○自然
ブルム内海の出口近くに位置する小さな島です。ごつごつした岩だらけの島で、植物も小さな潅木ぐらいしか生えていません。農耕をするには全く向かない土地ですが、南の岩壁の付近は海鳥の糞が厚い層となって堆積しており、これを切り出したものが良質の肥料として取り引きされています。
島の周囲は非常に海流が乱れており、また無数の暗礁が隠れていることから、穏やかなブルム内海の中では唯一の難所となっています。
○変異
北の入り江に『藍青海』と呼ばれる藍色の海が広がる場所があります。ここは星のように薄ぼんやりと光る何かが流れていますが、その正体はまったくの不明です。というのは、この光は見えることはできても触れることは全くできないためで、特に害を及ぼすわけではないのですが、船乗りたちは気味悪がって近づこうとはしません。
○現況
「船のねぐら」といわれる海賊船の母港となっています。多くは通商海賊として交易船を狙い、荷役の一部を奪うことで生活を成り立たせています。基本的に殺しはせず、彼らはあくまでも通行料として徴税しているのだと言い張ります。逆に通行料を払わない他国の船の方が泥棒だとさえ主張しているのです。
こういった略奪行為に対して、各国は様々な対策を考えてはいるのですが、今のところはこの島の近海を知り尽くしている海賊たちの方が一枚上手のようです。しかし貿易時代に突入した現在、彼らの存在は邪魔以外の何ものでもなく、いずれの国もそろそろ本格的な討伐に乗り出すことでしょう。
また一方で、霊子機関の普及とともに海賊たちの船はいささか時代遅れとなっており、いずれ彼らが食いっぱぐれることになるのは明白です。もちろん海賊たちもこうした事態を見越しており、霊子機関の導入を真剣に検討しています。
○民族
・ラチェン人
海賊王と呼ばれたラグの末裔たちが住んでおり、ほぼ全員が海賊として略奪行為を繰り返すことで生計を立てています。
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