暗殺ギルド
暗殺を生業とする非合法組織であり、裏社会の中でも闇に包まれた存在です。カーカバートの暗殺ギルドが裏の世界では有名ですが、その実態や活動内容についての情報は皆無といってよいでしょう。裏組合から分派した組織と考えられており、事実そういった集団も存在しますが、全く系統が異なる組織も幾つか存在します。
組織の形態は様々ですが、他の犯罪組織に比べると小規模な団体です。多くの場合はまとめ役、実行犯、折衝役、育成係といった役割を分担しているようです。
○仕事
その名の通り、標的を暗殺するのが彼らの仕事です。折衝役が仕事を請け負い、内容に適した技術を持つ暗殺者を派遣して任務を遂行させます。暗殺の仕事というのは滅多にあるものではなく、国外から依頼が舞い込んで来ることも珍しくはありません。
暗殺は正体を知られずに速やかに接近し、確実な手段で標的を消し去るのが最も良い方法です。ですから、普通は毒殺や狙撃といった方法を第一に選択しますし、それが無理であれば夜間に忍び込んで寝込みを襲うといった手法が好まれます。直接相手と対峙して戦闘を行うというのは、下策以外の何物でもありません。こういった事情から、暗殺者は自分の顔や素性を知られるのは極力避けなければなりません。実行犯とは別に折衝役が存在するのも、無用に正体をさらさないための手段なのです。
○人材育成
暗殺者になるには特殊な才能が必要とされます。技術はもちろんですが、冷静な判断力と完全に自己を捨て去ることができる精神が何より重要視されるのです。子供が相手でも躊躇うことなく殺害を実行でき、組織の掟を絶対とし、いざとなれば自らの命を簡単に絶つことができるようでなければ、一流の暗殺者にはなれないのです。
それは人間としての自分を捨てることでもあり、並大抵の訓練ではどうにもなりません。そのため、人身売買組織から手に入れた子供たちを暗殺者として鍛え上げるのが、最も効率的な育成方法といえます。無垢な子供ほど自由に染められる素材はありません。また、暗殺者として活動するには、顔を知られていないというのも条件です。訓練された裏社会の人間は即戦力として期待できますが、裏社会にさえ正体を知られない方が暗殺には有利です。標的が護衛に裏社会の人間を雇っていないとは限りませんし、また、教育を施した暗殺者に悪い影響を及ぼすことも考えられます。よほどのことがなければ、暗殺ギルドは閉じた組織を維持し、外部からの影響を極力排除しようとするものなのです。
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その他
○民間諜報機関
民間にも諜報機関が存在し、非合法な手段で収集した情報を売買しています。表向きは探偵社や雑誌社などを装っている場合もあり、その実態を見分けるのは困難です。こういった組織の中には特定の貴族や政治家に仕えたり、企業に雇われて産業スパイを請け負ったりしているものもあります。
こういった諜報機関は一般の会社によく似た形態を取っており、非常に整然とした組織運営を行います。諜報員だけを数多く抱えているわけではなく、代表取締役、調査、一般事務、会計、情報管理、渉外といった役割を分担し、効率よく仕事をこなしてゆきます。小さな組織では役割を兼任する場合がありますが、それでも調査とそれ以外の仕事は別の人間が行うのが普通です。
○秘密結社
法的な手続きを一切行わずに成立している政府非公認の団体で、目的や所在、あるいは活動や構成員を外部から秘匿している存在をいいます。秘密結社に関する調査は、秘密警察やその他の特殊部門に配属された警察官の役目となります。政治、宗教、あるいは経済的目的からなる結社が大多数を占めるのですが、まれに復讐などの個人的目的や、倫理的目標を掲げる団体も存在しないわけではありません。
結社の規模や組織構成というのは、個々の団体において全く異なります。活動のレベルも幅広く、一般社会に殆ど影響を及ぼさないようなものもあれば、政治家や貴族たちが加入する国家的組織や、その存在がエルモア地方全体に影響を与えるような国際組織も存在します。
こういった組織は裏社会に通じていることもあり、闇のルートから武器弾薬を調達したり、暗殺ギルドに依頼して敵対者を葬り去るといったこともします。また、過激な組織になるとテロ活動を行い、無辜の民を危険にさらすこともあるのです。
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