乞食組合
○基本
乞食組合は乞食たちの互助組織であり、組合員の保護を第1の目的としています。組合員が何か問題を起こした場合は調停に出向いたり、縄張りを維持するために他の組織と交渉を行なったりします。
しかし、人々に最も関係する仕事は情報屋としての役割です。街のいたるところにいる乞食ですから、情報の仕入れ先には事欠きませんし、情報伝達のスピードも他の追随を許しません。彼らは裏社会との繋がりも深く、相互に情報を交換しているようです。
○グループ
現在、アイリストールには5つの乞食組合があり、それぞれ縄張りを持っています。ただし、その境界は曖昧なものですから、勢力争いに関する揉め事が起こることは珍しくありません。ただし、環状道路内は共用の縄張りとなっており、この内部では諍いを起こさないという暗黙のルールがあります。
▼路地梟
最も大きな組合であると同時に、一番古くに組織された団体でもあります。その縄張りは広く、東西はウェッジ運河の辺りから三日月街まで、南北は移民街からエルザ運河(エルザ・ステップ)までを活動地域としています。都市で起こる出来事で知らないものはないと言われ、裏組合や個人情報屋に様々な情報を提供して利益を得ています。
もともとは百花通りや夜店通りの辺りをねぐらとしていた乞食の集団で、長は現在も百花通りに住んでいるといいます。ただし、コンタクトを取るには仲介者が必要となり、とある路地裏でしか会うことが出来ないという噂があります。・関連:裏組合の「闇梟」と強い繋がりがあります。
▼灰色蜘蛛
暗黒街を中心とする都市西部を縄張りとする組織で、首吊り街から赤矢通りの辺りまでを活動範囲としています。もともとは現在の長老派もこの組合の一員だったのですが、主流派がギャングの「コンウォーリス一家」に付いたことで、2つの組合に分派することになりました。
この集団だけは積極的に活動範囲を広げようとしており、その他の組合と派手なトラブルを起こすことがあります。というのは、彼らはギャングたちに情報網を拡大するよう命じられているためで、少しずつ他の組合の縄張りを侵食していっています。また、彼らは組合員から稼ぎの一部を受け取り、それをギャングに上納することで身を守ってもらうというやり方をしています。・関連:ギャングの「コンウォーリス一家」に情報を提供しています。
▼長老派
もともとは灰色蜘蛛の一員だったのですが、高圧的なギャングに与することをよしとせず、都市西部から旧市街へと活動の拠点を移した集団です。長老という徒名を持つアドゥールが長であるため、このように呼ばれています。・関連:裏組合の「神の鍵束」および「川鴉」と付き合いがあります。
▼ペロー組
南部貧民街を中心に活動している組合で、新興住宅地で物乞いをすることが多いようです。非常に新しく出来た組合で、乞食同士で争いが起こらないよう調停しているだけの、非常に緩い繋がりしかありません。・関連:裏組合の「貧者の黒い手」と付き合いがあります。
▼もぐり魚
枯葉通りから埠頭街までの地域を縄張りとする組織です。市場街の辺りでは、路地梟と縄張りを共有しています。・関連:裏組合の「港守」および「細密画廊」に情報を提供しています。ギャングの「グレイソン一家」とは距離を置きたがっており、あまり情報を流さないよう組合員に通達しています。
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その他
○裏組合「霧浮船」
組織の本体がどこに存在するのか、全く知られていない裏組合です。まるで乞食組合のような奇妙な形態を取っており、裏社会の人間だけが知る連絡場で仕事を請け負うそうです。彼らは情報収集の手腕に長けており、密偵組織のように確実に情報を集めて来ます。
・仕事:情報収集、逃がし屋など
○地下ネットワーク
乞食組合は情報屋や都市浮浪児などと手を組んで地下ネットワークをつくりあげ、地下道を利用した迅速な情報交換を行っています。アイリストールの複雑な地下を実際に知っているのは、彼らを除けば犯罪組織などに限られるでしょう。
○情報屋グループ「狐の尾」
これは組織というわけではなく、一部の民間情報屋の会合のようなもので、情報の売り買いを行っています。また、金銭的なやり取りとは別に、情報屋同士で個人的に親睦を深めたり、社会情勢や噂などについて話したりもします。この会合は定期的に開かれており、まとめて様々な情報を得ることが出来るため、参加したがる情報屋は多いようです。
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