかりません。 |
ベルクレール男爵 |
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種族:白人 性別:男 年齢:37 |
解説:変異現象の研究家として有名で、社交界随一の変わり者です。幼い頃に変異の影響で足が奇形化したため、教会の目を欺くために切断したという経験があります。そのため車椅子に乗って生活しており、あまり遠出をしたことがありません。しかし好奇心はいっぱいのようで、よく冒険者や旅の芸術家を家に呼び寄せては、旅の話を聞いているようです。 一言:「変異ですか? ……その薄ら寒いほどの不気味さの裡には、神々しささえはらんでいるような、そんな気がするのです」 |
新聞王 クレスト=フェラード |
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種族:白人 性別:男 年齢:55 |
解説:新聞王として名高い叩き上げの経営者であり、彼の会社が発行している新聞3誌は、この国のシェアの60%以上を占めています。少し強引なところもありますが、彼の斬新な発想は常に国民の目を引き、まだまだその地位は安泰のようです。 一言:「これからは情報の時代だよ」 |
北太陽通り |
リルカ:「もともとは単なる太陽通りだったのですが、城壁がなくなってから南の大通りも合わせて太陽通りって呼ばれるようになって、後から環状道路をはさんで北と南に区別されました。何が有名かというと、やはり時計塔広場の大時計につきますね。この広場より南側はこぎれいな商店街になっていて、ショーウインドウの中には高級そうな服だの鞄だの飾り物だのがずらっと並んでいます。ま、市内じゃとても安全な場所だから、油断しながら買い物しててもほとんど大丈夫です。一回だけ連れて来られたことがあって、帽子を買ってもらっちゃいました。……べつに無理しなくてよかったんですけどね(←とかいいつつ、気にいってるらしい)。
大時計塔 | 本来は物見の塔として建てられたのですが、後に塔の真ん中よりちょっと下のあたりに時計盤がつけられたことから、大時計塔と呼ばれるようになりました。その当時の技術ではけっこう大がかりな改造が必要だったらしくて、時計塔として完成するまでには、設計段階も含めると10年くらいかかったそうです。今でも上に登ることができて、頂上からはアイリストールの全景が一望できます。ただし、100エランほど払わなければなりませんが。 |
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自然史博物館 | 押し花の標本とか動物の剥製とかが展示してある陰気な博物館だったのですが、新大陸から持ち帰った標本が飾られるようになってから、連日お客でいっぱいになっちゃいました。大人は400エラン、子供は200エランで入れますから、お暇ならどうぞ。 |
ホテル カサンドラ |
なんでも国で一番の上等なホテルで、造詣の魔術士と色彩の魔術士と呼ばれた2人がデザインした、ちょっと珍しい建物です。カラヴィレイジュ様式とかいって、今じゃほんの数軒しか残ってないそうです。あ、魔術士っていっても、あくまでもたとえの話で、術法でつくったわけじゃないですから。 |
帽子屋カレン | あ、私事で恐縮ですが、ここで帽子を買ってもらったんです。つくりが丈夫で、結構いい仕事してます。一点物がいっぱいあるんで、他人に差をつけたい目立ちたがりな人にはいいかもしれません。 |
フェラード 通信局本部 |
ロンデニアで一番の新聞屋さんの中央通信局です。国中の情報が集まる場所で、昼夜を問わずいつも賑やかです。 |
中央馬車駅 | 自然史博物館のすぐ隣にある、辻馬車、乗合馬車の中央駅です。まあ、ここまでこなけりゃ乗れないってわけじゃないんですけどね。 |
中央郵便局 | 通りの一番北にあるのが、市の郵便業務の本部となる中央郵便局です。人口の増加にともなって最近は手狭になっているようで、拡張計画が持ち上がっています。 |
サナリー=ティムナント |
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種族:白人 性別:女 年齢:22 |
解説:製鉄会社を経営しているエルコッツ氏の屋敷で働くメイドです。表向きは忠実なメイドを演じていますが、跡継ぎのレイランドの弱みを握っており、それをネタにゆすっています。元は貧民街の出で、金だけが幸せを得る手段であり、稼ぐためには何をしても良いと考えているようです。ゆくゆくはレイランドと結婚して、家を乗っ取るつもりでおり、今はそのための策を練っているところです。 一言:「幸せが欲しいのよ……それはいけないことなの?」 |
レイランド=エルコッツ |
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種族:白人 性別:男 年齢:28 |
解説:エルコッツ製鉄会社の跡継ぎであり、将来を約束された地位にいる人物です。幼い頃から優等生として育てられ、失敗らしい失敗をしたことがありませんでした。そんな彼が初めて経験した挫折というのが失恋で、その時にはずみで相手の女性を死なせてしまいました。彼はその事実を隠蔽しようとして死体を森に埋めたのですが、運悪くサナリーにその現場を見られてしまい、今では彼女のいいなりとなっています。しかし、誰にも相談することもできず、また自首する勇気もないため、苦悩を抱えたまま日々を過ごしています。 一言:「僕が悪いんじゃないんだ……そうだ、僕は何も悪くない!」 |