野外調査


 


○天候

 野外では天候について常に注意していなければなりません。雨や風に視界を妨げられて思わぬ事故を引き起こしてしまう可能性もありますし、遭難して帰ってこれなくなることもあります。大きな自然災害でなくても、ちょっとした霧によって方向がわからなくなる場合もあれば、風邪を引いて動けなくなってしまうことも考えられます。自然の中ではどんな小さなことに対しても、油断せずに気を配っておく必要があるでしょう。
 それから危険以外にも、風雨によって足跡や匂いなどの重要な手がかりが消されてしまう可能性が考えられます。逆に自分の痕跡を消したい場合に、これらを積極的に利用する方法もあります。うまく気象条件を利用すれば、気づかれずに相手の背後に回ることも可能となります。

 天候の推移は天候予測(専門:知+記憶)の技能で判断することができます。雲や風の状態、それから湿気などから判断して、今後の天気の移り変わりを大雑把に判断することができます。勝手の分からない場所では、地域の住民に特徴を聞いておくことも大事です。霧の出やすい条件などが予めわかっていれば、むやみに危険にさらされることもなくなるでしょう。

 なお、変異現象による天候の変化というものも存在します。有名なものであれば、変異知識(一般:知+記憶)の技能で判定することができます。地域に限定されていて一般にはほとんど知られていないような変異の場合は、よく似た現象から類推するか、やはりその場所の住民に尋ねる必要があるでしょう。


○生物

 野外で特定の生物に関する調査を行う場合もあります。また、変異体の側から人間を襲うこともあるので、危険を回避するために情報が必要となることもあるでしょう。
 まず最初に知っておくべきことは、この世界に現存する生物種は現実以上に多彩であるということです。それは変異種が存在するせいで、分類学の進歩も非常に遅れているのです。そのため、地域に特異的に分布する生物の中には、未だ人々に知られていない種類もたくさんいます。そういった生物に関しては既存の情報から類推したり、その地域に住む人々から情報を集めるしかありません。

 動物や植物に関する知識は、動物知識(一般:知+記憶)および植物知識(一般:知+記憶)の技能で判定することができます。植物知識には一般のものだけでなく変異体の情報も含まれておりますが、動物知識の場合は、一般動物、変異獣、竜族の情報までとなります。その他の怪物に関する知識は、怪物知識(一般:知+記憶)の技能で判定しなければなりません。
 これらは全て一般知識であり、判定に成功しても得られるのは簡単な情報にとどまります。生息地や習性、それから毒性や一般的な利用法といった情報まではわかっても、分類学的な知識や詳細な性質まではわからないのです。より学術的な情報に関しては、専門知識である生物学(専門:知+記憶)や博物学(専門:知+記憶)といった技能が必要となります。
 ただし、図鑑や野外用の小型ハンドブックなども本屋に行けば手に入りますので、それらを携行していれば判定に失敗しても、ある程度の情報までは調べることが可能です。その場ではわからなくても、記録を残しておいて後から図書館で文献を検索したり、専門家に尋ねることもできます。専門家に依頼するにしても、学術機関では調査料などは取られないことが多いでしょう。分析など手間や費用のかかる依頼は別ですが、採取した植物や虫の種類を教えてもらうのに、いちいち料金を支払う必要はありません。新発見に繋がる貴重な情報であれば、逆に謝礼が支払われる場合もあるでしょう。なお、大学や研究機関だけでなく、動物園や植物園、それから博物館の学芸員などに聞くこともできます。

 動物の姿を直接目にしなくても、その痕跡から正体を推測することができます。時には、それだけの情報を手がかりに相手を追跡しなければならないこともあるでしょう。
 単に追跡を行うだけならば、捜索(一般:心+判断)の技能で判定を行うことが可能です。足跡や獣道から後を辿ることができますし、爪痕や糞、それから食べ残しや抜け落ちた体毛から縄張りの範囲を特定することもできるでしょう。しかし、それほどはっきりとした手がかりが残っていなければ、まずは痕跡を探し出すことからはじめなければなりません。動物知識や専門知識が必要とされる場合は、同時判定を行うことになります。
 なお、羽根や足跡、糞といった動物の痕跡から種類を特定するのは、知識と経験が必要とされる作業です。よほど特徴的なものでなければ、マイナスの修正を与えて判定させるべきでしょう。また、鳴き声で居場所を判断することはあるでしょうが、これから種まで特定するというのであれば、やはり不利な修正を与えて判定させる必要があります。
 また、動物の仕業と思われていたものが、悪魔や精霊が起こした事件だったということもありますし、人間が動物に偽装して犯罪を行っていたという場合もあり得ないわけではありません。こういった場合は、動物知識や専門知識の判定でどれだけ優れた成功をおさめても、ほとんど詳しい情報が得られないでしょう。しかし、動物ではないということもまた、立派な手がかりの1つなのです。自分が知らないということがわかれば、専門家の意見を聞いたり、違う視点から捜査を行うことを考えるようになるでしょう。なお、悪魔や精霊、それからアンデッドといった怪物についての専門知識は、異端知識【各種】(専門:知+記憶)の技能で判定しなければなりません。


○サバイバル知識

 野外では普通に生活している時には必要ない、様々な知識が必要とされることがあります。野外生活(一般:知+記憶)の判定しに成功すれば、サバイバル知識やキャンプでの常識について知ることができます。
 野外生活の判定では、かまどの作り方や食料の集め方、それから火の起こし方や方角の判別法など、様々なことがわかります。また、緊急避難や遭難した時の対処法などの知識も含まれているので、道に迷ったり遭難してしまった場合にも役立つことでしょう。ほとんどの軍隊でもこの教育を行っています。


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