事件・犯罪

概要舞台その他


 

概要


○目的

 このタイプのシナリオは、犯罪事件の解決を目的とするものです。その際には、被害をなるべく押さえることが目標となりますし、犯罪を未然に防ぐことができれば、なおさらよいことは言うまでもありません。
 勘違いしてはいけないのは、目的は犯人を検挙することでもなければ、裁くことでもありません。問題の解決が最も上位に来る目標となり、そのために最もよいと思われる手段を模索するのがゲームの目的となります。犯罪者であっても相手を傷つけてよいわけではありませんし、努力を怠ってわざと戦闘などを行った場合は、評価は低くなるということを覚えておいて下さい。


○楽しみ方

・探索
 一般に、犯罪シナリオの中心となるのは調査活動です。様々な技能を使って証拠を見つけたり、犯人の居場所を突き止めることが、ゲームの楽しみの1つとなるでしょう。

・心理
 精神問題を重視するシナリオでは、犯罪が起こるための経緯や事情などを調査することが必要となるでしょう。プレイヤーはその過程において、犯人との心理戦などの駆け引きを楽しむことができます。

・アクション
 シナリオによっては、銃撃戦や捕り物などが繰り広げられることもあるでしょう。

・推理
 推理を主体としたシナリオでは、様々なトリックを解き明かすことが楽しみの1つとなるでしょう。


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舞台


○全体

 犯罪を取り扱うシナリオは、どの国家を舞台にしても遊ぶことができます。特に理由がなければ、町中のように人の多い場所の方が、シナリオの展開が多彩になるでしょう。逆に推理モノのように筋道がある程度決まっているようなシナリオでは、プレイヤーを無用に迷わせる要素が少ない閉鎖された舞台(人里離れた村、屋敷など)の方が向いているかもしれません。
 なお、同じキャラクターを連続して扱うような場合は、犯罪の起こりやすいカーカバートやロンデニアのような場所で遊ぶとよいでしょう。たとえば、サンプルシティとして紹介されている「アイリストール」はロンデニアの首都であり、非常に犯罪が多発する都市の1つです。


○地域社会

 田舎などの地域社会を舞台とする時は、地域性というものを念頭に置いておく必要があります。田舎ではよそ者に対して警戒心が強く、簡単にうち解けてはくれません。そのため情報収集に余計な手間がかかる場合があります。
 また、犯罪に対する地域の概念は都市とは異なっており、ある種の異世界を構成している場合があります。たとえば、時には町ぐるみで犯罪を隠したりすることもありますし、余所者に私刑を加えたり、強行的な手段で追い出したりする場合もあります。特に領主自身が犯罪に加担している場合は、法的に裁くことができないこともあるのです。場合によっては、こちらが犯罪者扱いされかねません。
 こうした事情は、逆にシナリオのネタとなるものです。地域社会独特の問題を交えたシナリオを扱ってみるのも面白いかもしれません。


○中心舞台

 シナリオで中心的に扱う舞台は、ある程度狭めておいたほうがよいでしょう。大都市など広域の舞台をつぶさに調べるようなシナリオや、舞台そのものを探し出さなければならないシナリオもありますが、その場合でも中心となる舞台はある程度決めておくべきです。
 調査シナリオで舞台をあまり広げすぎると、展開が散漫になりがちですし、プレイヤーの集中力も持続しません。どこで何を調査すればいいのかは、ある程度は予測できる状態にしておくべきですし、全く見当がつかなくてもルートは提示しておくべきです。常識程度の判断ができないプレイヤーを甘やかす必要はありませんが、どこで何を調べてよいのかさっぱりわからない状態では、幾ら熟練のプレイヤーでも手こずることになるでしょう。特に、エルモア地方に馴染んでいない場合は尚更です。
 予め舞台を特定しておけば、調査にあまり慣れていなくても、調べるべきポイントや人物を特定できます。また、シナリオに複数の舞台が登場するにせよ、一度に関わる舞台を限定しておけば、プレイヤーもそれほど情報に惑わされることはないでしょう。


○閉鎖空間

 調査シナリオで有効な舞台設定の1つに、閉鎖空間というものがあります。たとえば、人里離れた屋敷や航海途中の船、または自然災害で閉じこめられた家や村といった具合です。調査するポイントが少なく、容疑者を最初からある程度絞り込めるという利点があり、不必要な調査で時間をとられずに済みます。特に密室は犯罪シナリオ特有といっていいほどの、顕著なものでしょう。


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その他


○捜査権と逮捕権

 警察機構に所属する刑事や、税務調査を行う権限を持った調査員などは、自治体や為政者から捜査権や逮捕権を保証されています。しかし、それ以外の者は、正式な捜査権を持っていません。そのため、調査のやり方によっては、それ自体が犯罪となってしまうこともあります。また、現行犯以外での一般市民の逮捕は、不当拘束として罪に問われることもあるのです。その点には十分注意しなければならないでしょう。
 しかし、口頭で誰かから情報を引き出したり、正当な手段で調査を行うことが禁じられているわけではありません。企業書類でも経営者の許可があれば調べることができますし、警察の記録でも公にされているものであれば、きちんとした手続きさえ取れば教えてもらえることもあります。また、探偵という職業は社会的にも認知されておりますし、他にも情報を取り扱うことを生業とする職業は幾つか存在します。それから、保安官待遇で一時的に逮捕権や調査権を得ることも不可能ではないので、参加するキャラクターが警察官である必要はありません。

 逆に、命令がなければ、事件がなければ警察官は動けない。それらに縛られないということも、調査においては利点となりうるものです。


○技能

 事件捜査を主体としたシナリオでは、記憶や判断といった主技能が役に立ちます。判断技能は証拠を見つけるたたり人から情報を聞き出すために、そして記憶技能は得られた情報が何であるかを分析するために使用します。いずれにせよ、事件や犯罪を取り扱うシナリオでは、情報の入手と分析が重要となります。


○コネクション

 犯罪捜査においては、コネクション(コネ)が非常に役に立つことがあります。裏のルートを通じての情報収集や、専門家への調査の依頼など、通常の手続きを通していては得られなかったり、あるいは非常に時間がかかるような情報を得ることは、犯罪を素早く解決することに繋がります。


○物品

 これがなければ犯罪シナリオができないという物品はありませんが、犯罪トリックに道具を用いたり、捜査のために虫眼鏡をつかったりすることはよくあります。
 また、追い詰められた犯罪者が逆上して襲ってくる可能性もありますし、場合によっては裏組合やギャングなどを相手にすることも考えられます。そのため、何らかの武器を装備しておいた方がよいこともあります。


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概要舞台その他