概略
○解説 記者や探偵など、分野を問わず情報を取り扱う職業人がこれに含まれます。仕事柄、交渉や潜入工作の技術が必要である場合もありますし、高い判断力と知能が要求されたりします。交渉や駆け引きを主体とする職業の場合、一般常識や倫理観、それから社会人としての経験も必要となるでしょう。 ○注意点 記者や探偵といった職業は、戦闘が主体というものでさえなければ、だいたいのシナリオに積極的に関わることができるでしょう。町中では有効な技能を多く習得しておりますので、非常に使い勝手がよい職業です。 先頭へ
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記者
○解説 印刷技術の進歩により、現在のエルモア地方では新聞や雑誌が発行されるようになりました。記者はそういった媒体を通して、世間にいち早く情報を伝えるために奔走する職業です。多忙をきわめる仕事ですが、同時にやりがいのある職業と考えられています。記者は新聞社などに勤める者だけでなく、フリーのライターも含みます。マスメディアの記事作製に関わる者は、とりあえず記者を名乗ってさしつかえありません。 記者に必要とされる能力はたくさんあります。交渉技術や記事を書くための豊富な語彙などもそうですし、直感といったものも大事とされますが、記者になるためには何より社会全体に対しての広範な知識が要求されます。フリーの記者はそれほど学歴を問われることはありませんが、地方の小新聞社でも高等学校以上、大新聞では大学校以上の学歴が必要とされます。そう簡単になることができない職業だけに、人々は憧れを抱くのです。 記者はシナリオ中で非常に扱いやすい職業といえます。町中でのシナリオであれば大抵の事件に関わることができますし、交渉や情報収集の場ではその能力を存分に発揮することができるでしょう。また、彼らには事件に費やすための時間的な余裕もあります。それそのものが仕事なのですから、締め切りさえきちんと守れば誰にも遠慮する必要はないのです。会社に勤める記者であれば、取材にかかった費用を経費として落とせる場合もあります(内容にもよりますが)。 ○条件記者になるためには、ある程度の学力を要求されるのが普通です。会社に所属する記者の場合は、最低でも中等学校を卒業していなければなりません。なお、先進国家や大都市の新聞社の場合は、もっと高い学力が要求されることも少なくはありません。フリーの記者の場合は、特に必須とされる条件はありません。 ・経歴 ○注意点 記者といっても千差万別で、その信用は主に印刷物に左右されることになります。大新聞の記者ならば信用を得やすいでしょうし、ヘタにゴシップ誌の名前など出そうものなら、取材対象と一切のコンタクトが取れなくなることも考えられます。ましてや素性の知れないフリーの記者となると、取材内容にもよりますが、よほどうまく立ち回る必要があるでしょう。それから、イエロージャーナリズムやスキャンダルメーカーと呼ばれる、俗悪な記事を書く(あるいはでっちあげる)記者たちに至っては、身分を偽って活動することが多いようです。 ○コネクション 記者は幅広い分野の人につながりがあります。同業者はもちろんのこと、今まで取材した人間や連載作家、それから関連業者にも知り合いはたくさんいるでしょう。情報屋や刑事などの職業人とも親しい場合がありまし、裏社会の人間と交流がある記者も存在します。 先頭へ
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探偵
○解説 探偵は依頼によって特定個人の調査を行ったり、あるいは犯罪事件を捜査したりする人間です。私立探偵という存在があらわれたのは最近のことで、これは人口増加やさまざまな職種や業界での制度の変化、それから犯罪手口の複雑化といった事情が生み出した職業ということができます。 ○条件私立探偵になるために必須とされる条件は特にありません。自ら探偵を名乗れば、探偵として成立してしまいます。 ○注意点探偵の仕事は、時には犯罪すれすれの行為を要求されたり、あるいは完全に犯罪行為だったりすることがあります。話の都合上、仕方なくということであれば問題ではないのですが、自ら選んで犯罪まがいの行動を取ることは、場合によってはシナリオ進行の妨げとなったり、あるいは他のキャラクターと敵対することになりかねません。なるべくGMと相談した上で設定することが望ましいでしょう。 ○コネクションそれぞれタイプによってつき合いの範囲は異なります。推理探偵は警察や法律家、あるいは新聞記者や情報屋といった相手と交流があるでしょう。その他のタイプは仕事の内容によって千差万別ですが、契約者や専門分野の人間にコネをもっていることが多いはずです。犯罪まがいの仕事を主とする探偵は、当然ですが裏組合とも何らかの関係を持っていることでしょう。 先頭へ
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斡旋人
○解説 店を構えて職業安定所のような形で人々に仕事を紹介する仕事で、口入れ屋と呼ばれることもあります。職業斡旋や人材派遣、あるいは賃貸契約などの仲介業務を行い、紹介料を取ることで生計を立てています。地元地域に関して非常に詳しく、よほど悪徳なことさえしなければ、地域住民からは信頼される立場となります。そういった性格の職業であることから、地域の相談役としての役目も負っており、様々な厄介事が持ち込まれることも少なくありません。 ○条件斡旋人として信頼されるにはある程度の学力が必要となります。だいたいは中等学校以上の普通学校を卒業しています。実際の業務に必要な知識は働きながらでも身につけられるのですが、派遣先の業務内容を理解したりするには、それなりの下地が必要ということでしょう。特に昨今は社会情勢や産業形態の移り変わりも激しいので、より幅広い知識が要求されることになるのです。 ○コネクション 仲介人たちは独自のネットワークを持っています。たとえば要注意人物の情報などは、金銭的な代償なしで仲間に伝えます。これは組合ではなく緩い仲間意識のようなもので、何の強制力もありません。彼らのネットワークは冒険者組合とも混じり合っておりますし、乞食組合との関係も深いようです。中には裏組合と繋がりがある者もいます。 先頭へ
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交渉人
○解説 交渉の場において、依頼人の代理となって取り引きを行う者を交渉人といいます。彼らに交渉を頼む利点というのは、もちろん彼らが巧みな交渉技術をもつということもありますが、それ以上に地域や分野の伝統や慣習に通じている存在だからです。最近は資本家による工業用地の買収や、職業組合との話し合いなども行われるようになっています。そういった席で双方の調停を行ったり、あるいは事前に根回し工作を行ったりすることもあります。 ○条件交渉人は弁が立たなければ仕事にならないのはもちろんですが、常に社会状況に目を向け、さまざまな情報を収集しておく必要があります。そして、その情報をもとに的確な判断を行うだけの知識を持たなければなりません。ですから、最低でも中等学校を卒業する程度の学力が必要とされます。企業や国家からの依頼を受けて交渉を行う者などは、高等学校や大学校以上の学歴がなければ信頼されないでしょう。 ○コネクション 斡旋人を含めた仲介業者たちは、彼ら独自のネットワークを持っています。交渉人が斡旋人の仲介によって仕事を得たり、あるいは仕事内容に相応しい能力を持った人間を斡旋人に紹介することもあります。 先頭へ
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案内人
○解説 旅行者を相手に都市の観光案内をする職業です。地域の地理や歴史、それから交通や店などといった情報に詳しく、知らない町を歩く時には非常に重宝される存在です。馬車の御者がこれを兼ねている場合もあります。 ○条件案内人になるために必須とされる条件はありません。学歴も必要なく、地域の地理や情報に詳しければ、誰でも案内人となることができます(縄張りの問題などは無視できませんが)。 ○コネクション観光協会がある地域では、案内人はそこに所属していることもあり、仕事を紹介してもらったりできます。それから、特定の店と契約を結んで、その店へ優先的に客を案内する者もいます。案内人は客引きの役目を果たすわけで、もちつもたれつの関係といえます。しかし、あくまでも店の方が立場が上です。ですから、あまり図々しい願い事を申し出るというわけにはゆきません。しかし、ちょっとした情報なら問題なく教えてもらえることでしょう。 先頭へ
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情報屋
○解説 情報屋はその名の通り、情報を売買することで生計を立てています。それぞれ専門分野があって、経済関連を主要分野とする者もいれば、またある者は裏社会に詳しいといった具合です。一般的にはまともな職業とは考えられておらず、チンピラ扱いされるのが普通でしょう。 ○条件情報屋になるために必要な条件は特にありません。ですが、裏社会で仕事をする場合には裏組合などの組織に顔を通しておく必要があるでしょう。 ○コネクション情報屋はそれぞれ別個の情報網を持っています。職業団体と深い親交がある情報屋もいれば、特定の会社や新聞社、あるいは警察や裏組合と繋がりを持つ者など、非常に多岐に渡っています。それから情報屋同士でも情報を売り買いしますし、乞食組合ともつき合いがあるでしょう。 先頭へ
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民間諜報員
○解説 民間のスパイ組織に勤めたり、あるいは貴族や為政者のために働く諜報員です。仕事の内容は軍の密偵と同じようなもので、相手組織の内情を調査したり、密書を届けたりといったことをします。ただし、決まった養成過程を経ているわけではありませんので、最低年齢はありません。また、必ずしも誰かに仕えているわけでもなく、フリーで仕事をする者も存在します。どのような組織に属するのかは、GMと相談した上で決定して下さい。フリーの諜報員は私立探偵やその他の一般人を装ったりすることが多いようです。 ○条件民間の諜報員は軍の密偵と違って、特定の教育課程があるわけではありません。組織に属している場合は、その組織ごとに訓練内容が異なりますし、フリーの場合は自分で必要な知識や技術を身につけなければなりません。過去に軍の密偵や刑事だった人間が民間諜報員として活躍している場合もあります。 ○注意点密偵と同様、民間諜報員は参加するシナリオを選ぶ職業です。その技能が活かされるシナリオというのは、軍事や政治、あるいは機械などの分野になるでしょう。また、他のプレイヤーにその正体が明かされていない場合、下手をすると参加者同士で足の引っ張り合いになってしまうことでしょう。それが想定されていない場合、プレイ時間を無駄に長引かせることになってしまうかもしれません。ですから、諜報員という職業を選ぶ場合は、GMや他のプレイヤーとよく相談するようにして下さい。 ○コネクション諜報員が確実に利用できるコネといえば、自らが所属する組織と依頼人でしょう。他は個人の経歴や組織の形態によって異なります。以前にどこかの組織に勤めていた場合は、その人脈を頼ることができます。また、裏社会の情報網を利用することもないわけではありません。 先頭へ
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通訳
○解説 エルモア地方では各国の言語にはそれほど違いがありませんので、通訳が活躍するのは奴隷の教育係としてか、あるいはペルソニア大陸となります。基本的には、PCというよりNPCがなる職業でしょう。しかし、人種問題が絡むシナリオや、ペルソニア大陸での探険シナリオなどを行う場合においては、通訳は非常に面白い役目となることでしょう。通訳がいなければ必要な情報は相互にゆきわたらないのですから、必ず人間関係や情報の中心となります。立ち回り方によっては、シナリオの核として活躍することができるはずです。 ○条件特に必須とされる条件はありませんが、多くはペルソニアの植民地で生まれ育った者です。 先頭へ
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翻訳者
○解説 エルモア地方では共通語が存在しますので、彼らの仕事は近隣諸国の書物の翻訳がメインではありません。それぞれの母国語には方言程度の差違はありますので、それらの翻訳も皆無ではないのですが、主に彼らに期待されるのは歴史的な資料の翻訳作業なのです。 翻訳者は単純な作業を行う者ではなく、確かな裏付けを持った知識人です。ですから、普通は大学校を卒業していなければ、この仕事に就くことはできません。そのような人間でありながら、彼らはなぜ研究者を目指さなかったのでしょうか? それは、彼らの多くは組織のしがらみを嫌う気質だったり、あるいは名誉や財宝を夢見る者であったりするからです。学会や教育機関とソリが合わなかった者もいるでしょう。見方によっては落ちこぼれやはみ出し者であるともいえますが、彼ら自身は自らの求めるものを追い続ける、自由なる探求者であることを誇りに思っているのです。 ○条件多くは大学校卒業以上の高度な教育を受けています。 ・経歴 ○注意点基本的には冒険、それも裏設定が絡むシナリオ向けの職業です。非常に特殊な立場にいる人間なので、GMとよく相談してから選んだ方がよいでしょう。逆に発掘を主体とするシナリオでは、彼らがシナリオ進行の鍵を握ることもあります。 ○コネクション 狭い業界なので大方の人間は名前を知っていたり、顔見知りであったりします。ただし、派閥などの問題があるため、仲の悪い相手も少なくないでしょう。確実にコネがあるのが、かつて所属していた学術機関や研究者たちです。ただし、すでに彼らとは袂を分かっているともいえるので、そう簡単に頼るわけにもゆきません。もっとも同業者はライバルでもあるので、あえて手を組む必要もあまりないでしょう。どうしても参照したい文献があったりした時に、頼み込んで見せてもらうといった程度になると思われます。 先頭へ
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