分類と習得

分類概念術法系統習得条件習得判定


 

分類概念


○分類

・術法体系
 術法には魔術や武術などと呼ばれる分類概念があり、これを術法大系といいます。術法大系は術法がどういった使われ方をするかで区分されており、本質は同じでありながらそれぞれ異なるイメージで受け取られています。たとえば戦闘法の一種と考えられているものは武術、通常の魔法として使用される場合は魔術、芸術に関連するものは呪芸術などとなります。一般に武術として知られているのは武闘系、内気功系、外気功系の3つで、呪芸術としては呪歌系、呪舞系、呪画系、香水系、化粧系、人形系、仮面系、神舞系、鈴鐘系などがあります。その他は全て魔術として扱われています。

・下位区分
 術法大系の下には、さらに下位区分という分類法があります。これは情報を扱う術法系統や、宗教組織だけで教える術法といった具合にまとめられています。

・系統
 術法大系も下位区分も一般的なイメージの問題であり、ルール的な意味はありません。下位区分の下に分類される術法系統からが、ルールとして取り扱われる部分となります。

・術法師
 なお、術法を行使できるものは、大雑把に術法師としてくくられます。これは分類や系統とは関係なく呼ばれる名前です。


○術法系統

 術法はそれぞれ似た効果を表わすものや、術法をかける際に同じようなスタイルをとるものに分けられており、それらは術法系統としてまとめられています。個々の系統を区別して呼ぶ場合には、〜系術法といった具合になります。
 術法系統は副技能として扱われます。他の副技能と同じように、CPを消費して個人修正値を上昇させることも可能です。技能の名前は〜系術法という呼び方をします。


○術

 それぞれの術法系統には、その技能で使用できる何種類かの術があります。この術を発動させることにより、キャラクターは現実に様々な効果を及ぼすことが可能となります。副技能として術法系統を習得することは、実際に術法を使用するため前提条件でしかありません。これとは別に術を習得しなければ、何の意味もない技能となってしまうのです。個々の系統に属する術の種類は決まっており、その中から習得する術を選択することになります。

・術の扱い
 術は特殊分野として扱われるもので、個別にCPを消費しなければ使用できるようにはなりません。つまり、術法系統を獲得しても個々の術を獲得しなければ、その技能には何の意味もないことになります。

・習得判定
 術法の場合は習得するための前提条件があり、習得判定に成功しなければ術を獲得出来なかったことになります。習得判定を1回行うためには1CPを消費しなければなりません。


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術法系統


 術法は系統ごとに使用する主技能値の種類が変わります。魔術と呼ばれるものは全て感応技能で判定を行いますが、武術は運動技能を用います。呪芸術はそれぞれ異なっており、たとえば呪歌系は感応、呪舞系や神舞系は運動、呪画系は作業などといった具合になります。使用する主技能の種類は、術法データ2にある各系統の説明に書かれています。


○データ形式

 個々の術法系統のページには、以下のデータが記されています。


◆術法系統データ

説明
 その術法系統がどのように使用されているかについての総合的な説明です。

認識
 社会的に正統なものであると認知されているかどうかです。一般術法であれば問題ありませんが、異端とされている場合は社会的に認められておらず、人前で使用した場合は激しく糾弾されたり迫害を受ける可能性もあります。秘匿とされているものは、いずれかの組織や集団で密かに継承されている系統で、一般社会には殆ど知られておりません。

使い手
 その系統の使い手がどのように呼ばれているかです。

行使制限
 術をかける際に制限となる事項です。ここに書かれている条件を満たさなければ、術を発動することはできません。

習得方法
 名称はどのようなルートから教えてもらえるのかを示しています。
 その後ろにある○や×などの記号は、術の習得制限を示すものです。その組織では、記号で記されているまでの術を保持していることになります。同じ系統の術でも術法協会では×まで、法教会では△までといった差があることがあります。

スタイル
 術をかけるための方法です。制限がない場合は、プレイヤーが自由に選択することができます。

術データ
 個々の術についての解説です。タイプ、距離、持続時間、効果範囲、効果といった要素があります。


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習得条件


 術法はそれぞれの機関によって教える種類や条件が異なります。一般に術法を獲得する場合は、何らかの制限を受けるのが普通です。また、いずれの場合にせよ、教えてもらう側はそれなりの信用を得ていなければなりません。
 覚えておいて欲しいのは、術法の習得は非常に困難であり、あえてその困難な道に進もうとする者は少数派だということです。そして、習得には様々な代償を要求されるということを忘れないようにして下さい。


○習得制限

 術の中には習得を制限されているものがあります。たとえば、一般社会に広めるには不適当な効果をもったり、もはや使用できる人間がいない術なども存在します。これらは、術法データの名称の前についているマークで区別することができます。


◆習得制限

分類 説明
 比較的普及している術であり、その系統を使える組織や団体では、現在でもまず間違いなく利用されています。習得制限に合ってさえいれば、プレイヤーの意志によって自由に習得することができます。
 習得には組織の許可などが必要とされる種類のもので、教えてくれないことの方が多いでしょう。すでに失われている可能性も高い術です。プレイヤーはGMが許可すれば習得することができますが、却下された場合は諦めて下さい。ただし、覚えている人に依頼すれば、代償の程度によってはかけてくれることもあるでしょう。
×  通常は組織内の人間でも教えてもらえないもので、選ばれた一握りの人しか使うことができません。すでに失われている可能性の高い術が多くあります。依頼をしたとしても、使ってもらえるかどうかはわかりません。そもそも民間には伝わっていない術も多く、宗教機関でさえ使い手はなかなか存在しないでしょう。プレイヤーは特別にマスターから許可された場合のみ使用することができます。プレイヤーの側から尋ねることをしてもいけません。
 天使や悪魔といった異界の存在のみが使用する特殊な術です。よほどのことがなければ、人間が使うことはできません。


○術法の有無

・組織
 同じ術法系統でも、組織によっては保持している術の数が異なる場合があります。これについては、個々の術法系統のページにある習得方法という箇所を見て判断して下さい。データには聖母教会などの名称があり、その後ろに記号が書かれています。記号が○となっている場合は習得制限が○の術まで、×となっていれば×までの術を、その組織が保持していることになります。
 ただし、教えてくれるかどうかは全く別の話です。習得制限で○がついているものは、基本的な制限(身元や料金など)さえクリアしていれば、GMの許可を得る必要はありません。しかし、それ以外のものは全てGMの判断をあおぐ必要があります。

・地域
 1つの組織全体で所持している系統は数多く存在していても、地域や国家によっては使い手が存在しない場合が多々あります。近年では科学の発展に伴って、術法の使い手が減少する傾向にあるので、特に科学が発達している国家では、継承している数は非常に少なくなります。
 また、術の数は時代とともに増加してきたので、その総数は膨大なものとなっています。近年では縮小傾向にあるとはいえ、現在でも1つの系統を極めている者でさえ殆ど存在しない状態にあります。ですから、系統の使い手が存在していても、習得したい術が現存するとは限りません。使用されなくなった術は失われている可能性さえあります。
 それから、術法が有用な特殊技術であることは疑いようのない事実です。そのため、特定の地域や組織のみで使用されている術は、その集団や地域全体が外部への流出を好ましく思わない傾向にあります。ですから、そのような系統の術は、GMの判断で習得を制限しても構いません。


 これらの制限については、こちらの術法データ1に詳しく書かれています。GMがシナリオにどうしても必要であると思わない限りは、基本的には術法協会と宗教機関のみを習得可能なルートとして構いません。


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習得判定


○判定の基本

 術を習得する場合は、それぞれ個別に習得判定を行なわなければなりません。

・判定方法
 習得判定に使用するのは、その術に関する主能力値のと副技能である術法系統です。

・判定によるCP消費
 習得判定を1度試みるごとに1CPの消費が必要となります。これは専門分野でいえば、基礎習得時に消費するCPに相当します。

・難易度
 術はそれぞれレベルが決められています。習得判定では[術レベル+3]が難易度となり、判定に成功すれば選んだ術を獲得できます。
 この判定には感情判定を適用することはできません。また、判定値が[レベル+3]に満たない場合は、習得判定を行うことはできませんので、この点については注意して下さい。

・習得によるCP消費
 個々の術はCPを消費して習得しなければなりません。術は専門分野とは違って、習得するためには術のレベルと同じ値のCPを消費することになります。これによって術を完全習得したことになりますが、専門分野とは異なり基礎習得だけでは発動できませんので、この点には注意して下さい。


○習得期間

 術の習得には非常に時間がかかり、通常は[術のレベル×1か月]以上の時間を必要とします。複数の術を覚えている場合は、全てを習得するためには[レベルの合計×1か月]の時間がかかります。複数の術を平行して覚える場合でも、期間は合計した値となります。
 教授する側は付きっきりで教えるわけではなく、期間の大半は独自に反復練習を行うことになります。練習は毎日欠かさず行う必要があり、訓練期間中は余暇の殆ど全てをこれに費やさなければなりません。


○特殊な術

 武闘系の術の中にはレベルが×2などと記されているものがあります。このような術のレベルは2、4、6……など、書かれている数値の整数の倍数となり、それに見合ったCPを消費することで獲得できます。ここで注意するのは、習得できる術法は10レベルが上限であるということです。

・追加習得
 このように表記されている術は、CPを新たに消費することで、レベルを追加することができます。×3となっている術を最初に3レベルで習得した場合、更に3CPを消費することで6レベルにすることができます。ただし、この場合も新たなレベル+3を難易度とした習得判定を行わなければなりません。


○習得の失敗

・代償
 習得判定に失敗した場合は、術を獲得できなかったことになります。しかし、習得できたかどうかにかかわらず、料金などの代償は規定通り支払わなければなりません。

・判定のやり直し
 習得判定に失敗しても、CPを1点消費すれば再び習得を試みることが出来ます。これは判定を行う度に減少させて下さい。
 なお、前の習得時から1か月以内であれば、教わった基礎を憶えているため、改めて誰かに手順を教わる必要はありません。しかし、それ以上の期間が開いてしまった場合は、再び料金を支払うなどして教授して貰う必要があります。


○術の教授

・魔術学
 術法を教える側は、基本的に術法知識:魔術学(専門:知+記憶)という専門分野を身につけていなければなりません。もしキャラクター間で術法を教え合うような場合、教えて貰う側が習得判定を行うだけでなく、教授する側も術レベルを難易度とした術法の判定に成功しなければなりません。もし判定に失敗した場合は、その術を教えられなかったものとします。
 ただし、魔術学を覚えていたからといって、自由に術を教授してよいというわけではありません。組織や集団で術を教授している場合は、その集団の許可が必要となります。制限はそれぞれの組織によって異なります。

・技能なし
 魔術学がなくても、身振り手振りで術を教えることも不可能ではありません。しかし、その場合は通常の5倍以上の時間がかかります。書物などからも術を身につけることも可能ですが、間に人を介さない場合は通常の10倍以上の時間がかかります。改めて術を習得し直す場合でも、同じだけの時間がかかると考えて下さい。普通の人間であれば途中で諦めてしまうでしょう。
 また、魔術学なしで慣習的に伝えられている術は、発動に不要な要素が付加されていることもあります。たとえば、悪魔を呼び出すのに生贄を捧げるという言い伝えがありますが、これらには実効性は全くありません。にもかかわらず、術を行使する側はそれなしでは発動できないと思いこみ、何時間も儀式を行ったりする場合もあるわけです。
 魔術学なしでの術の教授は選択ルールとなります。教授する側とされる側のどちらの立場であっても、GMの許可が必要です。


○記入と計算

 術を獲得したら、個々のデータを術法シートに記入して下さい。すべてのデータを書き写したら、術名称と書かれている横の( )内に、レベルの合計を書き入れます。それから、習得判定をやり直した場合は、下にある習得判定と書かれている欄に判定をやり直した回数を記入します。これらの合計が消費するCPとなります。


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