機械


 


 シナリオの内容によっては、機械に関する情報を集めなければならないこともあります。たとえば犯罪に機械が利用された場合は、それも捜査項目に含まれることになるでしょう。また、自分が望む機能を持った機械が存在するのか、そしてどこへ行けばそれが手にはいるのかといったことも、調査しなければならない情報の1つとなるのです。


○機械の素性

 機械の現物がそこにあれば、それ自体から様々な情報を得ることが可能となります。機械の機能がわからなければ、機械知識:機械学(専門:知+記憶)の判定によって作動原理や使用方法を判断することができます。ただし、機械の作動には危険をともなう場合もあるので、むやみに動かすのはなるべく避けた方がよいでしょう。
 用途がわかれば、所有者を探すにもかなりの絞り込みができるでしょう。専門機械はそれを作製するメーカーも少ないはずですし、使用する場所も限られています。現場をあたってみれば少なからず情報が手に入るはずです。
 もし作動原理がわからない場合でも、機械の出所を特定する方法は存在します。たとえば、まったくの新しい技術が導入されている品だとしたら、特許品として申請されている可能性が考えられます。特許の申請は法律分野に含まれるので、法律家や役所の申請書類をあたってみればよいでしょう。研究者や発明家を頼るのも手段の1つです。

 刻印などがあれば、メーカーなど制作者の情報を得ることができます。メーカーが有名ではなかったとしても、役所や組合などどこかに登録されているのが普通です。また、同じ業者の人間に尋ねてみれば、断片だとしても何かの手がかりが得られることでしょう。もし刻印がない場合でも、何か特徴的な部品が使われていれば、部品メーカーの方から購入者を割り出すことができるかもしれません。霊子機関が使われていれば、エンジンの方からルートを辿ることもできるでしょう。
 塗料や模様、それからデザインにも制作者の特徴が反映されます。特定のメーカーが好むスタイルも存在しますし、潮風やその他の化学物質による腐食を防ぐ目的で、特別に厚く塗料が塗られていることもあります。何かを意匠化したマークなどが描かれていれば、それも立派な判断材料となります。

 それから、機械の使用状況も手がかりの1つといえるでしょう。修理した痕跡があれば修理工場で何か情報を得られるかもしれませんし、錆や型式からどれくらい使い込まれているかが判別できれば、メーカーの設立からの年数と合わせて絞り込みを行うことも不可能ではありません。
 所有者の特定だけでなく、車輪についた土や本体の傷から使用されている場所を判断したり、燃料の減少具合から走行距離を推測することもできるでしょう。それから珍しい植物の葉が中に紛れ込んでいることもあるかもしれませんし、内装から出所を探し当てることができるかもしれません。


○機械の入手

 シナリオを進めてゆくうちに、特定の機械が必要となることもあるでしょう。その場合は、誰かに借りたり自分で購入しなければなりません。もし、その機械が一般には出回っていないものであれば、特別に作製してもらったり、個人で開発したものを借り受けることとなります。

 一般の店舗で扱っている機械であれば、地域情報:地域知識(専門:知+記憶)の判定に成功すれば、問題なく探し当てることができるでしょう。たまたま店になかったとしても、尋ねれば他に取り扱っていそうな店舗や、作製している工場や工房の場所を教えてくれる可能性があります。
 市場に出回っていない機械を探し出すのは少し困難なことになります。あまりにも限定的な用途にしか使用できない機械は、存在するかどうかも定かではありません。また、求める機能が先進的過ぎても作製できる人が殆ど存在せず、探し出すのはまた一苦労となることでしょう。
 このような場合は機械そのものではなく、作製できそうな技術を持った人を探し出す方が早いでしょう。直接工房に問い合わせてみたり、研究機関を当たってみるのも有効です。それから、有名な発明家は専門誌で取り上げられている可能性もありますので、出版社の編集部を訪ねてみるという手段もあります。また、学会などの組織から辿るのであれば、学会誌の出版元を調べてみてもよいでしょう。これらは大きな図書館でも集めることができる情報です。
 もっとも、探し当てた相手に技術があったとしても、依頼を引き受けてくれるかどうかは別問題です。キャラクターの交渉の仕方次第では、相手の機嫌を損ねてしまう可能性も考えられます。それから時間、資金、場所、作業員といった物理的な要素も充たされていなければなりませんし、相手の都合が悪ければどうにもならないでしょう。無理な頼み事は時間の浪費に繋がる可能性もあり、またそれなりの代償を覚悟しなくてはならないということを忘れないようにして下さい。


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