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タイプ | 説明 |
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支配貴族/名誉貴族 | 政治的、あるいは社会的特権をもつ上流階級の人々です。ただし、現在のエルモア地方では、単なる象徴や家柄だけの存在になってしまっている場合もあります。 |
騎士 | 国家や領主に仕え、その者のために戦う戦士です。領地を持つ貴族である場合もあります。 |
失貴族 | 革命や制度改革などで領地や権力を奪われた貴族のなれの果てです。 |
上流階級に属する存在です。自分の領地を持ち、そこからの税収で優雅に暮らす者もいます。ただし、現在のエルモア地方では政治形態も多様化し、封建制度による統治方法も少なくなっています。そういった国家では単なる政治家や家柄だけの存在であることもあります。
貴族は主に政治家や軍人(士官)として働くことになりますが、それに相応しい能力を有しているとは限りません。彼らは出自ゆえにその立場にあるのであって、努力や才能によって地位を勝ち得たわけではないのです。ですから、国家が安泰であったり側近が優秀であれば、自堕落な生活に耽っていても何の不思議もありません。また、政略結婚によって他国から迎えられた貴族などは、実権を奪われていたりすることもあります。彼らは貴族であることが第一の存在意義なのであり、必ずしも能力が求められるわけではないことを覚えておいて下さい。
こういった理由から、貴族の中には時間的に余裕を持つものも少なくありません。貴族たちがあり余る時間を何に費やすかというと、他の貴族とのつき合いや趣味ということになります。パーティを開いたり観劇に出向いたり、あるいは狩りや旅行に出かけたりすることは、彼らにとっての楽しみであり義務でもあるのです。
政治について真剣に取り組む政治家や、軍事活動に精力的な士官も多くいますが、そういった貴族であってもこれらの要素をまったく無視することはできません。パーティへの出席は強制されるわけではありませんが、特に理由もないのに欠席するのは失礼に当たります。また、上流階級のつき合い(駆け引き)を無視して政治や軍事活動をうまく進めようとしても、よほどの権力か実力があるのでなければ、必ずどこからか横槍が入ることでしょう。貴族社会には数限りない暗黙のルールが存在し、そこから逸脱した行為は受け入れられません。貴族が打算と欲望が渦巻く世界に生きていることを、決して忘れてはならないのです。
貴族の殆どは、一般市民の日常が絡むシナリオには参加しにくい立場にあります。時間があったとしても自由になれるとは限りませんし、何より彼らが日常の小さな事件に巻き込まれるというのも不自然です。政治や軍事、あるいは人種・民族を主体としたものなど、割と大きなテーマを取り扱ったシナリオや、駆け引きを主体とするシナリオに向いている職業といえるでしょう。
もっとも、家を出奔したりお忍びで市民の生活に紛れてみたりということも、決してあり得ない話ではありません。そういった設定をうまく活かせば、一般市民と一緒に活躍することも可能でしょう。また、貴族の中にはあり余る時間と金銭を趣味に費やし、一流の芸術家や学者として頭角をあらわす者もいます。そういった面からシナリオに参加する理由をつくることも出来るので、工夫次第では様々なシナリオに参加することも不可能ではありません。
支配/名誉
○解説 貴族が属する階級は2つあります。支配者として土地を持ち、税収を得、諸々の政治的・社会的特権を持つ貴族を支配貴族(支配階級)と呼び、そうでないものは名誉貴族(名誉階級)となります。名誉貴族は国会議員など政治職についていたり、社会的にも家柄を認められたりしてはいますが、基本的には財産のある市民と大差ありません。上流階級の一員ではありますが、特別に強い権力を持つわけではないのです。 ・階級 ・存在国家(タイプ) ○条件 貴族の家に生まれたという以外に、特に必要な条件はありません。しかし、支配貴族として活動する場合、高い教育を受けているのは当然のことです。通常はその年齢における最高の教育を受けていると考えて下さい。士官として活動する場合には、士官のデータに準じます。そちらも合わせて参照して下さい。 ○注意点 基本的に普通のシナリオには絡みにくい職業であり、主に政治を主体としたシナリオに登場することになるでしょう。しかし、貴族は領地経営以外にも商売に出資したり、あるいは貿易に手を出したりしています。ですから、そういったことから事件に巻き込まれる可能性もあります。 ○コネクション 当然ですが、貴族は上流社会に繋がりがあります。これには派閥のようなものがあり、敵もいれば味方もいます。普通ならば自分の親族は味方となるのですが、貴族社会では身内同士で争うことも珍しくありません。誰を味方とするかは、長期的な政治の動向や相手の力量を考え、自分で判断しなければなりません。 先頭へ
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騎士
○解説 国家や領主に仕え、そのもののために戦う戦士のことです。忠誠と引き替えに仕えている主から俸給を受け取り、それによって生活を営みます。かつては戦場で騎馬を駆って敵を倒したり、強力な変異体を倒したりする役目でしたが、現在の騎士は主に軍の士官として働いています。高い地位にあるため剣を持って直接戦うことは殆どなく、兵士を率いて戦ったり、あるいは戦略を練る立場になります。そのため、士官学校に通ってそれらの技能を身につける必要があります。 騎士は古い制度の職業であり、全ての国家に存在するわけではありません。また、その地位が勲章のように扱われ、一代限りの称号として与えられる国家も存在します。騎士制度が存在するのは以下の国家になります。 ・存在国家 ○条件騎士になるためには、まず貴族の家に生まれなければなりません。その上で、軍事についての知識や戦闘技術を学ばなければなりません。ただし、中には無能な者もおり、軍事に関する能力が決して高いとはいえないのに、家柄だけで高い地位につくこともあります。要するに問題となるのは家柄であり、職業に就くことに関してだけ言うならば、個人の努力や才能といった要素には極端にこだわる必要はありません。 ・経歴 ○注意点 騎士は軍事や政治に絡むシナリオでなければ活躍しづらい職業です。特に身分の低い人間と一緒に行動することは、軍事行動を除けばほとんどないでしょう。そのため、シナリオを選んで登場させなければ、立場やプライドが邪魔をして思うように行動できない可能性があります。 ○コネクション 他の貴族と同様に上流社会との繋がりがあり、特に自分が属する貴族とは深いつき合いです。仲間の騎士や上の貴族が掴んだ情報は、必ず耳に届くでしょう。ただし、騎士の間にも派閥はありますので、足を引っ張り合うこともないとは限りません。 先頭へ
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失貴族
○解説 失貴族には2つのタイプがあります。1つは近年になってから革命や国家制度の変更などで領地や権力を奪われた貴族のなれの果てです。これらの代表的な例は革命が起こったルクレイド、制度変更のあったユノス、エストルーク連邦国家、そしてセルセティア南島です。 彼らの立場はさまざまです。革命で領地を追われた者は国外に逃亡していたり、あるいは地方の小さな町に隠れ住むように生活していたりしますし、制度改革によって権力を奪われた者は一般市民とかわらない暮らしぶりだったりします。中には乞食に身を落としていたり、人買いに騙されて娼婦になっていたりすることもあるのです。ほとんどはかつての栄光を思わせることのない悲惨な境遇にいるようですが、彼らの中にはプライドだけは一人前という者も多く、一般的な職場では使いものにならない場合もあります。 失貴族の設定は自由です。何かの職業についている場合には、そちらのデータを参照して技能などを習得して下さい。そうでない場合は、支配貴族のデータを参考にすればよいでしょう。所持品や財産レベルについてはGMと相談して決めて下さい。 ・失貴族の主な存在国家 ・貴族の存在国家(タイプ) ○条件貴族の家柄に生まれたということ以外に、特に必要な条件はありません。 ○注意点一般的なシナリオでは、失貴族という立場を活かすには不十分だと思われます。周囲とのギャップを演出することはできますが、積極的にその境遇を利用するには、失貴族をシナリオの内容に絡めた方が効果的です。なるべくであれば、政治に関係するシナリオで登場するべき職業でしょう。 先頭へ
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