上水
ロンデニアは早くから上水道の整備に力を入れた国家であり、都市内部では水道水を利用することが出来ます。古くは上下水の区別がなされておらず、生活水が疫病の感染源となっていたのですが、現在は上下水を完全に分離しています。
○水源
▼現在
主要な水源となっているのはマーム川、レスターファ川、フランジィ川、および湧出している地下水です。ミンキッシュ川には工場や下水の排水がそのまま流れ込んでいるため、エルザ運河も含めて現在はこれを上水として利用しておりません。▼流入
南部工業地帯によってミンキッシュ川が汚染され、これを上水として利用しなくなってから、しばらくはレスターファ川、フランジィ川、および湧水を上水源としておりましたが、やがて人口の増加に従って生活水が不足するようになりました。そのため、ミンキッシュ川をまたいでマーム川の水を市内に引いてくる必要が生じ、人が通る下の部分を上水が流れるという二重構造をもった、二重橋もしくは二階橋と呼ばれる橋が架けられるようになりました。アイリストールには、このような構造の橋が何本か存在します。▼新規
アイリストールの人口増加はとどまるところを知らず、生活水の需要も飛躍的に伸びています。そのため、将来の都市拡大に備えて、現在ミンキッシュ川に新たな浄水場を建設しているところです。浄水場はアイリストールから南に３ｋｍほど離れた、ゼクセスの町の南端にあります。
○その他
▼井戸
市内の各所に設置されている井戸は、地下の湧水を汲み上げて利用しているものです。▼防火用水
市内の小公園や一部の道路には、防火用の水路や貯水槽が設置されています。観光用の池や噴水として見かける水場も、消防用水を兼ねているもので、実際に消火活動に利用されています。▼地下貯水地
一部の広場や河川の合流点近くには、貯水用の施設が地下に設けられています。
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下水
アイリストールは早くから下水道が整備された都市ですが、無計画に建て増しを行ったため非常に入り組んだ状態になっています。
下水道は暗渠が地下に設置されているタイプのもので、道路の雨水受けや下水管から流れ込んだ排水を集めて、ミンキッシュ川およびエルザ運河へと流しています。レンガ積みの暗渠はアーチ型の断面をしており、中央を流れる排水路は３〜４ｍほどの幅になります。流路の脇には幅数十ｃｍほどの測道があり、ここを歩いて移動することが可能です。
○改修計画
下水は未だ河川に直接流されているため、その外観や悪臭の問題から多くの苦情があがっています。特にミンキッシュ川およびウェッジ運河の汚染はひどく、工業地帯を流れる水はコーヒー色に染まっています。そのため、近年ではなるべく都市から離れた旧市街の北へ流すために、新たな下水路と処理場の設置が行なわれています。
この公共事業は増加する貧民を救済雇用するための措置であると同時に、都市人口を郊外へと分散する効果をも期待するもので、旧市街へと移り住む労働者も増えて来ました。しかし、今度は付近に住む富裕層から、治安の悪化を心配する声が聞かれるようになっています。
○利用
地下の下水施設は、排水以外にも以下のような目的で利用されています。
▼地下ネットワーク
乞食組合は情報屋や都市浮浪児などと手を組んで地下ネットワークをつくりあげ、地下道を利用した迅速な情報交換を行っています。アイリストールの複雑な地下を実際に知っているのは、彼らを除けば一部の犯罪組織などに限られるでしょう。▼ゴミあさり
下水道にはゴミあさりがもぐりこむこともあります。彼らは毎日のように明かりと鈎付きの竿、そして大きな袋をかついで暗渠へともぐり、汚れや悪臭に耐えてゴミを集めて稼いでいます。▼犯罪利用
裏組合などが盗品や密輸品を運んだり、闇市場へ出入りするための通路として利用しています。▼逃がし屋
地下の抜け道を使って犯罪者を外部に逃がしたり、表立って都市に出入りすることが出来ない人物を案内する仕事のことです。アイリストールの場合、裏組合のメンバーや乞食たちが、この仕事を請け負うことが多いようです。▼気送管
都市中央部の地下には、暗渠上部に設置された種々の配管と並んで、気送管と呼ばれる空気管が設置されています。これは郵便局や政府施設を繋ぐ情報輸送のための密閉管で、圧縮空気でカプセルを送り出し、わずかの時間で離れた場所に情報を伝達することが出来るというものです。
気送管は区別のために青く塗られており、ブルーチューブと呼ばれています。このことから、気送管を通じて届けられる手紙を、ブルーメールという場合もあります。
○危険
▼怪物
下水に巣くう怪物もいるため、これに襲われて乞食などが死亡することもあります。なお、こういった被害に遭った死体を発見して警察に通報すると、幾らかの報奨金をもらうことが出来ます。▼縄張り
地下にも縄張りがあり、不用意に踏み込んだ者が思わぬ怪我を負うこともあります。▼増水
大雨などで増水した場合には、まれに河川の水面が排出口の高さより上にくることもあります。このような事態を知らずに下水で溺れ死んだ者も、過去には大勢います。
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