感情判定

基本奇跡的成功致命的失敗感情特性


 

基本


 行為判定時に感情ベースを使用することにより、実際のキャラクターの行為に反映させることが出来ます。このように感情ベースを用いる判定のことを感情判定と呼びます。


○選択

 感情判定を行うために誰かの許可を得る必要はありません。行動の前に宣言さえすれば、プレイヤーの判断で自由にこれを行うことが出来ます。


○内容定義

 まず、行為判定の前に1種類の感情ベースを用いることを宣言して下さい。そして、感情ベースの内容定義を行います。
 感情ベースには課題目標、個人要素、他者認識の3種類があります。プレイヤーは感情ベースの使用時に、これらの内容を詳しく定義する必要があり、それに見合った状況でのみ感情判定を使用することが出来ます。


◆定義内容の例

種類 内容
課題目標  シナリオで果たすべき課題を途中で推測し、どのような結果を目指すかを決定する。
個人要素  キャラクターの性格や信条、あるいは記憶や目標などに沿った内容を決定する。
他者認識  誰のために用いるかを決定する。その相手を助ける行動でのみ感情判定が可能となる。


○数値の適用

 感情判定を選択した場合は、判定値か達成値のどちらかの数値を、感情レベルの分だけ変動させることができます。ここで注意しておくことは、感情レベルはプラスとマイナスのどちらにも使えるということです。たとえば判定値が8で感情レベルが3だった場合には、判定値を5あるいは11に変更することができます。判定値に何も加えないまま判定して達成値が4だった場合には、これを1あるいは7に変えることができるのです。
 達成値に加える場合、もし感情レベルを加えた最終的な達成値が判定値を越えても、行為は失敗とはなりません。あくまでも、行為判定の成否はダイス目と判定値との比較によって行われますので、この点には注意して下さい。

・注意
 判定値が1以下になるような感情レベルの使い方はできません。術法を用いて自動的失敗を回避している場合は別ですが、普通の状態では行為判定が失敗することは明らかです。この時は達成値をマイナスするように感情レベルを使って下さい。

・0レベル
 感情レベルは0レベルにも設定することが出来ますし、0レベルの感情ベースを用いて感情判定を行うことも出来ます。ただし、この場合は奇跡的成功と致命的失敗の効果が起こるだけで、判定値や達成値が変化するわけではありません。


○判定回数

 それぞれの感情ベースにつき、判定回数は[4−感情レベル]回となります。

・譲渡
 以前に内容定義した相手に限り、相手に判定回数を譲渡することが出来ます。ただし、相手と何らかの手段で意思の疎通を行うなど、感情を鼓舞するようなきっかけや接触が必要となります。

・回復
 判定回数はゲームが終了すれば回復します。なお、長いシナリオの場合は、途中で区切って回復を行わせて構いません。回復の程度はGMの判断に任せます。


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奇跡的成功


 行為判定時において、サイコロ目の合計が判定値と同じだった場合、その判定は難易度がいくつであっても成功となります。これを自動的成功といいます。たとえば、判定値が8であれば、8を出した時が自動的成功です。
 自動的成功の場合、達成値が難易度を上回っていれば成功値はそのままですが、難易度を下回っていた時に、本来は成功値がマイナスとなるところを±0とすることができます。つまり最低限の成功をおさめたということになるわけです。


○結果

 感情判定を行った時に自動的成功が出た場合、それは奇跡的成功へとシフトします。奇跡的成功は自動的成功にさらに副次的な効果を与えます。
 奇跡的成功が出た場合、その行為は特に素晴らしい結果を残したことになります。非常に狭い学問分野の専門的知識を偶然聞きかじっていたり、遠くにあるコインを銃で撃ち抜くことができたりと、ほとんど不可能と思われる行為をも可能としてしまうのです。

・達成値の変動
 奇跡的成功を残した場合は、達成値にもボーナスを加えることができます。感情判定には特定の感情ベースを使用しますが、そのレベル分を達成値に足すことが可能となります。
 奇跡的成功は自動的成功と同様、達成値が難易度を下回っていても行為は成功です。このような場合でも、まず自動的成功の効果として成功値が±0となり、さらに奇跡的成功のボーナスとして感情レベルを加えることが可能となります。

・対抗
 奇跡的成功は自動的成功と同様、達成値が難易度を下回っていても行為は成功となります。このような場合でも、まず自動的成功の効果として成功値が±0となり、さらに奇跡的成功のボーナスとして感情レベルを加えることができます。ですから、感情レベルが1以上の場合は、受動側がそれ以上の値を出したとしても、抵抗や回避を行うことは不可能となるわけです。

・例外
 奇跡的成功は自動的成功の1種であり、複数人が自動的成功を収めた場合は、奇跡的成功も含めて処理は同時に行われることになります。また、それが能動側と受動側に分かれるような判定だった場合は、通常の判定と同様に能動側の達成値が受動側の難易度となります。ですから、相手に奇跡的成功が出た場合でも、受動側に自動的成功が出れば成功値は±0になるので、奇跡的成功にも対抗することができます。


◆奇跡的成功の例

種類 結果
抵抗判定 ・抵抗:完全に抵抗することができる。

運動技能
・攻撃:自動的成功に加えて感情レベル分の追加ダメージ。
・防御:完全に回避することができる。
・操縦:運行不能と思われる場所をすり抜けることができる。
    間一髪で障害物をかわすことができる。
    崩れたバランスを巧みに立て直すことができる。
・運動:実力以上にうまく体を動かすことができる。
・軽業:誰にも気づかれないように静かに行動できる。
    非常に高い場所から落下しても無傷で済む。

作業技能
・芸術:指折りの傑作を作り上げることができる。
・射撃:自動的成功に加えて感情レベル分の追加ダメージ。
    通常では絶対当たらないような小さな的にも命中。
・運転:運行不能と思われる場所をすり抜けることができる。
    間一髪で障害物をかわすことができる。
・偽装:完璧にものを隠すことができる。
    誰にも見分けられないような変装に成功。
記憶技能 ・知識:その知識について詳細まで完璧に知っている。
    専門的な知識を偶然聞きかじっている。
・言語:知らない言語だが、ごく一部の単語だけは知っている。

判断技能
・交渉:相手とうまく折り合いをつけ、合意を得ることができる。
    相手の欲するところを的確にとらえることができる。
・判断:相手の考えが手に取るようにわかる。
    自分の言いたいことを全て的確に伝えることができる。
・観察:通常では絶対に気づかないような手がかりを偶然得る。
感応技能 ・知覚:遠くのものや非常に小さなものを見つけることができる。
    騒音の中から聞きたい音だけを聞き取ることができる。
    通常では気づかないような異臭を感じとることができる。
・霊感:次に起こることが、まるで見てきたかのようにわかる。
・発明:全くの新技術を開発することができる。
術法 ・術法:対抗する術法の効果を完璧におさえこむことができる。
    自動的成功に加えて感情レベル分の追加ダメージ。


○奇跡ポイントの獲得

 奇跡的成功が出た場合は、奇跡ポイントを1点獲得することが出来ます。


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致命的失敗


 行為判定においてサイコロの目が全て1だった場合には、その判定は自動的に失敗となります。これを自動的失敗といいます。たとえ難易度が1の場合でも、サイコロを1個振って1が出れば自動的失敗となるのです。


○結果

 感情判定で自動的失敗が出た場合、それは致命的失敗へとシフトします。致命的失敗の場合は、その行為は最悪の結果に終わります。忍び足をしていればバケツをひっくり返して大きな音を立てたり、戦闘では拳銃が暴発したり武器が手からすっぽ抜けたりと、さまざまなアクシデントを引き起こすこととなるのです。

・達成値の変動
 数値的な処理としては、達成値から使用した感情のレベルを引くこととなります。自動的失敗は達成値が0ですから、感情レベルにマイナスをつけた値になるということです。


◆致命的失敗の例

主技能 結果
抵抗判定 ・抵抗:抵抗には完全に失敗。
    感情レベル分の追加ダメージを受ける。
運動技能 ・攻撃:武器を落としたり、間違って自分や味方に攻撃が当たる。
・防御:自動的失敗の効果として防御値が0となる。
    さらに感情レベル分の追加ダメージを受ける。
・騎乗:転倒してダメージを受ける。
    障害物や誰かにぶつかって被害を与える。
・運動:転んだり足がつって溺れたりする。
・軽業:大きな音を立てたり、転んだりする。
作業技能 ・芸術:見るに耐えない駄作が仕上がる。
    ちょっとしたミスで最悪の出来になる。
・射撃:弓の弦が切れたり弾詰まりを起こす。
    銃器が暴発し、追加武器+感情レベル分のダメージ。
・運転:機械を破損させ、操縦不能に陥る。
    障害物や誰かにぶつかって被害を与える。
・偽装:誰が見ても明らかに気づくような隠し方。
記憶技能 ・知識:その知識について完全に誤解している。
    当たり前のことなのにどうしても思い出せない。
判断技能 ・交渉:相手を怒らせてしまって交渉が決裂。
    相手の欲するところを誤解したまま行動する。
・策謀:言いくるめに失敗。自分の企みが相手にばれてしまう。
・判断:相手の考えを完全に誤解する。
    自分の言いたいことが全く相手に伝わらずに終わる。
・捜索:誰の目にも明らかな手がかりに気づかない。
    探し回った結果、自分で手がかりをつぶしてしまう。
感応技能 ・知覚:非常にわかりやすいものにまるで気づかない。
    全然違うものに錯覚してしまう。
・霊感:予感はまったくの的外れ。
・発明:全く役に立たない発明だが、その事実に気づかない。
術法 ・術法:術の暴発。術者に不利益な方向へと術の効果が作用する。


○破滅ポイントの獲得

 致命的失敗が出た場合は、破滅ポイントを1点獲得することになります。


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感情特性


○感情特性の保持

 感情判定が成功していた場合、定義内容は感情特性として保持されることになります。感情特性の数には制限はなく、設定した分だけ増えてゆくことになります。ただし、同じ定義内容で判定を行った場合は設定が増えることはなく、同じ感情特性として保持されます。

・特性レベル
 感情特性には使用した[感情レベル+1]レベルの特性レベルというものが設定されます。

・保持
 感情特性はそのシナリオ内で使用される可能性があるため、獲得した直後に定義内容と特性レベルをキャラクターシートに書き込んで下さい。

・例外
 課題目標だけは、シナリオの終了とともに破棄されることになります。それ以外は、シナリオの区切りに関係なく、破棄されるまで保持し続けます。


○感情特性の使用

 保持されている感情特性は、感情ベースと同じように感情判定に使用することが出来ます。

・判定の成功
 新しく内容定義を行う場合とは異なり、判定に成功しても特性レベルは変化しません。


○制限

 1度定義した内容は、キャラクターの行動の妨げとなる場合があります。もし、定義内容に反するような行動を取った場合、GMは強制的に感情判定を行わせることが出来ます。この判定のことを強制判定といいます。

・判定回数
 強制判定は感情判定の残り回数に関係なく行わせることが可能です。これによって判定回数が変化することはありません。

・負の影響
 強制判定時に限って、感情レベルは必ずマイナスの方向で使用しなければなりません。ただし、判定値と達成値のどちらに適用するかは、プレイヤーが自由に決定して構いません。その他のルール適用については、通常の感情判定時と何らかわることはありません。

・相殺効果
 強制判定を行う場合にも、通常と同じように感情判定を行うことが出来ます。これによって、負の影響を相殺することが可能となります。


○破滅ポイントの獲得

 そのシナリオで獲得した感情特性と、シナリオの展開が大きく反するような結果になってしまった場合、シナリオ終了後に特性レベル分の破滅ポイントを得ることになります。

・課題目標
 課題目標として推測した内容が本来果たすべき内容と異なっていた場合、破滅ポイントを獲得することになります。

・個人要素
 個人要素として設定した内容と大きく外れるような行動を選択した場合は、破滅ポイントを獲得することになります。

・他者認識
 
一度助けた相手と敵対するような行為に及んだ場合は、破滅ポイントを獲得することになります。

・破棄
 1CPを消費することによって、保持している感情特性を1つ破棄することが出来ます。


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基本奇跡的成功致命的失敗感情特性