判定の基本
キャラクターが何かについての知識を得たい場合は、記憶術(一般:知+記憶)などの記憶技能に含まれる技能の判定に成功しなければなりません。これを一般に知識判定と呼びます。
○不明度
難易度は不明度という数値で表され、これが高いものほど人々に知られていない情報ということになります。知識判定に成功すれば、成功度に応じて何らかの情報を得ることができます。
ただし、あくまでも知らなかったり忘れている可能性があるからこそ判定が必要なのであって、あまりにも常識的な内容については難易度0、すなわち最初から知っているものとして構いません。たとえば、聖母アリア、聖人ルーン、国家名、自国の国王や元首、自分が住む地域を治める領主、あるいは住んでいる町の大通りを普通に歩くなどの場面で、いちいち判定を行う必要はありません。・獲得特性
知名レベルを獲得している場合は、そのレベルの分だけ自動的に難易度が下がります。
○不明度の目安
知識判定における一般的な不明度の目安は、以下のようになります。
◆不明度の基準
難易度 目安 0 完全な一般常識。よほど隔離された環境にいるのでなければ知らないはずはない。 自分の住んでいる場所の地名や国名、聖母アリア、聖人ルーン、自国の国王や元首の名前など 1〜2 エルモア地方全体に知られている常識的内容や、それに類する情報や事実。 有名人の名前、他国の王や元首の名前、印象的な事件、宗教聖典の一般的内容、有名な歴史など 3〜5 特定地域や限定分野では常識的だが、それほど広く知られているわけではない情報。 自国の政治家、地方の有名人、流行の歌やファッション、有名店や名所など 6〜9 限定的な分野でのみ知られているもので、一般には殆ど知られていない知識。 同業者の名前、商取り引きのルート、抜け道など特定地域の地理情報、学術的にやや高度な知識など 10〜 完全に専門分野の範疇となる知識で、一般人ではまず絶対にわからない情報。 最先端の学術知識、高度な専門技術に関する知識など
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記憶と調査
○記憶
知識判定に関係する技能には様々なものがあります。最近起こった出来事やちょっとしたことを思い出せるかどうかといった程度の判定には、記憶術(一般:知+記憶)の技能を用いればよいでしょう。また、一般的な常識や住んでいる地域の情報、あるいは初等学校で習う程度の基礎知識などは、一般分野として扱われるため、特別に労力をかけて習得する必要はありません。しかし、専門的に時間をかけて学ばなければならないような知識については、専門分野での判定に成功しなければなりません。
・代替技能
一般分野でも専門分野の代替として扱うことができる技能も存在します。たとえば不死者などの情報は異端知識(一般:知+記憶)でも判定することが可能ですが、詳細な内容については怪物知識【不死者】(専門:知+記憶)という専門分野の知識が必要となります。
一般分野による判定では、たとえ成功しても一般的に知られている浅い知識しか得ることができません。いくら達成値が高くても、一般知識では得られない情報があるということを覚えておいて下さい。ただし、奇跡的成功の場合は、例外的に成功として扱って構いません。逆に専門分野は知識の幅が限定されているので、特定の分野には深い造詣を持っているのですが、広範で深い知識を得られるというわけではありません。分野が違えば別の技能として習得する必要があるのです。
○調査
自分が知らないことでも、何か書物に記載されていたり、誰かが知っているということもあります。もし知識判定に失敗したとしても、これらの手段によって情報を手に入れることが可能となります。
知識判定で達成値が難易度に足りなかった場合でも、どのような書物にその内容が記載されているか推測することが可能です。ただし、最初から行為判定に失敗している場合は、推測することも不可能ということになります。
得られる情報の程度は達成値次第となりますが、与えるべき内容は示唆にとどめておいて下さい。はっきりと何に書いてあるかを思い出すためには、専門分野での知識判定が必要です。・データベース(専門:知+記憶)
自分の職場にあるデータや個人の蔵書にある内容を思い出すには、データベースの技能で判定を行います。判定に成功すれば、その中にある資料の内容を思い出すことができます。・ルート
職業知識やその他の専門知識の技能を用いて、どのような手段や媒体を通じて情報を手に入れるかを推測することが可能です。ただし、情報を得るための手段がわかったとしても、その知識を理解できるかどうかは別です。・個人の人脈
職業知識:業界情報(専門:知+記憶)や地域情報:地域知識(専門:知+記憶)の判定に成功すれば、その知識について知っていそうな人を探し出すこともできます。ただし、その人物と知り合いであるとは限りません。
それから判断技能に含まれる交友人物の判定に成功すれば、知り合いを頼ることが出来ます。ただし、その人物が必ずしも知識を持っているとは限りませんし、協力してくれる保証もありません。
(注:この章で地域情報:地域知識(専門:知+記憶)として説明している部分には、地元知識(一般:知+記憶)のことも含まれます)
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一般的な記憶
○記憶術
学問や職業などの特定分野に関する知識は、それぞれの内容に合った技能で知識判定を行います。しかし、ニュースや日常の出来事など、他の技能に含まれないちょっとした内容については、記憶術(一般:知+記憶)の技能を用いることになります。
・記憶
積極的に物事を記憶する場合にも、この技能を使用します。この時、GMは記憶する内容の長さや複雑さによって、適当に難易度を設定して判定を行わせて下さい。なお、記憶しようとする時点では判定を行わず、思い出そうとする時に判定することになります。・代替技能
記憶術は専門分野の代替技能として使用することができます。ただし、扱う情報は一般の人々の耳に触れる可能性があるものでなければなりません。人物であればニュースとして扱われたり噂になるくらいの有名人、知識であれば新聞や雑誌に載る程度のものに限られます。
○記憶と時間
記憶は時間が経つとどんどん薄れてゆくものです。よほど基本的なことや常識的なことでもなければ、改めて反復して憶えなおさなければ、いずれはぼんやりとしか思い出せなくなってしまうでしょう。逆に最近の出来事であれば、それほど苦労せずに詳細まで思い出すことができるはずです。記憶術の判定では、時間によって以下の修正値を加えて判定して下さい。
◆時間による修正値
修正 状況 +4 数時間以内 +3 1日以内 +2 数日以内 +1 1週間前 ±0 数週間前 −1 数か月以上前 −2 1年以上前 −3 数年以上前 −4 10年以上前
○記憶の確認
重要なキーワードや事件が起こった時間などの手がかりを与えることによって、相手が思い出しやすい状況を整えることができます。もし最初に何も情報がない状態で判定に失敗しても、調査活動などによって手がかりを得たり、あるいはキーワードを口にして誰かに思い出させようとした場合は、改めて判定を行わせても構いません。情報の重要度によっては、ある程度の修正値を加えて判定を行うことも可能です。
◆確認による修正値
修正 状況 ±0 事件の内容や名前などの曖昧な情報 +1 だいたいの日付など、ちょっとしたきっかけ程度 +2 関連する出来事や人物などの情報。詳細な日時や状況の説明 +3 出来事の詳しい内容や人物の詳細な特徴など
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地域の情報
情報は地域によって入手のしやすさが異なります。他国の政治家の名前などはなかなか得られない情報ですが、逆に自分の住む土地を治める貴族の名を知らない人もあまりいないでしょう。このような差違は修正値によって表わされます。特定の地域や都市などに根づいた知識に関しては、判定にプラスの修正を得ることができます。逆に遠く離れた場所の知識は、マイナスの修正を加えて判定を行うことになります。
・注意
この修正が適用されるのは、エルモア地方全般を対象とした知識判定についてです。地元知識や地域知識などの地域を限定した場合の判定には、これらの修正は加えないで下さい。
○範囲と修正値
修正値は以下の表のようになります。たとえば、チドリソウという植物についての知識を得ようとした場合、通常であれば難易度4の判定を行わなければなりません。ただし、これはエストルークに特有の植物なので、もし隣国ユノスの住民がこの植物について知りたい場合は、−2の修正値を加えた上で判定しなければならないのです。
・基準範囲
基準は居住国家に対象が存在するかどうかで、存在する場合は修正値±0として考えます。修正値がプラスとなるのは、地元に近いほど特徴的に見られるものに関してです。より特定地域に限定されるほど、修正値は大きくなります。逆に居住国家に存在しないものに関しては、判定にマイナス修正を受けることになります。地域が遠くなるほどより修正値が小さくなるというわけです。
たとえば、南部のルワール大公国に住んでいるキャラクターだとしても、ルワール周辺に見られる花が地元の街にも咲いているからといって、+4の修正値とはなりません。その場合は基準の居住国家が該当地域となり、±0の修正で判定を行うことになります。もしその花が地元の街にしか咲かないということであれば、初めて+4として扱われます。その近隣地域の人間が判定する場合は、近隣の街ということで+3になるわけです。なお、国境を越えてすぐの街など、極めて類似した環境にある場合は、距離に応じて適当な修正値を加えて、判定を有利にしても構いません。・地元の範囲
なお、地元というのは最も長く住んでいる街などの狭い地域を指し、それに準ずる地域の修正値は地元−2という扱いになります。居住国家についても同様で、住んでいた期間がより短いものは−2扱いとなります。なお、いずれの土地にせよ、ある程度成長してから5年以上、その土地で生活した経験がなければなりません。
◆場所による修正値
修正値 状況 +4 地元の街 +3 地元の近隣の街 +2 地元を含む都市 +1 地元を含む州/地方/島 ±0 居住国家 −1 隣国/隣接地域 −2 隣接していない国家/地方 −4 ペルソニア大陸
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地域知識
都市や町など、限定地域における様々な知識を得る場合は、地域情報:地域知識(専門:知+記憶)の判定に成功しなければなりません。地域知識の判定では、地域による修正値が適用されません。
○地元知識
自分が生まれ育った場所の地域知識に関しては一般分野となり、地域情報(一般:知+記憶)で判定を行います。地元知識にはその土地の伝承などの知識も含まれますが、その他の地域のものは専門分野として扱い、伝承などの知識は含まれないことになります。
この技能によって、特定地域での風土や習慣、あるいは地理的な知識などが得られます。また、店の場所や抜け道など、その地域に詳しい人でなければわからないような情報もわかります。その都市だけに出没する怪物や自治体の制度、あるいは特産品やその原料などの情報については、怪物知識や専門知識の代わりに地域知識で判定しても構いません。ただし、あくまでも一般的な知識を得られる程度にとどまります。
・地元知識の範囲
地域情報の技能は、国家事に別個の技能として扱われます。この場合、それぞれに地元知識が含まれることになりますが、これは居住経験がある地域だけに限定されます。
○範囲と情報
この技能は特定の村や町といった単位に限られるものです。また、範囲が広くなるにつれ、知識は浅くなってゆきます。最大の適用範囲は都市までになります。
◆範囲と情報
地域 情報 村
小さな街
都市内の街地域住民の名前、近隣住民の職業やだいたいの生活、小さな店の名前や種類、公共施設の詳細、名所の詳細、小径、裏道、隠れ場所、危険な場所の詳細、有名人の詳しい情報、街の規則など 大きな街
村の周辺地域
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