概要
○目的
このタイプのシナリオは、怪奇現象や不死者が起こす騒動を解決することです。しかし不死者といえども、ただ人間を襲うだけとは限らず、何らかの心残りを抱えていることも多いものです。このような場合は、単純に相手を倒すよりは、騒動の根本的な問題を解決することを目指すべきです。
○楽しみ
・恐怖
恐怖とそれが醸し出す雰囲気を味わい、追いつめられてゆく過程を楽しむというのがホラー系シナリオの醍醐味でしょう。かといって、死ぬこと自体を楽しみとするべきではありませんし、それを意図的に行うのはシナリオへの参加を放棄しているも同然です。
プレイヤーは何よりも生き残ることを最優先としなければなりませんし、かつ課題をクリアすることを目的として下さい。GMが設定した目的が逃亡することでなければ、逃げるだけではシナリオをクリアしたことにはならないのです。・心理
心理サスペンスのような題材もホラーシナリオの1つとして考えることができます。人間心理の不可解さや怖さといったものを、存分に味わうことができるでしょう。・心霊
心霊現象など、日常では決して出会わない出来事に触れるのも、ホラーシナリオの楽しみの1つです。・調査
過去に起こった事件などを調査することが、課題を解決するための条件である場合があります。ホラーシナリオの場合は、調査を進めることで事件の真相に近づく一方、逆に引くことができない状況に陥ったりします。そのような葛藤を楽しむこともできるでしょう。
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舞台
ホラーシナリオはどの国家でも遊ぶことが可能です。ただし、科学的な解明をまじえてシナリオを展開したい場合は少し科学が進んだ国家で、逆に迷信などを題材に扱う場合はアルメアのような後進国を選ぶといった微調整を行った方がよいでしょう。
なお、特にこれといったシナリオが思い浮かばない場合は、一部地域に特徴的な題材を扱ってみるのもよいでしょう。たとえば国家のパートでは、悪魔崇拝者のいるカイテイン帝国、リビングデッドが多く出現するユークレイやメルリィナ、夢魔現象が起こるルクレイド、吸血鬼が出没するソファイア、霧魔のあらわれるロンデニアなどが例として示されています。
他にも異世界を用いて仕掛けをほどこすこともできますし、ペルソニア大陸の遺跡などを題材に扱っても、魅力的なシナリオをつくることができるでしょう。ルワール大公国に出没する鏡魔のような存在もまた、単なる怪物としてではなく恐怖を与える仕掛けとして使うことができます。
○閉鎖空間
ホラーシナリオをつくる上でお奨めの舞台は、簡単に逃げ出すことができない限定的な空間です。人里離れた山村や館などは、ホラーの定番といえるでしょう。静かな休暇を求めて郊外の別荘地に遊びに来た結果、事件に巻き込まれてしまうこともありますし、相手に閉じ込められてしまうという状況も考えられます。
逆に、相手が襲ってきやすい開放された空間というのも、襲われる側からすれば非常に厄介な場所といえるでしょう。路地裏の暗闇のように周囲の状況がわからない場所もまた、決して油断のできない空間です。他にも下水道や地下墓地、あるいは廃屋といった普段は足を踏み入れないようなところも、恐怖心を呼び起こすいい舞台となるでしょう。GMは舞台監督にでもなったつもりで、雰囲気をつくり出すと同時に様々な仕掛けを施してみて下さい。
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その他
○技能
単に怪物を退治するためだけのシナリオよりは、恐怖が生み出すフレーバーを楽しむものとするべきでしょう。そのため、むしろ術法は不要といえます。特に直接的に不死者を倒す術法などは、恐怖シナリオを楽しむためには認めるべきではありません。
必要なのは、恐怖を霊感や観察といった受動的に用いる技能や、調査に関する技能です。情報収集が重要視されるシナリオでは、記憶や判断といった技能が重要となるでしょう。
○物品
ホラーシナリオで遊ぶ時は、情報を少しずつ明かすことで、恐怖を解決できる問題にすり変えてゆくことが多いと思われます。そのための仕掛けとして用意されるのが、過去の文献であったり、手紙や日記といった情報を書き残したものです。エルモア地方では、すでに新聞や書物などが普通に手に入る時代にありますので、古い新聞記事や警察の記録から過去の事件の情報を手に入れたり、図書館でその地方のことを調査するといった手段を選択することが可能です。
また、恐怖をテーマに扱うシナリオでは、ある物品が事件を解決する鍵となることがあります。それは、古ぼけた一枚の写真であったり、あるいはきちんと埋葬されないまま放置された故人の骨であったり様々です。こういった物品がシナリオを解決するための決定的な手段となるのであれば、特にこれといった技能を持たない一般人でも、問題なくシナリオに参加することができます。また、このような切り札的な存在を頼みに行動を起こすのは、非常に緊迫感溢れる心理状況を生み出します。それが有効であるという確証がなければなおさらのことです。なお、ホラーシナリオでは特に武器を必要とするわけではありません。ですが、かなわないと知っていながら武器をふるうというのも、恐怖を演出する手段として効果を発揮するでしょう。
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