概要
○目的
変異現象を取り扱うシナリオは、それが原因となって起こる問題を解決することを第一目的とします。変異現象そのものを解決するのではないことに注意して下さい。変異現象は結果そのものを術法で治すことも不可能ではありませんが、治らないものも数多く存在するのです。
また、変異現象の影響で肉体的・精神的な歪みを抱えてしまった者は、変異体として一般社会から忌避されることになります。このような事態を避けることが、シナリオの目的となる場合もあります。ですから、このような不遇な人々を積極的に迫害することは、多くの場合はシナリオの目的に反することになるでしょう。たとえ治らないにしても、精神的に癒されることによって救われる場合もある、ということを覚えておいて下さい。キャラクター自身や社会の認識とうまく折り合いをつけて、シナリオ解決への道を模索することこそが、巧いプレイとして評価するべきでしょう。
○楽しみ
・非日常
変異現象は非日常的な出来事であり、その内容も非常に多岐に渡っています。そういった不測の事態に遭遇する驚きや解決方法の試行錯誤といったものが、変異シナリオにおける楽しみの1つとして挙げられるでしょう。・葛藤
変異現象の影響を受けた者は、普通はそのことを隠し通そうとするでしょうし、心理的な葛藤にも悩まされることになるはずです。また、もし他人に知られてしまった場合は、一般社会の偏見の目と戦わなければなりません。これはキャラクターがそういった人々に出会った時にも、必ずつきまとう問題です。・追求
変異現象が起こる原因を解き明かすのも、変異シナリオの楽しみとなるでしょう。より深く追求したい場合は、マスターズパートやシークレットパートに書かれている裏設定を利用することもできます。
先頭へ
舞台
○基本舞台
変異現象は場所はもとより、その対象も何もかもを選ばず無差別に起こるものです。よって、町や都市など人の集まる場所から、海洋や山奥などあらゆる舞台で扱うことができます。シナリオの題材としては非常に広範であるため、実際にはPCに向いた変異現象を1つ設定し、それが効果的に発揮できる舞台を用意するのがよいでしょう。同一の地域では比較的同じ変異現象が起こりやすい傾向があるため、専門家が力を合わせて問題に取り組むこともできます。
その国家や都市で起こる代表的な変異現象は国家のパートに示してありますので、それを題材としたシナリオで遊んでもいいでしょう。職業術法師の多くは、特定の国家にいるのが普通です。たとえば、ルワール大公国の鏡界士やルクレイドにいる夢使いなどがそうです。
なお、ユナスフィール教国やカーカバート、それからロンデニア領であるファイン=ファウンドは、ほとんど変異現象が起こらない地域なので、このタイプのシナリオを行うには不適当です。
○閉鎖空間
変異現象によって閉鎖空間が作り出されてしまうことがあります。これらに取り込まれてしまった場合は、結界や異次元に入り込んでしまった場合と同じように、容易には元に戻ることができなくなってしまいます。シナリオによっては、閉鎖空間から脱出することが目的となることもあるでしょうし、内部で起こる問題を解決しない限り、外に出られないという事態になることもあり得ます。霊や人々の強い思いが、このような現象を引き起こすことが多いようです。
先頭へ
その他
○技能
変異現象を取り扱うシナリオでは、特に必須とされる技能は存在しません。というのは、この現象は千差万別の効果を示すので、個々の内容によってシナリオの展開は変わるためです。
なお、術法があれば変異現象そのものには対処しやすくなるでしょうが、シナリオを解決するということに関していえば、特に有利になるとはいえません。また、術法を1度使えば解決するような問題を、シナリオの中心に据えるのも迂闊といえるでしょう。解決すべきは変異現象が起こす問題であり、表向きの現象ではないということに注意して下さい。
○関連ルール
この世界には、変異を起こす源となる場所や物品といったものが存在します。この変異源となるものに近づく度に、キャラクターたちは肉体や精神に何らかの影響を被ることになります。ゲームマスターはもし必要ならば、変異度という獲得特性を導入しても構いません。
○物品
変異現象の影響を受けた物品が、常識では考えられない不思議な力を持つことがあります。こういった品々もシナリオのネタとなるものです。これらは術法データを参考に作製するとよいでしょう。
先頭へ