危険・治安

概要治安変異現象


 

概要


 現在は科学技術の発達により、日常生活にも他国や植民地から入ってくる珍しい品が登場するようになりました。しかし、発達した交通手段が運んでくるのは良いことばかりではありません。近年、都市には得体の知れない流れ者たちが入り込むようになっており、ギャングによる銃器や麻薬の密売も横行しています。都市の治安は悪化の一途をたどっており、慢性的な社会問題として対策が急がれています。


○種類

 アイリストールでは以下のような様々な危険が待ち受けています。


▼犯罪
 ここ数十年間の人口増加に比例して、犯罪件数も飛躍的に増大しています。夜間は都市に立ちこめる霧が犯罪者の存在を包み隠してしまうため、特に注意しなければなりません。

▼発狂現象
 
ロンデニアに特異的に発生する変異現象で、別名を犯罪者現象といいます。、生き物が急に不可解な行動を取りはじめるというもので、術法をかけると元に戻るのですが、発狂していた間の記憶は全くありません。

▼ギャング
 
新興の犯罪組織で、市の北西部にある暗黒街を牛耳っています。密輸や麻薬の販売などを行っており、裏組合などとの抗争が起こることもあります。

▼怪物
 
アイリストールには悪魔もよく出没し、人々を堕落させようと日々活動を続けています。また、霧死人といった不死者やその他の怪物があらわれることもあります。

▼麻薬問題
 
ギャングが密輸する麻薬が、現在この街に様々な問題を引き起こしています。これに絡んだ犯罪も急増しており、近々専任の捜査班が結成されるという話もあります。


○危険地域

▼市内

◇暗黒街
 ギャングたちが支配している街で、表通りには組織が経営している酒場や娼館が並んでいます。裏通りの暗がりは、ギャングに属する麻薬の売人や、スリ・追い剥ぎといった犯罪者がたむろする場所となり、一般の市民は決して近づこうとはしません。

◇北部貧民街
 暗黒街の北にある貧民街には、多くの浮浪者や都市浮浪児が住んでいます。この辺りでは喧嘩や盗みといった犯罪行為は日常茶飯事で、外部から入り込んだ者はスリや恐喝などの事件に巻き込まれる可能性があります。

◇百花通り
 
裏組合「闇梟」の勢力下にある歓楽街です。暗黒街ほど危険な地域ではありませんが、金銭に関係する揉め事や大きなトラブルを引き起こした場合に、組織の人間がトラブル処理に出て来ることがあります。

◇埠頭街
 船大工や水夫などが多くいる地域で、わりと血の気の多い人々が住んでいるためか、ちょっとした小競り合いや喧嘩に巻き込まれる恐れがあります。最近、この辺りには新興のギャング団があらわれ、古くからある裏組合と縄張り争いをしています。

◇南部貧民街
 新興住宅地と工業地帯の間は、主に下層労働者が住む地域となります。この近辺には浮浪者が大勢暮らしているため、犯罪被害に遭うことも珍しくはありません。

◇下水道
 都市に地下にはり巡らされた下水道は、もう1つの街といっていいほど広大なものです。ここに住みついている人々もおりますし、怪物などが隠れ住んでいる場合もあります。また、裏組合やギャングといった組織は、これを抜け道として犯罪に利用しています。通常は滅多に入ることのない場所ですが、足を踏み入れた場合は十分に警戒しなければなりません。


▼市外

◇湿地帯
 ロンデニアには湿地帯が多く、アイリストールの周辺にも広がっています。一見すると水たまりのように見えますが、1度足を踏み入れたら抜けだせない底なし沼が、そこかしこに散らばっておりますし、特異な怪物が出没する可能性もあります。

◇パトリューク遺跡
 市の真北、旧市街の東に位置する大きな遺跡で、建国前から存在していました。今では観光名所として利用されていますが、最近幽霊が出没するという噂が立っているため、市側では調査隊を出す予定でいます。

◇ゴルゴーニュの森
 都市南部に広がるゴルゴーニュの森は、かつてゴルゴーニュと呼ばれた化け物が出没した地域として知られています。この森に関する様々な不思議な伝承が残っておりますし、現在でも怪物が出没する危険地帯でもあるので、人々はなるべく近づかないようにしています。


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治安


 同じ国内にあるアスペリオス市やカルロッティ市ほどではありませんが、アイリストールはエルモア地方の中でも犯罪の多い場所として知られています。ロンデニアには犯罪者現象のような変異現象もありますが、何より人口増加と貧富の差が、犯罪件数を増大させる最大の要因となっています。


○警察組織

 アイリストールの治安を守るのは首都警察で、州警察に相当する大きな組織となります。これは首都のみならず、周辺地域の警察組織を統括する役割も負っています。


▼状況
 環状道路内とその周辺は警察の目も行き届いており、治安は比較的保たれている場所といえます。しかし、警察組織全体ということで見れば、人口とともに増加する犯罪に対応しきれておらず、無能呼ばわりされることも多いというのが現状です。
 市の中心から離れるほど治安は悪化し、同時に警察組織の腐敗もひどくなってゆきます。ギャングと通じている警察官や、取り締まりで押収した麻薬を横流しする職員、あるいは犯罪者を強請って金品をせしめる刑事など、組織内部にも少なからず犯罪に関わる者が存在します。また、自身の成績を上げるために無実の人間を犯人だと決めつけて、確たる証拠もないのに逮捕するといったことも平然と行なわれているため、私企業では私立探偵に内部捜査を任せることも多くなっているようです。もちろん、真面目で勤勉な警察官もいますが、上層部にも汚職に手を染めたり、自分の地位や現体制を維持することに腐心する者が数多く存在するため、状況が改善されるには長い年月がかかることでしょう。


▼不当逮捕
 最近になって、都市人口の増加に歯止めをかける目的で、犯罪者や都市浮浪児たちを強制退去させる都市が国内で増えてきました。これに関連して不当逮捕の件数も増加しているのですが、このことが明るみに出ることはありません。というのは、この国では犯罪者の人権はないがしろにされているということと、逮捕された人々の多くがペルソニア大陸やファイン=ファウンドといった植民地に送られて、強制労働をさせられるためです。


○明かりと治安

 アイリストールの主要な大通りには、夜間の照明用としてガス燈が設置されています。これは環状道路が出来た都市改造時代につくられたもので、犯罪の防止に大いに役立ちました。とはいえ、これは表通りや比較的裕福な市民が住む住宅街に限った話であり、裏通りでは店先に吊り下げたランプや蝋燭がせいぜいとなり、このような場所での犯罪は依然として減少することはありません。また、霧によって視界が隠されてしまうこともあり、灯火で照らされている場所でも必ずしも安全とは言えないのです。


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変異現象


○発狂現象

 全島で起こる現象で、生き物が急に不可解な行動を取りはじめます。この現象のためにロンデニアはエルモア随一の犯罪大国となっており、犯罪者現象と呼ばれることさえあります。多くの場合は術法をかけると元に戻りますが、発狂していた間の記憶はありません。かすかに記憶を残している者もおりますが、彼らによれば全く経験したことのない幻の光景が目に浮かんだとか、心の中に響いた奇妙な声に従って動いたなど、非常に曖昧な証言ばかりとなります。


▼悪魔の声
 特定の人にしか聞こえない不思議な声で、その人物の考えていることを歪曲して伝え、悪意を呼び起こそうとします。この声によって軽い催眠状態に陥ってしまいますが、誰かが声をかけたりすればすぐに元に戻る場合が多いようです。これは発狂現象の軽いものだと考えられていますが、悪意を持った霊の仕業であるという説もあります。


▼「仮面紳士」事件
 発狂現象の中でも仮面紳士と呼ばれた青年の例は、今もって伝説として語りつがれています。これは聖歴750年頃にアイリストールで起こったもので、簡単に言えば予告殺人事件なのですが、この方法が類を見ないほど残忍だったことが彼を有名にしました。
 標的とする相手は貴族の娘で、もちろん厳重な警戒がなされるにもかかわらず、彼は次々と予告を達成させてゆきました。仮面紳士事件の最も恐ろしい点は、標的を殺害した後に死体をバラバラにし、それを杭で壁に打ちつけるという手口です。しかも、その死体のすべてが、必ず宗教画を模したポーズをとっていました。このことから教会は積極的に犯人逮捕に乗り出し、そして遂に仮面紳士を捕らえることに成功したのですが、犯人は意外なことに聖母教会の神学徒でした。彼は普段は温厚で真面目な青年だったそうです。この事件以来、聖母教会の信用は薄くなり、人々の間に銃や科学の力に頼ろうとする風潮が蔓延するようになりました。


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