ギャング
アイリストールの北西部にある暗黒街やその周辺地域は、ギャングたちの勢力下にあります。また、その他の小さな集団も幾つか存在しています。
○コンウォーリス一家
暗黒街一帯を支配しているギャング団で、ボスの「テオドア=ナルフィシス」が組織をまとめています。組織の前身は、クラッサス市から流れて来た無法者の一団で、「ディドリー=コンウォーリス」という男が首領を務めておりました。彼らが街に訪れてから30年以上の月日が経ちますが、その勢力は衰えるところを知りません。
この集団が住み着いたのは犯罪者たちの集まる首吊り街ですが、周辺地域には中小規模の裏組合が幾つか存在し、熾烈な縄張り争いを繰り広げておりました。コンウォーリスたちはこの状況を利用し、巧みに立ち回って裏組合同士で潰し合いをさせました。こうして既存勢力を弱体化させると同時に、荒くれ者や目端のきく者を取り込んで勢力を伸ばしていった一家は、最終的に周辺にあった全ての裏組合を壊滅させることに成功します。そして、近くにあった歓楽街を支配下に置いて、現在の暗黒街を形成するに至るのです。
ディドリー=コンウォーリスが亡くなった後は、その右腕であったテオドア=ナルフィシスがディドリーの娘と結婚し、新たなボスの座につきました。ナルフィシスは非常に頭の回る冷酷な男で、彼が跡目を継いでから組織はさらに勢力を拡大しています。現在は市内の各所に支部を置き、裏社会を完全に手中に収めるために強引な活動を続けています。・本部:暗黒街
・地域:全域
▼テオドア=ナルフィシス(白人/男/57歳)
その非情さで知られる暗黒街の帝王で、先代のボスの娘と結婚して跡目を継ぎました。身内にも恐れられる冷酷な人物で、部下のミスは絶対に許さず、時には死をもって償わせることもあるそうです。一見その手口は豪快に見えながら、実は知恵の回る用意周到な男で、何らかの行動を起こす際には、警察の上層部や政治家に必ず手を回しています。
▼仕事
窃盗、強盗、密輸、麻薬の売買、用心棒、人身売買、闇金融といった犯罪行為はもちろん、公共工事に関する汚職、あるいは暗黒街の娼館・酒場・カジノといった店の経営など、非常に幅広く活動しています。
○小集団
現在、南部貧民街や埠頭街に新しい組織が生まれ、少しずつ勢力を伸ばしつつあります。
▼グレイソン一家
埠頭街で活動している裏組合「港守」から分派して出来たギャング団で、この2つの組織は縄張り争いで対立しています。彼らの拠点は倉庫街に近い場所にある建物に置かれています。・本部:埠頭街
・地域:埠頭街周辺
▼ダービィ一家
数年前から南部貧民街の外れに隠れ住むようになったダービィ兄弟が組織するギャングで、もともとは強盗団として活動しておりました。彼らは極めて粗暴な人間たちで、人殺しでさえ何とも思っておりません。現在はそれほど大きな組織ではありませんが、近郊で活動する裏組合「貧者の黒い手」を乗っ取って、組織を拡大しようと目論んでいます。・本部:南部貧民街
・地域:南部貧民街、新興住宅地、移民街
○外部組織
コンウォーリス一家の影響で、アイリストールの裏組合は全体に弱体化の傾向にあります。そのため、他の都市のギャング団が入り込み、縄張りを奪おうとする可能性があります。
○ストリートギャング
貧民区の都市浮浪児たちが犯罪に手を染める確率は高く、将来的にギャングの一員となって働く者たちもいることから、最近では都市の大きな問題となっています。その予備軍となっているのが、ストリートギャングとも呼ばれる浮浪児集団で、年若いうちから犯罪者の手下として働き、情報屋の真似事や麻薬の密売などを行なっています。
彼らは一見すると単なる子供ですが、マッチ売りや清掃夫などに扮して裏の仕事を行なっているので、警察もなかなか見分けことは出来ません。多くは歓楽街近くの裏路地などで活動していますが、どのギャング団も勢力を拡大しようとしているため、その他の地域で彼らの姿を見かけることもあるでしょう。
また、最近では彼ら自身の組織拡大のために、他の都市浮浪児のグループを襲って、力尽くで傘下に納めようとする事件も頻発しています。しかし、これを取り締まろうとする者もおりませんので、当然のことながら自分たちの身は戦うか逃げるかして守らなければなりません。このため、彼らの間の争いは過激化する傾向にあり、まれにですが死者が出ることもあるようです。・集団:ベルモット団、スティレット・アサシンズ、ワイルド・デビル
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裏組合
○基本
古くからアイリストールで暗躍してきた秘密結社ですが、コンウォーリス一家の影響で活動規模は縮小しており、少しずつ姿を消しつつあります。
▼仕事
窃盗、故買屋、偽造、情報収集、逃がし屋といった稼業が中心となり、それぞれの組織で得意とする分野が異なります。また、大きな組織の場合は、賭博、斡旋、用心棒といった仕事を行なうこともあります。
○集団
・種類:闇梟、川鴉、港守、霧浮船、神の鍵束、貧者の黒い手(黒手組)、細密画廊
▼闇梟
百花通りを中心に、都市の中南部一帯を支配している裏組合です。しかし、つい最近のことですが、長がコンウォーリス一家に暗殺されるという事件が起こり、組織は大きな混乱に陥っています。というのは、跡目争いの末に組合長の座についたのが、裏の世界とは全く無縁に過ごして来た、弱冠20歳の長の1人娘だったからです。
彼女を長の座につけたのは組織のナンバー2を中心とする勢力ですが、彼らにとって誤算だったのは、新しい長が単なるお飾りのままではおらず、組織運営に事細かく口を出してくることです。これによって組織は内部で分裂しかかっており、ギャングたちはこの隙をついて、暗殺や引き抜き工作などの様々な揺さぶりをかけてきている状態です。・仕事:全般
・本部:百花通り
・地域:南東地区、南西地区、その他(環状道路、東部地区、新市街など)
▼川鴉
市の南西部で活動している集団で、かつては闇梟と同等の力を持った、アイリストール最大規模の裏組合でした。しかし、ギャングのコンウォーリス一家によって、既に組織は壊滅に近い状態に追い込まれており、構成員の多くがギャングの手下となって働いているのが現状です。
窃盗品の売買や密輸などが主な稼業で、かつては闇市を開いて大きな稼ぎを手にしていましたが、現在は地下で小さな故買屋を営むコソ泥集団に成り下がっています。組織の復興を目指して活動を続けておりますが、もはや周辺組織に対抗する力は無く、自然消滅も時間の問題と考えられています。・仕事:窃盗、故買屋など
・本部:葦毛通り
・地域:南西地区、新興住宅地など
▼港守
賭博場の経営と商店の用心棒といった稼業を中心として活動してきた埠頭街の裏組合です。しかし、この組織は現在分裂状態にあり、一部はギャングの「グレイソン一家」として活動を開始しています。・仕事:賭博、用心棒など
・本部:埠頭街
・地域:埠頭街、北部地区、東部地区
▼霧浮船
組織の本体がどこに存在するのか、全く知られていない裏組合です。まるで乞食組合のような奇妙な形態を取っており、裏社会の人間だけが知る連絡場で仕事を請け負うそうです。彼らは情報収集の手腕に長けており、密偵組織のように確実に情報を集めて来ます。・仕事:情報収集、逃がし屋など
・本部:不明
・地域:不定
▼神の鍵束
旧市街に本部を置いておりますが、アイリストール市内だけでなく、その周辺地域でも広く活動を行なっています。彼らは少し変わった組織で、依頼に応じて盗みを働くプロの窃盗集団です。顧客は裏社会の人間ばかりとは限らないようで、貴族や一般の企業から依頼を受けることもあるといいますし、過去には政府の仕事を手掛けたという噂もあります。
組合員にはそれぞれ得意分野があり、チームを組んで仕事を行ないます。支部はチームごとに設けられており、市内の様々な場所に潜伏しています。・仕事:主に窃盗
・本部:旧市街
・地域:不定
▼貧者の黒い手(黒手組)
南部貧民街の軽犯罪者たちをまとめている新興の組織で、黒手組とも呼ばれています。表向きは民間主催の救貧院を装い、仕事のない貧民や都市浮浪児などに窃盗を行なわせ、そのかわりに食料や寝床を提供しています。盗品は組織が経営する別の街の古物店や、闇市で売り捌いています。・仕事:窃盗、故買屋、用心棒など
・本部:南部貧民街
・地域:南部一帯
▼細密画廊
穂波通りに本部を置く偽造・詐欺集団で、基本的に窃盗などの稼業は行なっておりません。彼らは様々なタイプの偽造屋を抱えており、それを使って自ら詐欺行為を行なうこともあれば、外部からの依頼によって書類などを作成する場合もあります。
この組織は非常に独特の存在で、その他の犯罪組織の注文を受けることもあります。そのため、ギャング団とも対立することなく、組織を長らえているようです。・仕事:詐欺、偽造など
・本部:穂波通り
・地域:不定
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