竜族/純血竜

長竜小竜飛竜双頭竜甲竜海竜妖精竜


長竜(テイル・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  4
影響度  5
◆名称・分類(一般:±0)
名称  長竜(テイル・ドラゴン)/ワーム
一般認識  一般動物/脅威/大蛇
利用法  食肉(まれ)、鱗など
外見  外見は体長10mほどの大蛇で、体は大人では抱えきれないくらいの太さになります。顔はトカゲによく似ており、扁平ではなく横幅よりも縦幅のほうが若干あるようです。頭頂部から首にかけて、トサカ状の鱗もわずかに生えています。体色は背中がくすんだ緑色で、腹側はクリーム色です。鱗は蛇よりも大きく、光沢があって透き通っています。頭には長さ20〜30cmほどの2本の角が生えていますが、先は真っ直ぐではなく、上に向かってわずかに反り返っています。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
 気力:21/
 自我:12/
12 11  活力:24/
18 20  生命:41/
打撃  牙:4/尾:2
防御  鱗:5
移動力  2(+5)/水中4

◆戦闘(一般:+3)
 主に鋭い牙で噛みついて獲物を倒し、そのまま丸のみにしようとします。普通の大蛇とは異なり、獲物に巻き付いて締め付けることはありません。突然、巣穴から飛び出して獲物を捕らえることが多いようで、身を守るためにはまずその痕跡を見つけることが重要です。獲物を確認せずに飛び出してくるので、罠には簡単に引っかかってくれますが、倒すのはなかなか容易ではありません。また、攻撃を受けた場合はすぐに巣穴に引っ込んでしまい、なかなか外に出ようとはしません。そのため、煙などでいぶして外に出そうとするのが一般的な方法です。ただし、巣穴がダメになると水の中に逃げてしまうこともあるので、狩るのはなかなか難しいようです。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/ヘビ
生息地  全域:山地、特に峡谷に多く生息
活動期  通年/昼行性
出現頻度  きわめてまれ
出現数  動物なみ
反応  中立
調査法  専門書/研究者/狩人/竜の一族など
弱点  なし
 角のある珍しい大蛇で、滅多に出没することはありません。山地の谷間などに穴を掘って巣をかまえ、近づいてきた動物を捕食します。基本的に湿った場所を好むようで、巣の近くにはたいてい河川が流れています。角は攻撃ではなく巣穴を掘るために使用します。巣穴は湿った土を横に掘ったもので、幅、深さともに体の2倍程度となります。
 普段は大型の草食動物を捕食しますが、目があまりよくないためか、巣の近くを通ったものにはとりあえず飛びかかり、口に入れてみて食べられるものかどうかを判別するようです。そのため、人間が犠牲になることもあり、出没した場合は駆除するというのが一般的です。体重が重いので、湿った土にくっきりと移動の痕跡が残り、発見するのはさほど難しくはないようです。ただし、獲物は丸のみにしてしまうので、食べ残しから判別することはまず不可能でしょう。
◆詳細(専門:+2)
分類  無肢動物/竜類/長竜類
属性  聖気
知能  動物なみ
感覚  通常/視力(弱化)/嗅覚(強化)
状態変化  通常
 個体数が極端に少ないようで、研究はあまり進んでいないというのが実状です。ただ、骨格には四肢および翼の痕跡のようなものがあり、そのために竜の一種として考えられています。鱗も爬虫類のものよりもずっと丈夫で、脱皮も行わないようです。年齢は鱗の大きさで判別することができますが、だいたい20年以上は確実に生きるようです。
 単独生活を行っており、複数の個体で生息域が重なっている地域は今のところ確認されていません。交尾の状況やなわばりの有無などにも謎が多く、他個体とのコミュニケーションをどのように取っているのかについて、研究者は興味を示しています。なお、卵胎生のようで、子供は成体と同じ形で生まれてきたという報告が1例あります。
 基本的に、水場に近づいてきたシカなどを捕食しているようですが、肉食動物も餌としているようです。また、死体も捕食するらしく、ニワトリなどの死体を囮におびき寄せることも可能です。なお、水中から現れて、水の中にイノシシを引きずり込んで倒したという報告もあり、泳ぎは不得意ではないことがわかっています。

◆バリエーション(専門:+4)
 海棲の亜種がいるようで、岩礁帯などで数例発見されたことがあります。
 北部には角が大きい亜種がおり、これは地面に縦穴を掘ることで知られています。巣穴の入り口は塞いでしまうため、見分けるのはなかなか難しいようです。
 滝の裏側や滝壺の付近に巣をつくることが多く、滝壺の主として伝承に残っている場合があります。


小竜(レッサー・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  2
影響度  4
◆名称・分類(一般:±0)
名称  小竜(レッサー・ドラゴン)
一般認識  一般動物/脅威/竜
利用法  なし。まれに鱗などを利用
外見  頭胴長4〜6mくらいの小型の竜で、長さ3mほどの尾を持ちます。全身が硬い鱗に覆われており、体色は緑、茶、褐色、赤など様々のものがいます。頭部の形状や体型はトカゲによく似ており、胴や四肢はがっちりしています。背中にはコウモリによく似た形状の翼が生えており、翼開長は6〜8mほどにもなります。頭部から肩、それから尾の尖端部には一列にならんだ鋭い棘が生えています。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
12 12  気力:22/
10  自我:20/
10  活力:24/
18 19  生命:38/
打撃  牙:3/爪:3/炎の吐息:効果値10
防御  鱗:4
移動力  2(+10)/空中10
◆特殊能力(一般:+2)
  能力 距離 時間 範囲 威力 抵抗

火炎の無効化

飛行

炎の吐息

一瞬

半径10m
(90度)

効果値10

肉体

◆戦闘(一般:+3)
 さほど気性は荒くありませんが、空腹の時は人間を襲うこともあるので注意しなければなりません。彼らは体が大きく空を飛ぶこともできるため、走って逃げたり木に登ったりしても、多くの場合は無駄に終わるでしょう。また、狭い場所に逃げてもまったくの無駄です。彼らは口から高熱の炎を吐き、半径10mの半円状の空間を焼き払うことができるのです。この炎に耐えるには、難易度10の肉体抵抗に成功しなければなりません。
 もし運悪く出会ってしまったら、相手を刺激しないように正面を向いたまま後ずさり、ゆっくりと茂みの中へでも姿を隠すのが襲われにくい逃げ方とされています。もし襲われた場合は、相手の目をくらますようになるべくジグザグに走って、障害物があればその中へと逃げ込みましょう。水中へ逃げ込むのもよい方法です。彼らは餌場である森や草原を焼き払うようなことは殆どしませんし、よほどの飢餓状態でもなければ水の中まで追ってくることはありません。空から襲われた場合は、逆に一度伏せて身を隠すのがよい方法です。なお、上空から接近する場合は、獲物を囲い込むように大きく旋回する性質があります。これは群れで生活する草食動物を襲う時などにも見られる行動です。
 こちらから戦闘をしかける場合は、遠距離から飛び道具で攻撃するのが賢明な方法と言えるでしょう。また、落とし穴などに刺殺するための罠を仕掛けるのも賢明なやり方と言えます。仮に殺すことはできなくとも、四肢に傷を負えばその巨体を支えるのは困難です。あとは飛んで逃げられる前に仕留めるか、翼に傷をつけてしまえば倒すのも時間の問題となるでしょう。この際にも、炎の吐息に焼かれないように、離れた場所から攻撃することを忘れてはなりません。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/竜
生息地  全域/草原、荒原、山地、森林など
活動期  通年/昼行性
出現頻度  きわめてまれ
出現数  単独〜数体。複数でいる場合は家族
反応  中立。空腹時でなければ、あまり襲われる危険はない
調査法  専門書/研究者/竜の一族/狩人など
弱点  なし
 一般的に知られている中では最も典型的な竜です。肉食性で、シカなどの大型の草食動物などを捕食します。非常に多様な環境で生息していますが、個体数そのものは非常に少ないようです。なわばりは広域で、水場を中心に半径40キロ以上を猟場としています。日中はこの中を徘徊して餌を探し、夜間になると水場近くの巣穴へと戻って休息をとります。空を飛ぶことができるので上空から餌を探し、草食動物の群を見つけると降りてきて、これを捕獲します。他の生物には中立的な態度を取るのが普通ですが、まれに人間になつくものもいます。ジグラットの竜の一族は、この小竜を操って生活の糧を得ます。
◆詳細(専門:+2)
分類  六肢動物/竜類/正竜類
属性  中立
知能  低い
感覚  一般/視覚(強化)
状態変化  通常
 四肢とは別個に翼骨格のある、典型的な六肢動物の体構造を持っています。鳥類とは異なり骨の密度も高く、構造上飛ぶには適していないようですが、かなりの速度で飛ぶことができます。また、翼の骨格には用途不明の穴が空いていたり、脳の側部に通常の動物には存在しない器官が存在したりと、かなり謎の多い動物です。
 知能は比較的高く、人間の幼児なみの理解力をもちます。また、警戒心も強いため騙されにくく、罠をしかけてもなかなか引っかかりません。ただ、塩分を好むようで、岩塩や土を舐めたりする姿が確認されています。竜の一族が最初に手なずける時も、岩塩を利用するようです。
 なわばりは個体同士で殆ど重ならないようですが、オスとメスでは共有する部分もあります。なわばりを示す印として、木の幹や根の部分に爪で傷をつけるようです。なお、オス同士が出会っても威嚇し合う程度で、餌の取り合い以外で争うことは滅多にありません。

◆バリエーション(専門:+4)
 炎ではなく氷の吐息を吐いたり、雷を吐き出すという噂もあります。しかし研究者たちは、これは真竜の幼生であったり、あくまでも伝説やお伽話の中での話としてとらえています。
 ペルソニア西部に住む亜種は、体長3〜5mほどと小柄で体が丸みがかっており、全体に鈍重な印象を与えます。飛行する時も斜面を駆け下りなければ飛び立つことはできないようです。
 水中生活を送る小竜が存在するという話ですが、他の竜族と見間違えたのだろうという説が有力です。

◆未知
 竜の一族は小竜の体にあるツボの位置をよく心得ています。彼らは履き物の踵につけた突起物や杖でツボを刺激し、小竜に命令を与えるのです。なお、このツボの位置は一族の秘伝の1つであり、部族の中でも選ばれた者にしか伝えられておりません。


飛竜(ウイング・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  3
影響度  6
◆名称・分類(一般:±0)
名称  飛竜(ウイング・ドラゴン)
一般認識  一般動物/脅威/竜
利用法  なし
外見  頭胴長9〜12mほどにもなる竜で、全身は緑色の細かい鱗に覆われています。顔はコウモリに似ていますが、耳にあたる部分はなく、頭部中央から首にかけてトゲが生えています。前足は大きなコウモリ状の翼になっており、先の方に親指と人差し指にあたる鈎爪がついています。尾は細く4mほどの長さがあり、尖端の方に針が生えています。全体に細身で、大きさのわりに体は軽いようです。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
12 10  気力:24/
 自我:14/
13 11  活力:25/
17 18  生命:31/
打撃  牙:2/爪:2/尾針:3
防御  鱗:4
移動力  2(+5)/空中11
◆特殊能力(一般:+2)
  能力 距離 時間 範囲 威力 抵抗

飛行

尾針のダメージ毒

接触

一瞬

1対象

効果値9

肉体

◆戦闘(一般:+3)
 空を飛んで移動し、飛翔したまま後肢の鈎爪で敵を攻撃します。獲物が小さい場合には高空から急下降して、そのまま後肢でわしづかみにして巣へと持ち帰ります。小型の動物は、つかまれた時に内臓破裂や脊椎にダメージを受けて死亡してしまいす。獲物が大型の動物の場合は狩猟法が異なり、獲物を押し倒してから頸部を噛み切り、絶命させてから死体を持ち去ります。獲物が大きすぎる場合にはその場で食べ、残りを巣穴へと持ち帰るようです。
 なお、飛竜にはやや長めの尾があり、その先には猛毒をもつ針があります。この針の攻撃を受けて傷を負った場合には、難易度9の肉体抵抗の判定に成功しなければダメージを受けてしまいます。獲物があまりに暴れる場合は、噛みつくだけでなく針でも攻撃をするようです。基本的に一撃離脱の攻撃法を好み、地上での戦闘をなるべく避けようとするため、あまりに反撃を受けた場合はすぐさま逃げ去ってしまいます。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/竜
生息地  全域/山岳地帯、高地など。比較的、乾燥した場所が多い
活動期  通年/昼行性
出現頻度  きわめてまれ
出現数  単体
反応  中立
調査法  専門書/研究者/狩人/竜の一族など
弱点  なし/歩くのが不得意なため、皮翼が傷つくと移動が困難になる
 空を飛ぶ竜で、手に当たる部分が皮翼になっています。岩場の隙間や洞穴などに巣をつくっており、森林や草原に降りてきて大型の草食動物などを襲います。非常に力が強く、小型のシカくらいであれば、鈎爪でつかんだまま空を飛ぶことができます。
 滅多に姿を現わすことはなく、生息するのも風の強い地域に限られるようです。非常に手強い相手であり、あまり利用法もないことから、見かけたら身を隠してやりすごすのが賢明です。しかし、まれに牧草地に現れて牧牛などを狙うことから、どうしても狩らなければならないこともあります。そのような場合でも、一般の狩人には手に負える相手ではないので、獣狩りなどの専門家に頼むことになるでしょう。
◆詳細(専門:+2)
分類  爬虫動物/四肢動物/皮翼トカゲ類
属性  聖気
知能  動物なみ
感覚  一般/視力(強化)
状態変化  通常
 一般的には竜の仲間と思われていますが、生物学的には爬虫類の一種に分類されています。鳥と同じく骨の内部は空洞となっており、大きさほどの体重はありません。足の筋肉は発達していますが、これは獲物をつかむためのものであり、歩くのはあまり得意ではないようです。体が大きいので、それなりの速度で移動することはできますが、あまり長い時間は走ることができません。
 行動圏は非常に広域で、半径数10km以上を徘徊するといわれています。また、季節によっても住処を変えるらしいのですが、地域によって基準ははっきりとしていません。基本的に高地に生息するので研究は進んでおらず、なわばりの有無などについても、あまり正確なことはわかっていないのです。
 行動時間は比較的限られているようで、動き始めるのは正午近くなってからです。これは体が温まらないうちは動きが鈍いためで、朝になると皮翼を広げて岩場の上で日光浴をすることが確認されています。また、あまり長い時間狩りを続けることもないようで、1時間おきくらいに巣に戻って休息し、再び猟場に出かけるといった具合です。
 雨の日は活動せずに巣穴で体を丸めて休息しています。一般に水を嫌うものと考えられており、水分を補給する姿も今まで確認されておりません。季節による住処の移動も、雨の多少に左右されるのではないかという説もあるくらいです。しかし、巣穴自体はひんやりとした場所を選ぶようですし、その奥に湧き水が発見されたこともあるので、実際のところは定かではありません。
 なお、餌を蓄えておく習性があり、大きめの獲物を捕まえた場合は、巣の奥に隠しておいて少しずつ食べるようです。そのため、巣穴の外に骨などが捨てられていることもあります。
◆バリエーション(専門:+4)
 翼が4枚の珍しい亜種を見たという記録がありますが、別種の動物か変異体ではないかと考えられています。
 新大陸エスティリオにも、これと似た動物が存在したという報告があります。亜種ではないかと考えられていますが、詳しい調査はなされていないので、正確なところは全くわかりません。


双頭竜
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  5
影響度  2
◆名称・分類(一般:±0)
名称  双頭竜
一般認識  一般動物/脅威/竜
利用法  なし。まれに鱗など
外見  体長3mほどの竜で、首は二股に分かれており、それぞれに独立した頭をもちます。頸部の長さはだいたい1mほどになります。普通の竜に比べて頭は丸く、牙はやや長めです。体色はあずき色に近い赤で、模様はありません。翼の部分は基部が瘤のように盛り上がっているだけで、皮翼はありません。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
 気力:15/
 自我:11/
12 12  活力:21/
14 16  生命:25/
打撃  牙:2/爪:1/酸の吐息:効果値7
防御  鱗:3
移動力  3(+3)
◆特殊能力(一般:+3)
  能力 距離 時間 範囲 威力 抵抗

酸の吐息

一瞬

半径5m
(90度)

効果値7

肉体

◆戦闘(一般:+3)
 移動速度はさほどでもないため、待ち伏せ型の狩りを行うことが多いようです。岩の隙間に隠れたり、あるいは樹上で獲物を待ちかまえることが殆どですが、土地によっては水中にひそんで狩りをする場合もあるようです。
 彼らは基本的に、頭が2つある利点を活かした狩りを行います。小型の動物であれば丸のみにしてしまいますが、中型ぐらいの動物であれば、一方が四肢に噛みついて移動力を奪い、もう一方は喉笛などに喰らいついて窒息させようとします。左右から回り込むため、片方に気を取られた時点で勝負は殆ど決まってしまいます。
 なお、頭はそれぞれの思考をもっており、それぞれ別々の目標と戦闘を行うことができます。お互いを助け合うよう性質を持つ、群れで生活する動物を襲う場合は、一方が威嚇している間に一方が獲物を仕留めるという役割分担を行うようです。
 もし彼らに遭遇した場合、気をつけるべきはその吐息です。毒はないのですが、口から強い酸を吐くことができます。酸は半径5mの半円状の空間に広がり、難易度7の肉体抵抗の判定に成功しなければダメージを負うことになります。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/竜
生息地  全域、特に北方に多い/山岳地帯、森林など
活動期  通年/昼行性
出現頻度  きわめてまれ
出現数  単独
反応  中立
調査法  専門書/研究者/狩人/竜の一族など
弱点  なし
 森林や山地に生息する肉食性の竜です。特に岩山を好むようで、鱗の色も赤みを帯びた岩肌で目立たないようになっています。多くは鍾乳洞などの湿った洞穴を巣穴として利用しています。森林などに生息するものは、水場近くの土を掘って塚のような巣穴をつくったり、倒木の下に深いすりばち状の穴を掘って住んだりしています。
 普段は岩場近くの森林や林縁部を徘徊して、草食動物などを捕獲して食料としています。ウサギなどの小動物から大型のシカまで幅広く獲物とします。水中に潜って魚を捕まえることもあるようです。
 非常に耐寒性に優れており、冬季には雪の下に専用の道をつくって中を移動します。内側は非常に頑丈で、雪洞の上を歩いても崩れることはありません。しかし、出入り口付近は薄い雪をかぶせただけになっており、知らずに踏み込めば雪洞へと落ちてしまうことになります。出入り口は幾つも存在し、ここから飛び出して狩りを行うようです。運が悪ければ、穴に落ちた瞬間に噛みつかれることもあるでしょう。それ以前に狩りをした形跡や雪の上をはいずり回った跡を発見した場合は、その付近から速やかに離れるのが賢明といえるでしょう。
◆詳細(専門:+2)
分類  六肢動物/竜類/長竜類
属性  聖気
知能  動物なみ
感覚  通常/聴覚(強化)
状態変化  通常
 双頭の珍しい動物で、それぞれの頭部は完全に独立した存在で、全く同等の構造を持ちます。それぞれの脳は独立して機能しているらしく、頭部は全く別個の行動を独自に行うことができるようです。この動物の面白い点は、雌雄双方の生殖器を持つということで、これらの特徴から変異現象によって雌雄が融合した動物ではないかという研究者もいます。
 なぜ蛇ではなく竜の仲間に分類されるかというと、四肢や翼となる骨の痕跡が残っているからです。しかし、これらは既にその機能を果たしておらず、外部からは瘤のように盛り上がって見えるだけにとどまります。なお、頸骨は翼部の痕跡のような骨格と融合しているようで、重い頭部を支えるのに役立っているようです。
 頭部は独立しているものの、行動時の意志は完全に統一されているようで、進む方向が2つに分かれたり喧嘩するということはありません。。眠りにつくのも同時らしく、体部の感覚も同時に受け取っているようです。ただし、片方の首を切られても、残った方の首だけで生きてゆくことができるようです。
 1個体が非常に広い縄張りを持ち、同じ地域で複数の個体を見かけることは殆どないようです。個体同士の関係については謎が多く、複数の個体が同時に出会っている場面は数度しか発見例がありません。それから判断すると、ある程度は縄張りの意識があるようだが、狩猟場に侵入されない限りは争いは起こさないと考えられています。

◆バリエーション(専門:+4)
 かつて北方で、片方の首が長く、片方の首が極端に短いという個体が発見されたことがあります。
 白銀色の鱗を持つ個体が捕獲された例があります。非常に高値で取り引きされたようです。
 尾も二本あるという個体が目撃されたことがあります。2匹の大蛇の胴体だけが融合しているように見えたそうです。


甲竜(アーマード・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  1
影響度  0
◆名称・分類(一般:±0)
名称  甲竜(アーマード・ドラゴン)
一般認識  一般動物/注意/乗用動物/竜
利用法  乗用
外見  頭胴長が5m程度の小型の竜で、サイのような鎧状の殻をもっています。これは複数の鱗が固まったものらしく、近くで見るとうっすらとした線が入っていることがわかります。肩部を覆う体殻だけが体表面から突出しており、裏の鞍のように体の上面を覆っています。体の色も灰色で、サイによく似ています。顔の輪郭は角形で全体が扁平です。重い体重を支えるために四肢はがっちりとしており、足もかなり広くなっています。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
14 10  気力:26/
10  自我:17/
16 14  活力:36/
18 22  生命:42/
打撃  牙:3/爪:2/尾:1
防御  甲殻:10
移動力  5(+15)

◆戦闘(一般:+3)
 基本的に大人しい動物なので、特にこちらが何もしなければ相手から攻撃することはまずありません。ただし、子供が近くにいる時や繁殖期には、あまり不用意に近づくべきではありません。
 逆に甲竜に接近したり捕獲したりするのは、いささか骨の折れる作業となるでしょう。彼らは外敵の接近に非常に敏感ですし、姿に似合わず逃げ足も速いのです。ですから、罠などを準備して囲い込むようにゆっくり接近し、罠の方向へと徐々に追い立てるのが最もよい方法でしょう。この時、刺激を与えなさすぎても、相手は警戒するだけで移動しようとはしません。逆に、決して相手を怒らせてはいけません。甲竜は温厚ではありますが、外敵と認識したものに対しては積極的に攻撃を仕掛けます。群れで襲いかかられてしまったら、たとえ軍隊でも歯が立たない可能性があります。彼らは火を嫌う性質があるので、たいまつなどをかざしてゆっくりと追い込むのが一番よい方法でしょう。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/竜
生息地  全域、ペルソニア大陸/草原、平原など
活動期  通年/昼行性
出現頻度  きわめてまれ
出現数  数体〜数十体
反応  中立。こちらから襲わなければ敵対的な行動は取らない
調査法  専門書/研究者/竜の一族
弱点  なし/火を嫌う性質があり、近くには寄りつかない
 飛ぶことのできない竜で、草食性です。草原で群れをつくって生活しており、草を求めて草原を移動します。巣をつくることはなく、水場近くで立ったまま集団で眠りにつきます。性格は非常に温厚ですが、外敵に対しては勇敢に戦います。比較的ずんぐりとした体をもつにもかかわらず動作は非常に俊敏で、全速力で逃げている時には、普通の動物はまず追いつけません。辺境ではこの生物を飼いならし、乗用や農耕用の家畜としている所もあります。
 体重が重く、扁平な足形も非常に特徴的なので、追跡するのはあまり難しくはないでしょう。草の食べ方も、食料が豊富な時期は尖端の方だけ食べる癖があるので、それで他の草食動物と区別することができます。しかし、非常に目がよいので、気づかれずに接近するのは容易ではないでしょう。かといって、それほど臆病でもないので、警戒はしてもすぐに逃げ出すということはありません。
 なお、甲竜は火を嫌う性質があるので、火の近くには決して寄りつこうとはしません。ただし、火を近づけたからといって、暴れ出すということもありません。
◆詳細(専門:+2)
分類  六肢動物/竜類/正竜類
属性  聖気
知能  動物なみ
感覚  一般/視覚(強化)/嗅覚(強化)/聴覚(弱化)
状態変化  通常
 遠目に見るとサイの仲間のように見えますが、顔や足の先の方は鱗に覆われておりますし、背中から張り出した鎧状の部分は翼が変形したもので、下にはきちんとした骨格が存在します。このように六肢動物の特徴を備えているので、竜の仲間として分類されています。
 水場と草地を往復して生活しており、1日の移動距離はだいたい20kmほどになります。季節によって活動中心となる水場を転々と移動するので、それによって餌場も変わります。この時はかなりの長い距離を歩くようです。群れはただ寄り集まって生活しているだけの集団で、特にボスがいるわけでもありませんし、役割を分担することもないようです。複数の群れが混在する大集団をつくることもあるようですが、なわばり争いをすることもありません。適当な頻度で個体の交換も起こるようですが、新しく入ってきたものを追い出すことも決してしないようです。
 普段はあまり鳴かないのですが、繁殖期だけはオスは低いうなり声で相手に自分をアピールします。メスは鳴き声で気に入った相手を選ぶため、オス同士の直接的な争いは見られません。交尾の時は、オスはメスの背中の外殻に噛みつき、相手をしっかりと押さえ込みます。

◆バリエーション(専門:+4)
 絶対変異地帯の付近で、長い一本の角を額に持つ個体が発見されたことがあります。これは変異体だろうと考えられています。
 ペルソニア西部の一部地域に住む亜種は、殻に奇妙な模様のような溝が彫り込まれています。体温を放散する仕組みではないかという説が有力です。
 東部では岩場に生息する小柄な亜種が発見されています。足の裏は岩場に適した柔らかい構造になっており、体つきも細身です。


海竜(シー・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  5
影響度  6
◆名称・分類(一般:±0)
名称  海竜(シー・ドラゴン)/水竜
一般認識  一般動物/脅威/竜
利用法  なし
外見  体長20mを超える大型の竜で、体型や顔の形状はウツボによく似ています。背側の色は暗い青色やくすんだ緑色など、水中で目立たない色になっていますが、腹側は白く透き通った鱗で覆われています。幅よりも縦に広い体構造で、背中の中心には尾の先まで背ビレがつながています。手足に当たる部分にも、皮膜でつくられた小さなヒレがついています。
◆能力・技能(一般:+3)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
11 10  気力:41/
12  自我:18/
11  活力:41/
25 32  生命:68/
打撃  牙:4/尾:3/締め:0
防御  鱗:8
移動力  水中14/地上2
◆特殊能力(一般:+4)
  能力 距離 時間 範囲 威力 抵抗

水中呼吸

◆戦闘(一般:+3)
 あまり報告例はないので詳しくはわかりませんが、基本的に口に入る大きさのものであれば噛みついて攻撃し、そうでないものは体で締め付けて窒息させてから捕食するようです。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  一般動物/竜
生息地  全域/主に沿岸域
活動期  不明
出現頻度  きわめてまれ
出現数  単独
反応  不明
調査法  専門書/研究者/船乗りなど
弱点  なし
 水棲の竜で、体を横にくねらせて水中を移動します。普段は沿岸域を回遊し、大型の魚を捕えて食糧とします。縄張りをもっているようで、大型のものがその中に入り込んだ場合は積極的に攻撃を仕掛けます。自分より大きなものに対しても臆することはなく、船などが縄張りに侵入した時も、その長い体を船体に巻き付けて押し潰そうとします。特定の海域でのみ襲われているようで、船乗りは決してその周辺には近づこうとはしません。なお、キラキラ光るものを好み、巣となる岩場に宝石や金貨などをためこんでいる場合もあるようです。
◆詳細(専門:+2)
分類  未分類(竜類/長竜類/六肢動物)
属性  聖気
知能  動物なみ
感覚  通常/聴覚(強化)
状態変化  通常
 沿岸域に住む生物で個体数も少ないため、詳しい観察は殆どされておりません。サンプルもほとんど存在せず、腐敗した死体が海岸に打ち上げられているのが数例発見されているだけです。翼にあたる部分に痕跡的な骨格が残っているため、六肢動物の仲間とされています。しかし、鰓状の呼吸孔が体の側面にあったり、ヒレ化した四肢を持っていたりと、魚に似た構造も多々見られ、正確な分類はまだなされておりません。
 魚類を中心とした肉食性ですが、あまり獲物を選ぶことはしないようです。大型の回遊魚を好むようですが、イカやウミガメなども食べますし、珍しいところではアザラシなども襲うようです。人間も獲物とします。
 なお、霊子機関を積んだ船が通った場合、特に攻撃的になる傾向があるようです。原因はよくわかっておりませんが、霊子機関が高音を発することが何か関係しているという説があるようです。

◆バリエーション(専門:+4)
 黄金の体を持つ大型の亜種がいるという噂がありますが、あくまでも漁民の間で語られる不確実な情報に過ぎません。
 翼を持ち、海の中を飛ぶように移動する個体が発見されたことがあります。しかし、あまり信憑性のない噂としてしか認識されていません。
 北方の海域に住む亜種は、脂肪が厚いためかずんぐりとした形状をしているようです。全体に体も大型であるという報告があります。
 以前、外側に呼吸孔が存在しない個体が発見されたことがあります。死体の損傷が激しかったため詳しいことはわかりませんが、その個体は鱗も非常に厚く、目に当たる器官も見つかりませんでした。

◆未知
 海洋を広く回遊する大型の亜種が存在します。これが黄金の体を持ち、翼を持つという個体のことなのです。ただし、黄金色の鱗は繁殖期のみに存在するもので、通常は青みがかった黒鉄色という目立たない色をしています。体長はおよそ35mほどになりますが、メスは小柄でせいぜい20mくらいにしかならないようです。
 1年をかけて広域を移動するのが特徴で、潮の流れにのって西海全域を回遊します。交尾期にはほとんどの個体が西海中央に集まり、かなり深くまで潜って交尾を行います。そのため、黄金色になる時期にはなおさら発見例が少なく、幻の存在として語られるようになっているのです。
 この亜種も霊子機関を襲う習性は変わりませんから、新大陸への航行が行われるようになった現在では、発見される可能性は非常に高くなっています。これは霊子機関は発する音を嫌うための行動であり、エンジンを停止していれば襲われることはないでしょう。


妖精竜(フェアリー・ドラゴン)
◆判定
副技能  専門分野-教育知識:生物学/博物知識:博物学
 一般分野-博物知識
不明度  7
影響度  0
◆名称・分類(一般:±0)
名称  妖精竜(フェアリー・ドラゴン)
一般認識  妖精/特殊/竜
利用法  なし
外見  体長40〜60cmくらいの小型の竜で、小竜をそのまま小さくしたような姿をしています。しかし、全体的にずんぐりとしているので、可愛らしい印象を与えます。他の竜に比べて、黒目の部分が大きいことも愛らしさを感じさせる一因のようです。体色は様々で、個体ごとに異なるという意見もあります。
◆能力・技能(不明)
  主能力 抵抗値 判定値 耐久値/現在値
 気力:13/
 自我:12/
 活力:11/
 生命:9/
打撃  爪:0/牙:1/炎の吐息:効果値3
防御  鱗:2
移動力  2(+5)/空中7
◆特殊能力(一般:+4)
  能力 距離 時間 範囲 威力 抵抗

火炎の無効化

飛行

炎の吐息

一瞬

半径5m
(90度)

効果値3

肉体

◆戦闘(一般:+3)
 人間と戦ったという記録がないため、どのような態度を取るのかはっきりしません。ただ、炎を吐くことができるようです。炎は半径5mの半円状の空間を焼くことができ、これに耐えるには難易度3の肉体抵抗の判定に成功しなければなりません。
 なお、物語の中では木の葉の陰や木の洞などに姿を隠したり、空高く飛んで逃げ出すという記述が多く、臆病な生き物ではないかと思われています。

◆生態・反応(一般:+1)
分類  妖精/竜
生息地  不明
活動期  不明
出現頻度  きわめてまれ
出現数  単独〜数体
反応  中立。よほどのことがなければ攻撃はしないと考えられている
調査法  不明
弱点  なし
 生息地は不明ですが、フェアリー・ドラゴンの名が示すように、妖精とともに行動するという伝承が各地に残っています。妖精界の生き物という説もありますが、発見例も非常に少ないので、正確なことは定かではありません。
 習性にも謎が多く、どのような生活をしているのかという情報は皆無に等しいようです。木の洞を巣にしているという話もありますが、それも確認されたことはありません。ただ、空を飛んで移動することと、雑食性らしいことはわかっています。
◆詳細(専門:+2)
分類  未分類(六肢動物?/竜目?/正竜類?)
属性  聖気?
知能  低い?
感覚  通常?
状態変化  通常?
 詳しい研究はまったくなされておらず、死体が発見された例もないようです。ただ、その形状から竜の仲間ではないかと言われています。今までに発見された鱗から判断すると、この大きさで既に数十年生きている個体も存在するようで、それ以上は成長しない種という説が最も有力視されています。小竜の幼生体ではないかと考える研究者もいるようです。

◆バリエーション(専門:+4)
 人間の言葉を話す個体がいたという話がありますが、あくまでも物語の中の話としか考えられておりません。
 手のひらサイズの非常に小さい体の個体が発見された記録があります。

◆未知
 この竜は妖精界の生き物です。妖精が人間界へ来る時に護衛として随行することが多いので、妖精譚に度々出てくるようになったようです。知能は低いと考えられていますが、実は人間並みの判断力があります。ただ、言葉を話すことはできず、妖精とは心話の能力で会話をしています。
 妖精と同様に、妖精の輪をつくる能力を持ち、妖精界と実世界を自由に行き来することができます。また、亜空間に姿を隠す能力を持っているので、よほどのことがなければ見つけたり捕まえたりすることはできないでしょう。


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