精神への何らかの刺激によって、一時的に落ち着きを失ったりすることがあります。ここでは精神に影響が及んだ場合の処理について説明します。これらのルールは必ず使用しなければならないものではなく、選択ルールとして扱って下さい。シナリオの傾向に合わせてGMが判断すればよいでしょう。
精神的ショック
キャラクターは何らかの精神的な影響を受けた時、落ち着いて判断できなくなったり、一瞬の隙ができたりします。たとえば不意打ちを受けたり、銃をつきつけられたなど、動揺をもたらす何らかの事態に遭遇した際には、判断抵抗による抵抗判定を行わなければなりません。
○影響度
この場合は影響度というものを設定して、それを難易度とした抵抗判定を行います。抵抗に成功すれば何も動揺することなく、普段どおりに行動することができます。しかし、抵抗に失敗した時は精神的なショックにより、以後1ラウンドの間は能動的な行動を行うことができなくなります。また、抵抗判定で致命的失敗が出た場合は、体が硬直していかなる行動を取ることもできなくなってしまいます。
・数値の目安
影響度の目安は以下の通りです。なお、これはあくまでも軽い精神的ショックなので、最高でも難易度7ぐらいを限度として下さい。
◆難易度の基準
難易度 状況 1 出会い頭のちょっとした驚き 2 全くの不意打ちや思いがけない発言など 4 想像を全く超えた遭遇や恐怖をともなう脅し
◆難易度の修正
修正 状況 +1 滅多に出会わない事態 +2 普通は日常的に出会うことがない事態 +3 生涯でも滅多に出会うことのない事態
○威圧(一般:心+判断)
威圧の技能によって、相手を脅かすことも可能となります。この場合は、判断抵抗との対抗判定となります。威圧の判定に成功すれば、相手は以後1ラウンドの間は能動的な行動を行うことができなくなります。
威圧を行うには数的優位な状況や武器、あるいは怖い風貌などの、相手を怖いと思わせる要素がなければなりません。ただし、一度抵抗に成功してしまえば、同じ要素による脅しは二度と通用しなくなります。
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自我へのダメージ
○恐怖度
キャラクターは強い精神的打撃を受けた時、自我にダメージを受けることがあります。この場合は恐怖度というものを設定して、それを難易度とした抵抗判定を行うことになります。
・判定
恐怖度とは恐怖の度合いを示す数値で、自我に対する効果値ともなります。恐怖度を難易度として判断抵抗による抵抗判定を行い、抵抗しきれなかった場合には、恐怖度から達成値を引いた値を自我にダメージとして受けることになります。・影響
自我にダメージを受けた時は正常な判断力を失っており、受けたダメージと同じラウンドだけ能動的な行動を取ることができなくなります。まともな会話もできず、話しかけても不明瞭な言葉しか返すことができません。回避判定や抵抗判定などの受動的な行動を行うことは可能ですが、抵抗判定で致命的失敗が出た場合は、体が硬直していかなる行動を取ることもできなくなってしまいます。・馴化
短時間に同じ種類の刺激を受けた場合、何度も繰り返し抵抗判定を行う必要はありません。最初の一度のみ判定すれば十分でしょう。
○気絶判定
自我にダメージを受けた場合には気絶する可能性があります。この時は気絶判定となり、判断抵抗を用いた難易度1の判定を行わなければなりません。抵抗に成功すれば普通に行動できますが、失敗すれば即座に気絶することになります。この判定は自我が減少するたびに行ないます。
・覚醒
この時の気絶は肉体に傷を受けた場合と異なり、頬を叩いたり水を飲ませたりすればすぐに目覚めさせることができます。ただし、目覚めさせるのに最低でも5秒、さらに目覚めた者が周囲の状況を把握するのにも5秒の時間がかかります。
○発狂判定
自我が減少して0以下になった時には、判断抵抗を用いた難易度1の発狂判定をしなければなりません。自我がマイナスになっていた場合は、その値が修正値となります。この判定に成功すれば発狂せずにすみますが、失敗した場合には精神が崩壊して狂人となってしまいます。なお、この判定に成功しても、自我が0以下になった場合は必ず気絶します。
○精神治療
精神医学(専門:知+記憶)の技能を持っている者は、取り乱している人に落ち着きを取り戻させることができます。自我に受けたダメージを難易度とした精神医学の判定に成功すれば、相手はすぐに正常な状態に戻ります。ただし、周囲の状況を把握するのに最低でも5秒の時間がかかるので、能動的行動を行うことができるのは、治療が済んだ次のラウンドからということになります。
○精神耐久値の回復
精神耐久値は自然に回復します。これはキャラクターが十分に休息をとった場合に限られ、最低でも6時間以上の睡眠が必要となります。
・回復
回復する値は、1日につき耐久値に関連する主能力値の分だけです。つまり、気力の場合は心、自我の場合は知となります。ただし、自我がマイナスになっていた場合には、どちらも1ポイントしか回復しません。回復させる時期はキャラクターが目覚める時になります。・不十分な休息
休息が不十分だった場合は、回復する値は一段階下がることになります。自我が0以上の場合でもそれぞれ1ポイント、自我がマイナスの場合はどちらも全く回復しないことになります。また、徹夜などをして休息をとらなかった場合は、いかなる状態でも全く自然回復は起こりません。
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精神の麻痺
○パニック
集団パニックを引き起こしている時などは、人々は興奮のために自分が何をしているか全くわからなくなります。このような場合に落ち着きを取り戻すためには、影響度を難易度とした判断抵抗の判定に成功しなければなりません。
・影響の度合い
抵抗に失敗した場合、[影響度−達成値]×1分の間だけ正常な判断ができなくなります。この間は何か行動しようとする度に、最初に判定した時の失敗の度合い(影響度−達成値)を難易度とした判断抵抗を行わなければなりません。この時に成功すれば落ち着いて物事を判断できますが、失敗した時は間違った判断を下してしまいます。差が3であった場合は、3分の間はあらゆる能動的行動の前にこの判定を行わなければなりません。ただし、回避や抵抗などの受動的行動は普通に行って構いません。
判定に失敗したPCはGMの指示に従って次の行動を決定します。多くの場合は集団に従って盲目的に行動することになるでしょう。PCはそれを正しい判断だと信じ切っているので、通常では絶対に取らないだろう馬鹿げた行動でも、疑いなく行ってしまうのです。・数値の目安
影響度の目安は以下の通りです。GMは周辺状況によって微調整を行って下さい。
◆難易度の基準
難易度 状況 1 軽い喧嘩やいざこざ、あるいは祭などの喧噪 2 自分に被害が及ぶ可能性のある騒動 4 暴動や大きな災害など、命の危険が迫っている時
◆難易度の修正
修正 状況 +1 集団の人数の桁の分だけ+1上昇。数百人規模ならば+3となる +2 周囲の状況が半ば以上把握できない状態 +4 周囲の状況が完全に把握できない状態
○沈静化
パニックに陥った者を落ち着かせるには、以下のような技能による判定に成功する必要があります。
・指揮(一般:知+判断)
パニックに巻き込まれなかった人は、指揮(一般:知+判断)の技能で集団を先導することができます。相手の失敗の度合い(影響度−達成値)を難易度とした判定に成功すれば、集団を誘導することが可能となります。
ただし、判定に成功しても動揺を抑えることが出来るわけではなく、指揮できるのは状況が変化するまでの間に制限されます。何かまた新たな事態に直面した場合は、改めて沈静化の判定を行わなければなりません。
それから、この判定は集団の規模によって難易度が変化します。集団の人数の桁の分だけ難易度が+1ずつ上昇します。たとえば、数百人規模の人数を相手にする場合は、難易度を+2して判定を行わなければなりません。また、人数が多すぎて指示が正確に伝達されない状況にある場合は、不利な修正を加えて判定することになります。
・精神医学(専門:知+記憶)
精神医学の技能を持っている者は、相手に落ち着きを取り戻させることができます。相手の失敗の度合い(影響度−達成値)を難易度とした精神医学の判定に成功すれば、すぐに正常な状態に戻すことができます。
ただし、周囲の状況を把握するのに最低でも5秒の時間がかかるので、能動的行動を行うことができるのは、落ち着きを取り戻した次のラウンドからということになります。また、これは個人を相手とした治療であり、複数人を一度に落ち着かせることはできません。
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