ロンデニア王国/全体情報

概要基本情報国土変異現象文化・生活人物・集団


 

概要


 大陸の西に位置し、西海に面している島国です。大きく4島に分かれており、北の大カルドレン島、中央の小カルドレン島、南のアナリシア島、東のランドレイク島があります。
 聖歴550年代に入る頃には王権の殆どは政治とは切り離されており、実質的な権限を殆ど与えられない象徴的存在として君臨するのみとなりました。貴族の封建的特権も既に廃止されており、早い時期に近代国家へと発展を遂げております。
 平野部の土質が悪く穀物生産量が少ないため、この国は古くから海洋貿易を通じて発展してきました。そのため、優れた航海技術や造船技術を持っており、海軍の実力はエルモア最強とまで評されています。霊子機関の導入も早い時期に行われ、聖歴786年には西海の横断に成功し、新大陸エスティリオを発見することとなりました。そして昨年には、入植を目的として5隻の船をエスティリオへ送り出し、現在は国中が新大陸ブームでわきかえっています。
 しかし、今年に入ってから新大陸の領土問題が持ち上がり、同じく入植を開始したエリスファリアとの間で、小規模ですが海戦が行われるようになっています。さらに周囲の国際状況はロンデニアにとって不都合な方向に働いており、ライヒスデールとフレイディオンの軍事同盟や、カイテインの南方政策と衝突するであろうことは明らかです。いずれ植民地間題に絡んだ大規棋な戦争になるのではないかと、はやくも懸念されております。


 政治:全体/民主主義/三権分立/近代的な政治制度
   :地方/自治体/方式は全国で統一
 代表:国王(象徴的存在)/首相
 貴族
:名誉階級(称号のみ)
 騎士
:なし
 軍隊
:国家が統括/近代的な常備軍
 警察
:国家が統括/通常形態
 司法
:国家が統括
 宗教
:聖母教会/低
 教育
:高
 科学
:高
 術法
:低


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基本情報


 大陸の西に位置し、西海に面している島国です。大きく4島に分かれており、北の大カルドレン島、中央の小カルドレン島、南のアナリシア島、東のランドレイク島があります。
 聖歴550年代に入る頃には王権の殆どは政治とは切り離されており、実質的な権限を殆ど与えられない象徴的存在として君臨するのみとなりました。貴族の封建的特権も既に廃止されており、早い時期に近代国家へと発展を遂げております。
 平野部の土質が悪く穀物生産量が少ないため、この国は古くから海洋貿易を通じて発展してきました。そのため、優れた航海技術や造船技術を持っており、海軍の実力はエルモア最強とまで評されています。


▼国号
 正式名称はロンデニア王国となりますが、一般には単にロンデニアと呼ばれています。

▼国旗
 地の部分は上から青白黒で横に三等分されており、中央には王国をあらわす王冠の下に、天球儀と星と船を組み合わせた紋章が描かれています。紋章の地色はロイヤルレッドと呼ばれる赤で、これはウィンズリー王家の紋章に用いられている色です。

▼貴族
 称号は廃止されておりませんが特権は殆ど失われており、領主という地位も存在しません。一部の貴族は地主や政治家として生き残っておりますが、財産を失って没落した家系も数多くあります。

▼首都
 アナリシア島北部に位置するアイリストール市です。エルモアでも最大規模の都市で、霧と高アヤメの街として知られています。


○現況

 蒸気機関が利用されるようになってからは、「強く、そして遠くへ」を合い言葉に、国民は工業化を強く押し進めてきました。霊子機関の導入も早い時期に行われ、聖歴786年には西海の横断に成功し、新大陸エスティリオを発見することとなりました。そして昨年には、入植を目的として5隻の船をエスティリオへ送り出し、現在は国中が新大陸ブームでわきかえっています。
 しかし、今年に入ってから新大陸の領土問題が持ち上がり、同じく入植を開始したエリスファリアとの間で、小規模ですが海戦が行われるようになっています。さらに周囲の国際状況はロンデニアにとって不都合な方向に働いており、ライヒスデールとフレイディオンの軍事同盟や、カイテインの南方政策と衝突するであろうことは明らかです。いずれ植民地間題に絡んだ大規棋な戦争になるのではないかと、はやくも懸念されております。


○民族

▼シリーシア人(白人)
 亜麻色やプラチナプロンドの髪に、青い瞳の白人です。ロンデニアの主要民族であり、全人口の60%近くを占めています。

▼クルヴィス人(白人)
 やや浅黒い肌を持つ白人で、すこしくすんだブロンド色の髪と褐色の瞳を持ちます。古くから大カルドレン島に住んでいた民族で、全人口の15%程度を占めています。

▼トアルクレア人(白人)
 茶系統や赤い髪と瞳の、そばかすの多い白人です。旧フィアン王国(現ソファイア)が支配していた頃から住んでいる民族で、その多くが南部に存在します。全人口の10%程度を占めています。

▼アデン人/レグラム人(黒人)
 黒髪に黒い瞳の黒人です。ペルソニア大陸から連れて来られた奴隷で、人口の5%程度を占めています。

▼その他
 これらの他にもエストクレア人やユノス系セティア人などが住んでいますが、全部を合わせても人口の10%に満たない程度となります。


○宗教

 聖母教会を信奉していますが、国教ではありません。首都アイリストールに『風の聖カナタ』教会があります。宗教の影響が少ない国です。


○科学・教育

 教育水準は高く、エルモアでもトップクラスの科学技術を誇ります。古い時期から産業改革を推進してきたため、現在ではエルモア屈指の工業大国となっています。近代的な教育制度も整っており、初等学校の6年間は授業料が無料で、地方の農村でも最低限の教育が受けられます。


○産物

▼農産物
 小麦、大麦、燕麦、ライ麦、トウモロコシ

▼鉱産物
 石炭、鉄、亜鉛、スズ、泥炭

▼その他
 綿織物、羊、鶏、製鉄、機械製品


○交易

 古くから海洋貿易によって発展した国で、現在もカーカバートやルワールを通じたアリアナ海貿易や、ペルソニアとの交易を積極的に行っております。島国であることから航海技術も発達しており、近年では大型の霊子汽船の開発も行われています。
 もともと鉄と石炭以外の鉱産資源には乏しいため、植民地から原材料を取り寄せて、加工品を輸出するという方法で外貨を稼いでいます。特に綿織物や鉄材、そして工業機械の輸出が盛んです。ロンデニアの工業力はエルモア屈指であるため、安価な大量生産品は他国の市場をも圧倒しています。


○交通

 工業化は進んでおり、一部の都市間では鉄道による旅客輸送も行われています。また、蒸気機関や霊子機関による自動車なども、町中で見かけられるようになっています。しかし、主流となる交通機関は昔ながらの馬車と船舶であり、遠距離輸送には河川を用いるのが通常のやり方です。


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国土


○概要

▼地勢
 カナン大陸の西方に位置し、西海に面している島国です。大きく4島に分かれており、北の大カルドレン島、中央の小カルドレン島、南のアナリシア島、東のランドレイク島があります。アルメア、ユノス、ソファイアとの間には海峡があり、ここは潮の流れが非常に速くなっています。国土面積に比べ海岸延長が長く、古くから沿岸域を中心に産業が発展してきました。しかし、大陸との間にあるポラス海峡に面する海岸は、急な流れによって浸食を受けている場所が多く、断崖や洞窟がたくさん見られます。
 国土の中央部には山地が存在するため、平野部は主に沿岸域に広がっています。山地と平野の区分は比較的明瞭で、明確な高低差が存在します。このような地形のため急勾配の河川が多く、低平地では古くから洪水による被害を受けてきました。これを解消するために運河の建設が頻繁に行われ、船舶輸送の発達に繋がることとなりました。
 西部や湖水地方を中心とした冷涼で湿潤な平野部は、一帯が小灌木の生える草原で埋め尽くされています。このような土地では、ところどころにムーアランド(荒野)と呼ばれる湿泥炭層が出現し、泥炭(ピート)を得ることが出来ます。これらの土地は、そこに生えている植物の種類や大地の色によって、グレイムーアやブラックムーアなどと区別されて呼ばれています。ムーアランドは地面が湿潤なために澱んだ沼地がよく出現し、霧も発生しやすくなっています。これらの土地は農耕に適さないために、荒れ地として放り出されたままとなっています。そのためロンデニアは自国での穀物生産量が少なく、古くから穀物の輸入が行われてきました。


▼気候
 国家全土が温帯に含まれており、西海の暖流の影響で北部以外は比較的温和な気候となります。夏期は冷涼、冬期は温暖という典型的な西海型気候に属しているため、年間を通じて気温差が少ない、非常に住みやすい条件となっています。
 空気は全体に湿潤ですが、中央部の山岳地帯と西風の影響によって特に西部で雨が多くなり、東部の方は乾燥しています。冬季は北部で雪が降りますが、中部付近から降雪は少なくなり、南部では殆ど見られません。また、海洋と偏西風の影響によって、冬は西岸部の方が暖かくなります。


○地図


 


○要所

▼化石の峰
 岸壁いっぱいに魚の化石の群れが埋まっている場所で、アナリシア島の最北の岬で見ることができます。これは海そのものが石化したためにできたものだと言われています。


▼白亜の壁
 中央の小カルドレン島の海岸は切り立った断崖が多く、人々は石灰質の白い岩壁をさして白亜の壁と呼んでいます。特に南西部は沿岸付近まで山地が張り出しているため、標高400mにもなるナイフで切り取ったような大絶壁が、海から空に向かって垂直にそそり立っています。


▼海食洞窟
 波によって侵食された洞窟で、大カルドレン島の北端部にあります。絶壁から張り出したアーチ型の岩に隠れるように存在しており、中には小舟で乗り入れることが出来ます。外から入り口は7つ見えますが、このうち4つは中で繋がっています。洞窟の一部からは真水が湧き出しており、この水が溜まった池は外から入り込む光で青く透き通って見えます。古くはシェヴァリック王国の漁民たちが信仰していた異端宗教の礼拝堂として用いられていたようで、壁面には祭壇や神像が彫り込まれています。


▼象形奇岩帯
 アナリシア島から南に300kmほど進んだ沖で見られるもので、海から幾つもの岩山が突きだしています。これらの岩は波や風による浸食を受けて様々な形に変化しており、その形状からトカゲ岩やロウソク岩などと呼ばれています。


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変異現象


○発狂現象(犯罪者現象)

 全島で起こる現象で、生き物が急に不可解な行動を取りはじめます。この現象のためにロンデニアはエルモア随一の犯罪大国となっており、犯罪者現象と呼ばれることさえあります。多くの場合は術法をかけると元に戻りますが、発狂していた間の記憶はありません。かすかに記憶を残している者もおりますが、彼らによれば全く経験したことのない幻の光景が目に浮かんだとか、心の中に響いた奇妙な声に従って動いたなど、非常に曖昧な証言ばかりとなります。


▼悪魔の声
 特定の人にしか聞こえない不思議な声で、その人物の考えていることを歪曲して伝え、悪意を呼び起こそうとします。この声によって軽い催眠状態に陥ってしまいますが、誰かが声をかけたりすればすぐに元に戻る場合が多いようです。これは発狂現象の軽いものだと考えられていますが、悪意を持った霊の仕業であるという説もあります。


▼「仮面紳士」事件
 発狂現象の中でも仮面紳士と呼ばれた青年の例は、今もって伝説として語りつがれています。これは聖歴750年頃にアイリストールで起こったもので、簡単に言えば予告殺人事件なのですが、この方法が類を見ないほど残忍だったことが彼を有名にしました。
 標的とする相手は貴族の娘で、もちろん厳重な警戒がなされるにもかかわらず、彼は次々と予告を達成させてゆきました。仮面紳士事件の最も恐ろしい点は、標的を殺害した後に死体をバラバラにし、それを杭で壁に打ちつけるという手口です。しかもその死体のすべてが、必ず宗教画を模したポーズをとっていました。このことから教会は積極的に犯人逮捕に乗り出し、そして遂に仮面紳士を捕らえることに成功したのですが、犯人は意外なことに聖母教会の神学徒でした。彼は普段は温厚で真面目な青年だったそうです。この事件以来、聖母教会の信用は薄くなり、人々の間に銃や科学の力に頼ろうとする風潮が蔓延するようになりました。


○その他

▼海中森林
 中央島の白亜の壁の近く見られるのですが、その名からも予想がつくように、海の中に森林が形成されているという神秘的な現象です。この森林は地上のものと全く違うところはなく、引き潮になると木の梢が姿を現わし、まるで海の上に灌木が植えられているように見えます。洞窟民と呼ばれる岩壁にできた穴を住処としている人々は、ここに集まる魚を生活の糧としています。


▼黒霧海
 象形奇岩帯の付近で1年のうちに幾度か起こる現象で、まったく光を通さない漆黒の霧に海が覆われることがあります。このため、迷い込んだ船舶が消息を絶つことが多く、ロンデニアの船はこの海域を避けて通っています。この近くの海には巨大な怪物が生息しているという噂もありますが、真偽については定かではありません。


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文化・生活


 ロンデニアの人々は冒険心に富み、あまり悩まずに物事を決めてしまう傾向があります。また、非常に賭事が好きで、迷った時はコインを投げて物事を決めたり、もめ事を解決するのにも賭事で勝敗を決することを選択します。
 物言いは非常に率直で、回りくどい話し方をあまり好みません。このため論旨をよくとらえた会話が成立し、議論の場などにおいては話が進みやすくなります。しかし、日常会話ではこれが悪い方に作用する場合があり、馴れ馴れしいと思われたり、逆にそっけないという印象を与えたりします。
 この他、何事も1つにまとめて処理しようとする傾向が強く、政府機関なども同じ建物に全ての機能をまとめてしまうことが多いようです。これは表向きはすっきりして見えますが、内部は非常に雑然とした状態になりがちです。
 また、海洋国家であったためか、島国であるにもかかわらず外国人に対して抵抗を持っておりません。むしろ国外のものを積極的に受け入れてきた国家であり、この国に逃れてくる移住者や亡命者は昔から多く、彼らの技術を取り入れて発展を遂げてきたという経緯があります。


○犯罪

 現在の都市文化は混沌としており、日常生活にも他国や植民地から入ってくる珍しい品が登場するようになりました。しかし、発達した交通手段が運んでくるのは良いことばかりではありません。近年はギャングによる銃器や麻薬の密輸が横行し、都市には得体の知れない流れ者たちが入り込むようになっています。
 変異現象による犯罪も問題ですが、闇社会による社会汚染も深刻です。犯罪都市とまで呼ばれるクラッサス市では、護身用につくられた精度の悪い銃器が容易に人々の手に渡り、数々の間題を引き起こしています。精度の悪さから起こる暴発による死亡者も多数出ていますが、それでも人々は銃にたよらねばならないのが現状のようです。また麻薬問題に絡んだギャングの抗争が目立つようになっており、政府はその対策にも頭を痛めています。


▼不当逮捕
 最近になって、都市人口の増加に歯止めをかける目的で、犯罪者や都市浮浪児たちを強制退去させる都市が増えてきました。これに関連して、不当逮捕の件数も増加しているのですが、これが明るみに出ることはありません。というのは、この国では犯罪者の人権はないがしろにされているということと、逮捕された人々の多くがペルソニア大陸やファイン=ファウンドといった植民地に送られて、強制労働をさせられるためです。しかし、依然として犯罪件数が減少する傾向は見られず、むしろ手口が巧妙化する原因になっています。


○パブ

 昔から治安の悪い環境にあるこの国は、パブ文化という独自の風習をつくりあげました。人々は安心して遊べる場所が少ないことから、いつしか安心できる近所の酒場に集まってくつろぐようになったのです。こうした酒場の多くは家族で楽しめるような娯楽施設を設置していたため、後には老若男女が楽しめるパブという社交場になりました。パブは地域の社交場であるため、余所者には非常に居心地の悪い場所です。逆に、ここへの出入りを認められるようになれば、住人として受け入れられたという証になります。
 パブの遊びには賭事に関するものが多いのですが、子供でも遊べるように掛け金は少額だったり、あるいは家から持ち寄った不要品を賭けてもいいような仕組みになっています。これらは儲けがどうというより、その過程を楽しむことが重要となります。


○食べ物

 主食はパンとジャガイモで、それに魚料理が添えられることが多いようです。緑鰯のきざみ香草和えや、炒め野菜と魚のフライのソース和え、イワシのアンズはさみ揚げといった料理が、よく家庭の食卓にのぼります。また、魚介類の鍋物も非常に好まれています。
 この国では船乗りが多いため、食料の保存技術が発達しており、スモークサーモンや干し魚、あるいはアンチョビーなどがよくつくられます。特に薫製が好まれており、どの家庭にも必ず保存してあります。
 また、最近では他国から輸入された食材もよく見かけられるようになっています。ペルソニア産の砂糖は既に日常のものですし、コーヒーも飲まれるようになっています。コーヒーには砂糖以外に蜂蜜を加えたり、シナモンで香りをつけるなどして飲まれています。
 工業化が進んだことで酒類も大量に生産されるようになっており、機械化されたビール醸造は既に近代産業の1つとなっています。また、他国から輸入された安い穀物でつくられるジンも出回っており、手頃な飲み物として流行しております。しかし、アルコール依存症になる人々も増えており、一部では規制するべきだという声も挙がっています。


○庭園文化

 この国では交易先から輸入した植物で庭園をつくったり、珍しい動物を飼うことが貴族や金持ちのステータスシンボルでした。この風潮は現在も受け継がれており、大きな都市では動物園や植物園をつくったり、熱帯の植物を育てている温室などが存在します。このため、植物の採取を専門とするプラントハンターや、庭師といった職業につく人が大勢います。なお、このような輸入植物の導入は麻薬を広めた一因でもありますし、現在も動植物の密輸といった犯罪が幾つも行われています。
 近年ではレジャー施設の1つとして、ロックガーデンと言われるものが郊外につくられるようになっています。これは荒れ地や岩山を整備して、ちょっとしたアスレチック施設やキャンプ地に作り替えたもので、余暇に日帰り旅行を楽しむことが出来る中層階級の人々に人気があります。


○その他

▼賭事
 ロンデニアの人々は何か問題が起こるとすぐに賭事にしてしまう癖があります。特にスキャンダルを題材にしたものは人気があり、イエローペーパーと呼ばれるゴシップ新聞がよく売れています。

▼お守り
 ギャングの台頭によって犯罪が過激化している昨今では、ペンダントなどのお守りを身につける人が増えてきました。これは実用というよりも、ファッションの一環ととらえた方がよいようで、聖母教会の聖印だけでなく、マイエル教のヘキサグラムなどを首にかけている人もいるようです。こういった流行に便乗して、道端で手作りのお守りを売る若者たちもおり、チープ・アーティストなどと呼ばれています。

▼印刷業
 地図や海図の需要から、この国では古くから印刷業が発展しておりました。これは新聞や雑誌の発展にも繋がり、今では様々な出版物が発行されています。特にスキャンダルを題材にしたものは人気があり、イエローペーパーと呼ばれるゴシップ新聞がよく売れています。

▼ホテル
 この国では河川交通に船舶がよく利用されていますが、これを船宿として貸す商売も存在します。また、歴史建造物を改装して国営ホテルとしたり、貴族が自分の屋敷を宿泊施設に利用して、維持管理費を稼いでいる場合もあります。


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人物・集団


○組織・集団

▼洞窟民
 小カルドレン島の岩壁にできた洞窟に住んでいる人々で、漁を中心とした生活を行っています。一番大きな洞窟は高さが50m、長さは500mにも及び、船をそのまま中に乗り入れることが出来ます。薄暗い場所に住むことから、火を守り神として崇めています。

▼スプリンイッシュ施療院
 カルロッティにある麻薬中毒者を収容する施療所で、教会の付属病院のうちの1つです。

▼ロンデニア王立アカデミー
 王室主催の基金によって立ち上げられた学術団体で、その起源は聖歴622年まで遡ります。運営組織以外は常設の機関ではなく、国家的学術事業を行う際に専門家を選定・招集し、1つの専門学術委員会(王立科学アカデミー、王立史学アカデミーなど)として組織します。
 近年の成果としてはジョン=スミス百科事典の編纂が行われており、非常に高い評価を得ています。また、現在は新大陸の学術調査委員会を立ち上げ、メンバーを募集・選定している最中です。この調査委員会は、次回の渡航に参加する予定となっています。

▼外套派
 外地省および海運省の議員を中心とする政治派閥です。ペルソニア交易に関して力を持つ船舶会社、奴隷売買組織、植民地農場の経営者などを支持者に持ち、植民地に関する既得利権を保護するために活動しています。
 この派閥には黒い噂が絶えず、麻薬の密売などに関与しているという話もありますし、ヴァディス短剣党という秘密結社と繋がりがあるとも囁かれております。短剣党は実際に、テロ活動を模して外套派支持者の敵対会社などを攻撃したり、派閥の不利益に繋がるデモ活動などを妨害しています。ここ数年の調査によって、その背後関係に繋がる幾つもの事実が明らかになったため、現在は政府の要請を受けた公安警察が、より詳細な情報の収集に取り組んでいるようです。なお、この件に関する取材を行っていた政治ジャーナリストと、その知人である官僚の1人が強盗に見せかけて殺害されていることから、警察の方でも警戒を強めています。

▼ベルナード汽船
 有名な豪華客船レッド・オーシャン・スターを保有する、ロンデニアの代表的な海運会社です。国内外に多数の定期航路を持ち、保有船数においてもトップクラスを誇ります。

▼贖罪旅団/暁の兄弟
 冤罪によって住む場所を奪われたり、出所後に居場所を見つけることが出来なかった者たちで構成されている放浪集団です。手に入れた稼ぎや物資は平等に分け合うというのが鉄則であり、可能な限り互いに助け合うことを誓い合った仲間たちです。なお、犯罪者上がりとはいっても、その殆どは食べるために止む無く犯罪に手を染めた者たちであり、根っからの悪人という者はおりません。贖罪旅団という名も世間がそう呼んでいるだけあり、彼ら自身は互いのことを「暁の兄弟」と呼んでおります。
 こういった者たちは、手っ取り早く稼ぐために犯罪に手を染めることが多いのですが、彼らは慈善活動に積極的に参加することで、社会に認めてもらおうと頑張っています。しかし、住居不定者というのは厄介がられるものですし、彼らはその経歴を隠さない主義であるため、地域から追い出されることは珍しくありません。


○人物

▼国王リトマイア2世(男/46歳)
 公務への対処能力には問題はないのですが、女性関係に非常にだらしなく、現在も愛人との間でいくつか問題を起こしています。しかし、こういったスキャンダルはあまりにも起こりすぎていて、国民もまたかといった感じで苦笑して見守っています。

▼ドナン=ミラルド(男/62歳)
 現在のロンデニア首相であり、日和見主義と中道政策で生き残った人物です。責任の回避に関しては天才的ともいえる能力をもっており、部下や秘書は踏み台か生け贄としか思っていないようです。

▼エスティリオーネ=アークセルド(男/43歳)
 西海を渡って新大陸を発見した英雄で、新大陸エスティリオは彼の名からとってつけられました。この業績によって、海務卿(騎士に相当する名誉位)の地位を得ています。昨年には彼の航海日誌をまとめた『西海航記』が発売され、今でも品切れ状態が続いています。彼は新大陸への航海を最後に引退しており、現在は旧市街の北にある別荘で、旅の疲れを癒しながらのんびりと生活しています。

▼ラングリット=バイター(男/66歳)
 国内随一の探偵として知られており、小説家としても有名です。彼が扱った事件をもとにして書かれた推理小説は、発売されるたびにベストセラーになります。

▼ミセス・ホワイト(女/58歳)
 ロックグリン市に住んでいる老婆です。発狂現象によって狂人となってから久しく、身寄りもないままスラム街でゴミを漁って暮らしています。全身白ずくめの装束を身にまとっていることから、ミセス・ホワイトと呼ばれていますが、本当にミセスなのかは誰も知りません。ただ、彼女が時折つぶやく言葉が現実のものになることがあり、人々は彼女の言葉に注目しています。

▼アルタニア=カルフェロッグ(女/64歳)
 ラングリット=バイター氏の影響を受けて、推理にはまってしまった老人です。しかし、偶然の助けもあったとはいえ「死の窃盗事件」を解決して以来、素人探偵として幾多の活躍を見せています。非常におしゃべり好きで、暇を見つけては近所の人たちと噂話で盛り上がっています。

▼ロリアン=ケネス(男/53歳)
 表向きは工場経営者であり、ケイディアン市の名士として知られていますが、裏では麻薬の密売を行っている悪党です。アスペリオス市の麻薬組織とつながりがあり、麻薬の売り上げで私腹を肥やしています。

▼クレスト=フェラード(男/55歳)
 新聞王として名高い叩き上げの経営者であり、彼の会社が発行している新聞3誌は、この国のシェアの5割以上を占めています。少し強引なところもありますが、彼の斬新な発想は常に国民の目を引き、まだまだその地位は安泰のようです。

▼コンラッド=バーンズ(男/60歳)   
 部下たちから親父と呼ばれているギャングの大物で、犯罪都市クラッサスの裏社会を統括しています。彼は仲間からの人望でのし上がったような人物で、単なる悪党とは懐の広さが違います。

▼ラトール=ザナック(男/41歳)
 海軍卿としては最も有名な人物で、エリスファリアの交易船を何隻も沈めています。彼の指揮能力もそうなのですが、潮の流れを読むことにかけては並ぶものはなく、現在まで無敗を誇っています。


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概要基本情報国土変異現象文化・生活人物・集団